市によると「ダムの洪水ゲートは貯水率が73%を超えないと機能しない。
今回は2回の放流時ともピークには95%を超え・・


あくまでも利水ダムなので、そういった洪水調整のダムではない。構造的にもそういった調整ができるダムじゃないんで、事前の調整が難しいダムになります」と言うが・・

「高の倉ダム」は、本当に事前放流できない設備なのか?

「三春ダム」は治水機能を備えているが、「高の倉ダム」は「利水」ダムのため??
構造的にもそういった調整ができるダムじゃない??

市の説明には、大きな矛盾が・・

貯水率が73%を超えた分は構造的にも 事前放流は可能、
下流住民の命より利水権者の利益を優先、規定を盾に事前放流しなかっただけでは?

国交省も、西日本豪雨の反省から、<あらかじめ利水者の理解や協力等を得て、洪水貯留準備操作(事前放流)の充実を図り、より多くの容量を確保すること>と提言している。
緊急放流の6ダムで事前放流せず 国交省・自治体に重大責任
人災というより犯罪! 西日本豪雨 ダム緊急放流 規定に反し 流入量より多く放流か 

千葉・市原豪雨では、中止された筈の緊急放流が実際には、
中止発表の6時間40分前に実施されていた疑いが・・
千葉・亀山ダム〝緊急放流実施せず〟と発表の6時間40分前に実質緊急放流状態か(国交省データ)



ダムの〝水〟が下流域を襲い、住民の命と暮らしを奪ったなら・・無謀な緊急放流の責任はどこに?

 Yahoo!ニュース・福島テレビより
”娘から連絡がなければ死んでいた” 台風19号ダムの緊急放流に不信感を持つ住民たち<福島県南相馬市>

【福島県南相馬市の高倉地区で5日夜に開かれた緊急集会。

「協議会の目的は大災害を生じた原因を調査」
住民たちは「協議会」を設立して緊急放流の検証を市に求めていくことを決めた。

南相馬市高倉行政区 菅野秀一区長:
「第三者の専門家を頼んで本当にこの放水が問題なかったのかどうか学識経験者の意見を聞きながら、それによって最終的な判断をしていきたい」


【台風19号に続いて2回目の「緊急放流」を行った「高の倉ダム」】
ダムの決壊を防ぐためだったが…いずれも下流の河川が氾濫。
住民たちが大きな被害につながったと考えているのが1回目の「放流」。

<高倉地区ではおよそ70世帯のうち10世帯が床上浸水の被害>
「高の倉ダム」の対応に疑問を感じている。
志賀信男さん:
「結局、いっぱい貯まってから出すんじゃなくて、その前から放流する方法・策を取ってほしかったなと思います」

南相馬市によると、台風19号の際に「高の倉ダム」では最大で毎秒190トン、通常のおよそ100倍にあたる量を放流した。


【ダムの貯水量を事前に下げておくことはできなかったのか?】
南相馬市経済部末永孝雄さん:
「あくまでも利水ダムなので、そういった洪水調整のダムではない。構造的にもそういった調整ができるダムじゃないんで、事前の調整が難しいダムになります」
(※「利水ダム」は農業や水道などで使う水を安定的に供給するため一定の水を貯めることを目的としている。)

県が定めたルールで「常に満水」が求められていることも貯水量を調整できなかった理由だという。


【住民が不信感を募らせているのが情報周知の遅れ】
南相馬市高倉行政区 鎌田悦雄副区長:
「台風で水嵩が増している所に、ダムの緊急放流があったために、結局住宅が流されてしまった状態」

ダムから数百メートルの住宅はとくに被害が大きく、目の前の橋は流され いまだ復旧の見込みは立っていない。

小野さん夫妻は間一髪避難して無事だったが、「緊急放流」を知ったのは開始から1時間以上経ってから。
小野榮さん:「(Q娘さんから放流を知らせるメールがなければ?)死んでたな」

