権力とマイノリティ -4ページ目

日本では殺人事件は増えていない 世界二位の治安大国ニッポン!

■メディア・スクラム
 秋葉原・無差別殺人の報道が次々なされ、毎度のメディア・スクラムだ。 
 容疑者の情報は、両親の謝罪の様子や祖母への取材、同級生や学校の教師に対する取材、派遣先での解雇不安、ケータイ掲示板の書き込み。そして、被害者の情報としては、被害者の通夜や葬式中継、被害者のブログや事件現場の動画サイトの紹介。

 あっちもこっちもみんなで、プロファイリング状態。そしてついに、秋葉原の治安悪化を危惧して、歩行者天国まで中止。容疑者が使った殺傷力の高いナイフの規制問題まで持ち上がっている。
 
 テレビニュースによれば、東京地検は容疑者の精神鑑定(本鑑定)を起訴前に行うと見られ、容疑者の責任能力を証明する構えだ。一般に精神鑑定は起訴後に行われることが多いが、今回は異例の起訴前鑑定だ。
 出来るだけ精度の高い精神鑑定を行うなら、事件から時間が経っていない方がよいと思うが、今回の起訴前鑑定は、容疑者に責任能力があることを鑑定によって精神科医に明らかにさせ、厳罰化に導くための手段として行われるようだ。

■果たして他殺は増えているのか?
 今回の事件や茨城・土浦の事件と「凶悪事件」の連続だが、果たして日本では殺人の数は増加しているのだろうか。

■他殺による死亡者数の推移
他殺

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html
↑ クリックすれば、拡大されます↑

 上のグラフを参照して欲しいのだが、最近の人口動態統計によれば、年間500人から800人程度である。自殺者3万人時代に突入したのは、1998年以降だが、他殺が増えたのもこの時期である。
 データから見れば、他殺による死亡者数は自殺者の50分の1である(2006年)。ただ、傾向として言えるのは、景気の悪化と自殺者や他殺者の増加は相関関係がある。
 
 ちなみに、日本は世界的に見て他殺率が低い国である。参考に上げた下記のデータによれば、世界第2位の低さ。すなわち「世界中で最も治安のよい国」ということではないのか。
 近年、メディア・スクラムによる過剰報道で「凶悪犯罪」が増加しているように感じられるが、これは「体感治安」の悪化によるものであることに注意したい。

 しかし、進行する格差社会や、社会保障制度の崩壊現象によって、日本は殺人が少なく治安のよい国であるという現実をいつまで保つことが出来るのか、不安材料の多い昨今の社会情勢だ。

■《参考》世界各国の自殺率と他殺率の相関

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2775.html

日本の自殺率は高さが目立っているが他殺率については非常に低い国といってよい。上図のWHOデータによれば日本の他殺率はWHO加盟の人口100万人以上150カ国のうちジャマイカについで世界第2位の低さである。


6・6「まるで六文銭のように」ライブ《恒例・六ノ日コンサート》

曼荼羅  ライブ告知

6月6日「まる六」ライブに行って来た。

会場はライブハウス・東京「南青山MANDARA」午後7時30分~9時40分。
まるで六文銭のように 小室等・及川恒平・四角佳子

今回は昨年12月6日の「はじまりはじまる」ファーストアルバム
発売記念コンサートに続いて2回目のライブ。

始めて聴いた歌は、恒平さんの「いのち返す日」だった。
あとは、六文銭とまる六の曲だったから、いちよう全部、知っていた。

◆そうねぇ~
今回は小室さんと恒平さんの
MCのテーマはギターのチューニングについて…。

おけいさん、いわく
「昔はギターのチューニングは音叉、カポタストはゴムバンドみたいだった。わたしが約30年ぶりに音楽の世界に戻ってきたら、様変わり凄く進歩していた」

■歌われた曲

1.私はスパイ
2.雨が降りそうだな
3.夢のまた夢
4.はじまりはじまる
5.無題
6.ただあたたくカラッポに
7.こわれました
8.石と死者
9.街と飛行船
10.いのち返す日

◆ここから、二部

11.雨が空から降れば
12.夏、二人で
13.あめのことば
14.きみは誰かな
15.樽をころがせ
16.引き潮
17.戦場はさみしい
18.おしっこ
19.サーカス
20.思い出してはいけない

◆アンコール
流星花火
サーカス・ゲーム

■・・・ということで
小室さんと恒平さんのボケと突っ込みは、再現不能カット(^0^)/ウフフ♪

3人がハモるところは、やっぱりいいよね。
恒平さんの方が小室さんよりキイが高いから、小室さんが低音でハモるところがいいんだわ。

わたしは小室さんの後ろ姿を鑑賞(?!)しながら、聴いていたんだ。



メンタルヘルスの充実が求められているのに精神科医療をめぐる不思議な現象

 日本の精神科医療について考えるとき、世界的に見てきわめて特殊な事情にあることを踏まえて論じなければならない。OECDのデータによると、精神科ベッド数の変化を見ると、他の国々のベッドが急激に減っていった時期に日本だけ増えているのだ。日本が世界の流れから大きくとり残されたために、世界一の「精神病院大国」になった。いまだにその事態から大きな変化はない。

 先進国が精神科医療を病院という収容施設から地域中心へと転換した時期(1970年代)に、日本では精神病院を増やした。そして、医師は一般診療科の3分の1、看護職員は3分の2という「精神科特例」と言われる一般病院と差別された医療でよしとされた。そして、精神障害者の長期入院を精神病医院が担うことになり、医療が福祉の肩代わりをしてきた。

 最近、メンタルヘルスに対する意識の高まりがあり、自殺者の多くが罹患していると言われるうつ病に対する関心の高まりなど、さまざまな精神疾患に対する精神科医療の充実が求められている。そうした中で、なんとも皮肉な精神科医療をめぐるふたつの報道があった。

 ひとつは総合病院から精神科病棟が減少しているという。「精神病院大国」とは、単科の精神病院がきわめて多いという特殊な日本的な医療事情なのだ。総合病院にこそ、精神科医療の充実が必要だというのに。
 もうひとつは精神科医療だけでなく、高齢者医療についても言えることだが、療養病床を減らし、病院から在宅へという政策シフトが行われている。最近、後期高齢者医療制度が問題になっており、「姥捨て山」医療制度と批判されているが、精神障害者の長期入院は、精神病院が「姥捨て山」だったのである。
 そこで、精神障害者の退院を促進しようという施策は、とてもよいことなのだが…。精神障害者の地域における福祉を怠ってきて、いきなり退院促進というのは、どういうことなのだろう。障害者の中でも身体障害者と比べ、精神障害者の福祉は遅れている。それに加え「障害者自立支援法」という悪法で、障害者の生存権すら危うい。

