平均寿命と健康寿命-より重要なのは? | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)医学翻訳・薬事申請翻訳担当 Y.O.と申します。


医学・薬事申請翻訳日本人の寿命(longevity)は世界平均と比べて長く、今後も延びていく傾向にあります。寿命の延伸は喜ばしいものとして語られることが多かったのですが、自身の問題として考えたときに不安を覚える方も少なくないようです。それはなぜでしょう?

まず、定年(retirement age)を迎えて退職した後の長い期間を過ごすのに必要な生活費に関する経済的な不安が挙げられます。特に最近の年金制度(pension system)に対する不信感、不安定な雇用や低収入などの社会状況を背景に、若い世代でも老後の生活への不安が高まっているようです。

また、健康に関する不安も大きな理由の一つでしょう。医療技術の進歩によって延命(life prolongation)の手段が増えている一方、患者の望む「生」のあり方や生活の質(Quality of Life:QOL)について改めて考えようという動きも出ています。

「平均寿命」(average life expectancy)と「健康寿命」(healthy life expectancy)という2つの観点から考えてみましょう。
一般に私たちが「寿命」について語るとき、「平均寿命」の意味で用いています。これに対し、「健康寿命」は、2000年に世界保健機関(World Health Organization:WHO)によって提唱された概念で、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間を表します。具体的な定義は社会情勢や医療事情によって変わってきますが、「平均寿命」と「健康寿命」の差は、健康上の理由で日常生活に支障がある状態で過ごす期間ということになります。

厚生労働省(Ministry of Health, Labour and Welfare:MHLW)の報告によると、平成22年の寿命は以下のようになっています。
男性:平均寿命79.55歳-健康寿命70.42歳=9.13年の差
女性:平均寿命86.30歳-健康寿命73.62歳=12.68年の差

平均寿命と健康寿命の差が拡大すればするほど、個人にとってはQOLの低下した期間が長くなり、社会にとっては医療や介護などの社会保障費(social security expenses)の負担が大きくなります。私たち一人一人が、また、社会全体として、平均寿命の延びに負けないくらい健康寿命を延伸させてこの差を縮小させるための対策を考えていく必要があります。




翻訳コラム担当者紹介

医療機器メーカーで実際に申請・治験業務に携わった経験を生かし、申請・治験業務担当者がどれほど厳しい状況の中で即戦力となる翻訳を求めているかを身をもって知っている者として、当局に受け入れて頂ける完成度の高い訳文をお届けできるよう、医療分野や薬事動向に常に目を向け、現場の皆さまのお声を聞かせて頂いております。 また、大学で学んだ言語学の分析手法や翻訳・編集の会社での経験に基づき、自身の訳文が曖昧さのない、用語の整合性がとれたわかりやすいものとなっているか、批判的に多方向からのチェックを行い、最善の状態で納品させて頂くことを念頭に置いております。

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医学・薬事申請翻訳看護・介護・医療翻訳  担当:Y.O.