「平成31年度施政方針」を掲載します
本年5月、新たな天皇陛下の即位に伴う改元が行われます。消費税のスタートやベルリンの壁崩壊で始まった平成の時代ですが、バブル景気やリーマンショックなどの激しい経済環境の変動が続くとともに、忘れてはならない大災害である阪神・淡路大震災や東日本大震災などにみまわれた激動の30年間でした。その間、我が国においては少子高齢化が着実に進行し、社会保障関連経費の増大、労働力不足などが引き起こす社会問題が顕著化してきており、世界に目を向けると、世界経済の一体化やGAFAに代表される巨大IT企業による情報と利益の独占、ビジネスモデルが大きく変化した製造業など多くの分野での日本企業の競争力の低下など、経済の構造的な変化が日本社会にも影響を及ぼし、相対的な貧困化や格差の拡大をもたらしています。
2040年をピークとする超高齢社会を迎えつつある我が国において、これまで以上に求められるであろうイノベーションや労働生産性の向上への対応は困難を極めるに違いありません。我が国の将来を考えるのに、特に求められるのは人への投資であり、次世代への投資です。
現在、政府は少子高齢化を最大の課題と位置づけ、本年10月に予定される消費税増税による財源を活用して、幼児教育・保育の無償化等を実施するとの方針を示しています。地方の負担が大きくなる幼児教育・保育の無償化については、私も総務省の第32次地方制度調査会での自治体ヒアリングを通して、また、全国市長会の子ども子育て検討会議では座長として議論に加わり、地方の実情や考えを特に次世代育成支援の充実や保育の質の観点から発言させていただいているところであります。
翻って、和光市における平成とは、昭和62年の有楽町線の開通、平成4年の東京外かく環状道路開通、同20年の副都心線開業、同25年の東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転等を大きなばねとして、まちづくりがハード、ソフト両面から強力に推進された時代でした。都市基盤整備では丸山台地区をはじめとした5か所もの土地区画整理事業をやり遂げ、その間、市民参加の推進、地域包括ケアや健康づくりの推進、アジア初となる新元素の発見を機としたニホニウム通りの整備、民間からは日本全国に名をとどろかせるニッポン全国鍋グランプリが発信されるなど、当市の知名度、ブランド力は平成年間を通じて格段に向上して参りました。
そして、新たな元号で迎える2020年には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるとともに、本市は市制施行50周年を迎えることになります。
このような時代の転換期にあって、私は市長として3期目の任期の折り返しを迎えるにあたり、市民生活に密着した市政の果たす役割は非常に大きいものであると痛感するとともに、「のびゆく和光」をさらに具現化するべく、決意を新たにしています。
「人口ボーナス」に依存した成長戦略が効果を失い、まさに「人口オーナス社会」が到来する中、地域には人生100年時代を見据えた一億総活躍社会の体現など、新たな戦略が求められています。
選ばれ、生き残る自治体であり続けるため「のびゆく和光」をテーマに、これまで、和光市の持つ高いポテンシャルを生かした都市基盤整備と住み続けたいと思っていただくための地域コミュニティづくりや福祉の更なる充実を2本の柱として施策を展開してきました。
振り返りますと、昨年はこれまで取り組んできた諸施策の成果を実感できる一年になりました。
まず、ポテンシャルを生かした都市基盤整備の分野では、市内5か所で進めていた土地区画整理事業も和光北インター地域地区と中央第二谷中地区の2か所で基盤整備が完了するとともに、駅北口では土地区画整理事業に併せて高度利用化に向けた取組も進んでいます。
土地区画整理以外でも、東武鉄道株式会社による駅南口の駅ビル建設工事が2020年の春オープンに向け着々と進んでおり、公共施設マネジメント実行計画のリーディングプロジェクトである広沢複合施設整備も事業者が決定し、より具体化してきています。
一方では、長年の課題であった清掃センターの建て替えについても、朝霞市と共同で取り組むことで合意に至り、具体的な検討に入ることとなりました。