南相馬市は被害との因果関係について言及していないが、「ダムの決壊を防ぐためにはやむを得なかった」としている。

緊急放流をめぐっては防災無線やエリアメールで住民に周知していましたが、結果的に行き届いていなかった。】

 河北新報より
高の倉ダムの緊急放流検証へ 住民が協議会 南相馬
【台風19号と10月25日の大雨で、福島県南相馬市原町区にある「高の倉ダム」が緊急放流を2回行ったため高倉地区の住宅が全壊や浸水の被害を受けたとして、地区住民が放流や避難誘導の在り方を検証する協議会を設立した。今月14日、ダムを管理する市から説明を受ける。市は規定に基づいた放流だったと主張している。
 協議会は高倉行政区の役員や被災者14人で構成。菅野秀一区長によると、緊急放流のために地区の10世帯が被災したほか、道路や橋の損壊、農地被害などがあった。

 今後、緊急放流の実施や避難誘導を住民に周知する市の対応が適切だったかどうか、生活支援、農地復旧の在り方など6項目を検証していく。

 ダムの近くに住む大工小野栄さん(71)は、台風19号が通過した10月12日夜の緊急放流によって自宅が全壊したと訴える。母屋は床上1メートルの高さで濁流が西から東へ突き抜け、作業場や納屋は倒壊した。
 長女から「緊急放流の可能性がある」と電話連絡を受け、午後8時すぎに車で避難した。「家にいたらどうなっていたか。先祖代々100年以上暮らしてきたが、もうここには住めない」と話す。

 福島県から委託を受けてダムを管理する市は「高の倉ダムは農業用の利水ダムであり、事前放流などの洪水調整ができない」(経済部)と説明する。

 市によると、ダムの洪水ゲートは貯水率が73%を超えないと機能しない。今回は2回の放流時ともピークには95%を超え、12日は最大で毎秒約190立方メートルの流入と放流、25日には同約120立方メートルが流入して同59立方メートルを放流した。】

 Yahoo!ニュース・福島テレビより
防災大百科 2 「緊急放流」三春ダムで行われた洪水調節
【災害が起きる前に私たちにできることを考えるシリーズ防災大百科。
今回は台風19号と豪雨で注目されたダムの役割について福テレ・防災担当の井上明記者と東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さんが取材してきた。

【福島県内のダムでも浸水被害の軽減に結びついたケースが】
「阿武隈川」の支流に整備され、治水機能を備えた「三春ダム」。
台風19号の際に行われたのが、「防災操作」と呼ばれる洪水調節。

<三春ダムに貯めた容量はどのくらい?>
概数値、速報値で、大体1900万トンくらい。

<台風19号が接近した当時の総雨量はおよそ300ミリ>
三春ダムでは大量に入ってきた水を下流には流さないでダムに貯め込む対応を取った。
その結果、水位はダムに貯められる高さまであと4メートルに迫る過去最高の329メートルに達したが、下流の河川の水位の上昇を抑えることができた。

<国土交通省 東北地方整備局 三春ダム管理所 松崎厚史さんに聞く>
「事前の予測で大体328メートルから329メートルくらいは行くかも知れないという予測は出てはいたので、逆にそこで収まってくれればいいなというのが正直なところですね。ある程度、予想は当然していたんですけど、水位を実際に見るのは緊張感があったところであります」


郡山市の阿武隈川では水位を84センチ下げるなど浸水被害の軽減につながったと試算されている。

<防災マイスターの松尾一郎さんも防災操作の必要性を指摘>
「水が超えることによって、堤防は土ですから崩れて決壊に至ることはあるので、なるべくなら水位が高い状態は短ければ短い方がいい。防災操作はその効果(決壊を防いだ)もあったと思います」