 社会的弱者は、生きていくことが出来ない政策が次づき、まかり通っている。この国では、憲法二十五条の生存権すら危ういのである。
 
●朝日新聞 05月29日
【精神科医、総合病院離れ 病床2割減、閉鎖も相次ぐ】

http://www.asahi.com/health/news/TKY200805290156.html

 地域の中核病院などの総合病院で、医師不足から精神科病棟の閉鎖が相次いでいる。02年から4年間で、精神病床がある病院数は1割、病床数は2割近く減った。総合病院の精神科は、通常の治療だけでなく、自殺未遂者やがん患者の心のケアなど役割が広がっている。事態を重く見た関係学会や厚生労働省は現状把握の調査を検討している。

 日本総合病院精神医学会の調査によると、02年に272あった精神病床を持つ総合病院は06年末に244に、病床数も2万1732床から1万7924床に減った。調査後も休止したり診療をやめたりする病院が続いている。
 廃止になっているのは主に地方の公立病院だ。自殺率が12年連続全国1位で自殺予防に取り組む秋田県でも、精神病床がある八つの総合病院のうち、3カ所が入院病棟を閉鎖中。非常勤で維持してきた外来診療も、大学医局の医師引き揚げで厳しい状況にあるという。宮崎県では、四つの県立病院に十数人いた精神科医が昨年末に3人になった。

 精神科専門の医師数は微増傾向だが、厚労省調査では、この10年で診療所と精神科病院に勤める医師数は増加したのに対し、総合病院などは1割減。夜間休日の救急対応などの忙しさから敬遠されたとみられる。また、他科より診療報酬収入が少なく、経営側に負担感が大きいという。
 厚労省は、精神障害者が入院中心から脱して地域で生活できるよう単科精神科の病床数削減の方針を打ち出した。一方、自殺未遂で入院した患者を精神科医が診察すると診療報酬が加算されたり、がん対策基本法で緩和ケアチームに精神科医の関与が求められたりと、総合病院での精神科医の役割は増している。

 水野雅文・東邦大医学部教授(精神医学)は「イタリアは精神科病院を全廃し、代わりに全総合病院に精神病床を置いた。日本は、精神科病院の病床削減は進まず、総合病院の病床が減るという正反対のことが起きている。総合病院の精神科医療の診療報酬を手厚くするなどの対策が必要だ」と話す。(佐藤陽、和田公一)

●キャリアブレインニュース 05/30 18:03
【精神科患者の支援、人手不足】
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16329.html

 アルツハイマー病や統合失調症などで「精神病床」に入院している患者の退院促進策や地域の支援体制などを議論している厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」(座長=樋口輝彦国立精神・神経センター総長)がこのほど開かれ、精神障害者を支える「精神保健医療体系の現状」をテーマに意見交換した。委員からは「准看護師には病院からの訪問看護が認められていないので、もっと准看護師の活用方法を考えるべき」「システムをつくっても動かない。マンパワーが足りない」など、人材確保の必要性を訴える意見が相次いだ。
 検討会は、2014年までに見直しを図る「精神保健医療福祉の改革ビジョン」に基づいて、「後期5年間」の重点的な施策を09年9月に策定する必要があるため、今年4月に設置された。

 3回目となった5月29日の会合で、厚労省側は「全体的な具体像を示すには至っていない」と前置きした上で、精神障害を抱える人たちを支援する体制(精神保健医療体系)のアウトラインとして、▽相談体制▽入院医療▽通院・在宅医療▽医療体制・連携▽質の向上ーの5つの柱を示した。

 「相談体制」では、02年に保健所が実施した「精神保健福祉相談」を利用した「被指導延人員」が02年から05年にかけて減少する一方で、市町村の「被指導延人員」が増加に転じていることや、保健所が市町村から受ける相談内容として「困難事例の解決」が99.5%を占めていること(07年厚生労働科学研究)などを示した上で、今後の課題を提示した。
 具体的には、▽精神保健福祉センターや保健所、市町村などの行政機関と医療機関の役割分担▽行政機関内での役割分担▽障害者自立支援法などの「精神障害者福祉」に関する相談体制と、「精神保健」に関する相談体制との関係—などを整理する必要があるとした。

 「入院医療」では、精神病床に入院している患者約32万4000人(05年)のうち、約19万6500人(同)が統合失調症であることや、55歳以上の入院患者が増加しているとのデータなどを示した上で、精神病床の機能を病期(急性期、回復期、療養期)に応じて分けることや、疾患(統合失調症、認知症、うつ病など)に応じて入院の機能を分けることなどを提案した。
 「通院・在宅医療」では、精神科デイ・ケアなどの利用状況や、訪問看護の効果などを示した上で、症状に応じたデイ・ケアの機能分化や、精神科の訪問看護をさらに普及することなどを提案した。

 「医療体制・連携」では、精神科の救急医療体制の整備状況や、各都道府県が策定する「医療計画制度」の見直しなどを示した上で、「精神科救急医療体制の充実」や「精神医療における病院と診療所の機能とその分担」など、6つの課題を提示した。
 「質の向上」では、抗精神病薬の処方で日本は欧米に比べて「3剤以上」が多いことや、精神科病院に勤務する准看護師が1999年(3万9622人)から2005年(3万7090人)にかけて減少していることなどを示した上で、今後取り組むべき課題として、薬物療法と精神医療にかかわる人材の確保などを挙げた。

 質疑で、小川忍委員(日本看護協会常任理事)は財源や人員の問題に触れながら、「精神障害だけが別格という議論をしてきたが、看護師の配置などを一般病床と同じベースで考えるべきだ。『精神は別格だ』という特別視が差別や偏見につながっている」と指摘し、人材確保に焦点を当てた議論を求めた。
 広田和子委員(精神医療サバイバー)は「ベッドが足りないし、医師は不足している。精神科のクリニックは『協力する』という手ぬるいことを言わないで『参画する』ということを打ち出すべき」と強調。長野敏宏委員(特定非営利活動法人「ハートinなんぐん市場」理事)は「人材の再教育、再配置が大事。准看護師には病院からの訪問看護が認められていないので、もっと准看護師の活用方法を考えるべきだ」と要望した。谷畑英吾委員(滋賀県湖南市長)も「システムをつくっても動かない。マンパワーが足りない」と述べ、人材確保の必要性を強調した。


小泉元首相の復活を予兆するプロパガンダドラマ『CHANGE』

■プロパガンダドラマ『CHANGE』
 小泉元首相の復活をヨイショするドラマが、フジテレビ(フジサンケイグループ)で始まった。
 木村拓哉(キムタク)が総理大臣になるというドラマで、主題歌がマドンナということで、スポーツ紙やテレビ情報誌は大々的に広報。ドラマの記者会見は、キムタク政権発足という設定で、閣僚がモーニング姿で登場という派手さ。
 胡散臭いものを感じていたが、始まったドラマを観て、益々その感を強くした。以下、ネタバレを含むので要注意!

