賽も投げられず、ただ開き直る石原知事の醜態 | 権力とマイノリティ

賽も投げられず、ただ開き直る石原知事の醜態

石原知事

 東京都が一千億円も出資して、新銀行をつくって、不良債権をたくさん出して、四百億円も追加融資するんだって、石原都知事。昨夜の深夜ニュースで都議会の様子を放映していたが、相変わらずどうしよもないねぇ(!_+) 
 都民を見くびる経済観念のなさと、政治力の貧困さ。石原知事をかばう与党からも追加融資には疑問を呈されている。

 石原知事の発言で呆れたのは「私はシーザーでもアレクサンダー大王でもない」
 あたりまえだろうコイツゥ(=^ェ^=)∂ポカ(^_^;)

 シェークスビアの戯曲『ジュリアス・シーザー』でカエサル(シーザーは英語読み)は「ブルータスおまえもか!」と名ぜりふを遺して暗殺された古代ローマ帝国の英雄。ローマを追われたときにルビコン川を超えて「賽は投げられた」というセリフも有名だ。
 アレキサンダー大王(アレクサンドロス三世)は、古代マケドニア王国のテメノス朝の国王。ギリシア文化がオリエント文化と融合し、ヘレニズム文化がアレクサンドロスの帝国に開花し、ミロのヴィーナスがつくられたのはこの時代。古代ローマやイスラム、ヨーロッパに強い影響を及ぼした。

 答弁に窮しそうなとき席に立てない小心者の政治家が、シーザーやアレクサンダー大王であるはずがない。

●朝日新聞 03月12日01時23分
【新銀行東京 自身の責任開き直り 都議会委で石原知事】
http://www.asahi.com/politics/update/0312/TKY200803110454.html?ref=rss
 東京都が1千億円を出資し、経営難に陥っている新銀行東京について、石原慎太郎知事は11日の都議会予算特別委員会で「残念で慚愧(ざんき)に堪えない」と語り、追加出資への了承を求めた。設立を主導した知事の責任を追及する野党に対し、知事は開き直ったかのように旧経営陣批判を展開。「提案者として取るべきは、都民に役立つ銀行として再生させることだ」と、経営悪化についての自身の責任は最後まで認めなかった。

●「私が社長ならもっと大きな銀行に」
 委員会は知事の責任論で議論が白熱したが、最後まで知事は強気の姿勢を崩さなかった。
 「全庁的な議論も無いままトップダウンで発足した」。野党・民主の山下太郎氏は、冒頭から踏み込んだ。石原知事は「私はシーザーでもアレクサンダー大王でもない。独断だけで組織が動くものではない。トップダウンとは、大連立を決めたあなたのところの大将の小沢(一郎)さんだ。行政のメカニズムを知らない方の間違った指摘を直した方が良い」と声を荒らげた。

 山下氏は「旧経営陣は雇われマダム。知事の経営方針をもとに運営したのでは」と続けたが、知事は「金融の専門家も参加して作ったモデルカーをどう運転するかは、経営者の才覚だ」と旧経営陣の責任を強調した。
 共産の吉田信夫氏は、新銀行の開業時にすでに大手銀行が中小企業融資を始めていた状況を踏まえ、「知事は慎重な姿勢が欠けていた」と批判。だが知事は「私にも『責任』がありますよ。墜落寸前の銀行を上昇させることだ。さんざん話してきたじゃないですか」と開き直った。
 さらに吉田氏が累積赤字について「あなたが会社の社長だったら、1000億円の大穴をつくれば即辞任だ」と追及すると、「最初から私が社長だったらもっと大きな銀行にしていますよ」と、居直ってみせた。

 一方、知事は答弁に窮しそうな質問には立たなかった。批判の矛先を向ける仁司泰正・元代表執行役の任命責任について問われると、知事に代わって佐藤広・都産業労働局長が「銀行設立準備担当部署が候補者を決め、最終的に知事の了承を受けた」と答弁。「都議会は議会ごとに新銀行問題を取り上げてきたが、知事は馬耳東風だった」との指摘にも、明確な答えはなかった。
 与党の自民、公明は、知事の責任を直接は追及しなかった。自民の川井重勇氏が、知事が「追加出資はしない」としていた発言を変えたことに触れ、「知事は物書きで言葉を大事にしてきた上、負けず嫌い。プライドを捨てて苦渋の選択をしたのは、金融不安を起こさないという思いの表れと思う」と水を向けると、知事は「400億円の重みは十分感じている」と応じた。
 最後に再建への決意を問われ、知事は「旧経営陣をことさら批判するつもりはありませんが、唯我独尊ではだめだと思います」。野党からは「自分がそうだろう」とヤジが飛んだ。
 議会後、石原知事は報道陣に「あの程度の議論で都民に十全な理解というのはほど遠いね」と語った。

●追加出資、与党も疑問視
 ただ、追加出資の妥当性については与党からも疑問の声が出た。
 公明の藤井一氏は「事業清算が最も現実的な方法ではないか。なぜ事業清算ではだめなのか」とただした。「取り付け騒ぎが起こる可能性があり、事業清算の手法はとりえない。追加出資が都の負担の最も少ない方法」と答える佐藤産業労働局長に対し、「都民が聞いて分かるように説明すべきだ」とくぎを刺した。

 銀行再建への疑問も示された。民主の山下氏は新銀行が業務提携や出資を求めて11金融機関と交渉したが失敗した点を踏まえ、「新銀行のビジネスモデルでは事業が継続できないという民間のシビアな判断があったのでは」と指摘。400億円の使途を見直すよう求めた。
 また、山下氏は10日に公表された内部調査報告書について、調査委員会のトップ津島隆一・現代表執行役は元都局長で「公平性が担保されない」と批判。金融庁に都側から新銀行への検査を要請すべきだと提案したが、佐藤局長は「金融庁の判断で適切に行われる」とだけ述べた。