また、コミュニティづくりや福祉の充実では、誰もが何らかの形で地域との接点を持てるように従来の自治会活動の支援に加え、市内全ての小学校、中学校にコミュニティスクール制度を導入するとともに、地区社会福祉協議会の設立も展開してきました。
さらに、待機児童の解消に向け保育施設の整備に取り組むとともに、保育の質の維持・向上や、そのための市内の公営保育所の在り方や保育の質の確保に向けた検討も進めてきました。
これらの取組が評価された結果なのか否かは置くとして、昨年の7月には東京メトロのCM「Find my Tokyo」で紹介され、12月にはテレビ東京の人気番組「出没!アド街ック天国」で特集されるなど、これまでになく和光市に注目が集まっています。
このような成果を上げることができたのも、ひとえに、市民各位のお力添えや、議員の皆様のご指導の賜物と改めて感謝申し上げます。
平成31年度市政運営の基本的な考え方
冒頭申し上げましたとおり、時代の転換期を迎えようとしている今、将来にわたり持続可能な市政の運営ができるよう足場を確固たるものにしなければならないと考えています。
全国的には、人口減少社会に突入しており、国は地方創生の取組を推進しています。しかしながら、和光市においては人口増加が続くとともに、交通利便性もますます向上していくなど、これからも発展が期待される状況です。
平成31年度の市政運営としては、これまで「のびゆく和光」をテーマに取り組んできた2本の柱、ポテンシャルを生かした都市基盤整備と地域コミュニティ、福祉の充実を引き続き着実に推進して参ります。
まず、都市基盤整備については、従来からの本市の鉄道・高速道路網における高い交通利便性に加え、東京外かく環状道路の延伸や国道254号バイパスの延伸構想、東武鉄道株式会社による和光市駅南口駅ビルの整備などに伴う本市のポテンシャルを生かし、機を適切にとらえた投資を行っていきます。
次に、地域コミュニティ、福祉の充実については、各地域で進めている都市基盤整備事業と密に連動させた効果的な取組を行うことで、地域の賑わいを生み出していきます。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会なども契機としつつ、新たな地域の絆を生み出すとともに、市民の皆様が郷土和光に愛着を持っていただけるような地域資源を開発し、発信して参ります。
これらの施策の中には、今後の市の方向付けをするような重要な局面を迎える施策もありますので、将来を見据え、その推進に果敢に取り組んで参ります。
そのほかにも、「住んでよかった」、「ずっと住み続けたい」と実感していただけるよう、市民の皆様が安心で安全に生活を送れる施策や2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関連する施策にも積極的に取り組んで参ります。
これらの施策の中で注目すべき取組としては、和光市が九都県市合同防災訓練の埼玉会場となることや午王山遺跡が高い評価を受け国史跡指定を目指すことがあります。
防災訓練では防災意識と地域防災力の向上を図って参ります。午王山遺跡については、国史跡指定と併せて遺跡を資源とした地域の活性化方策についても検討して参ります。
また、2020年度が第四次和光市総合振興計画の最終年度となりますので、時代の変化を見据え、次期の総合振興計画の策定にも着手します。
その一方、清掃センターや小・中学校をはじめ、公共施設の老朽化対策への必要性が高まっています。これまでのまちづくりの取組の成果もあり税収は上がっているものの、高まる社会保障関連経費や将来に向けた必要な投資に充てるための歳出増に伴い、基金残高が極めて低水準になるなど、財政運営の厳しさは年を追うごとに増しています。
市民の皆様が安全に暮らしていくために必要な対応を着実に行うとともに、将来にツケを残さない、規律ある財政運営を行う必要があります。都市計画税及び国民健康保険税の税率見直し、学童クラブ利用料や各種手数料の見直しなどにより、市民の皆様からお預かりした貴重な財源は、未来への種まきとして活用させていただき、将来はしっかり還元しうるものと考えています。
今後も大変厳しい財政運営が予想されますが、将来を見据え、積極的な投資と財政規律の確保のバランスを保ちながら魅力あるまちづくりを進めていきます。
なお、本年は統一地方選挙と参議院議員選挙が重なる12年に1度の「亥年選挙」の年となりますので、選挙事務についても遺漏ないよう取り組んで参ります。
