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日常メモ

日々の日常を日記形式で記録しております。興味のあるものは法律,小論文,酒です。日常的に酒を嗜んで生きております。

小論文作成の上での注意点


   まず,「敵を知る」ということが重要です。すなわち,小論文試験を出すということは,出題者が小論文を添削することができるということが前提となっています。そして,大学や短大,専門学校などで小論文を添削する人は,多くはその大学等の教員となります(事務員が協力するところもあります)。大学の教員(教授,准教授,助教,専任講師など)は,多くは大学院を出て就任しますが,大学院の試験においても,教授などへの昇進の試験においても「論文」を提出し,その出来を判断することによって昇進等が可能となります。これは医学でも法学でも理工学でも変わりません。どの学部においても,採点官である教員の方々は論文の書き方を知っているのです。
これらの教員は仕事としての論文の作成のみならず,大学生・大学院生の論述形式の答案の採点を何百枚もやるという業務をこなしており,採点についても経験が豊富です。このように,小論文試験の採点官は採点のプロであること,採点に慣れていること,論文作成にも慣れていることを理解しておかなければなりません。

   そうすると,小論文で良い点を取るには,論文のプロである試験官が「採点しやすい」,「一目見て論理的だ」,「文章が分かりやすい」,「得点を与えやすい」といった判断を下すことのできるものを作ることが必要です。さらに,試験官は何十枚,何百枚と答案を見ますから,「構成が分かりやすく」,「字がキレイ」ということも大切な要素です。
このように,敵を知ることで,得点を取りやすい答案を作成することができるようになります。ポイントは,「問いに答えていること」,「自分の意見に理由が示してあること」,「反対意見(自分とは異なる意見)に触れていること」,「分かりやすい構成で,どの段落で何を言っているか理解できること」,「結論がきちんと問いと対応していること」,「丁寧な字で書いてあること」などです。

   入試本番は,考えられないくらい緊張します。小論文では,「何度も練習してきたのにどうやって書き出せば良いか分からない」などと思ってしまうことがあります。落ち着いて,深呼吸をして,問題文を読み,「問いに答える」・「自分の考えを示す」ということを念頭に置いて,四段構成でじっくり時間を十分かけて答案構成をして,書き出しましょう。また,見直しをしていると,ここに具体例を入れれば良かったとか,ここはこうやって書くべきだった,などと後悔することも多いです。しかし,見直しでは漢字の間違いや日本語がおかしいところを直すぐらいにして,大幅な修正をしないようにしましょう。
   面接やプレゼンテーションも,「練習してきたのに詰まってしまう」「アイデアが浮かばない」「頭が真っ白だ」などと思ってしまうことがあります。この場合も,深呼吸をして落ち着くようにしましょう。普段の力の1割も出せないのが普通です。みんな緊張により実力を十分発揮できないまま終わるのが入試ですから,やるだけやってみる!という気持ちで頑張りましょう。

今回はプレゼンテーションです。スポーツ系科目の大学入試の過去問を参考に作ってみたいと思います。


(1)過去問・想定質問
・あなたがやってきた部活動において,競技力向上のために,後輩にアドバイスしたいことを,自分の経験を踏まえてプレゼンテーションして下さい」(2010年)
・「あなたの部活動での成功や失敗をどのように生かしたか」(2009年)
・部活動をやっていて,良かったと思える点,悪かったと思える点を生かして,後輩にどのようなアドバイスをしますか。
・後輩が部活動に真剣に取り組まないとき,あなたならどのように注意しますか。自分の経験を踏まえて答えて下さい。
・後輩から競技についてアドバイスを求められた場合,あなたならどのようにアドバイスしますか。アドバイスするときの注意点を,あなたの経験を踏まえて答えて下さい。
・後輩が学力の低下が原因で,部活動を辞めたいと相談されたとき,あなたならどのようにアドバイスしますか。
・あなたの高校生活にとって,部活動はどのような存在でしたか。プレゼンテーションして下さい。
・あなたが部活動をやってきて,試合に勝ったときや試合に負けたときはそれぞれ,どのような理由で勝ったり負けたりしたと思いますか。その理由を教えて下さい。また,勝ったり負けたりしたことは,どのように次に生かしていけましたか。


 (2)プレゼンテーションの注意点
    必ず問いに答えるというのを忘れないようにしましょう。「どのように後輩にアドバイスするか」と問われたら,「○○とアドバイスします」などと,きちんと答えましょう。また,例年自分の経験に照らして答えさせる形式が多いようですので,プレゼンテーションの中に自分の経験を入れるのを忘れないようにしましょう。本番で経験を聞かれなかった場合でも,入れてしまった方が無難だと思います。
    さらに,身振り・手振りをしっかり使うこと,黒板に書いたら黒板を指してポイントを説明すること,さらに試験官3人の顔を万遍なく見て,自信を持って声を大きく出して,プレゼンテーションしましょう。
    下書きの紙は持っていても構いませんが,紙を見るのは最小限にして,試験官の顔をしっかり見るようにしましょう。しゃべりはゆっくりと,時間を使いましょう。


