<言語習得のプロセスや研究>を10年前にまとめていたのですが

 

最近、エスモーズ理論がさらに進化していっているということで

また別の視点からその体験を見直すのも面白いかなと思い、当時のブログから再掲して連載しています。

 

 

桑田和子のやりすぎ人生・番外編ということで、10年前にタイムスリップしたつもりでお楽しみください。

 

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参考記事

 クリック 目次【桑田和子のやりすぎ人生】

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 クリック 第5章 カルチャーショックのウルルン時代 <<<言語研究の時代

 

 

桑田和子のやりすぎ人生・番外編

1. ことばがわかるって?

2. 「おやすみ」の意味

3. 言語には固有の波がある

4. 大波から細部の音へ

5. 人の体験を取り込む

6.単なる真似ではない

7. メロディに歌詞を乗せる

8. 全体の中に部分の組み合わせがある

9. 音があるから読める

10. 文字も全体像からとらえる

11. 魔法の箱はなかった

12.「話せる」実感

 

 

 

*団体や個人が特定される点を修正する以外は、ほぼ当時のレポのまま掲載します。

 

今回書いている体験は、上の娘が小4の頃の話です。

第7回 話せるから通じるの?

 

ドラスビーチェ!

 

前回は、言語観の転換についてお話しました。

 

ことばに対する見方が変わったとき、「外国語」から「人に向かって話すことば」になったと書きましたが、今回はそこにもう少し踏み込んでいきたいと思います。

 

今回のテーマは、話せるから通じるの?

 

「変なテーマ!」って思った?

「当たり前じゃん。話せなかったら通じないし。」

 

そう思うから日本の人達は、一生懸命英語を勉強したがるんだよね。

 

 

英語が話せるようになったらそれでもう、いろんな国の人とコミュニケーションがとれるに違いないって。

 

今日は、そう思っていた私が体験した、韓国の女の子との1つの出会いをお話します。

 

 

もうずいぶん昔のことだけど、ある年の冬休み、韓国の小学生がうちにホームステイすることになったの。

 

その子はヒギョンっていう名前で4年生。

 

子どもの受入れは初めてだったけど、その頃は私も韓国語が少しは話せたし、

子ども相手の日常会話くらいならなんとかなるだろうと高をくくってた。

 

 

対面式で会ったその子は、ホントに小さくて大人しくてコロコロっとしたぬいぐるみみたいな子だった。

 

帰りの車の中でもずっと黙っているし、家に帰っても大人しくしてる。

食事の支度ができてテーブルにつくと、ヒギョンが暗~い顔になった。

 

うちの食卓の貧しさにショックを受けてるんだろうか?

 

ご飯は食べるけれど、おかずには箸が進まない様子。そのうちにポロッと涙が見えた。

 

ホームシックか・・・

きっと家のこと、家族のことを思い出してるんだろう。

 

 

私はあわてて韓国語で、「明日何がしたい?」と聞いてみた。

するとヒギョンはちょっと考えて首を振った。

 

「明日どこに行きたい?」「何が食べたい?」と聞いても同じ。

ただ黙って首を振る。

 

まいった。正直まいった。

 

 

今までホームステイに来た大人の人達は、その人の国ことばで話しかけると、それだけで喜んでくれた。

 

でも子どもにそれは通じない。

 

彼女は私の話すことばの内容だけを聞いている。

私が韓国語を話したからって、それは特別なことじゃないんだ。

 

 

後で思ったのだけど、初めて来た日本で、どこに行きたいか聞かれてもどんなところがあるのか知らないし、何が食べたいと聞かれてもどんな物があるのかわからなかったんだね、きっと。

 

韓国語は通じるけれど、これじゃ話にならない。

困ったなぁとは思ったけれど、まぁホストは私ではないし、子ども同士で何とかするだろうと思っていた。

 

 

その日の晩は、子ども2人でお風呂に入らせた。

 

ずっと後になって聞いたら、このとき2人は湯船の中に並んで黙って浸かっていたそうだ。

子ども同士だからって、すぐに打ちとけ合えるわけじゃないんだよね。(汗)

 

 

ヒギョンは日本語が全然わからない。

うちの子も韓国語がわからない。

そんな2人。

 

最初はぎこちなかったけれど、しばらしくて見ると2人でぬり絵をしている。

そして何やら「あ~」だけで会話をしているのだ。

 

60色の色鉛筆セットを前にして

「あ、あ~?(ちょっとそれ貸して?)」

「あぁ(どうぞ)」

「あ~(見て)」

「あぁ~(わ~すごい)」

みたいな感じで。

 

原始人が話してるっ?!

