エスクローおじさんのブログ -844ページ目

本当に借り手に有利な住宅ローンって?

先日、名古屋地区で住宅ローンのコンサルティング業務を進めようという人たちの勉強会に出席しました。


考え方は、借り手が将来も安心して返済できるようにし、選択肢がたくさんある中から有利な商品をどう提供するかという点で一致している人たちばかりです。


したがって、貸出残高を伸ばすために住宅ローンを提供するのでもなく、住宅を販売するために借りやすい住宅ローンを提供するのでもありません。


いかに借り手のためになる住宅ローンを提供するか。こういうことを真剣に考えている人たちが、回を追う毎に増えてきています。


終了後の懇親会では、さらに話が盛り上がり、住宅ローンコンサルティングの本質とはなにかという話に及んだわけですが、やはりFP=ファナンシァル・プランナー的に、そのお客様の総合的な家計をシミュレーションして住宅ローンを提案することが重要ということになりました。


さらに、家計とはどうあるべきか?という話になったのですが、このあたりになるとみなさんすっかり酔いが回っており、議論白熱。


最終的には「貨幣」の本質を理解しないと、あらゆるマネーに関する仕事は役に立たなくなるという大袈裟な結論に至ったわけです。(これは、私がいつも考えていることですが)


貨幣の本質とはなにか?中には「物々交換の代替」というような意見も出ましたが、こういう考えを持っている人が多いと思います。これでは不十分。


次回以降もっと深めた議論をしたいと考えておりますが、こういうことを真面目に議論できる住宅ローンコンサルタントが増えれば、借り手も安心して借りられるのではないかと思うのです。




衆議院選挙の開票報道はいかがなものでしょうか?

前にも書いたように「富の分配は、今までのように特殊法人や企業を経由しないで、直接国民にしてほしい。」というのが、今回の選挙結果です。団体を通じても富の実感がある地域(古賀や森などの選挙区)は、今までと変わらない結果になっています。


それはさておき、今回の開票報道はひどかったですね。福田元総理や塩崎元官房長官の「落選確実」速報はないでしょう。


各局で「おわび」が続出しましたが、いくら視聴率競争があるからと言って、報道のモラルっちゅうものはないのでしょうか?(ないことはわかっているのですが)


視聴者のニーズを追った結果がこの始末であるとしたら、視聴者のレベルも疑ってみないといけません。


それに引き換え、NHKの速報は地味で派手さはありませんでしたが、最終的には一番正確で予想もしっかりしていました。


選挙の劇場化が懸念されていますが、それに一役買っている報道会社の姿勢は問題にしないといけません。


が、学生時代マスコミの研究会に入っており、学部では選挙分析のパイオニア高畠道敏教授の研究室で、当時の参議院選挙の分析を手伝っていた経験から言って、マスコミの姿勢はほとんど変わっていませんので、そのあたりはバイアスをかけて接していないと重要な判断を間違うことになります。


何を取ってみても、次の選挙を早くも懸念しなければいけない結果となりました。




この時代、将来の家計予測で住宅ローンをどうするのか?

昨日優秀な女性FP(ファイナンシャル・プランナー)から質問がありました。


「最近の相談者は、年収が減っている方が増えています。明日いらっしゃる人は昨年1800万円だった年収が、今年1000万円にダウン。総額が大きいから生活に困ることはないと思いますが、年収500万円の人が400万円になるようなケースで住宅購入を考えていらっしゃるような場合、住宅ローンはどうなるのでしょう?」


この時代、デフレだと肝に銘じるべきです。国民の一世帯あたりの平均所得は、平成8年の615万円をピークにして平成19年には556.2万円と11年連続で下落しています。


また、日本では住宅の価値は建てたときが一番高くて、30年もするとゼロになります。さらに、地価は都心の一部を除いて平成3年から下落しています。


これを総合的に見て、デフレではないと誰が言えるでしょう?


経済の鉄則は「インフレのときは借金してでも資産を購入しろ。デフレのときはキャッシュを貯めろ。」です。


そうすれば、住宅取得のために住宅ローンをどうするのかは、おのずとわかってきますね。その女性FPも同意見でした。


ただし、FPはお客様の住宅を購入したという夢をファイナンスの面から叶えてあげるのが仕事です。ただ、購入は止めなさいとアドバイスするわけにはいきません。


となれば、極力控えめな(個人的には年収比率15%以下の返済)借り入れで購入し、長く大切に手入れして価値のある住宅として維持することが正解となるでしょう。



賃貸アパートの外観塗装は、しっかり検討してやってほしい

ここ2ヶ月で、外観塗装をした築20年を超えた賃貸アパートをたくさん見ました。さすがに塗装をしただけあって、古臭いイメージはありませんが、ただそれだけです。


外観の塗装は、

1.メンテナンスの意味でおこなう。

2.古臭さで空室が発生することを防止する。

3.良好な外観を維持することで賃料の低下を防止する。

の3点の意味でおこなうことがあるのですが、実はさらに重要なのは、

4.先進的なイメージ(今後20年程度は耐えられる)に替えることで賃料をアップさせる。

という点があります。


拝見したアパートは、いずれもきれいに塗装してありましたが、先進的なイメージというには程遠い色合いばかりです。


おそらく塗装屋さんとオーナーさんが話し合って「前と同じ色でいきますか。」とか「こんなところでよいでしょう。」といって決めたのでしょう。


塗装を考えることは大変難しいことです。特に色を何にするのか、仕様はどうするか、何度やっても難しいと思います。


色は色相・明度・彩度を原則として、補色や同化・対比といったテクニックを使うことが基本ですし、それ以外にその時代の流行というものを知っておかなければなりません。流行はあくまで流行で、今後20年流行し続けるわけではありません。


そうした原則を踏まえた上で、実際に塗装するとどうなるかをモニター画面を使ってシミュレーションしておくことが必要だと思います。


こうした工程を経ないで実行した塗装は、ただ「古い割にはきれいね。」で終わってしまいます。多額の費用をかけて塗装した後に相談されても、打つ手は少ないということになります。


できれば、塗装をする前にご相談に来ていただきたいのですが、なかなかそこまで気が回るオーナーさんは少ないのです。


土地活用で賃貸マンション経営ってどうよ?

この2日間にわたって、多くの土地活用の関係者とお会いしました。


ある大手賃貸マンション建築会社の研修の講師をしましたので、20名ほどの方と会いました。


また、元建築業者にいて営業に疑問を感じて退職し、資産コンサルタントとして独立を目指している人とも会いました。


今朝ほどは、築20年を超えるアパートで、法人契約を解除されてしまって空室となった物件をいくつか見てきました。


この人たちの話を聴き現地を拝見するにつけ、結局のところ、今後の賃貸マンション経営は「厳しい」を通り越して「困難」となるしかないとの結論に至ります。


ただし今朝拝見したような築20年超のアパートでも、空室とは言え、借入金がなくなっており、大地主さんの持ち物だったので、「生活するに困らない」という状態であれば問題はありません。


この頃のマンションは、何とかここまでやり繰りして来られたのですが、今後は築年数の経過とともに賃料の下落や空室リスクの増加が加速するでしょうから、築10年程度でも経営破綻する物件が続出すると考えられます。


現在は不動産価格の下落で、投資物件の取引も増加しているようですが、その中で勝ち残ることができる物件が一体何件あるでしょうか?


安易な投資は避けなければなりません。大変危惧するのです。