 (3)プレゼンテーションの方法
    小論文の構成のように作りましょう。問題提起は,課題として出されたものをそのまま使います。
    プレゼンテーションを始める前に,黒板を使う旨,言いましょう。黒板の使用時間はプレゼンテーションには含まれないと思いますが,黒板は簡潔に書きましょう。具体的に始める前に,まず時計を見て,いつから5分かをきちんと確認しましょう。
プレゼンテーションの初めは結論から述べること。アドバイスや失敗,成功など,いくつか要素が挙げられるものが出題されると思いますので,3つほど結論を出しておくと良いでしょう。黒板に書いた個条書きのものではなく,きちんと自分で補足しながら説明しましょう。
    5分という時間は結構長いので,結論を述べた後は,1つ1つについて説明していきましょう。反論・反対意見に一言触れつつ,それを批判するという形式が一番分かり易いです。
    3つについてそれぞれ説明をしたら,この3つをどのように生かしたか,体験談を交えて話しましょう。嘘でも構いません。成功した体験談を述べましょう。
    これが終わった後,時計を見て,5分まで2~3分ほど時間があるようであれば,3つを実践しなかったことによる失敗談を述べましょう。
    最後はもう一度結論を述べて終わりにしましょう。
 (4)具体例
「あなたがやってきた部活動において,競技力向上のために,後輩にアドバイスしたいことを,自分の経験を踏まえてプレゼンテーションして下さい」
       ↓
   「これから,私の経験を踏まえて,競技力向上のために後輩にアドバイスしたいことについてプレゼンテーションをします。宜しくお願いします。」
   「初めに,黒板に概要を書かせて頂きます。」
       ↓
    【黒板】
      1 アドバイス
       ①声を出す
       ②話を聞く
       ③コミュニケーション
      2 説明
      3 体験
        ↓
   「では,始めます。」
   「私が,競技力向上のために後輩にアドバイスしたいことは,この3点です。すなわち,1つ目に練習の時にしっかりと声を出して練習すること,2つ目にコーチの指導に耳を傾け,話をしっかり聞くこと,3つ目に,チームメイトと,練習の際も試合の際も,練習が終わった後も,声を掛け合って,コミュニケーションを図ることです。以下,それぞれにつき,なぜこのようなアドバイスをしたいのか説明します。」
        ↓
   「1つ目の練習の時にしっかり声を出すことについては,練習で声いくら出しても,意味がないと言った意見もありますが,それは違います。練習で声を出していると,肺活量が鍛えられますし,試合本番でも指示や注意などがしっかり届くようになります。そのため,練習で声を出しておくことは非常に重要です。」
   「2つ目の先生の指導をきちんと聞くというのは,当たり前のことのように聞こえますが,なかなか素直に聞き入れずにやる人もいます。コーチの指導は経験や実践を積んだものですから,的確ですし,客観的に試合や練習を見ているので,自分たちでは気付かないところまで指導してくれます。そのため,しっかりコーチの意見を聞くことは重要なことです。」
   「最後の3つ目のコミュニケーションをきちんととることについてですが,練習や試合でのみ声を掛け合っている人もいますが,それでは不十分です。なぜなら,普段から声を掛け合ってコミュニケーションを採ることで,相手の苦手なことや得意なことも分かりますし,アイコンタクトなどでプレーが進むこともあります。そのため,しっかりとしたコミュニケーションが必要です。」
        ↓
   「以上の点を踏まえて,私は実際にこれら3点を後輩にアドバイスしたことがあります。なかなか声を出すとか先生の意見を聞くことについて,恥ずかしがったり反抗する後輩もいましたが,丹念に説明し,練習の成果が試合で生きることなどを説明すると,分かってくれました。そして,この3点を実施して,チームワークもよくなり,練習の後でも仲良くなることができ,試合でも良い結果が残せました。」
        ↓
   「ただし,この3点を旨く実践できない後輩については,やはりコミュニケーション不足などで,部活を辞めていってしまった子もいます。ですので,しっかりとこの3点のメリットを説明できるようにすることも重要です。」
        ↓
   「以上,述べてきましたように,私は後輩にアドバイスする場合,先ほど述べた経験を生かして,練習できちんと声を出す,先生の話をしっかり聞く,コミュニケーションをしっかりとるというアドバイスをしたいと思います。」
   「以上です。有り難うございました。」

1 答案構成


   答案構成は,四部構成の型をそのまま使いましょう。すなわち,問題提起,意見提示,展開,結論のパターンです。これに沿って簡潔に書いていきましょう。なお,問題提起の部分は書き始めで最も苦労する部分です。この部分はあらかじめ,きちんと文章にしておいても良いでしょう。
   以下が,答案構成の例です。

①問題提起(全体の2割)
  ・自分が何に対して意見を述べようとしているのかを示す
   (例)「最近○○が問題となっている。では○○は必要であろうか」

②意見提示(全体の3割)
  ・自分の意見がYESなのかNOなのかはっきりさせる
   (例)「私は○○と考える。確かに○○という意見もある。しかし○○だ。」

③展開(全体の4割)
  ・自分の意見がなぜそうなるのか,具体例を示して説明する
   (例)「なぜなら○○だ」「私は○○と考える」「私が考えるに○○だ」

④結論(全体の1割)
  ・全体を簡単に整理し,YES・NOをもう一度明示する
   (例)「よって○○である」「以上のように○○と考える」



2 出題の形式
   小論文の出題形式には,以下のようなものがあります。広島大学の入試においては,1行問題ばかりが出題されていますので,今年も1行問題だと思いますが,課題文やキーワード形式の問題が出たとしても,解けるように頭に入れておきましょう。
 

