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Q 未払いの決算賞与を損金算入したいのですが、必要とされる要件、注意点はありますか。

Q 未払いの決算賞与を損金算入したいのですが、必要とされる要件、注意点はありますか。


 この件に関する行政側の必要とする要件は相当厳しい要件を掲げています。というのは、以前(平成10年3月以前)は、支給した日の属する事業年度を損金としていましたが、賞与引当金の廃止が決定したことに伴い、未払い賞与の損金算入が条件付きで認められた経緯があります。したがって、本来認めないものを認めたのだから、要件は厳しくて当然ということが行政側の考えでしょう。
 次の三つの要件をすべて満たす必要があります。

1.支給額を各人別に、かつ同時期に支給を受けるすべての使用人に通知している。
2.通知済みのすべての使用人に対し期末日の翌日から1ヶ月以内に通知した金額の賞与を支払っている。
3.通知日の属する期に支給額を損金経理している。

 注意が必要なのは、労働協約または就業規則に「決算賞与は支給日に在籍している者に対して支給する」という旨の条文があると、支給日まで支給対象者が確定しないことになり、結局未払い賞与額が確定しないという点です。賞与額が確定しなのですから、未払いの損金計上が不可能となってしまいます。
 一般的にこのような趣旨の条文はほとんどの規程等に盛り込まれており、税務調査でも指摘されやすいところなので、決算賞与を未払いで損金算入する場合は、要件を十分確認する必要があります。

Q 平成19年4月1日、法人税法の減価償却制度の改正で、定率法の償却率と償却方法はどのように変更

Q 平成19年4月1日、法人税法の減価償却制度の改正で、定率法の償却率と償却方法はどのように変更されましたか。


1.償却率の改定 
 定率法の償却率を求めるには、残存価額が必要でした。今回、残存価額が廃止されたことに伴い、当該償却率も改正となりました。以下の通りです。
   定率法の償却率=定額法の償却率×250%
  
  償却率の一覧は、
   http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/genkajoubun/09.htm  で確認することができます。
   
  計算で算出する場合は、定額法の償却率を2.5倍することで求めることができます。
  定額法の償却率(=1÷耐用年数、小数点第4位切上)×2.5・・・小数点第4位四捨五入

2.償却方法の変更
 取得してから耐用年数の一定期間までは従来と同様に計算しますが、償却限度額が「償却保証額」を下回った場合は、その時点の未償却残額(その事業年度の期首帳簿価額)を残りの耐用年数で均等償却します。
 償却保証額は減価償却資産の取得価額に耐用年数に応じた保証率(上記URL参照)を乗じて求めます。また、均等償却する際の改定償却率も上記URLに記載されています。
 「未償却残額(その事業年度の期首帳簿価額)×改定償却率」が、償却限度額が償却保証額を下回った事業年度からの各年度償却限度額となります。

 このような均等償却をある一定時点から行うのは、そのまま償却を続けていると備忘価額の1円に到達するのに相当な時間がかかってしまうためです。

 なお、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産は、償却可能限度額に達した事業年度の翌事業年度から5年間にわたって、その未償却額を均等償却します。
  償却限度額=(取得価額×5%-1円)÷60ヶ月×事業供用月数

Q 平成19年4月1日、法人税法の減価償却制度の改正概要は?

Q 平成19年4月1日、法人税法の減価償却制度の改正概要は?


 改正内容は以下の通りとなります。
1.残存価額(取得価額の10%)および償却可能限度額(取得価額の95%)が廃止され、残存簿価1円まで償却可能となりました。
2.定率法の償却率の改定と償却方法が変更となりました。
3.一部の資産の法定耐用年数が変更されました。

 以上の改正は、平成19年4月1日以降に取得した減価償却資産から適用され、平成19年3月31日までに取得した資産については改正前の制度が適用されます。
 なお、平成20年4月1日から、リース資産についても「リース期間定額法」により減価償却を行います。
 現段階(平成19年6月)では、固定資産税の評価方法の変更はありません。したがって、残存価額や償却可能限度額はそのままです。2重管理をしばらくは強いられることになります。

Q 役員給与が期中で増減した場合、損金算入できますか。

Q 役員給与が期中で増減した場合、損金算入できますか。


 法人税法の改正により、従前の報酬、賞与の定義はなくなり、「役員給与」として統合されました。役員給与には、退職給与、新株予約権にかかるもの、使用人兼務役員の使用人分給与は除かれます。

 損金算入可能なのは、「定期同額給与」、「一定の役員賞与(事前に税務署長への届出が必要)」、一定の要件を満たす業績連動給与」の3つになります。ご質問は、「定額同額給与」に該当しますので、これについてご説明します。

 定額同額給与とは、「その支給時期が1ヶ月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期にかける支給額が同額である給与とこれに準ずるものとして政令で定める給与」とされています。つまり、その名の通りの「定期同額」以外に「準ずるもの」があります。この「準ずるもの」には以下の3つがあります。
1.その会計期間開始の日から3ヶ月を経過する日までに改定された場合のその前後の支給額が同額であるそれぞれの給与
2.経営状況が著しく悪化したことなどの理由により減額改定がされた場合に、改定前及び改定後の各支給時期の支給額が同額である定期給与
3.継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

したがって、上記の1、2に該当すれば、期中の増減でも損金算入が認められます。
例えば、1の場合は、
8月決算で10月の定時株主総会で改定を行った場合、9月~11月までの支給額が120万円、12月~翌8月までの支給額が170万円というように各々の支給額が同額であれば損金算入できます。
2の場合は、
8月決算で考えると、業績悪化により、3月の臨時株主総会で減額改定を行った場合、9月~翌3月が150万円、4月~8月が100万円というように各々の支給額が同額あれば損金算入できます。

 なお、定期同額給与は役員賞与の場合とは異なり、税務署長への事前届出は必要ありません。

Q 定年延長をしたのですが、従業員の希望もあり、旧定年で退職金を支払いました。当該退職金は損金処

Q 定年延長をしたのですが、従業員の希望もあり、旧定年で退職金を支払いました。当該退職金は損金処理できますか。


 法人税法基本通達9-2-24によると、「法人が、中小企業退職金共済制度又は確定拠出年金制度への移行、定年の延長等に伴い退職給与規程を制定又は改正し、使用人(定年延長の場合にあっては、旧定年に到達した使用人をいう。)に対して退職給与を打切支給した場合において、その支給をしたことにつき相当の理由があり、かつ、その後は既往の在職年数を加味しないこととしているときは、その支給した退職給与の額は、その支給した日の属する事業年度の損金の額に算入する。(注)この場合の打切支給には、法人が退職給与を打切支給したこととしてこれを未払金等に計上した場合は含まれない。」とあります。

 つまり、「打切支給」であることがキーワードです。したがって、退職給与規程などに打切支給する旨、支給後は既往の在職年数を加味しないこと、が明記されていなければ損金処理はできないと考えられます。

 この場合、定年延長なので上記のとおりの扱いになりますが、定年延長せず、再雇用だったらどうでしょうか。例えば、60歳で定年、その後嘱託契約で再雇用、退職金は60歳で支給、となれば一旦退職していますので、支給された退職金の損金経理は何ら問題ないことになります。高年齢者雇用安定法の改正で60歳を超えての雇用が義務付けられましたが、定年延長せずに、再雇用を選択した企業が圧倒的に多いのは、このような理由もあるのでしょう。