NHKスペシャルシリーズ『マネー資本主義』 | エスクローおじさんのブログ

NHKスペシャルシリーズ『マネー資本主義』

昨夜のNHKシリーズ『マネー資本主義』の第4回目は『ウォール街の”モンスター”~金融工学はなぜ暴走したのか』


今回の金融危機の原因の一つは、サブプライムローンという怪しげな住宅ローンをリスク軽減する手法によって、最終的には世界の投資家に証券として販売していたことによるものです。


今回は、その証券化の仕組みを作った人たちが登場。


経済に数学者や物理学者が多数参加していることは知られていましたが、原爆の研究をしていたような人たちが、証券化商品のリスク分析に参加していたことなどが報じられました。


彼らが研究開発したリスクの軽減手法でCDOやCDSという複雑な商品が登場したのです。


面白かったのは、登場した彼らはすべて「元ベアスターンズ」とか「元リーマン」という肩書きであること。会社がなくなったので止むを得ませんが。


中には金融の世界から足を洗って、牡蠣の養殖をやっている人まで出てきました。『年収は大幅に下がったけれど、生きていくには問題のない収入だ。」と話していました。


それでも番組の最後には、今回の反省を踏まえて「人間の脳の研究によって、冷静な投資分析ができるようにするにはどうしたら良いか。」なんていうことを研究する科学者まで登場しました。懲りない面々。


おそらく金融工学のモンスターは、死ぬことはないでしょう。


暴走を二度と繰り返さないためには、世界の経済は、そういう価値観だけで動いているのではないと言うことを理解しておくことが重要なんだと思います。


今夜は最終回『危機をくりかえさないために』です。