(1)一行問題(テーマ型問題)
       問題文が一行であるから,こう呼ばれます。「スポーツとルールについてあなたの考えを述べなさい」などの要求がなされる形式の問題です。
       社会時事的な問題や抽象的な概念・理念などがテーマにされることが多いです。設問から読み取れる情報量が少なく,受験生の問題設定能力・分析力・理解力などが試されます。
       ポイントは,問題が論じるべき点について,指定している場合はそれに従いましょう。設問が抽象的な場合は,テーマを自分で設定しなければなりません。テーマはなるべく絞りましょう。
       また,社会問題や時事問題について関心を持って,知識や理解を持っておくことが重要です。
       さらに,抽象論に終始しないようにしましょう。具体例を挙げるのも効果的です。反対説の考慮も忘れないようにしましょう。
  

(2)キーワード型問題
       キーワード型問題とは,説例にキーワードが挙げられていたり,キーワードを用いて一定のテーマについて解答することが要求される問題です。キーワードは,「健康・自然・地域」などの単語であったり,「地域社会ではスポーツが盛ん」などの文章が出されたりします。
       キーワードは複数与えられるのが通常で,一定のテーマを示した上で出されます。テーマとキーワードは関連があります。キーワードは全部用いるよう指示される場合と,1つ以上用いるなどと指示される場合があります。
       ポイントは,当たり前のことですが,キーワードを全て使って問いに答えることです。全て使っているかチェックしましょう。最初に用いるときは「」を使用するのが分かり易くて好印象です。また,キーワードは出題者のヒントです。キーワードから何を書けばよいのかを考えましょう。共通点や違いなども意識すると良いでしょう。
       使いにくいキーワードについては,当たり障りなく触れておく程度で構いません。全てのキーワードに同じだけの紙幅を費やす必要はありません。
   

(3)LSAT型問題(事案前提型問題)
       一定の長さの事案が設問に掲げられて,その事案を前提にして設問の要求に応えるという形式の問題です。事案が一定の長さを持っており,設問が具体的であることが特徴です。
       ポイントは,事案をじっくり読んで,しっかりと問題状況を把握しておくことです。また,設問に一定の指示が与えられていることが多いので,この指示には必ず従いましょう。例えば,「以下の論点に言及しつつ,反対意見を考慮しながらあなたの意見を述べなさい」などがあります。
       また,事案は具体的に考えましょう。自身の経験と照らし合わせても良いです。なお,結論では差が付きませんので,どのような結論をとっても問題はないと考えておきましょう。
   

(4)課題文型問題
       課題文型問題は,設問に一定の課題文が与えられ,それを読んだ上で,その課題文から読みとった一定のテーマについて解答を求める形式の問題です。この形式が入試小論文では最も出題されています。
       課題文を前提にして解答することと,課題文をしっかり読みとれるという読解力が前提となっていることが傾向としてあります。また,要約を求められる場合もあります。色々なパターンがあり,課題文の見解について論評を求めたり,課題文の与えるテーマについて受験生の意見や考え方を述べることを求める設問などがあります。課題文が複数与えられることもあり,その場合は課題文相互の関係を読みとることが求められます。
       ポイントとしては,事前の対策は不可能ですので,課題文をしっかり読むことが重要です。斜め読みをせず,しっかり読むようにして下さい。また,設問の要求をしっかり把握し,設問に答えるという姿勢をきちんと出しましょう。要約問題が出されたら,自分なりの言葉できちんと問題提起になるように要約していきましょう。なお,課題文から離れてはいけません,課題文の与えるテーマに沿った形で解答していきましょう。
       課題文は,四部構成に当てはめて読んでみましょう。ここは問題提起,ここは反対意見,ここは筆者の意見など,部分ごとにしっかりと把握することが大切です。
  

(5)その他
       課題文型問題,一行問題,キーワード問題を問わず,図やグラフ,用語の意味などが問われる場合もあります。図やグラフについてはきちんと意味を読みとり,答案の中で使っていきましょう。用語の意味が分からない場合は抽象的な言葉で誤魔化しましょう。分からないから白紙というのは一番やってはいけないことです。分からなくても,答えるという姿勢を出しましょう。

1 展開の書き方
    展開部分では,意見提示部分で述べた自分の意見の理由付けを書きます。「思うに・とすれば」の部分です。「しかし」で反対意見について反論したことをそのまま受けて,自分の見解を述べましょう。反対意見への批判と一緒になってしまっても構いません。反対意見への批判をして,「なぜなら」という感じで説明をし,その後,「とすれば」の部分を書きつつ自説へ持っていくというパターンです。
また,具体例や体験談を入れるなどして,説得力を持たせるのも良いです。「思うに」の部分は,「私は○○と考える」と直すと良いでしょう。「とすれば」の部分は「そうだとすれば」,「このように考えれば」に直すと良いでしょう。