予算及び主要な事業の概要
このような現状認識の下で編成しました平成31年度一般会計当初予算案は、前年度当初予算から1.7%、4億4,600万円増の261億1,200万円となっています。
また、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、和光都市計画事業和光市駅北口土地区画整理事業の4つの特別会計の合計は、前年度に比べ4.2%、5億1,842万8千円減の117億3,893万2千円となっています。
続きまして、第四次和光市総合振興計画基本構想における施策体系の基本目標に沿って、主要な事業の概要について説明いたします。
基本目標Ⅰ 快適で暮らしやすいまち(都市基盤)
『基本目標Ⅰ 快適で暮らしやすいまち(都市基盤)』では、まず、和光市駅北口土地区画整理事業を着実に推進するとともに、和光市駅北口地区の高度利用化を推進するため、市街地再開発事業推進に向けたコーディネートや和光市駅北口地区の商業調査を進めていきます。
次に、和光北インター東部地区において、土地区画整理事業の事業計画策定、環境影響調査などを実施するとともに、地権者の組織である(仮称)和光北インター東部地区土地区画整理組合設立準備会を支援し、区画整理の立ち上げに向けて合意形成を進めて参ります。
次に、越後山土地区画整理事業、白子三丁目中央土地区画整理事業については、事業の完成に向けて各組合の支援を行います。
次に、和光市駅北側にある長期未着手の土地区画整理事業予定区域について、地域毎の整備構想を検討していくなど、長期未着手土地区画整理事業の見直しを進めます。
次に、西寺の上橋の耐震補強設計、谷戸橋の耐震補強工事、芝屋橋の修繕工事を進めるほか、埼玉県による芝宮橋架換工事への負担金を支出するなど、橋梁の安全性を確保します。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、和光市駅から競技会場への交通を円滑にするため、和光市駅南口駅前の市道2002号線と駅前通りである市道406号線の道路改良を進めます。
次に、本年は元素周期表が考案されてから150周年となる国際周期表年に当たることから、日本化学会との共催事業として「ニホニウム通り」整備の総仕上げとなる記念モニュメント設置や完成イベントを行うなど、「113番元素、新元素発見のまち」のPRに努めます。
次に、昨年部分開園をした和光スポーツアイランドについてはテニスコート等の整備工事を進めます。
次に、水道事業では、昨年工事に着手した南浄水場第1・第2配水池改修を進め、下水道事業では浸水対策として5ヵ年計画で進めている越戸川第1号雨水幹線整備を引き続き進めます。
基本目標Ⅱ 自ら学び心豊かに創造性を育むまち(教育・文化・交流)
次に、『基本目標Ⅱ 自ら学び心豊かに創造性を育むまち(教育・文化・交流)』では、まず、長年の懸案でありました白子小学校及び新倉小学校のトイレ改修を行います。また、埼玉県における県道拡幅に伴う北原小学校フェンス・正門の改修を行うことで、通学路の安全性を高めます。また、小学校の特別教室について空調設備の整備に向けた設計を進めます。さらに、老朽化が進む市内小学校・中学校の今後の在り方を検討するため、学校施設に関する個別施設計画を策定します。
次に、白子小学校においてわこうっこクラブを新設するなど、児童の放課後の居場所を充実させます。また、第五小学校敷地内で現在整備中の学童クラブとわこうっこクラブを併設した「さつきのこ学童クラブ」が4月に開設予定であり、本市における放課後児童対策のモデル事業として取組を進めます。
次に、国史跡指定を目指している午王山遺跡につきましては、現況測量図の作成、午王山遺跡総括報告書の策定を行い、国史跡への指定の手続きを進めます。
次に、公民館において、新たに教育と福祉の連携に関する講座を開催いたします。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて気運をさらに醸成するため、1年前イベントの開催や朝霞市・新座市と連携したPR漫画作成などの3市連携事業などを行います。
基本目標Ⅲ 健やかに暮らしみんなで支え合うまち(保健・福祉・医療)
次に、『基本目標Ⅲ 健やかに暮らしみんなで支え合うまち(保健、福祉、医療)』では、まず、保育所の待機児童対策について、現在整備を進めている保育所を1園開園するとともに、さらに1園の保育所の新設整備を進めます。また、みなみ保育園では、大規模改修工事の設計を進めます。
