金曜ドラマ『Aroudn40』メンタルヘルスと女の「市場価値」?! | 権力とマイノリティ

金曜ドラマ『Aroudn40』メンタルヘルスと女の「市場価値」?!

 新年度とやらでテレビ番組の編成中で、次つぎ新番組が放映されている。
 たまたま観たドラマの話。「アラウンド40」つまり、40歳の周辺。均等法世代の仕事や結婚をめぐるドラマで、その設定は今どきのご時世を反映しているともいえる(今回のあらすじは、番組ホームページから転載したので、参照のこと)。

 オッ、なかなか今どきジャーンと、わたしが関心したのは、総合病院における精神科の様子。主人公が精神科医で、番組冒頭で精神科の診療風景を再現していたが「それって、認知行動療法だよなぁ~」と。
 今どき、抑うつやパニック障害など「現代病」に罹っている人たちが多いし、都会では、精神科受診の敷居は低くなっているから、総合病院の精神科はどこも満員。

 優秀な精神科医の緒方聡子は、ていねいな診察で一人ひとりに時間をかけて患者の訴えに耳を傾け、心理療法士との連携で、すこぶる患者の評判は高い様子を伺わせる。
 だが、現在の診療報酬制度によれば、精神科医が患者の訴えに長い時間をかけようとも、1分診療で薬物療法(≒薬漬け)だけでも、病院に入る診療報酬はまったく一緒なのが現実だ。

 副院長から、病院経営の視点から、ひとりあたりの診察時間を短縮するように要請されたり、女性の心理療法士が退職(子育てのため)するので、その代わりを捜して欲しいと、要望したり、いろいろ・・・

「認知行動療法」を、極めて簡単に言うと、極度の不安や抑うつ状態に陥っているクライアントに対して、ドクターやカウンセラーが対処する方法のこと。
 例えば「コップに水が半分しかないと思うか、まだ半分もあると考えるかは、あなたの認識や行動に関わることだから、ステップ・バイ・ステップで前向きにいきましょう」と、自己肯定力が低くなっているクライアントの背中を押す診療態度のこと。そういう診療をするためには、クライアントの訴えを時間かけて聴かなければ、クライアントに対して、そういう提案はなかなか出来ないのだ。

 まっ、ドラマですから、後任の男性心理療法士との葛藤が、今後のドラマ展開のひとつの焦点らしいのですが…。

■TBS金曜ドラマ「Around40~注文の多いオンナたち~」
4月11日(金) 22:00~23:09
http://www.tbs.co.jp/around40/
男女雇用機会均等法世代とも言われ自立した女性の象徴的存在であるAround40。
仕事、恋愛、結婚、出産、ただでさえオンナは悩ましい
……なのにオンナのタイムリミットはもう目前!?さぁどうする、私?

■第1話あらすじ
 緒方聡子(天海祐希)39歳、優秀な精神科医、独身。言うべきことはきちんと言う、面倒見のよいアネゴ肌で、仕事でもプライベートでも頼りにされている。趣味はひとりで高級旅館に泊まり、お笑いのビデオを観ること。
 そう、彼女はこの5年間、結婚どころか彼氏すらいない。それでも仕事にやりがいがあって、経済的にも不安はなく、一緒に遊べる親友で“結婚しない宣言”をしている後輩の森村奈央・35歳(大塚寧々)や高校時代からの同級生通称マーくん:大橋貞夫(筒井道隆)39歳という男友達の存在もあり、楽しく“おひとりさま”の人生を謳歌していた。

 40歳を目前に控えた同窓会で、高校時代からの親友で専業主婦の竹内瑞恵(松下由樹)に「子どもが欲しいなら今すぐ結婚すべき」と“女性としての幸せ”へ向けてのアクションを急かされるが、当の聡子は今ひとつピンとこない。
 そんなある日、聡子は衝撃的なことが起こって落ち込んだ奈央を励まそうと、行きつけの温泉旅館に出かけるが、そこでたまたま、イケメンだけどエコにこだわるちょっと変わった男性(藤木直人)が恋人と別れる場面に遭遇する……。