    なお,いくつか理由を述べるときは,「また・さらに・加えて」や「第一に,第ニに」などと書きましょう。
    パターンとしては,以下のようなものがありますが,無理に使わなくても良いでしょう。
    (1)テーマの原因について展開していく場合
       ・その背景には○○という事情がある。
       ・では,なぜ○○のように(そう)なったのであろう。

    (2)テーマの結果から展開していく場合
       ・その結果,どんな事態が起こっているだろうか
       ・○○とは裏を返せば○○ということである
       ・ところで,最近○○が問題となっているが,その原因にも,今まで述べてきたことが関係あると思われる

    (3)テーマの原因を社会的な見方から展開する場合
       ・○○とはそもそも○○である
       ・○○を○○的に考えた場合○○ということになる


 2 結論の書き方
    結論の部分は,余計なことは書かず,今まで書いたことを簡潔にまとめて書いたり,自分の考えをもう一度書くだけにしましょう。結論の部分はそれほど重要ではありません。
    字数が余ってしまった場合は,代替案,歯止めなどで字数を埋めるようにしましょう。具体的には,テキストを参考にしてください。


3 展開・結論の練習
    では,前回・前々回の問題提起・意見提示の課題を使って,いくつか展開と結論を考えてみましょう。

 

(1)添削課題
「現代社会におけるスポーツの意義(役割)」について述べなさい
参考答案例では,「このように考えると,現代社会におけるスポーツの意義というのは,競技性ではなく,多様な目的を持った人々に利用される,いわば娯楽としての意義も兼ねていると考えるのが妥当である。そして,多様な人間が利用するからこそ,スポーツにおいては,指導する側も利用する人の目的に応じた知識と経験,指導方法が求められており,スポーツの利用も指導も変化していると考えられる。
以上のように,現代におけるスポーツの意義は,競技だけではなく,娯楽の面も兼ねた複数の要素が入ったものだと考えることが出来る。この変化に応じて,現代では指導者も利用者も,過去とは全く違ったスポーツの利用をしているのである。」となっています。
自分の考えを述べ,「そして」以下で簡潔な理由付けを書いています。字数が余っていれば,多様な目的を持った人々に利用されている具体例や現状などを挙げても良いです。また,結論部分では,最近の指導者や利用者のことにも触れて,字数を増やしていることが分かります。


 (2)添削課題①
高齢者とスポーツとの関係についてあなたの考えを述べなさい。
(800字以内,1時間30分)
     参考答案例では,「そのため,成績を競うのではなく,いかに健康に良いかという視点でスポーツを捉えているといえる。
     例えば,アクアフィットネスにおいては,水泳をするというより,水中で歩くことで,足腰の運動機能の低下を防いだり,ジョギングにおいても無理に走らずに,適度に歩くといった,身体に負担を掛けさせず,筋力や体力を維持するといったスポーツの利用が多いと考えられる。
     以上のように,高齢者とスポーツとの関係は,いかに体力や筋力を落とさずに活動できるかという,健康維持という目的がある関係にあるといえる。」となっています。
     「例えば」以下で,具体例を出して,自分の意見の理由に説得力を持たせています。結論部分は簡潔に終わっています。


 (3)添削課題②
以下は産経新聞10月10日のネット記事である。以下の記事を読んで,100字以内で要約し,700字以内であなたの意見を述べなさい。(1時間30分)

「小中高生の体力が向上 13歳の50メートル走はピークに迫る 文科省調査」

小中高生の体力や運動能力が3年連続で向上したことが、10日公表された文部科学省の平成21年度体力・運動能力調査で分かった。13歳男子の50メートル走の成績では、子供の体力がピークだった昭和60年度と同水準に戻っていた。問題になっている子供の体力低下だが、文科省では「運動能力低下が止まり、緩やかではあるが、復調に向かっている」と分析している。
 調査は21年5~10月に小中高校生の約3万1千人を対象に実施。50メートル走や立ち幅とび、ボール投げなど小学生男女は各8種目、中高生男女各9種目の計52種目で体力・運動能力テストを行い、記録をそれぞれポイント化した。
 ポイントの総合得点は、小中高の男女ともに3年連続向上傾向。種目別でも上体起こしと反復横とび、20メートルシャトルランでいずれも向上するなど、52種目のうち28種目で向上傾向。低下は3種目だった。
 特に中学生男子の50メートル走の平均記録は平成10年度より0・09秒速くなって7秒91。昭和60年度の7秒90に肉薄する結果となった。文科省は「体力作りの事業など、学校の地道な活動の成果」と分析する。
 ただ、中学生男子の50メートル走以外は昭和60年度の水準に戻った種目はなく、立ち幅とびではほぼすべての年代で10年度と比べて横ばいか低下など、向上傾向のない種目もあった。調査に携わった順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「小さいころから外で遊ぶ機会が少ないため、複雑な一連の動きが不得意なのではないか」と分析した。
 運動能力について、20年度から実施の国の教育振興基本計画では「5年間で60年度の水準へ回復」としているが、文科省は実現困難とみている。新学習指導要領では、小中学校の体育の授業も増えることになっているが、内藤教授は「学校だけでは限界がある。交通機関も発達し、便利な現代社会では、体を動かす機会は減っている。週末や放課後に、体を動かす自由な時間がもてるようにするべき」と指摘している。」
以 上
     参考答案例では,「すなわち,外で遊ぶ機会が少ないため,複雑な運動が苦手とのことである。
     以上から考えると,50メートル走の結果に喜ぶだけではなく,今後は,他の種目の改善も得られるよう,学校での授業以外に,外で遊ぶ機会を親が中心となって積極的に作るなどして,この調査結果を悪い結果とも考える必要があると思う。」となっています。
     ここは理由付けが少ないですが,記事に全て出てしまっているので,結論部分で字数を伸ばすようにしています。具体例などを入れて,もう少し字数を増やした方が良いかもしれません。