■あらすじ「ヤフーテレビ」より
フジテレビ「月9」ドラマ 『CHANGE』 5月12日(月) 21:00~22:24
 政治に興味のなかった小学校教師・朝倉(木村拓哉)は、ある事情から選挙に出馬。深津絵里演じる有能秘書・美山らとともに、理想の日本づくりを目指していく。

 内閣支持率はここ10年で最低の数字をたたき出していた。 
 ある日、福岡選出の与党議員・朝倉誠と後継者である長男が事故で死亡、補欠選挙が行われることになった。与党にとっては総選挙に影響するため負けられない選挙。与党総務会長・神林正一(寺尾聰)と秘書の美山理香(深津絵里)は候補者に父・誠に勘当された啓太という次男に目を向ける。

 長野の小学校。そこに5年生の担任、朝倉啓太(木村拓哉)がいた。子供たちに慕われ、大好きな天体観測も堪能し、充実した日々を送っていた。 
 啓太を訪ねて長野まで理香がやってくる。選挙に出るよう説得するが啓太はまったく政治には興味がない。啓太は高校卒業後、星の美しい場所で暮らしたいという理由で福岡を離れ信州の大学に進み、教師となったのだった。選挙に勝つためには身内を出して弔い合戦を演出するのが1番。無理を押して立候補しようとする母・貴江(富司純子)を前にしてもはや断れない啓太は、渋々立候補を決意する。 

 福岡に帰ってきた啓太を大歓迎する後援会の人々。父親の代からのさまざまな応援者の中には宮本ひかる(加藤ローサ)もいた。やがて選対本部に、韮沢勝利(阿部寛)が到着した。この男こそ「選挙こそは唯一法律で許された戦争なんだ」と言い切る、選挙に勝つためだけに送り込まれた選挙プランナーだ。ついに啓太の選挙戦がスタートする…。

■オバマのキャッチフレーズ「チェンジ」
 まず、タイトルの「チェンジ」これって、米大統領予備選挙の民主党オバマ候補のキャッチフレーズのパクリだゼェー。
 どうも民主党のクリントンが、大統領候補から撤退する模様だという予測が出ているが、共和党ブッシュ政権から民主党政権に「変える」といういうことでしょう。その前に共和党候補と本選挙が行われる訳だが…。

 ところがドラマのチェンジは、与党内の政権交代というだけで、日本ではよくある政治的日常。首相である伊東四朗(鵜飼武彦)の内閣支持率が、ここ10年最低という不人気内閣という設定だが、今の福田政権と同じだねぇー。だから、小泉元首相の待望論が囁かれる。

 フジテレビドラマお得意の派手な演出に、大げさな効果音でスタート。国会議事堂をバックに紫の旗がはためき「“政治”を夢と希望に溢れるエンターテイメントとして描くこととなった」(ドラマホームページより)。

■与党幹部のフィクサーと秘書
 派手な演出のスタート場面は、政友党総裁の伊東四朗がヘリコプターでテニスコートのあるゴルフ場(?)に到着。与党の幹部たちがそのお伴として揃う。総務会長の寺尾聰(神林正一)は、手に包帯を巻き「指を捻挫したので、代わりに秘書がお相手します」と深津絵里(美山里香)が登場する。寺尾の秘書を務める深津は、東大法学部卒業の財務省キャリア組から議員秘書に転身した。実は自分が政治家になりたいという野望を抱いている。モデルは片山さつきか?
 
 深津と伊東のテニスのラリーがうまくいかずに、首相がぎっくり腰を起こして救急車で病院に運ばれる。寺尾の捻挫は嘘で、首相に対する不信感の表明として、包帯をほどくシーンがある。幹事長の中村敦夫(小野田朝雄)は、マスコミが騒ぐ場面で「だからゴルフにしておけばよかったのに」とつぶやく。派閥の領袖(神山繁)や外務大臣(大林丈史)が一緒で、これらの面々がキムタク政権の実現に向けて暗躍するのだ。

 キムタクは朝倉誠代議士の次男で、勘当同然で長野で小学校教師をしていた。ところが、父親と長男がベトナムで不慮の航空機事故で死亡する。そのため福岡補選で弔い合戦を行うことになり、寺尾の意向を受け、秘書の深津が長野に出向き、キムタクに立候補を促す。政治に無関心なキムタクは立候補を引き受けないが、深津が地元工作を行う。

 そのため母親の朝倉貴江(富司純子)が、立候補を決めたの見かねて、キムタク(朝倉啓太)が立候補を承諾する。地元福岡の後援会は、総力を挙げて選挙に挑む。そこに表れたのが、選挙プランナーの阿部寛(韮沢勝利)で、短期決戦の選挙戦をリードする。

■「顔はいいので、政治に疎い女性は票を入れます!」
 このあたりに小泉元首相の選挙戦を彷彿させるエピソードがある。まず、深津が寺尾への電話で「啓太は顔だけはいいので、政治に疎い女性は票を入れますよ」と報告。
 これって、いわゆるB層ターゲットの話ではないか。小泉と竹中が郵政選挙の際に、広告代理店を使って、若者や女性・高齢者など、知的レベルの低い層をターゲットにわかりやすい選挙を行うという手法だ。

 同様に深津が選挙戦に際し、キムタクに「政策は教育・福祉・環境を三本柱に」と分厚い政策資料を手渡すが、阿部が「選挙のキャッチフレーズはわかりやすい方がいい」とアドバイスする。また選挙戦の途中に「今はベットより子どもの数が少ないので、少子化対策が最優先の課題だ。詳しい政策は言わなくていい」とも…。
 そしてもうひとつは、「選挙は日本で唯一の、法律で許された戦争だ」と小泉元首相の秘書官は言っていたと著書にあるようだが、確かに阿部がドラマで言っていた。
 
■ドラマにメディアリテラシーを!
 モォイイッc(>_<。)シ*バシッ まったくホント呆れちゃうよ((;・・ヘ)
 木村拓哉という幅広い層に人気のある俳優を起用し、脇の俳優陣もきっちり固め、嘘と真実を交え、ドラマというフィクションを政治的プロバカンダに用いるフジサンケイグループ。どうもその狙いは、ドラマ初回を観ただけでも、悲しいかな充分に成功しているように思われる。「月9」はフジテレビの看板ドラマで、これまで驚異の視聴率をたたき出している。

 ホントはオチなぞ書きたくないが、一応次いで、ということで…。

 選挙戦の最終日前日、対立候補の革新党陣営が、故・朝倉誠代議士の18年前の「1億円の不正な利益供与があった」というスキャンダルを地元紙に報道。
 疑心暗鬼の有権者を前にキムタクは、朝の駅前演説で「この話を父にこれは本当か?と、聞いたことがあります。父は政治には金がかかると、僕の目を見ずに答えたので、それで僕は政治が嫌いになりました」と有権者を前に謝罪する。
 これで、キムタクの負けは決まったと誰もが思ったが「素直に頭を下げる人間は勝てる」と踏んだ選挙プランナーの阿部は、そのビデオをテレビ局に貸し出す。開票日当日、朝倉陣営は開票場から届く、開票情報を前に悲嘆に暮れていた。そして、ついにテレビの開票速報で、対立候補の当選確実。

 ところが、一発逆転で、たった146票差で、キムタクが当選してしまう。選挙に負けて、長野に戻るつもりが、なぜか国会議事堂のある東京に…。


(+。+)アチャー。後は野となれ山となれ? ドラマにメディアリテラシーを!

