前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

前和光市長の松本武洋です。
和光市政での経験を活かして、地方創生や地方自治の研究や教育を通じて世の中のお役に立つべく、教員として地方の現場を歩いています。
市政の現場は離れましたが、和光市を全力応援しています。

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『自治日報』7月1日号「自治」欄「受験者減少時代に求められる公務員試験のあり方」

『自治日報』7月1日号「自治」欄で「受験者減少時代に求められる公務員試験のあり方」を掲載していただきました。なし崩し的に進む公務員試験の軽量化について、受験指導の経験を踏まえ、人事院の人事行政諮問会議での議論にも触れつつ、現場で困っていることや必要な対応についてコメントしています。

人事院に委員会において、あるべき公務員人材像への議論が全く持って不十分なのです。

下新倉小設計会社の担当だった方との邂逅

ある勉強会で下新倉小学校を設計した設計会社の営業担当だった方と邂逅。プロだな、と思ったのは検討会議の第一回で私が話した学校のコンセプトに関する内容を的確に再現していただいたこと。
検討会議の議論を逐一把握し、それを昇華して設計につなげたとのことで、何よりお目にかかれたのが本当に僥倖だった。
ちなみに、下新倉小学校は建築業界他でも評価が高く、
2018 彩の国みどりの優秀プラン賞
2019 JIA 環境建築賞
を受賞している。さすがに私の職務経歴書の賞罰欄には書いていないけれど(笑)、ホワイトボードとプロジェクターを全学級に配備するなど学校のIT化に先駆けた施設であり、他市の学校建設や教室改修コンセプトでも参考にされている。

和光市駅の90周年記念特集が面白い

もう旧聞の世界なのですが、和光市駅の90周年展示、「和光市駅にかかわる7つの数字」、とても面白いですね。

私も市議会議員時代、市長時代に駅頭でお世話になったので、この駅には思い入れがあります。

 

さて、1つ目は、138207人という数字です。これは1日あたりの乗降客数ということで、埼玉県発表資料から持ってきているというところが興味深い。

2つ目は、「第3位」と言うことで、埼玉県内の乗降客数ランキングで和光市駅は、大宮駅、浦和駅に次いで3位だと言うことです。ちなみに手持ちの令和4年度の数字だと、1位大宮452498人、2位浦和168232人、和光市は3位で152950人だそうです。ご存じのように和光市は直通を含みますので、実際にはここまでの混雑感はないのですが、事故などで直通が止まると駅がとんでもないことになるのが納得の数字です。4位朝霞台、5位川口と続きます。

3つ目は、1日あたりの列車本数で、平日は1106本、土曜、休日は952本だそうです。

始発が5時3分で終電が着くのが0時43分なので、1197分ありますから、64.8秒に一本ということになります。

その次は「和光市行き」の平日1日あたりの営業列車本数で、204本、ちなみに土曜休日は193本だそうです。

そして、私が1番「なるほど」と思ったのが、和光市駅で見ることのできる行き先の種類です。ちなみに16種類とのことです。

その中で、残念ながら私は相鉄の西谷駅には行ったことがありません。ちなみに「にしや」駅と読みます。

また和光市駅から乗り換えなしで行ける駅の数は107駅だそうで、和光市駅で見ることのできる車両の種類は17種類だそうです。

今度新しい行き先ができるとしたらどこか、楽しみですね。

改正地方自治法案で分かったのは「政府にコロナ禍からの学びがないこと」である

地方自治法の改正案が国会で審議入り。ダイヤモンドプリンセスの乗客のコロナ禍での集団感染などへの対応が念頭にあるとのことで、私もあの頃の当事者としてコメントしておく。
ダイヤモンドプリンセスで集団感染があり、感染リスクのある方を含む乗客を和光市内にある税大宿舎でケアするということで県を通じて直前に連絡があった。もちろん国家の一大事である。地域住民のことを考えると大変ややこしい案件だが、地元として積極的に協力した。ただ、地域住民の強烈な不安もあるので、乗客が外出しないことやゴミ処理の要望など、地域住民が納得できるよう、要望したり、地域事情を踏まえて対応した。

「和光市駅から関係者が歩いているのでは」的な問い合わせもあり、役所も、政府側も常にピリピリしていた。

直接やるから自治体は黙っとれ、では状況は異なったことだろう。
政府側には説明し納得してもらって、情報の住民への共有も徹底した。住民には知る権利があるからであるし、知らなければ不安に駆られるのが人というものである。
トータルで振り返って、特段不都合はなかった。関連事項で不都合があったとしたら、政府がダイヤモンドプリンセス船内での初期対応で動線の問題でやらかしたり、4月に税大の集団研修をいつも通りやろうとしたり、という政府の対応が挙げられよう。
あとは、乗客の動向を下品かつ露骨に嗅ぎまわるマスコミ・メディアが地域住民を不安にさせたことか。パニック時にナントカ砲とかは不要である。
地域のことは自治体が知っているから、地域の事情を踏まえて協力する。それだけである。この時の対応だが、問題があったとは思わないし、今回の法改正で改善できることがあるとも思わない。むしろ、地域のことを知らない政府とは良好な補完関係だったと思う。政府が秘密主義で情報を出し惜しんだらどうなるか、普段住民対応をしない政府の方には理解できないだろう。しかし、首長や議員、自治体職員は知っている。
今回の法改正を見て、政府は、もっと言うと、法改正に関与した人々は、コロナ禍の初期対応から何も学んでいないことがよくわかった。
定めるべきことがあるとしたら、それは非常時の大権なんてものではなくて、非常時の連携体制の明確化だったり、協議の仕組みを普段から意識して訓練しておくこと。自治体が非常時に正当に判断して使ったお金を保証する、財源のケアなのではないか。
そもそも、この十数年の政府の地方自治への態度は無関心そのものである。マザーテレサの無関心が1番アカン、というコメントではないが、自治体の自治をアシストしてこそ、政府は政府らしい仕事に専念できるのである。