 (4)添削課題③
時代と共に,スポーツには流行廃りがあります。
1960年代はテニスが,1970年代ではジョギングが,1980年代ではエアロビクスが,1990年代ではアクアフィットネスが流行っていました。
では,2000年代は何が流行っていたと思いますか。
流行っていたスポーツを答え,その理由を述べなさい。
(800字以内・制限時間1時間)
     参考答案例は,「このように考えると,やはりプールさえあれば誰でも気軽にでき,転倒の心配もないことから安全に行えるアクアフィットネスが流行していたといえる。また,アクアフィットネス自体は,身体への負担も少なく,歩く・泳ぐの選択など,自分のペースで行えるという手軽さも流行の大きな要因といえる。
     以上のように,私は2000年代も,アクアフィットネスが流行していたと考えている。」となっています。
     いわゆる「とすれば」の部分で理由を述べ,「また」以下で理由を補強しています。展開としては理由付けもしっかりしている良い例です。結論も簡潔で分かり易いです。


 (5)添削課題①
 1 『女性とスポーツ環境』(石田良恵著・2005年・モダン出版)110頁~112頁「女性は男性の記録を超えられるか?」を読んで,女性が男性の記録を超えることができない理由を要約し,女性としてはどのようにスポーツと関わっていくべきか,あなたの意見を述べなさい。(1時間・800字)
  
     参考答案例は,「そこで,やはり違いは違いと認識して,男女それぞれで結果を得られれば十分だと考えるのが良いと思う。例えば,筋力などの身体的特徴が重視されるハンマー投げ等では重量を変えたり,100メートル走などでも女性と男性とで記録を分ければ良い。反対に,マラソンスイミングや100キロメートルマラソンなど,男女混合で行っても差のでないような競技では,タイムを競えば良い。
     以上のように,女性は男性と競うのではなく,個々の違いを認識して,それぞれに合った結果を得るというようにスポーツと関わっていくべきと考える。」となっています。
     「思うに」の代わりに,「そこで」を用いています。「そこで」という接続詞も使いやすいでしょう。また,「例えば」以下で具体例を挙げて,理由に説得力を持たせています。結論も簡潔です。


 (6)添削課題②
 2 中高年に向くスポーツ,向かないスポーツをその理由と共に述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「私は,中高年に向くスポーツは,アクアフィットネスやゴルフ,ウォーキングなどだと考える。なぜなら,中高年には血圧が上昇するような無酸素運動をすることは生命の危険もあり,妥当ではなく,ウォーキングのように,ゆっくり行い,身体に急激な負担をかけないものが最適だからである。
     反対に,中高年に向かないスポーツには,ウエイトトーレーニングや短距離走などが考えられる。なぜなら,息を止めながら行う負荷の強いこれらのスポーツや無酸素運動は,前述のように血圧が一気に上がり,中高年の身体に悪影響になる可能性が考えられるからである。
     以上から,中高年には,健康維持の側面から,急激な身体運動を伴わない運動が妥当であると考えられる。競技としてのスポーツでなくとも,ジョギングやゴルフなどで有酸素運動をすることで,身体への負担を少なくしつつ,健康を維持できると思われる。しかし,これらの運動が健康に良いと周知されているとはいえないことから,今後は中高年に適した運動が何かを周知し,安全に運動が行えるように,広めていくことが必要であろう。」となっています。
     この問題形式では,「以上から」という結論の部分で,自説と理由付け,結論を書いています。問題形式が特徴的なので,このような書き方でも問題ないでしょう。


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1 意見提示の書き方
   問題提起に続いて,意見提示を書くことになります。意見提示の部分は,問題提起で出した問題点について,自分はどう思っているのかを簡単に書いてから,反対意見を出し,それを批判するということを書きます。自分の意見は展開の部分で初めて書いても良いですが,今回は800字ということですので,意見提示の部分で「私は○○と考える」と簡単に意見を述べておいて良いでしょう。


2 反対意見を出す意味
   意見提示の部分では,必ず反対意見を考慮します。これは,視野が狭く,偏見を持った考え方をしているわけではないということを示すために使います。自分に都合の良いことばかりではなく,自分に不利益なことにも一定の配慮を示すことによって,説得力を出すという意味があります。自分の意見ばかりではなく。読み手が抱く反論をきちんと出しておきましょう。
   なお,反対意見は簡潔に書いてあれば十分です。反対意見の理由付けを書きすぎてしまうと,「しかし」以下の自分の意見の説得力が薄れてしまいます。「しかし」「思うに」の部分に行数を割き,「確かに」の部分はさらっと書く程度に留めておきましょう。
   さらに,「私は○○と考える」の部分も簡潔に書きましょう。自分の意見や理由を詳しく書くのは意見提示の後の「展開」の部分です。意見提示の部分では,YES・NOの主張だけに留めておき,自分の意見は出し惜しみしておきましょう。


