難病 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)医学翻訳・薬事申請翻訳担当 Y.O.と申します。


医学・薬事申請翻訳iPS細胞(iPS cells)の臨床応用(clinical application)に向けての研究が推進され、医療技術の進歩が目覚ましい今日です。しかし、その一方で「難病」と呼ばれる疾病に苦しむ方々が数多くいらっしゃいます。

「難病(intractable disease)」とは、その時点での医療において治療が困難で、慢性の経過をたどる疾病を指しており、その時々の医療水準や環境によって変わってきます。
昭和47年の「難病対策要綱」では、
「(1)原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病」
「(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担に大きい疾病」
と定義されています。

難病情報センター(Japan Intractable Diseases Information Center)のウェブサイトを見ますと、現在難病とされている疾病の解説や難病に係る各種制度・サービスなどの情報が掲載されています。概要や疾病一覧など一部の情報は英語に翻訳されているようです。

最近耳にすることが多い「クローン病」も難病の一つです。日本語では「R」音と「L」音の区別がないため、「クローン」と聞いて「clone」の方をイメージしてしまう方も多いかと思いますが、英語では「Crohn disease」と言います。口腔から肛門までの消化管(digestive tract/canal)のあらゆる部位に炎症性病変(inflammatory lesion)が起こりうる原因不明の疾病(disease of unknown origin)です。腹痛(abdominal pain)、腹痛(diarrhea)、体重減少(weight loss)、発熱(fever)などの症状(symptoms)がしばしば見られます。また、消化管以外にも病変が起こることがあります。現時点では完治させるための根本的な治療法はなく、寛解(remission)状態を維持して患者さんのQOLを高めることを目的とした薬物療法(pharmacotherapy)、栄養療法(trophotherapy)、外科療法(surgical therapy)などが行われています。

クローン病とともに特定疾患(specified diseases)に指定されている消化器系の疾病の一つとして「潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)」が挙げられ、一般に潰瘍性大腸炎とクローン病を「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)」と総称します。いずれも生活に大きな支障を来す症状を伴う困難な病気ですが、外見上他者からは見えにくいものであるため、病気に対する周囲の理解を得にくく、患者さんやご家族の心理的な負担が増すことがあるという話も時折聞きます。iPS細胞の活用などによって難病の研究がさらに進み、一日でも早くこのような難病の原因特定と治療法の確立ができるようになることを願います。




翻訳コラム担当者紹介

医療機器メーカーで実際に申請・治験業務に携わった経験を生かし、申請・治験業務担当者がどれほど厳しい状況の中で即戦力となる翻訳を求めているかを身をもって知っている者として、当局に受け入れて頂ける完成度の高い訳文をお届けできるよう、医療分野や薬事動向に常に目を向け、現場の皆さまのお声を聞かせて頂いております。 また、大学で学んだ言語学の分析手法や翻訳・編集の会社での経験に基づき、自身の訳文が曖昧さのない、用語の整合性がとれたわかりやすいものとなっているか、批判的に多方向からのチェックを行い、最善の状態で納品させて頂くことを念頭に置いております。

株式会社高橋翻訳事務所 

医学・薬事申請翻訳看護・介護・医療翻訳  担当:Y.O.