生活保護受給者から自己決定権を奪うのか!

 最後のセイフティーネットである生活保護費の削減問題が、相変わらず進行している。
 厚労省の4月1日付の通知にある生活保護受給者に対する「通院移送費(交通費)の削減」と「ジェネリック医薬品の事実上の強制」問題である。
 厚労省のホームページではまだ、その通知が公開されていないが、それに先立ち、3月3日付の「厚労省社会・援護局関係課長会議資料」が、ワムネットのホームページで公開されている。課長会議は厚労省が都道府県や政令市の担当者を集めて行われる会議だ。
 その資料にふたつの問題とも書かれているので、引用しておこう。

■年間たったの44億円の財源を節約して生活保護受給者の医療抑制

・重点事項 
2生活保護行政の適切な運営
(1)通院医療費等の適正化対策
 通院移送費については、「移送に必要な最低限度の額」に限り給付されるものであるから、受診医療機関、利用する交通手段、通院日数及び交通費の妥当性の検証等を十分に行う必要がある。

【移送の給付に係わる改正内容(案)】なるものがある。
 そこには、通院交通費の支給を「例外的」として、<1>身体障害などで電車・バス等で利用が著しく困難な場合の(タクシー代)、<2>僻地などで電車・バス等でも著しく高額になる場合に限定する。それも「原則として福祉事務所管内の医療機関に限る」とした。

 生活保護受給費のなかに医療扶助という項目があるが、その中に電車・バスなどの公共交通機関を使って、福祉事務所管内(市・区・郡)以外の医療機関に通う場合でも、これまで交通費は支給されていたが、それを原則として支給しないということだ。

 3月の厚労省の課長会議で「改正内容(案)」の資料が提出され、自治体の現場の意見聴取もなく、4月1日に通知として厚労省の正式文書として提出されたのだから、まったく呆れる。以下、それに関する報道記事だ。

●朝日新聞 2008年04月13日
【生活保護受給者の通院交通費、大幅制限 厚労省が新基準】

http://www.asahi.com/health/news/OSK200804130003.html
 生活保護受給者の通院の際に支給される交通費(通院移送費)について、厚生労働省は今年度から、支給条件を災害時の緊急搬送など特殊なケースに絞り、「例外的」に支給する場合でも通院先を福祉事務所管内に限るなど支給基準を改定した。北海道で交通費が不正受給された事件の再発防止策と位置づけ、移行期間が終わる6月末以降の本格運用を目指す。これに対して、支給を打ち切られる恐れのある患者と接する自治体担当者の間には戸惑いが広がっている。

 これまで通院や入退院の際、医師の意見書などを条件に、通院移送費として「最低限度の移送」に必要な費用が支給されてきた。
 しかし、厚労省社会・援護局長名の1日付の通知によると、「一般的」な支給は災害現場からの搬送など4ケースに限定。それ以外を「例外的」な支給と位置づけ、通院先は原則、市町村や地域ごとにある福祉事務所の「管内」とした。具体的には、身体障害などで電車やバスの利用が「著しく困難」な人のタクシー代や、へき地などに住んでいて「交通費の負担が高額」になる場合のみ、支給するようにした。これまで普通に支払われていた近距離交通費や、福祉事務所管外の医療機関に通うための交通費の支給が止まる恐れがある。

 大阪府が、政令指定市と中核市を除く府内39市町村を対象に06年度に実施した調査によると、1人あたりの支給額は年平均3万8500円。利用者の6割以上は電車かバスを利用していた。府内のある福祉事務所は、現在の支給総額の6~7割をカットせざるをえないとみている。

 東京都、横浜市など首都圏7自治体は3月、新基準について受給者の医療や生活に「重大な影響を与える」との意見書を同省に提出した。
 大阪市は今月1日、厚労省に対し、「高額」などを判断する具体的な目安を示すよう文書で要請。回答が来るまで旧基準での支給を続ける方針だ。市には先月ごろから、「交通費が出なくなるんですか」といった問い合わせが寄せられている。市生活保護担当は「受給者にとっては、1回数百円の電車代でも負担が大きい。あいまいなままでは実施できない」としている。

 北海道滝川市の事件では、元暴力団員らがタクシー会社と共謀し、介護タクシー代約2億円をだまし取ったとして逮捕、起訴された。これに対し、福祉事務所職員やOB約300人でつくる「全国公的扶助研究会」(会長=杉村宏・法政大教授)は、「特殊な事件のために、多くの受給者の医療を受ける権利を侵害されることになる」と再検討を求めている。
 厚労省保護課は「事件を受け、過大支給を防ぐために基準を明確化した。支給できなくなるケースもあるだろうが、一律に支給を認めないような運用はしないよう求めており、真に医療を必要とする人にはこれまで通り支給できる」としている。
     
 生活保護で暮らす患者のなかにはすでに支給打ち切りを告げられた人もいる。
 「タクシー代を出すのは難しくなる」。大阪府の男性(57)は最近、福祉事務所のケースワーカー(CW)から告げられた。
 2年前、脳梗塞(のうこうそく)で手足にマヒが出て溶接工の仕事を解雇され、生活保護を受けるようになった。塀や電柱につかまりながら、ゆっくりでないと歩けない。月2回、ヘルパーに付き添われてタクシーで病院に通い、通院移送費約3千円を受け取っている。
 厚労省の新基準では、男性の場合、災害時の搬送など「一般的」な支給要件の4項目には該当しない。身体障害などで「電車・バス等の利用が著しく困難」で、例外的に支給されるかどうかが焦点となるが、CWは「一応歩ける」として、支給継続に難色を示しているという。男性は「10メートル先まで歩くのに何分もかかるのに……」と納得していない。
 精神障害者や難病患者、医療者の団体の間にも、新基準の撤回を求める動きが広がっている。3月25日に厚労省に基準の再考を求める要望書を出した「全国腎臓病協議会」(東京都)の金子智・事務局長は「定期的に人工透析を受ける患者にとって、交通費の負担は大きい。通院移送費は生命維持に欠かせないセーフティーネットとして保障すべきだ」と話している。(永田豊隆)
    
〈通院移送費制度〉 生活保護を受ける人が通院する際に実費が支給される。通常は受給者が立て替えた後、1カ月分をまとめて申請する方法がとられる。06年度は全国で計43億8600万円が支給され、医療にかかわる生活保護費(医療扶助)1兆3500億円の0.32%だった。生活保護制度では受給開始理由の43%が「傷病」だった。06年度の生活保護受給者151万人のうち、通院や往診など入院以外で医療にかかった人は月平均110万人だった。