3 意見提示の書き出しパターン
 (1)確かに~という意見は否定できない。それは○○という点からだ。しかし・・・
 (2)~という考えも成り立つかもしれない。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
 (3)一般には~といわれている。それも一理ある。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
 (4)~と考える人もいるかもしれない。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
   といったパターンが考えられますが,自分なりの書き方があるのであれば,それで構いません。書いていく中で自分のパターンを考えておきましょう。


4 意見提示の練習
    では,前回の問題提起の課題を使って,いくつか意見提示を考えてみましょう。

 (1)添削課題
「現代社会におけるスポーツの意義(役割)」について述べなさい
参考答案例では,「私は,現代社会においてのスポーツの意義は変化し,エクササイズや健康など競技に限られず様々な目的で利用されており,娯楽の側面も強くなったと考える。この点,現代においてもスポーツは競技性が求められるという考えもある。しかし,現代においては,スポーツが全て競技として求められているのではなく,高齢者の健康維持の目的であったり,女性がダイエット目的で始めたり,最近ではメタボリック症候群の改善のためにランニング等を中高年が始めたりと,一概に競技として求められているのではないことが分かる。」となっています。
     自分の意見は,「健康など様々な目的で利用されている」ということを簡潔に書いて,その後は,反対説として,「競技性を求めている」ということを書いています。さらに,反対説への批判として,現在のスポーツの実情を,高齢者や女性を具体例として挙げて示しています。


 (2)添削課題①
高齢者とスポーツとの関係についてあなたの考えを述べなさい。
(800字以内,1時間30分)
     参考答案例では,「私は,高齢者とスポーツとの関係は,まさに「健康」をテーマとしていると考える。確かに,一部の高齢者においては競技としてのスポーツをしており,成績を競っている。しかし,若者のスポーツとは異なり,成績を競うのは困難であることから,多くの高齢者はスポーツを健康や長寿に視点を置いている。」となっています。
     こちらも,前述(1)と同様に,「健康」と「競技」という相反する目的を挙げて,自説,反対説,反対説への批判を行っています。高齢者がどのような目的でスポーツを行っているのかはよく考えておきましょう。


 (3)添削課題②
以下は産経新聞10月10日のネット記事である。以下の記事を読んで,100字以内で要約し,700字以内であなたの意見を述べなさい。(1時間30分)

「小中高生の体力が向上 13歳の50メートル走はピークに迫る 文科省調査」

小中高生の体力や運動能力が3年連続で向上したことが、10日公表された文部科学省の平成21年度体力・運動能力調査で分かった。13歳男子の50メートル走の成績では、子供の体力がピークだった昭和60年度と同水準に戻っていた。問題になっている子供の体力低下だが、文科省では「運動能力低下が止まり、緩やかではあるが、復調に向かっている」と分析している。
 調査は21年5~10月に小中高校生の約3万1千人を対象に実施。50メートル走や立ち幅とび、ボール投げなど小学生男女は各8種目、中高生男女各9種目の計52種目で体力・運動能力テストを行い、記録をそれぞれポイント化した。
 ポイントの総合得点は、小中高の男女ともに3年連続向上傾向。種目別でも上体起こしと反復横とび、20メートルシャトルランでいずれも向上するなど、52種目のうち28種目で向上傾向。低下は3種目だった。
 特に中学生男子の50メートル走の平均記録は平成10年度より0・09秒速くなって7秒91。昭和60年度の7秒90に肉薄する結果となった。文科省は「体力作りの事業など、学校の地道な活動の成果」と分析する。
 ただ、中学生男子の50メートル走以外は昭和60年度の水準に戻った種目はなく、立ち幅とびではほぼすべての年代で10年度と比べて横ばいか低下など、向上傾向のない種目もあった。調査に携わった順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「小さいころから外で遊ぶ機会が少ないため、複雑な一連の動きが不得意なのではないか」と分析した。
 運動能力について、20年度から実施の国の教育振興基本計画では「5年間で60年度の水準へ回復」としているが、文科省は実現困難とみている。新学習指導要領では、小中学校の体育の授業も増えることになっているが、内藤教授は「学校だけでは限界がある。交通機関も発達し、便利な現代社会では、体を動かす機会は減っている。週末や放課後に、体を動かす自由な時間がもてるようにするべき」と指摘している。」
以 上
     参考答案例では,「この点,本記事によれば,50メートル走の結果改善は,体力作りの授業など,学校での教育の成果が現れたとしている。確かに,学校での体力作り事業は非常に重要であり,一定の成果が出ていることは好ましいことであり,調査結果が妥当であったと考える。
     しかし,この調査結果では,50メートル走以外の種目は軒並み低下しているという事実も伝えている。」となっています。
     「この点→確かに」という流れで,調査結果が妥当であったという反対説を述べています。その後,反対説への批判を述べるという形になっています。