(防災大百科 3 「緊急放流」 福島・南相馬市 高の倉ダムの緊急放流 へつづく)】

 Yahoo!ニュース・福島テレビより
防災大百科 3 「緊急放流」 福島・南相馬市 高の倉ダムの緊急放流
【災害が起きる前に私たちにできることを考えるシリーズ防災大百科。
今回は台風19号と豪雨で注目されたダムの役割について考える。

【台風19号や豪雨の際に注目されたのがダムの「緊急放流」】
「緊急放流」とは大雨で貯水量が急増したダムの決壊を防ぐため、通常よりも大量の水を流すことをいう。
ダムの下流では浸水被害の危険が高まることから緊急時の「最終手段」とされている。

【福島・南相馬市の「高の倉ダム」では2019年10月に2回行われた】
「高の倉ダム」は農業用に作られた「利水」ダムのため、三春ダムのような洪水を防ぐことを想定した設備にはなっていない。
取材を進めると「緊急放流」に対する住民の不信感や「利水ダム」の運用の難しさが見えてきた。

(防災大百科 4 「緊急放流」 につづく)】

  Yahoo!ニュース・福島テレビより
防災大百科 4 「緊急放流」福島・南相馬市 高の倉ダムの緊急放流に疑問を抱える住民
【災害が起きる前に私たちにできることを考えるシリーズ防災大百科。
今回は台風19号と豪雨で注目されたダムの役割について福テレ・防災担当の井上明記者と話を進める。

【「緊急放流」に対する住民の不信感や「利水ダム」の運用の難しさとは】
福島県南相馬市の高倉地区で5日夜に開かれた緊急集会。

高倉行政区の参加者:「協議会の目的は大災害を生じた原因を調査」
住民たちは「協議会」を設立して緊急放流の検証を市に求めていくことを決めた。

南相馬市高倉行政区 菅野秀一区長:「第三者の専門家を頼んで本当にこの放水が問題なかったのかどうか学識経験者の意見を聞きながら、それによって最終的な判断をしていきたい」

10月25日の大雨で貯水量が急増した「高の倉ダム」。
ダムの決壊を防ぐため、台風19号に続いて2回目の「緊急放流」を行った。
いずれも下流の河川が氾濫した。
住民たちが大きな被害につながったと考えているのが1回目の「放流」。

志賀信男さん:「台風19号が床上。ここで水が溜まっているんじゃなくて、流れのまま入ってきた。戸を外して」
高倉地区ではおよそ70世帯のうち10世帯が床上浸水の被害にあい、「高の倉ダム」の対応に疑問を感じている。

志賀信男さん:「結局、いっぱい貯まってから出すんじゃなくて、その前から放流する方法・策を取ってほしかったなと思います」

南相馬市によると、台風19号の際に「高の倉ダム」では最大で毎秒190トン、通常のおよそ100倍にあたる量を放流した。
ダムの貯水量を事前に下げておくことはできなかったのか?

南相馬市経済部末永孝雄さん:「あくまでも利水ダムなので、そういった洪水調整のダムではない。構造的にもそういった調整ができるダムじゃないんで、事前の調整が難しいダムになります

県が定めたルールで「常に満水」が求められていることも貯水量を調整できなかった理由だという。

さらに住民が不信感を募らせているのが情報周知の遅れ。
南相馬市高倉行政区 鎌田悦雄副区長:「台風で水嵩が増している所に、ダムの緊急放流があったために、結局住宅が流されてしまった状態ですね。住宅の後ろから上から全部濁流が入って」

ダムから数百メートルの住宅はとくに被害が大きく、目の前の橋は流され いまだ復旧の見込みは立っていない。

小野さん夫妻は間一髪避難して無事だったが、「緊急放流」を知ったのは開始から1時間以上経ってから。
小野静江さん:「私らに避難指示するように言えば早めに必要なものを持って出られたと思うけど、それがなかったから。このままいたら大丈夫かなと」
小野榮さん:「(Q娘さんから放流を知らせるメールがなければ?)死んでたな」

緊急時のダムの対応が万全にならない限り、住民の不安は尽きない。】