次に、幼児教育・保育の無償化が本年10月から実施される見込みであることから、子ども・子育て支援システムの再構築をはじめとする体制整備を行い、円滑実施に向けて取り組みます。
次に、母子保健では、早期不妊治療助成費補助金制度を創設します。また、乳幼児健診における臨床心理士による相談を充実させるほか、こんにちは赤ちゃん訪問時に保護者の状態をより的確に把握するためのスリーシートの活用を通じ、産後うつケアを推進します。
次に、「長寿あんしんグランドデザイン」に基づく地域密着型サービス事業の拠点等整備として、南エリアに定期巡回・随時対応型訪問介護看護、地域包括支援センター及び介護予防拠点の整備を進め、地域包括ケアシステムのさらなる充実を図ります。
次に、障害者相談支援を充実させるため、北第二地域生活支援センターを開設します。
次に、地域住民すべてを包含する地域運営組織である地区社会福祉協議会の全市展開について、引き続き、地域の皆様とともに取り組みます。
基本目標Ⅳ 安らぎと賑わいある美しいまち(生活・環境・産業)
次に、『基本目標Ⅳ 安らぎと賑わいある美しいまち(生活・環境・産業)』では、まず、8月には和光市が首都圏を挙げての大規模な防災訓練である九都県市合同防災訓練の埼玉会場となります。この訓練を、市民の皆様と自衛隊・警察・消防をはじめ関係機関が1つになって市内全域で行うことにより、地域の防災力を高めます。そのほか、防災倉庫の設置など防災力の強化を図ります。
次に、自治会補助金において、自治会活動保険事業補助及び地域連携事業補助を新たに創設することにより、自治会活動を支援してまいります。
次に、コミュニティ施設の現況や今後の在り方を見据えながら、新たな施設の整備に取り組みます。また、勤労青少年ホームについて、埼玉県が所有する敷地の用地取得に向けた検討を進めます。
次に、和光市駅南口に東武鉄道株式会社が建設中の駅ビルに関連して、和光市駅南口のエレベーター及びエスカレーターの設置を支援し、和光市駅を利用する市民の皆様の利便性を向上させるとともに、バリアフリーの観点からの改善を図ります。
次に、悪質商法や振り込め詐欺などの手口が年々複雑巧妙になっていることから、引き続き消費生活相談員を配置し、消費者が抱える様々な問題・相談に対応します。
次に、朝霞市とのごみ焼却処理施設の共同設置に向け、ごみ処理広域化基本構想を策定するほか、事業用地の取得に向けた測量や不動産鑑定評価を進めます。また、新施設の供用開始までは、現在の清掃センターの延命化が不可欠であることから、必要な施設の修繕を行います。
Ⅴ 構想の推進に当たって
最後に、『Ⅴ 構想の推進に当たって』では、まず、制度見直しのために休止していた協働事業提案制度の再開に伴い、再開後初となる市民提案による協働型委託事業を行います。
次に、2020年に迎える市制施行50周年に向けて、市民参加による記念事業の準備に取り組みます。
次に、第四次和光市総合振興計画の進捗状況の評価を踏まえ、様々な市民参加の手法も取り入れながら、2021年度から2030年度までを計画期間とする第五次和光市総合振興計画の策定を進めます。
次に、5月には新天皇の即位に伴う改元があることから、新元号対応に向けての所要の対応を図ります。
次に、第二期公共施設マネジメント実行計画の策定に向けて、民間活力による公共施設の利活用方法などを検討します。
次に、広沢複合施設整備については、当市で初めてのPPP・PFI事業として、いよいよ具体的な設計が始まります。併せて、広沢地区全体の賑わいを生み、エリアマネジメントをけん引するための「市庁舎にぎわいプラン基本計画」を策定し、市域南側の活性化の核として推進します。
次に、行政への不当な圧力行為などに適切に対応するため、新たに行政保安員を配置します。
次に、第二次和光市行政改革推進計画に基づき、公平性、公益性、適時性などの観点から補助・扶助事業の見直しを行います。
次に、本年は、県議会議員選挙、市議会議員選挙、参議院議員選挙、県知事選挙などが予定され選挙が多く行われる年になることから、投票率の向上を図るため、啓発活動に努めます。
以上、平成31年度の市政運営の基本的な方針及び主な施策の概要を述べさせていただきました。
むすび