■悪評高い後期高齢者医療制度に次いで「社会的弱者の切り捨て」施策
 もうひとつの問題が、生活保護受給者に対して、ジェネリック医薬品の使用を事実上、強制しようとすることだ。
 これも先の課長会議の資料にあるので、引用しておく。

(6)医療扶助における後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進対策
 後発医薬品の利用が可能な場合には、被保護者に対して、原則、後発医薬品を利用するよう周知徹底を図るとともに、特段の支障が無いにもかかわらず先発医薬品を利用する場合には後発医薬品の使用について指導を行う。(中略)
 各自治体におかれましては、その内容を踏まえ、関係者への後発医薬品に関する周知や利用に関する指導等に取り組まれたい。


 要するに、生活保護受給者は必要な医薬品をジェネリックに変えることを、厚労省から強要されることになり、薬を自ら選ぶ自己決定権が奪われることになる。以下、新聞報道を参照のこと。

●毎日新聞 2008年4月27日 2時30分
【ジェネリック医薬品:生活保護受給者は使用を…厚労省通知】

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080427k0000m040115000c.html
 生活保護受給者に対してジェネリック(後発)医薬品の使用を事実上強制する通知を厚生労働省が自治体に出していることが明らかになった。背景に医療費抑制を迫られる“国の懐事情”があり、通知書でも「後発医薬品は安く」「医療保険財政の改善の観点から」など、お金にかかわる文言が並ぶ。一方、指導に従わない生活保護者を割り出すため、薬局に1枚100円の手数料を払ってまで処方せんを入手するとしており、なりふり構わぬ様子がうかがえる。【柳原美砂子】

 4月1日に始まった後期高齢者医療制度に続き、生活保護者に限定した医療費抑制策は「弱者切り捨て」との批判を呼びそうだ。
 通知は後発薬について「一般的に開発費用が安く抑えられることから先発医薬品に比べて薬価が低く(中略)患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から使用促進を進めている」と説明。生活保護者については「患者負担が発生しないことから、後発医薬品を選択するインセンティブ(動機付け)が働きにくいため、必要最小限の保障を行う生活保護法の趣旨目的にかんがみ、後発薬の使用を求める」としている。

 通知によると、都道府県や政令市などが所管する福祉事務所は、診療報酬明細書(レセプト)の抽出を行ってまで、生活保護者が後発薬を使っているか確認しなければならない。そのために、調剤薬局に1枚100円の手数料を支払い、先発薬を使っている生活保護者の処方せんの写しを提出させることまで規定していた。先発薬の使用を指示した医師に対しては「特段の理由なく(受給者が)後発薬を忌避したことが理由でないかについて確認」することも盛り込んだ。

 国は後発薬の使用を生活保護者だけでなく国民全体に呼びかけているが、窓口で3割負担をする患者は調剤薬局などと相談して先発薬を選ぶこともできる。しかし生活保護者は「医学的理由がない」と判断されれば、保護の停止や打ち切りにつながりかねず事実上、選択権が奪われた形だ。ある自治体の担当者は「停止や打ち切りにつながることを、どういう形で受給者に説明するのか慎重に検討したい」と戸惑った様子で話す。


4・19小室等トーク&フォークライブ

ドキドキha-to小室等アルバム


 ライブ会場になった「表現空間プラザ・ステージ」は、高田馬場駅からすぐ近くのビルの地下。コンサートや芝居が出来る会場で、割りと狭いスペースだけど、舞台があって音響や映像の装置も整っている。今回のライブは50人ぐらいの参加者。

7時10分にステージに小室さん登場。
「こんばんわ。今回の告知のネットを見たら『ここでしか聴けない話』って書いてあるんですけど、それは詐欺です」とご挨拶。

1曲目「Eest Of Eden エデンの東」(訳詩・橋本淳)
「きみとふたりそらのかなたに/かわらぬあいをすすんでみたい/このよのかなしみは うつくしいさだめ」

2曲目「Stardust スターダスト」(訳詩・橋本淳)
「うつろなこの心に/忍び寄る夕闇」「君は星屑に似て/いまはただ遠い」
この2曲は谷川俊太郎プロデュースのアルバム「ノー・グッド・ウィズアウト・ユー」に入っている。

3曲目「ユーマイ・ゴット・ウィズユー」
さがゆきと小室さんのユニット「ロニセラ」で歌っているという。

トーク&フォークライブと銘打たれているせいなのか、小室さんのトークは長くかつ詳しい(もう~はしょって書くからね)。ここでのMCのテーマは「小室等のジャズという名のフォーク」だ。

「キングストントリオに影響を受けて音楽を始めて、P.P.&M(ピーター・ポール&マリー)を経て、フォークソングを歌ってきた。渡辺貞夫さんが私塾を開いて新しいジャス理論をミュージシャンに教えていたんだけど、僕もそこの門前の小僧だった。ある時、ジャズとフォークの合同コンサートを僕がプロデュースして、最後にジャズとフォークのミュージシャンが一緒に演奏したり歌ったんだけど大変だった」

このあたりの話は小室さんの著書「人生を肯定するもの、それが音楽」(岩波新書・2004)にいろいろ詳しく書かれている。この本を読むまで、小室さんの音楽の師がナベサダだなんて知らなかったよ。

4曲目、曲名不明。デューク・エリントンのナンバー。ここで、こむろゆいさん登場。
「最近、ひとりで歌い通せなくなって、介護を呼ぶからと」と小室さん。そのあとの2曲も曲名不明だけど、ジャズナンバー。

8曲目「サーカス」(作詞・中原中也 作曲・小室等)
「幾時代かがありまして/茶色い戦争ありました」


ここで休憩を挟んで、2部がスタート。



「それでね。1部でやろうと思っていたんだけど、最近、一部ですけど、圧力に負けて歌ってしまう歌があるんです」と小室さん。

9曲目「遙かな愛」(作詞・及川恒平 作曲・小室等)
「NHK金曜時代劇(2003)『蝉しぐれ』(原作・藤沢周平)の音楽を、僕が担当したの。エンディングテーマは50秒ぐらいしかないのに、作詞を及川恒平に頼んだら、4番まで作ってきたの。日の目を見ない歌なの」と小室さん。

残念ながら、このドラマは観ていないが、同じ脚本家が監督で映画化されていて、それは観た。ストーリーは知っているから、恒平さんの詩は納得だよ。

「ここからが二部」と、封印して来た小室さんの作詞の歌が3曲続いた。1曲目「お門違い」
 次は「寒い冬」
「石油の値段で明日が決められ」「なけなしの心/わずかな金で売る」いまこの時期のための歌じゃない! 両方ともアルバム「長い夢」(1980)に入っている。

12曲目「やさしさに火をつけろ」(作詞・作曲 小室等)
「やさしさに火をつけろ/やさしさを墓に葬れ/説明などするな」「辛くて 辛くて 辛いやつら眠るな/真っ暗闇 牛耳るやつらに負けるな」
この歌は1981年のLP「目撃者」で、最近CD化された。「やさしさに火をつけろ」は、今の小室さんの歌を聞きたかった。リクエストしたいと思っていたぐらい(!o!)オオ!

