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Q 忘年会を部署単位でやろうと計画していますが、そのための費用は損金になりますか。

Q 忘年会を部署単位でやろうと計画していますが、そのための費用は損金になりますか。


 全社でも部署単位でも損金となるための要件は以下の項目が考えられます。

1.1人当たり額が忘年会として妥当と思われる額であること
2.全員参加が原則で、不参加者に現金支給などしないこと
3.特定の者だけに高額な費用がかけられていないこと

まず、1.ですが、世間一般的に認められる1人当たり額であることが必要なわけですが、どの程度が妥当かは個人の価値観によってことなるものです。絶対基準はしめせませんが、1人当たり8,000円前後であれば誰でも納得できる基準ではないでしょうか。
 2.については、不参加者について現金支給してしまうと、全員が給与所得の課税を受けることになります。損金にはなりますが、従業員の所得になって課税されます。事務手続きも面倒です。よく不公平だからといって、現金支給しているケースがありますが、本来の忘年会の目的も果たせてないように思います。
 3.は、二次会、三次会のように特定の者だけの飲食費等は損金にならないということです。全員参加が条件なので当然でしょう。
したがって、以上の要件を満たしていれば、部署単位で実施しても費用は損金になると考えられます。

Q 一般社員から兼務役員になったとき、支給した賞与を全額損金として扱えますか。

Q 一般社員から兼務役員になったとき、支給した賞与を全額損金として扱えますか。


 結論からいうと、あまりに高支給率でなければ全額損金にできます。つまり、役員賞与はゼロということでもかまいません。兼務役員の場合、月例給与が役員としての役員報酬と従業員としての賃金に分けて支給されているため、賞与も役員賞与と従業員賞与に分けて支給することが税務当局側の見解にあるかどうかですが、どうもそれはないようです。
 しかし、当該兼務役員のみ他の従業員とかけ離れた支給率で支給されていると、超過した分を役員賞与と認定されて損金算入が認められない可能性は十分あります。したがって、高額なものを支給するのであれば、当該兼務役員の賞与の算定根拠は会社としてはっきり残しておかなければなりません。何の仕組みも評価もないまま高額な賞与を支給することは、税務上だけでなく、経営上も望ましくありません。

Q 社長個人の土地を会社に賃貸しようと思います。地代を決める際、注意することはありますか?

Q 社長個人の土地を会社に賃貸しようと思います。地代を決める際、注意することはありますか?


通常の土地の賃貸借では、借地借家法により借地人は借地権を持ちます。
そのため、借地人から地主に対して借地権の対価として権利金が支払われることになります。
社長個人の土地を会社に賃貸する際、この権利金を支払わないことが多々ありますが、この場合、権利金の認定課税が行われます。
つまり、会社が支払うべき権利金の額に相当する利益を受けたものとして、その利益の額に対し法人税が課税されるのです。

この権利金を支払わず、さらに認定課税もされない方法としては、「相当の地代」を支払うことが要件となります。
では、「相当の地代」とはどれくらいの金額を言うのでしょうか?

「相当の地代」は原則として、更地価額の年6%程度の金額になります。権利金を支払わないので、通常の価額より高めの金額になります。
ここでいう更地価額は、次の3つから選択して求めることになります。

1.時価
2.土地の近くにある類似した土地の公示価格
3.相続税評価額又はその評価額の過去3年間の平均額

以上のことから、地代を決める方法としては下記の3つが考えられます。

1.権利金を支払い、低めの地代を設定    ・・・ 権利金に対して所得税が課税、地代に所得税が課税
2.権利金を支払わず、低めの地代を設定  ・・・ 権利金の額に相当する利益に対して法人税が課税、地代に所得税が課税
3.「相当の地代」を設定             ・・・ 地代に所得税が課税

また、相続時の土地評価の計算方法も違ってくるので注意が必要です。

1、2 土地の価額×(1-借地権割合) ※借地権割合は地域によって異なります。
3   土地の価額×0.8

地代の支払方法1つで、所得税、法人税の課税関係が変わり、相続税、贈与税の計算方法も変わるため、目的に応じて、支払う方法を決定する必要があります。

Q 節税をするために生命保険に加入することを勧められましたが、効果があるのでしょうか。

Q 節税をするために生命保険に加入することを勧められましたが、効果があるのでしょうか。


 下記にも記載しましたが、生命保険には税制上制約があります。

 ある決算期において利益が見込まれるため、税金を圧縮したい。そんなときは全額経費計上できる定期保険に加入することを勧められます。

 確かにその決算期においては節税効果はあります。しかし、全額経費計上できる生命保険は、解約したときの解約返戻金は当然法人税の対象となります。
ですから、解約する決算期が返戻金以上の赤字であれば総合的に節税効果はあると考えられます。
しかし、解約する決算期が黒字だった場合を考えてみると、ただ単に税負担の先送りになってしまいます。

 その上、生命保険に加入すると毎期キャッシュが縛られてしまうため、資金繰りが大変になる可能性もあります。

 生命保険での節税は確かに手っ取り早いですが、加入するときはキャッシュフローなども検討して加入する必要があるでしょうし、本当に必要な保険なのかどうかも十分に検討してください。
必要のない生命保険でしたら、加入せずに法人税を払ったほうが資金繰りの面でも助かる可能性は高いと思います。

Q 生命保険の保険料の会計上の処理で、税務上制約があると聞きますがどのようなものですか。

Q 生命保険の保険料の会計上の処理で、税務上制約があると聞きますがどのようなものですか。


 保険の種類には主に「養老保険」「定期保険」があり、それぞれ取扱が決められています。

 「養老保険」は被保険者が死亡した場合に保険金が支払われるほか、保険期間の満了時に被保険者が生存している場合にも満期保険金が支払われることのなっている生命保険のことをいいます。保険受取人が誰であるかによって、取扱が異なります。

1.法人が自己を受取人となっている場合

 支払保険料として損金算入せず、保険積立金等で資産計上します。

2.被保険者またはその遺族が受取人になっている場合

 被保険者である使用人、役員の給与として処理します。ここでの給与は、毎月定期的に支払われるので、役員であっても損金で処理できます。

3.死亡した場合の受取人は被保険者の遺族であるが、生存保険金の受取人は法人である場合

 生存保険金の部分は1.と同様に、保険積立金として資産計上します。死亡保険金の部分は福利厚生費として取り扱います。この場合の資産計上と損金の支払い保険料における割合が分からないときは、1/2づつ計上することになります。

 「定期保険」は一定期間内に被保険者が死亡した場合のみ保険金が支払われる生命保険です。養老保険と同様に、保険受取人が誰であるかによって取扱が異なります。

1.法人が受取人になっている場合

 支払保険料として損金で処理します。

2.被保険者の遺族が受取人になっている場合

 福利厚生費として損金で処理します。

 上記の「養老保険」に「定期保険」が付いた「定期付養老保険」は、それぞれの部分が明確に区分されていれば「養老保険」と「定期保険」のそれぞれの取扱にしたがって処理しますが、区分できない場合には養老保険であるとみなして処理しなければなりません。