人口減少、少子・高齢社会が確実に進行している我が国において、現在、本市は人口増加が続いており、若い世代も多く比較的恵まれた状況にあるといえます。しかしながら、高齢化の進行に伴う社会保障関連経費をはじめとする義務的経費の増加や、公共施設等の維持管理に要する経常経費の増加等を勘案すると、今後、都市基盤整備などの投資的経費の財源確保が困難になっていきます。行政経営における課題は山積しておりますが、これらの課題に対応するための確実な処方箋は残念ながら存在いたしません。
私は平成21年5月の市長就任以来、今日まで約10年にわたり厳しい財政状況の中で、市民の皆様の知恵を結集しながら市政の舵取りを担って参りました。これまでの経験をしっかりと踏まえ、進むべき方向をお示しし、市民の皆様と対話を重ね、さらなる知恵を出し合い諸課題の解決に向け全力で取り組んで参ります。
平成31年度は、まちづくりや公共施設再整備の取組が大きく動くとともに、本市の最上位計画である第五次和光市総合振興計画の策定を進める年であり、これにより和光市の将来の骨格を明確にして行く年となります。
将来を見据えてまちの魅力を高め、私たちの子や孫、その先の未来を生きる世代から選ばれるまち、そして、これからも「住んでよかった」「ずっと住み続けたい」と実感していただける魅力的なまちを目指して市政を運営して参ります。
以上をもちまして、平成31年度を迎えるに当たり、市政運営における所信の一端を述べさせていただきました。今後とも、議員の皆様、市民の皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げ、平成31年度の施政方針といたします。
当選するための活動だけでなく、当選後に向けた勉強もまた、候補者の大切な仕事
これは統一地方選の候補予定者や立候補を考えている人への、私も16年前に立候補を決意した先輩としてのメッセージです。
私が統一地方選で望むのは、地方行政を担う人材プールの質、量が向上すること。
国政は派手で目立つので、やはり人は集まりやすいです。
もちろん、訳の分からぬ野心家や、目立ちたがり屋、嘘つきまでがたくさん集まるきらいはありますが、やはり、人材プールは大きいです。何より、やはり国会はテレビに映りますからね。
地方は身近で、しかしながら地味なので、やはり、なかなか人は集まらない。その中で、統一地方選は大きなイベントなので、人が集まる大きなきっかけという役割を結果的に担っています。
ただ、政党が本当に政策を候補予定者にしっかりと仕込んでいるかと言うと、必ずしもそうとは言い切れない感じですね。
選挙に出る人に望むのは、対象となる自治体の行政課題を把握する努力をすること、地域の声に接すること、そして、地方自治について学ぶことです。
もちろん、選挙区の自治体についてもまじめに勉強してほしいと思います。
施策には、大きな流れと個別の施策があります。
たとえば公共施設マネジメントという大きな流れがあり、その具現化として個別の施設に関する施策があり、あるいは手法としてPPPとかPFIなんてものがあります。
仮にその枝葉を批判するとして、その際に大きな流れを理解していないと、いずれ政策を実現する立場に何らかの形でなってとして、相当恥ずかしいですよ。
あるいは、大枠としての財政の現状を調べずに削減を批判していると、「財政破たんの引き金を引いた馬鹿者」という烙印を押されます。見る人は見ている。
当選するための活動だけでなく、当選後に向けた勉強もまた、候補者の大切な仕事です。
立候補表明をしたら、あなたは地域の人々にとってはある種の政治家です。
ぜひ、それぞれの理想に向かって勉強されて、思い付きでいい加減な情報を流したりしない、何より、地域の将来を担う人、地域の宝になってほしいと思います。
そんな人を心から歓迎し、お待ちしています。
流行に乗って『翔んで埼玉』から一節を引用してみると!
流行に乗って『翔んで埼玉』より引用
「知っての通り政府は他県出身者に対する差別は厳重に取り締まると言っとるがそんなのはたてまえにすぎん
なんといっても国会議員はすべて東京都民だからな」
ここでおかしいと思われる方もいらっしゃるでしょう
東京以外の僻地に住んでいるあなた 自分たちの地方からも国会議員は選出されていると思っているんではないですか?
それはまちがいです
じつは東京都民が地方出身者に化けているだけなのです
しりませんでしたか?