安田女子大学版「地域のリーダーの二十歳のころ」の大団円を迎えて

あらためて、3月までお世話になった安田女子大松本ゼミにおける学生インタビュー企画「地域のリーダーの二十歳のころ」が大団円を迎えたので、振り返りを書かせていただきます。
このシリーズの特徴は、地域のリーダーの二十歳前後に焦点を当て、今の政策や市政運営とのつながりを解きほぐしていく、というものです。
「学生によるインタビュー記事執筆」という企画はいくつかの大学のゼミで行われていますが、このような形の元祖である東大の立花隆ゼミは、学生が会いたい人に会いに行く、というコンセプトでした。また、立花はそれをまとめた「二十歳のころ」という書籍で「何とか読める程度までしか手を加えなかった」という意味のことを言っていて、実は「二十歳のころ」は質、量、内容ともに非常にばらつきの多い、混とんとした書籍に仕上がっています。書籍化までたどり着いたのは立花隆の力によるところが大きいのでしょうが、その量には圧倒されます。ある種の傑作です。ただ、あまりに雑然としていて読み通す、というよりはつまみ読みしようかな、という雰囲気の本だともいえます。
そして、「二十歳のころ」の原点は立花自身の手による「青春漂流」なのですが、「青春漂流」は様々な分野で一家をなした人物の二十歳のころに立花本人がダイブし、当時のことをまるで見てきたように語る、強烈な印象を残してくれる傑作です。
私がこの地域リーダーインタビューの企画を松本ゼミとして始めるにあたり、意識したのは「青春漂流」まではいかないにしても、それなりのクオリティでそろえる、地域で活躍する首長たちのリアルな二十歳を切り取る、そして学生によるインタビュー・執筆という形ながら、私もそれなりの労力を投入する、という形でやってみよう、ということです。「二十歳のころ」より読みやすく、「青春漂流」にも似すぎていない、意義のあるものが作りたい。さらには、意外に活字として見ることが少ない、地方の政治家たちの二十歳を記事として今後、残しいく、第一歩にしようじゃないか、というものです。
私は前職でたくさんの地方の首長さん方と接してきましたが、地道型の首長さんであっても、掘って行くと必ず面白い仕事をしているし、人物としても想像以上に魅力的なのです。そして、彼らの人物像については、地方紙の短評のようなものがあるだけだという印象がありました。
地元紙がロングインタビューすることもありますが、多いのは政策や政見に関するものであり、人物像はよく見えません。また、相手が新聞記者や雑誌記者では首長も構えがちです。
その点、学生たちが相手なら、率直なお話がいただけるのではないか、とも思いました。
また、学生には、まず書く技術を身に着けるために模擬インタビューを2回ずつ行いました。1回はゼミで設定した方(最新年度ではコンサルタントで元川崎市議の小田理恵子さん)について、全員で同じインタビューについて記事を書き、2回目は親御さんなど家族が対象のインタビューでした。
このご家族のインタビューが面白くて、中国地方の昭和生まれの男女が生きてきた時代を私も同時代人として楽しく読ませていただきました。
インタビューがいいのは、コンテンツは最終的にお話を聞かせてくれる方の人生なので、普通にやればあっという間にサイトの文字数制限の3000字に行ってしまうということ。学生がレポートで3000字を書くというのは実に構えるものなのですが、学生たちはなんだ、書けるじゃん、と安心する、というわけです。そうなればしめたもので、学生たちは何の不安もなく本番に臨むことができるのです。
また、執筆ではチェックに生成AIも活用しました。
学生にはAIの使い方から、プロンプトの作り方、文書整理のさせ方まで、徹底的に指導しました。

また、事前(場合によっては事後にも)に地域のことを調べたり、地域を歩いたりするとともに、首長さんたちのこれまでの活動についても調べました。


結果的に、遅くはなりましたが、企画自体が打ち切りになることもなく、ゼミ生全員の作品がライフルホームズプレスのサイトに記事として掲載されました。
どれが面白い、とか面白くない、とか言うと叱られますが、なかには学生の草稿から、何かと手がかかったインタビューもあれば、「おいおい、今の話を学生がどうやってまとめるんだよ」と思ったら、意外にしっかりまとめてきた、とか、一つ一つの作品が本当に様々で、私自身もハラハラドキドキしました。
なかには、知人に事前に話を通していただいた件もあり、まあ、学生のためとはいえ、友情のありがたさか身にしみました。
今後ですが、新しい勤務先ではゼミ生が増えること、必ずしも第一希望にしてくれた学生ばかりではないことを聞いていますので、インタビュー記事まで仕上げるのは希望者という形になりそうです。
また、すでにたくさんの首長さんに「来てもらっていいよ」というお話をいただいているので、首都圏を中心に全国を学生と歩いていきたいと思います。
今回、ゼミ生の活躍の場を与えていただいたライフルホームズプレス編集部の皆様、ライフルの皆様には心から感謝申し上げますとともに、引き続きのご助力をお願い申し上げます。

(三次市内にてゼミ生一同で辛麵調査)
インタビューリスト(記事完成順。インタビュー時の肩書。リンクから記事に飛べます)
明石市長 泉房穂様
総社市長 片岡聡一様
三次市長 福岡誠志様
安芸高田市長 石丸伸二様
米子市長 伊木隆司様
広島県知事 湯崎英彦様
廿日市市長 松本太郎様
広島県教育長 平川理恵様
広島市長 松井一實様
あらためてありがとうございました。

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