「60年代後半から70年前半は、世界中の若者が世界を変えられていると思っていた。そうことに同調して書いたアイロニーだけど…。僕は芸人でありたいし、ぬるま湯に浸かってラブソングを歌っていたい。だけどこの世の中に生きているひとりの人間として、考えることがある。92年と94年にチェルノブイリ原発事故のあったベラルーシに、日本チェルノブイリ連帯基金の人たちに混じって行ったことがある」

13曲目「雨のベラルーシ」(作詞・作曲 小室等)
「ゆるされるのなら 時間よ戻れ/きみのいない五月の 雨のベラルーシ」

アトム  ←高田馬場駅近くの壁画


谷川俊太郎「103歳になったアトム」の詩を小室さんが朗読。続いてテレビアニメ「鉄腕アトム」の主題歌(作詞・谷川俊太郎)を歌う。

15曲目「おしっこ」(作詞・谷川俊太郎 作曲・小室等)これ以降、こむろゆいさんと一緒に歌う。16曲目、曲名不明。シャンソンかな。



アンコール。
1曲目は中原中也の詩
(これまた意味深な歌なの、小室さんの言い訳は、これ中原中也の詩だからねぇ~)。
2曲目「ラブミーテンダー」3曲目、曲名不明。




(!o!)オオ! なかなか密度の濃いトーク&ライブでした。


金曜ドラマ『Aroudn40』メンタルヘルスと女の「市場価値」?!

 新年度とやらでテレビ番組の編成中で、次つぎ新番組が放映されている。
 たまたま観たドラマの話。「アラウンド40」つまり、40歳の周辺。均等法世代の仕事や結婚をめぐるドラマで、その設定は今どきのご時世を反映しているともいえる(今回のあらすじは、番組ホームページから転載したので、参照のこと)。

 オッ、なかなか今どきジャーンと、わたしが関心したのは、総合病院における精神科の様子。主人公が精神科医で、番組冒頭で精神科の診療風景を再現していたが「それって、認知行動療法だよなぁ~」と。
 今どき、抑うつやパニック障害など「現代病」に罹っている人たちが多いし、都会では、精神科受診の敷居は低くなっているから、総合病院の精神科はどこも満員。

 優秀な精神科医の緒方聡子は、ていねいな診察で一人ひとりに時間をかけて患者の訴えに耳を傾け、心理療法士との連携で、すこぶる患者の評判は高い様子を伺わせる。
 だが、現在の診療報酬制度によれば、精神科医が患者の訴えに長い時間をかけようとも、1分診療で薬物療法(≒薬漬け)だけでも、病院に入る診療報酬はまったく一緒なのが現実だ。

 副院長から、病院経営の視点から、ひとりあたりの診察時間を短縮するように要請されたり、女性の心理療法士が退職(子育てのため)するので、その代わりを捜して欲しいと、要望したり、いろいろ・・・

「認知行動療法」を、極めて簡単に言うと、極度の不安や抑うつ状態に陥っているクライアントに対して、ドクターやカウンセラーが対処する方法のこと。
 例えば「コップに水が半分しかないと思うか、まだ半分もあると考えるかは、あなたの認識や行動に関わることだから、ステップ・バイ・ステップで前向きにいきましょう」と、自己肯定力が低くなっているクライアントの背中を押す診療態度のこと。そういう診療をするためには、クライアントの訴えを時間かけて聴かなければ、クライアントに対して、そういう提案はなかなか出来ないのだ。

 まっ、ドラマですから、後任の男性心理療法士との葛藤が、今後のドラマ展開のひとつの焦点らしいのですが…。

■TBS金曜ドラマ「Around40~注文の多いオンナたち~」
4月11日(金) 22:00~23:09
http://www.tbs.co.jp/around40/
男女雇用機会均等法世代とも言われ自立した女性の象徴的存在であるAround40。
仕事、恋愛、結婚、出産、ただでさえオンナは悩ましい
……なのにオンナのタイムリミットはもう目前!?さぁどうする、私?

■第1話あらすじ
 緒方聡子(天海祐希)39歳、優秀な精神科医、独身。言うべきことはきちんと言う、面倒見のよいアネゴ肌で、仕事でもプライベートでも頼りにされている。趣味はひとりで高級旅館に泊まり、お笑いのビデオを観ること。
 そう、彼女はこの5年間、結婚どころか彼氏すらいない。それでも仕事にやりがいがあって、経済的にも不安はなく、一緒に遊べる親友で“結婚しない宣言”をしている後輩の森村奈央・35歳(大塚寧々)や高校時代からの同級生通称マーくん:大橋貞夫(筒井道隆)39歳という男友達の存在もあり、楽しく“おひとりさま”の人生を謳歌していた。

 40歳を目前に控えた同窓会で、高校時代からの親友で専業主婦の竹内瑞恵(松下由樹)に「子どもが欲しいなら今すぐ結婚すべき」と“女性としての幸せ”へ向けてのアクションを急かされるが、当の聡子は今ひとつピンとこない。
 そんなある日、聡子は衝撃的なことが起こって落ち込んだ奈央を励まそうと、行きつけの温泉旅館に出かけるが、そこでたまたま、イケメンだけどエコにこだわるちょっと変わった男性(藤木直人)が恋人と別れる場面に遭遇する……。

福田首相の「野党の権力乱用」ってどういう意味?

党首討論

 9日夜のテレビで、国会党首討論「福田首相vs小沢民主党代表」のニュースを見てびっくりしたよ(^_^;)\(・_・) 
 ねじれ国会で日銀総裁の不同意について、福田首相が小沢代表に向かって「野党の権力乱用はおかしい」と声を荒げた国会の模様を伝えていた。

 フクダさん、あんた権力者じゃないの? 
 野党の党首に向かって「権力の乱用」ってどういう意味?
 日本語をまともに使えない?