 

(4)添削課題③
時代と共に,スポーツには流行廃りがあります。
1960年代はテニスが,1970年代ではジョギングが,1980年代ではエアロビクスが,1990年代ではアクアフィットネスが流行っていました。
では,2000年代は何が流行っていたと思いますか。
流行っていたスポーツを答え,その理由を述べなさい。
(800字以内・制限時間1時間)
     参考答案例は,「この点,スポーツとしては,ゴルフの石川遼選手の人気や,サッカーワールドカップなどの人気で,これらのスポーツが注目されていたともいえる。しかし,市民の間ではテレビ番組でも健康をテーマにしたものが多く取り上げられ,健康ブームといえる時代になっていることを反映して,気軽に,誰でも,安全にできるスポーツが好まれていたと考えられる。」となっています。
     「確かに」の代わりに「この点」という接続詞を使い,反対説を述べた後に,反対説への批判を述べています。少し分かり難いですが,典型的な書き方となっています。

 (5)添削課題①
 1 『女性とスポーツ環境』(石田良恵著・2005年・モダン出版)110頁~112頁「女性は男性の記録を超えられるか?」を読んで,女性が男性の記録を超えることができない理由を要約し,女性としてはどのようにスポーツと関わっていくべきか,あなたの意見を述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「私は,女性と男生とが競うのではなく,男女の違いを認識して,それぞれにあった結果が得られることが重要であって,女性が男性の記録を超える必要はないと考える。
     確かに,スポーツの世界においては,男女関係なく,記録を重視するという考え方もある。しかし,男女の身体的特徴は,変えることができず,無理に変えようとすれば,ドーピングのような健康を害する可能性のあるものに頼らざるを得なくなってしまい,妥当ではない。」となっています。
     今回は自分の意見を問題文でも聞かれているので,分かり易く,まず「私は」で自分の意見を述べ,「確かに」で反対説を。「しかし」で批判を述べています。自分の意見が尋ねられているときは,自説を先に述べておいた方が分かり易いですし,書きやすいでしょう。


 (6)添削課題②
 2 中高年に向くスポーツ,向かないスポーツをその理由と共に述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「私は,中高年に向くスポーツは,アクアフィットネスやゴルフ,ウォーキングなどだと考える。なぜなら,中高年には血圧が上昇するような無酸素運動をすることは生命の危険もあり,妥当ではなく,ウォーキングのように,ゆっくり行い,身体に急激な負担をかけないものが最適だからである。
     反対に,中高年に向かないスポーツには,ウエイトトーレーニングや短距離走などが考えられる。なぜなら,息を止めながら行う負荷の強いこれらのスポーツや無酸素運動は,前述のように血圧が一気に上がり,中高年の身体に悪影響になる可能性が考えられるからである。
     以上から,中高年には,健康維持の側面から,急激な身体運動を伴わない運動が妥当であると考えられる。競技としてのスポーツでなくとも,ジョギングやゴルフなどで有酸素運動をすることで,身体への負担を少なくしつつ,健康を維持できると思われる。しかし,これらの運動が健康に良いと周知されているとはいえないことから,今後は中高年に適した運動が何かを周知し,安全に運動が行えるように,広めていくことが必要であろう。」となっています。
     この問題形式の場合,中高年に向くスポーツは何か,その理由は何か,向かないスポーツは何か,その理由は何かを述べた後に,私見を求められています。問題提起を述べ,意見提示を述べるといった作業は不要ですし,800字以内では不可能でしょう。「以上から」というように,まとめを書く中で,私見を述べていきましょう。

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1 問題提起の重要性
    問題提起は,「これからこんな内容のことを書きます」というメッセージであって,これから述べるテーマを端的に書くものです。問題提起の部分は自分がどういった文章を書いていくかの書き始めですので,非常に重要であることは確かです。しかし,凝り固まった文章,練りに練った難しい文章である必要はありません。
    問題提起で重要なのは,「これから書こうとするテーマがはっきり分かる」「簡潔に書かれている」という点です。


 2 書き出しのパターン
    問題提起部分は,YES・NOの形でテーマを示す前に,導入として前置きを入れておくのが通常です。以下のようなパターンがあるので,使い分けられるようにしましょう。

  (1)定義・分類で始める
      問われているキーワードの定義を書いたり,そのキーワードがどういったジャンルの問題なのかなどを先に書くパターンです。例えば,「リストラについて述べなさい」「コアトレーニングについて述べなさい」など,キーワード自体が難しい場合に,「リストラとは・・・」「コアトレーニングとは・・・」と,用語の説明をしてから書き出すものです。
 

 (2)客観的事実で始める
      これは,テレビや新聞,雑誌などで,報じられているニュースを基にして書き出すパターンです。時事問題の場合に用いられることが多いです。例えば,最近では「上海万博について」や「北京オリンピックについて」などが考えられます。これらの時事問題については,テレビ・新聞などのニュースの知識を先に書いてから問題提起をすると,時事問題への関心を持っていることをアピールできます。
 