 

とっさにそう思った。

 

原始人には会ったことはないが、きっと彼らの会話はこんなだったに違いない。

「あ~」だけで、ちゃんと意志の疎通ができているではないか!

 

2、3日もすると、ヒギョンはうちで聞こえる日本語を真似しだし、うちの子も知っている韓国語を話しだした。

 

もちろん足りない部分は、あいかわらずの原始人語だ。

そうやってどんどん仲良くなっていく子ども達。

 

負けた・・・

 

うちの子は、韓国語を話そうとはしていなかった。

初めて会ったヒギョンと、なんとか仲良くなれる方法を考えていた。

 

塗り絵なんて小4にもなって普通はしていない。

でも、大人しいヒギョン。

外で遊ぶのもそんなに好きじゃない。

ことばも通じない。

そんなヒギョンと一緒にできる遊びが塗り絵だったのだろう。

 

ヒギョンのホームシックはなくなったし、子ども同士は仲良くなって楽しくしているから問題はない。

 

でも・・・これでいいんだろうか?

 

このまま2週間が過ぎて、ホストのお母さんという立場でご飯作って洗濯して世話だけ焼いて、帰国したら忘れられるんじゃないのか?

 

そんなのイヤだ。

 

子ども同士仲良くなってそれで良かったでは終われない。

韓国語が話せる私の方が心が通じないなんてどういうことなんだ。

 

ホストのお母さんとしてではなく、私自身とヒギョンが直接仲良くならなきゃダメなんだ。

 

 

そう思った私は、それからはヒギョンと一緒に遊ぶことにした。

 

例えば温水プールに行ったとき、ふだんなら子どもの相手なんてせずに1人ジャグジーにでも浸かっているところだけど、このときは一緒になって潜って足を引っ張り合ったり、水中で変な顔をしてみたり。

 

そうやってバカなことをいっぱいやって大笑いしているうちに、ヒギョンの気持ちも近づいてきてくれるのがわかった。

 

それからは、冗談や下ネタで騒いだり、変な歌を歌ったり。

 

平素のクール(?)な私のキャラとは全く違うことをしながら、私たちは仲良くなっていった。

それと同時に、私の韓国語も無事ヒギョンに通じるようになっていった。

 

 

このときの体験は、ことばができるようになれば(外国語のスキルが上れば)コミュニケーションがとれると思っていた私の考えを問い直すきっかけとなった。

 

原始人のところから始めて、最後は韓国語、日本語、英語のミックスで不自由なく話す子ども達を見て、

 

ことばが通じるって一体何なんだろうと思った。

 

ことばをコミュニケーションの道具のように考えて、

その道具さえ持てば万能になれると勘違いしていたけれど、

ことばというのはどこかから持って来られるものではなくて、目の前の人との間でお互いに創りだしていくものなのだ。

 

少なくとも、私とヒギョンの間に生まれたのは、そういうことばだった。

2人の間で笑いながら創りあげていったものだった。

 

 

外側につけているものじゃない、丸ごとの素の自分で、丸ごとの相手を理解しようと歩み寄ること。

 

 

たった10歳だった韓国の小さな女の子が教えてくれたことは、その後私がいろんな国の人と交流をするときの忘れられない原点となった。

 

さて、次回は「ことば」で世界を見つけていったイタリアの体験を書いてみたいと思います。

 

お楽しみに! 再見!

 

 

 

 

 

これは、初めて子どもをホームステイで受け入れた時の体験です。

 

上の娘が4歳の頃から、世界20カ国以上、延べ人数にすると数えきれない位多くの海外の人をうちに泊めてきました。

 

小学生、中学生、高校生、大学生の子達が親と離れて泊まったことも数多くあって

やはり、高校生くらいまではこちらもすごく気を使いましたね。

 

大学生になると、ほぼ大人扱いでしたが。

 

一番困るのが、ご飯を食べないこと。

 

マレーシアから来た16歳の女の子も、ホームシックと文化の違いでリンゴしか食べられなくて、すごく苦労しましたが、帰国後も何度もメールをくれました。

 

 

(続く)

 

 

 

 

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