 余談だけど、ブログのタイトルを「権力とマイノリティ」としたのは、単なるインスピレーションだったけど、「権力」という言葉には、ついついセンシティブになる。検索サイトで「権力」と入力すると、なぜか「権力とマイノリティ」はけっこう上位に入っているので、その言葉の検索からブログを訪問してくれる方が少なからずいる。

 ・・・ということで「権力」について、こんなサイトを見つけたので一部紹介しておく。

●権力は「力」ではない 萩原能久
http://www.law.keio.ac.jp/~hagiwara/lawsemi2.html
・権力という概念
 日本語で「権力」という言葉を使うとき、たとえば「重力」のような自然現象において作用する力学的な力を意味することも、また「労働力」のように自然に対して、それをコントロールしようと投入する人間の力量を意味することもありえない。

 試しに広辞苑を引いてみよう。
 けん・りょく【権力】[漢書](1)他人をおさえつける力。権勢。
 (2)(power)支配者が被支配者に服従を強要する力。→政治権力


 日本語の場合、「権力」という言葉は人間と人間の関係のなかで作動するものに限定されているのである。ところが英語のこれに対応する概念であるpowerは、先にあげた三つの意味を同時に含んでいる。それは日常的な用法においてだけではない。実はニュートン力学の成功に象徴される近代自然科学の成立以来、多くの社会科学者はこれこそが唯一の科学のお手本であると考え、物理学的な力からの類推で権力現象を説明しようとしてきたのだし、今日の高名な学者の中にも、人間が自然に対して行使する力と、人間が人間に対して行使する力を区別せずに論じる者もいるのが現実である。

 ハンナ・アーレントというドイツ系ユダヤ人の女流政治学者が次のように嘆くのももっともである。「現在使われている専門用語において、『権力』(power)、『力』(strength)、『強制力』(force)、『権威』(authority)、さらには『暴力』(violence)といった基本用語の間にはっきりした区別がつけられていないことは、現在の政治学の貧困を反映している」と。

 だが、先の広辞苑にあった「他人をおさえつける力」とは何なのだろう。プロレスラーの「体固め」も、ラッシュ時の新宿駅の「尻押し隊」も「他人をおさえつける力」を行使している訳だが、誰もそれを権力とは呼ばない。(2)で挙げられている意味もあわせて考えてみると、複数の人間間に支配—被支配の関係、つまり命—服従関係があり、支配者の命令に対して逆らうことができない「何か」が働くとき、そこに「権力」があるとまずは推測される。しかもその「何か」は、被支配者にとって自発的なものではなく、「おさえつけられ」、「強要される」ものなのである。

●読売新聞 2008年4月9日22時31分
【首相「人事権の乱用だ」、小沢氏「既得権益はだめ」】
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080409-OYT1T00748.htm
 福田首相と小沢民主党代表による今国会初の党首討論が9日、行われた。

 首相は日銀正副総裁人事をめぐり、民主党が財務省出身者ら4人を不同意としたことを「権力、人事権の乱用だ」と厳しく批判した。

 首相は「適材適所の場に官僚であった者が就くことがそんなに悪いのか」と述べたうえで、「人事権は政府にある。よほど変な人事をしなければ認めるのが国会同意人事の制度だ」として、民主党の対応は行き過ぎとの認識を示した。

 民主党の意思決定についても「正直言って翻弄(ほんろう)された。誰と話せば信用できるのか示してほしい。民主党の結論が遅く、本当に困っている」と強い不満を表明した。

 これに対し、小沢氏は「日銀正副総裁の中に、必ず旧大蔵省(財務省)がポストを占める既得権益がいけない」と指摘し、同党の対応の正当性を強調した。

 この後の記者会見で、政府が日銀副総裁候補として再び財務省出身者を提示した場合の対応について、「私は変わらない」と述べ、反対する考えを示した。

 「権力乱用」との首相の批判にも「人事権、予算編成権は政府にあるが、参院の過半数の意思を尊重して野党の意見を取り入れるのは当たり前だ。文句を言うなという話では、国会がいらなくなる」と反論した。

土曜ドラマ『刑事の現場』

団塊 新米

◆第1回「苦い逮捕」3月1日放映
 警察の現場を舞台に、今の時代を映し出す従来にない社会派刑事ドラマが、スタートしました。現在の警察をめぐる世代間の温度差や捜査情況を描きながら、淡々とドラマ進展する様子は、伊勢崎刑事・寺尾聰の見事な演技力に圧倒され、ラストシーンまで息を飲む緊張感がある。
 ただ、この国に海外からの「研修生」という名目で「低賃金労働者」として働かざるを得ない日系ブラジル人の置かれた社会的差別の背景の描き方が、不充分だったのがとても残念だ。ドラマを見終わった後に、あれ~? なぜ「苦い逮捕」だったの? しばし途惑ってしまったσ(^^)
 4回枠ドラマという制約の中、社会の矛盾という犯罪をめぐる、さまざまな局面を盛り込もうとする制作サイドの並々ならぬ意欲を感じた。

寺尾と原田1 寺尾と原田2

◆第2回「48時間の壁」3月14日放映
 放火現場近くで公務執行妨害で逮捕されたのが 、森山が小学生のときの担任だった原田芳雄。 取調室で恩師を取り調べるハメになった新米刑事の途惑いと ベテランが新米を育てていく様子を織り込みながら話が進む。
 逮捕された原田は、1年前に起きたタクシー運転手殺人の容疑が疑われたが、今回の件で、警察は48時間しか拘留できない(そりゃ大変だワ)。

 容疑者は実は、犯罪被害者家族だった(こういう設定ってご時世を感じさせる)。 川に落ちて死んだ孫娘は事故だったと、原田は警察に訴えるが、 それが警察に取り上げられず、自分で犯人を探し出す。 見つけ出したタクシー運転手とつかみ合いになり、殺人を犯してしまった原田。

 落としの伊勢崎が犯人を落とすことが、 出来たのは強引な取り調べではなく、孫娘を失った現場で、警察の過失を認め、原田に謝罪することだった。
これって、北風と太陽の話を思い起こさせる。 権力って、自らの非をちゃんと認めないことが、多すぎますからねぇ~。
 警察はドラマを見習って欲しいものだ(笑) 。モォイイッc(>_<。)シ*バシッ

 ドラマって言うのは、演じる俳優の見事さもさることながら、どれだけ脚本がしっかりしているかに、かかっているけど、まっ、よくできてますよ「刑事の現場」のホンは。

◆第3回「運び屋を追え」 3月21日放映
 今回のテーマは「普通の家族」の中で起こった ふたつの事件「親殺しと覚醒剤の運び屋」と 若手刑事たちの成長ぶりっていうところだった。
 ほんとうは息子が母親を殺したのに、父親が息子の身代わりになるという事件。そして、一見恵まれた家庭の主婦が、実は淋しい退屈な日常に飽きたらず、覚醒剤の運び屋をやっていた。
「普通の人なんていない」という女性刑事の言葉が象徴的。 そう、フツウなんてなんていう曖昧な言葉で人の人生について、語ることはあまりにおこがましい。
 最終回は「生きて帰ってこい」「刑事として認めない」 という伊勢崎刑事の言葉がキイワードだよな。

