ここまでピアノ奏法の歴史を辿り、日本におけるピアノ教育についても触れてきました🎹
チェンバロの奏法が独自の形で発展し、指の力による奏法が長く続いたフランスと、根性論に基づくハイフィンガー奏法に傾倒した日本との違いは、一体何だったのでしょうか?
フランスで学んだ日本人も多くいたにもかかわらず、なぜその良さが日本にはあまり伝わらなかったのでしょうか?
フランスは独自の美意識に従ったのに対し、日本はとにかく正確であること、つまりノーミスにこだわった結果なのかなと私は思っています💯
確かに、音の美しさを全く無視して、間違えずに弾くためだけに限って言えば、腕や身体は極力動かさない方がミスタッチが少ないのも頷けます🪨
かつて日本の音大では、1回ミスをする度に10点ずつ減点がなされていたという話もありますし、ノーミスに異常なほどまでの執着があるように思います(私なら0点以下を取る自信があります)💧
正確さは、工業製品をはじめ医療のような安全性が問われる分野では必須ですが、芸術や表現としては、おかしな方向に行ってしまったなと言わざるを得ません😓
ハノンはフランス人なので、本当は「アノン」と読むそうです!小学生の頃、10回連続ノーミスを自分に課して練習していた記憶があります😇
とはいえ、現在日本でハイフィンガー奏法を積極的に推奨されている先生はあまりおられないと思います❣️
世界的なコンクールで入賞を果たしている日本人ピアニストのほとんどは(広い意味ではありますが)重量奏法で弾いています🎹
街のピアノ教室でも、鍵盤を力任せに叩くと音が響かないという考え方が浸透し、また脱力や腕・身体を使った弾き方の指導も広まり、日本も重量奏法にシフトしていると言えると思います➡️
ですが実際には、子どもの頃にハイフィンガー奏法で徹底的に教え込まれたピアノの先生方が、弾き方を根本から変えることは簡単ではありません😓
現在も脱力ができない・わからないとか、昔からの癖で鍵盤を指で叩いてしまうと悩んでおられる先生方はとても多いです💦
私の師匠も常々よくおっしゃっていましたが、日本人はどの作曲家の曲を弾いても同じように聴こえる、ずっと同じタッチで弾いていると言われがちです🤖
腕や身体を使うことで、表現の幅は明らかに広まったはずなのに、固くはっきりした音や均質な音が良い・正しいとする古い意識のまま教育がなされてしまっているように思われます💧
また、初心者はとにかく指を鍛えるべきであるという、初心者に苦行と忍耐を強いる日本特有の考え方が、様々な表現の可能性の芽を摘んでしまっているように私は思えてなりません。
かつては鍵盤を力強く叩くためだったのが、腕の重みや上半身の重さを支えるためという理由にすり替わっただけで、日本の指導者達は昔も今も指を鍛えなさいと言い続けています☝️
その鍛え方というのも、大体ハノンやツェルニーを弾き込むといったもので、昔とあまり変わらないなと感じることも多々あります😓
このような考え方が根底にあると、海外でせっかく素晴らしいピアノ奏法を学ばれても、日本で初心者さんを教える時は昔ながらの方法で教えることになるのではないでしょうか?
(実は私もかつてはそうでした💦)
そしてこれらの象徴が、今でも健在のあの卵型の形なのではないでしょうか?
僭越ながら思ったことを書かせていただきましたが、少しでも共感してくださる方がおられましたら幸いです😌
ここまでお読みくださりありがとうございました🎵
伝道師ピアニスト
元林裕子です♪
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