明治時代からずっとそうなんですよ
引用終わり。

この記述が事実かどうかは別にして、閣僚で都内の大学を出ていないのは京大中退の宮腰さんとアメリカ留学の河野さんだけ。河野さんは少しだけ慶應に通っていたし、中高は慶應。
京都は東京よりある意味格上(と京都の人は思っているとかいないとか)なので、地方の人はゼロ、ということになります。
もちろん、これはネタです。
ネタバレすると、そもそも大学が東京に集中しているのだから、こういうことは大いに起こりうることなんですよね。
望月記者問題!〜報道の自由と記者クラブ、そして会見と取材
私も根っこは出版人なので、望月記者問題について一言。
この問題は二面あります。
まず、①仮にどんなに振る舞いのよろしくない記者がいようとも、それを理由に権力側の報道規制を受け入れてはダメ。「よろしくない」という概念には解釈の余地があるし、報道の自由は際限なく制限される。
望月記者の質問が、記者として会見での振る舞いとしては少なくとも質が高いものではなないことは、報道や出版に関わった人間ならわかる。
素人受けはしますけどね、国会の派手な「ソーリーソーリー」という質問が総理にはなんの痛撃も与えないように、中身はない。
しかし、質の低い質問や振る舞いをする記者を守ることにより、報道の自由の制限の契機を与えない、という本質的な意味があります。
もう一つ。②「振る舞いのよろしくない記者」を野放しにすることで、記者クラブの権益は制限されるリスクを持ちます。
記者クラブとはあくまでも便宜的、恩典的なものであり、権利側の好意と報道側の利便性で成り立っているもの。
だから、振る舞いのよろしくない記者を排除することで、記者クラブの恩典は守られる。
2つを見比べるとわかるんですが、報道の自由はあくまで報道の自由であり、これを守ることは知る権利に資するものかと思われます。
また、記者クラブの権益は、これは私企業の権益と記者の利便です。
ということで、記者たちもバカではないので望月黙れ、とは言わない。
東京新聞本体としては、記者クラブの権益は必要なので、それなりのコメントをしていますね。
ちなみに、会見で聞いたことだけで書く記事はベタ記事だったり、記事の一部にしかなりません。
正面玄関には普通のネタしか落ちてはいないのです。
そして、「調査報道」という言葉がありますが、記者の能力が問われるのは、会見の外の調査でネタを拾う力。
私たちが定例会見でネタを提供したとして、記事になった時に「えっ?そこまで取材したの?」と感心するような、時にはビクッとするような記事を書く記者と、会見の中身を単純なベタ記事にする記者がいて、前者には職人技と愛を感じます。後者は「冷たいなあ」という感じでしょうか。
議員の質問もそうなんですが、正面からの、憶測に基づく強硬な追及はそんなに怖くはない。
文春砲や優秀な議員の質問が怖いのは、隠し球を持っていて、しれっと落とし穴に相手を追い込むから。
つまり、報道の自由を守るためには、記者としては「素晴らしい」とは言いがたい望月記者を守らなければならないのです。
そして、菅官房長官は報道のこのようなあり方、性質は熟知しているので、我慢強く付き合いました。最後は怒っちゃいましたけど、あれは嫌になったというより、戦略的にああいう発言になったのでしょう。
私なら多分、永遠に付き合いますけど、官邸内部にだんだんと我慢ならない、という雰囲気が出来てきたのではないかと思います。そうなると、官房長官がいいよいいよと思っていても、周囲の圧力でそうも言ってられなくなります。
幼児教育の無償化と効率性〜独立財政機関でポピュリズムを乗り越える
保育無償化と待機ゼロに同じ予算を投入した場合の経済的アウトプットを比較すると結果はどうか。
無償化は、これから新たに預けて働く人も出ますが、都市部ではさらなる待機も出る。待機のない地域では労働力は増えます。
待機児ゼロは今働いている人の職を守り、現実に働こうとしている人が働け、ボトルネックが解消する。
ところが、同じ金額で金銭的な効用を多数にもたらすという観点から見るとどうでしょうか。
無償化は、より人数の多い保育を受けている人全員にお金が配れます。
待機児ゼロは待機を解消するごとに、ニーズが減る施策なので、待機児が十分に減り、見殺しになったのでしょうね。
都市部の住民からすると納得の行きにくい施策選択です。
こういう非効率的な政策が選択されてしまう要因として一番大きいのは、社会全体として、政策の費用対効果などに関する検証の機能を果たす組織がない、というところに尽きるのではないかと思います。
もちろん、純然たる営利企業であるマスコミ各社の手に負える問題ではありません。
では、海外ではどうか。
政党には党利党略、マスコミには儲けという力学があるのだから、客観性は期待すべきではない。そして、実はこの問題は世界的には常にある問題であり、処方箋も示されています。それは非党派性と独立性が担保された「独立財政機関」を公共機関として創設し、チェックを行わせるということです。ヨーロッパではメジャーな政策で、国内であまり具体的な政策として認識されないのが不思議なのですが。
もしかしたら読んでくださった方のご期待とちがう論理展開だったかもしれませんが、この独立財政機関、与党の政治家にもメリットが大きい話です。わけのわからない思いつきの政策やバラマキで一番困っているのは実は、心ある与党の大勢の政治家なんです。
幼児教育の無償化には間に合いませんでしたが、さらなる政策選択リスクから国民を守るために、政治に関心のある全ての方に「独立財政機関」という単語をまずは認識していただければ嬉しいです。