寺尾 ラスト

◆最終回「バスジャック」3月28日放映
 主役の伊勢崎刑事が襲われて、意識不明になるというピンチ。 その容疑者は、過去に伊勢崎刑事が逮捕した殺人者の息子。 伊勢崎は不良に走ったその息子の更正に力を尽くし、 就職の保証人になるなど、刑事ではなく、人間として支えてきた。
 容疑者は昔の悪い仲間に 「殺人者の子どもであることを、息子にばらす」と脅かされていた。 それを恐れた容疑者は、刑事たちの追ってを逃れ、バスをジャックする。  啓吾は人質になっていた運転手の身代わりになり、その現場に所轄の刑事たちが結集する。 伊勢崎刑事は容疑者を説得し、無事に事件は解決する。

 これってよくある刑事ドラマの設定だけど、刑事ってこんなにヒューマニズムに溢れているんですかねぇ~、やや疑問。 この社会では、罪を償った人に対して、決して優しい社会ではないのが現実だ。 某国営放送的ニュータイプ・ヒューマン刑事ドラマが 「刑事の現場」だったんですね~。

 定年まで3年ある寺尾聰が、最後のシーンで真野響子に「育ててきます」と耳打ちしてから現場に出かけていく。

 警察の失態のニュースを見ていると、警察の世代交代はこんなに簡単にうまくいくんでしょうかね~と極めて心配。ドキュメンタリー系「ヒューマニズム刑事ドラマ」は現実を考えさせられますよ。

賽も投げられず、ただ開き直る石原知事の醜態

石原知事

 東京都が一千億円も出資して、新銀行をつくって、不良債権をたくさん出して、四百億円も追加融資するんだって、石原都知事。昨夜の深夜ニュースで都議会の様子を放映していたが、相変わらずどうしよもないねぇ(!_+) 
 都民を見くびる経済観念のなさと、政治力の貧困さ。石原知事をかばう与党からも追加融資には疑問を呈されている。

 石原知事の発言で呆れたのは「私はシーザーでもアレクサンダー大王でもない」
 あたりまえだろうコイツゥ(=^ェ^=)∂ポカ(^_^;)

 シェークスビアの戯曲『ジュリアス・シーザー』でカエサル(シーザーは英語読み)は「ブルータスおまえもか!」と名ぜりふを遺して暗殺された古代ローマ帝国の英雄。ローマを追われたときにルビコン川を超えて「賽は投げられた」というセリフも有名だ。
 アレキサンダー大王(アレクサンドロス三世)は、古代マケドニア王国のテメノス朝の国王。ギリシア文化がオリエント文化と融合し、ヘレニズム文化がアレクサンドロスの帝国に開花し、ミロのヴィーナスがつくられたのはこの時代。古代ローマやイスラム、ヨーロッパに強い影響を及ぼした。

 答弁に窮しそうなとき席に立てない小心者の政治家が、シーザーやアレクサンダー大王であるはずがない。

●朝日新聞 03月12日01時23分
【新銀行東京 自身の責任開き直り 都議会委で石原知事】
http://www.asahi.com/politics/update/0312/TKY200803110454.html?ref=rss
 東京都が1千億円を出資し、経営難に陥っている新銀行東京について、石原慎太郎知事は11日の都議会予算特別委員会で「残念で慚愧(ざんき)に堪えない」と語り、追加出資への了承を求めた。設立を主導した知事の責任を追及する野党に対し、知事は開き直ったかのように旧経営陣批判を展開。「提案者として取るべきは、都民に役立つ銀行として再生させることだ」と、経営悪化についての自身の責任は最後まで認めなかった。

●「私が社長ならもっと大きな銀行に」
 委員会は知事の責任論で議論が白熱したが、最後まで知事は強気の姿勢を崩さなかった。
 「全庁的な議論も無いままトップダウンで発足した」。野党・民主の山下太郎氏は、冒頭から踏み込んだ。石原知事は「私はシーザーでもアレクサンダー大王でもない。独断だけで組織が動くものではない。トップダウンとは、大連立を決めたあなたのところの大将の小沢(一郎)さんだ。行政のメカニズムを知らない方の間違った指摘を直した方が良い」と声を荒らげた。

 山下氏は「旧経営陣は雇われマダム。知事の経営方針をもとに運営したのでは」と続けたが、知事は「金融の専門家も参加して作ったモデルカーをどう運転するかは、経営者の才覚だ」と旧経営陣の責任を強調した。
 共産の吉田信夫氏は、新銀行の開業時にすでに大手銀行が中小企業融資を始めていた状況を踏まえ、「知事は慎重な姿勢が欠けていた」と批判。だが知事は「私にも『責任』がありますよ。墜落寸前の銀行を上昇させることだ。さんざん話してきたじゃないですか」と開き直った。
 さらに吉田氏が累積赤字について「あなたが会社の社長だったら、1000億円の大穴をつくれば即辞任だ」と追及すると、「最初から私が社長だったらもっと大きな銀行にしていますよ」と、居直ってみせた。

 一方、知事は答弁に窮しそうな質問には立たなかった。批判の矛先を向ける仁司泰正・元代表執行役の任命責任について問われると、知事に代わって佐藤広・都産業労働局長が「銀行設立準備担当部署が候補者を決め、最終的に知事の了承を受けた」と答弁。「都議会は議会ごとに新銀行問題を取り上げてきたが、知事は馬耳東風だった」との指摘にも、明確な答えはなかった。
 与党の自民、公明は、知事の責任を直接は追及しなかった。自民の川井重勇氏が、知事が「追加出資はしない」としていた発言を変えたことに触れ、「知事は物書きで言葉を大事にしてきた上、負けず嫌い。プライドを捨てて苦渋の選択をしたのは、金融不安を起こさないという思いの表れと思う」と水を向けると、知事は「400億円の重みは十分感じている」と応じた。
 最後に再建への決意を問われ、知事は「旧経営陣をことさら批判するつもりはありませんが、唯我独尊ではだめだと思います」。野党からは「自分がそうだろう」とヤジが飛んだ。
 議会後、石原知事は報道陣に「あの程度の議論で都民に十全な理解というのはほど遠いね」と語った。

●追加出資、与党も疑問視
 ただ、追加出資の妥当性については与党からも疑問の声が出た。
 公明の藤井一氏は「事業清算が最も現実的な方法ではないか。なぜ事業清算ではだめなのか」とただした。「取り付け騒ぎが起こる可能性があり、事業清算の手法はとりえない。追加出資が都の負担の最も少ない方法」と答える佐藤産業労働局長に対し、「都民が聞いて分かるように説明すべきだ」とくぎを刺した。

 銀行再建への疑問も示された。民主の山下氏は新銀行が業務提携や出資を求めて11金融機関と交渉したが失敗した点を踏まえ、「新銀行のビジネスモデルでは事業が継続できないという民間のシビアな判断があったのでは」と指摘。400億円の使途を見直すよう求めた。
 また、山下氏は10日に公表された内部調査報告書について、調査委員会のトップ津島隆一・現代表執行役は元都局長で「公平性が担保されない」と批判。金融庁に都側から新銀行への検査を要請すべきだと提案したが、佐藤局長は「金融庁の判断で適切に行われる」とだけ述べた。