エスクローおじさんのブログ -845ページ目

住宅政策の大きな流れと住宅ローンの話をしてきました

ちょっと書き込みができないくらい忙しかったぁ。(という言い訳)


ある大手都市銀行の東京地区の住宅ローン担当者の研修を仰せつかってやってきました。住宅ローンの専門家に住宅ローンの話をするというのはいかがなものかと心配しておりましたが、FP・住宅ローンアドバイザーの視点から見た住宅ローンという話をしたところ、意外にもご存じない情報があったらしく、そこそこ受け入れていただいたようです。


確かに大手銀行となると商品知識や営業手法・コンプラの研修はあるでしょうが、住宅ローン市場の変化や金融情勢という大きな流れは、自分で研鑽しなさいということで、意外にご存じないのかもしれません。


今、日本の住政策は180度転換し、建てては壊し壊しては建てるといった従来型の政策を止め、建てた住宅を永く孫子の代まで利用するという方向へ行っています。


その中で住宅ローンは、どうあるべきか?住宅の品質と性能を中心とした融資に変化せざるを得ないと思います。


「3000万円の住宅は、すべて2400万円を上限に融資する。」というのではなく「こういう品質だったら3000万円満額出しますが、こういう品質なら2000万円しか出しません。」ということになります。


これが徹底してくることで、銀行としては安定した回収が見込めるわけで、施主も嬉しいし金融機関も嬉しいというウィンウィンの関係になれます。


是非この流れを加速して豊かな住生活を送ることができるような世界にしたいものです。


来週は大阪支店さんでお世話になります。よろしくお願いします。


現在日本経済に起こっていることを正確に理解しておきたい

住宅や投資用マンションを購入する人のアドバイスをしていますが、不景気とはいえ次から次へと物件が売れていくのには驚かされます。


多くの場合、ローンを利用して購入するのでしょうが、どうシミュレーションをしても、それは無謀でしょうという借り入れをして購入するケースが多いのです。


それは決して多額の借り入れというのではありません。通常金融機関や不動産業者さんが勧めるような大きな額でもなく、比較的慎重な提案をすると言われているFPがはじき出した借り入れ額もそうです。


今後日本に起こることは、グローバル化に伴う賃金・物価の低下・人口減少と世代ニーズの低下による消費と生産の低下・社会保障費の増加です。


つまり国民に負担増となることは間違いないですし、資産はデフレで価値が低下します。


唯一の救いはデフレによる物価の下落ですが、賃金低下が先に進むでしょうから期待はできません。


このように予想する中で、たとえ現在の家計の状況から問題ないと判断される金額であれ、借り入れをすることは大変なリスクとなるのではないでしょうか。


私はこう予想するので、借り入れは今想定している70%以下にしていただくようにお話しします。


つまり住宅ローンの返済比率なら、通常年収の25%以下と言われていますが、その70%=17.5%以下でないと、おそらく将来家計が破綻すると考えるのです。


投資用マンションのシミュレ-ションも、そのあたりにしておかないと成立しなくなると考えます。利回り10%なんて、浮かれている場合じゃないと思いますよ。


ちなみに私の住宅ローンの年収比率は14%でした。これでも生活が苦しいのは何故?


国税庁発表の路線価は4年ぶりの下落

国税庁発表の今年の路線価は、4年ぶりに下落。全国平均5.5%ダウンとなりました。予想されたことですので、衝撃はないようです。


この下落はどこまで続くのか?


4年ぶりの下落と言っても、それは都市圏のことで、地方圏はバブル崩壊以降ずーっと下落しています。地方圏は今後もこの傾向が続くでしょう。


問題は都市圏。いつもセミナーでお話ししているクズネッツサイクルが正しければ、2014年~15年あたりが底になり、次のピークは2024年ということになります。


ただし、どうも次のピークは都市圏の商業地や住宅地ではなく、農地のバブルが来るのではないだろうかというのが私の予想です。


楽しみにそのときを待つことにしましょう。ただし、自分の寿命が怪しい。

金融機関の住宅ローン担当者に住宅ローンの選び方を教える

今週は大手金融機関の住宅ローン担当者に、お客様がいかに住宅ローンを選び、いかにローンをお勧めすればよいかというセミナーをします。


いくら私が普段住宅ローンの相談をしているとは言え、専門家にお話しするとなると少々緊張。


しかし、金融機関としても会社の中にいると、お客様が何を考えどう動いているのか、なかなか掴めないそうです。私のようにユーザーの相談にのっている立場に大変興味をお持ちのようです。


基本は簡単です。住宅ローンを利用することで、一生涯楽しく無理なく生活ができるようにすることです。それは借りている期間中もそうですし、返済し終わったあともそうです。


現在は、住宅の価値は徐々に下がり物価もデフレ傾向であることから、住宅ローンを利用することは実質的負担増を意味します。


また、今後社会保障費や税の負担増も予想されることから、ますますそのリスクは増加します。


そんな環境下で楽しく無理なく暮らすための住宅ローン選びとなると、金融期間の立場と我々FPの立場は相反することになるかもしれません。


しかし、長い目でみれば金融機関もお客様にしっかり返済していただき、公共料金の引き落としやその他派生する金融取引を取り込めた方が収益性が高くなるわけです。


是非、目先の取引だけでなく長期的視点から住宅ローンをお勧めしていただきたいという、そういうお話をしようと思っています。

本気で中古住宅市場を活性化させる気みたい

国土交通省は、本気で中古住宅市場の活性化に活路を見出すようです。


弊社では、ホームインスペクション=建物診断をやっていますが、新築時の検査でも結構な数の指摘事項が出てきますので、建売などは押して知るべしということで、私などは恐くて買えません。


それが中古住宅となると、さらに謎の部分があるのですが、逆に何年か経過していることで一定の評価がわかりますので安心する部分もあります。


すでに人口が減少し、ロスジェネ世代の住宅取得能力が低下しているので。今後新築需要が減退することははっきりしています。


住宅メーカーや分譲会社・住宅設備機器メーカー等の将来は厳しいとわかっていますので、国も中古市場の活性化をせざるを得ません。


中古住宅市場の信頼度をアップするためにも、ホームインスペクションは益々必要になってくると考えます。


これは戸建住宅だけでなく、アパート・マンション・ビル・店舗、すべてに共通することです。


今から建築をご検討の方は、是非品質をチェックするとともにインスペクションの裏付けが取れた建物を取得していただきたいと思います。