 (3)個人の体験談で始める
      これは作文になる可能性があるので注意が必要です。例えば,「障害児について」という場合に,「私の学校でも障害児の生徒がおり・・・」などと始めるパターンです。与えられたテーマについて,最近のニュース等の情報ではなく,また定義で始める問題でもない場合は,自分自身の体験談を交えて書くことになります。特に自分の経験が生かせるような問題の場合は,積極的に書いてみても良いでしょう。

  (4)とんでもない結論で始める
      これは,あまりお勧めしませんが,かなり目立つ書き方です。例えば,「戦争について」という題の場合に,「私は大いに戦争をやるべきだと思っている・・・」などと書き始めるパターンです。どうしても結論や自分の良い意見が思いつかない場合に使うものだと考えておいて下さい。通常は使いません。


 3 問題提起の練習
    問題提起については,前々回に少し教えましたが,①「YES・NOのパターンに直す方法」と,②「問われたことをそのまま問題提起に使う方法」とがあります。②の場合も,反対意見を考慮しなければならないので,結局はYES・NOに置き換えることになります。①が原則で,問題提起が上手く考えつかない場合や,そのまま使った方が有効な場合は,②を使いましょう。
    では,前回までの課題を使って,いくつか問題提起を考えてみましょう。



 (1)添削課題
「現代社会におけるスポーツの意義(役割)」について述べなさい
     参考答案例では,「過去においてのスポーツは,競技性が強く,競うという側面が強かったと考える。では,現代社会において,スポーツの意義は変化しているか,以下考える。」というように,スポーツの意義が「変化しているか」というYES・NOの形に直しています。これは①のパターンです。
この場合,②のパターンだと,「現代社会におけるスポーツの意義は何か考える」というようになります。この場合,スポーツの意義が,「競技だ」という反対説と,「健康面にある」という自説を展開していくことになります。もっとも,現代社会において「なぜ」このように変わっていったのかも出題趣旨ですから,これでは問いに十分答えることができません。展開部分で色々と書いていくことは可能ですが,字数の関係を考えれば,①のパターンが妥当でしょう。



 (2)添削課題①
高齢者とスポーツとの関係についてあなたの考えを述べなさい。
(800字以内,1時間30分)
     参考答案例では,「近時,生活習慣病の予防等で,中高年の運動が注目される中,高齢者においても,ジョギングといった軽めの運動を中心に,スポーツが普及している。では,高齢者とスポーツとの関係をどう考えれば良いか。」という書き出しであり,問題文をそのまま使った②のパターンになっています。
     これは,高齢者とスポーツとの関係について,YES・NOに直すのが困難であったため,「どういう関係か」ということを端的に述べていこうと考えたからです。この場合でも,もちろん,「高齢者とスポーツとの関係は従来の競技性のあるスポーツとは異なっていると考える。では,どのように異なっているのか考えたい。」,「高齢者にとってスポーツは,競技と言うよりは健康や長寿を目的としている。では,それ以外の目的はないのか,以下考える。」などと,①のパターンで書いていくことも可能です。


 (3)添削課題②
以下は産経新聞10月10日のネット記事である。以下の記事を読んで,100字以内で要約し,700字以内であなたの意見を述べなさい。(1時間30分)

「小中高生の体力が向上 13歳の50メートル走はピークに迫る 文科省調査」

小中高生の体力や運動能力が3年連続で向上したことが、10日公表された文部科学省の平成21年度体力・運動能力調査で分かった。13歳男子の50メートル走の成績では、子供の体力がピークだった昭和60年度と同水準に戻っていた。問題になっている子供の体力低下だが、文科省では「運動能力低下が止まり、緩やかではあるが、復調に向かっている」と分析している。
 調査は21年5~10月に小中高校生の約3万1千人を対象に実施。50メートル走や立ち幅とび、ボール投げなど小学生男女は各8種目、中高生男女各9種目の計52種目で体力・運動能力テストを行い、記録をそれぞれポイント化した。
 ポイントの総合得点は、小中高の男女ともに3年連続向上傾向。種目別でも上体起こしと反復横とび、20メートルシャトルランでいずれも向上するなど、52種目のうち28種目で向上傾向。低下は3種目だった。
 特に中学生男子の50メートル走の平均記録は平成10年度より0・09秒速くなって7秒91。昭和60年度の7秒90に肉薄する結果となった。文科省は「体力作りの事業など、学校の地道な活動の成果」と分析する。
 ただ、中学生男子の50メートル走以外は昭和60年度の水準に戻った種目はなく、立ち幅とびではほぼすべての年代で10年度と比べて横ばいか低下など、向上傾向のない種目もあった。調査に携わった順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「小さいころから外で遊ぶ機会が少ないため、複雑な一連の動きが不得意なのではないか」と分析した。
 運動能力について、20年度から実施の国の教育振興基本計画では「5年間で60年度の水準へ回復」としているが、文科省は実現困難とみている。新学習指導要領では、小中学校の体育の授業も増えることになっているが、内藤教授は「学校だけでは限界がある。交通機関も発達し、便利な現代社会では、体を動かす機会は減っている。週末や放課後に、体を動かす自由な時間がもてるようにするべき」と指摘している。」
以 上
     参考答案例では,「現在,子供の運動能力の低下が問題となっているが,本調査においては,50メートル走の記録の改善が見られたことが分かった。この調査の結果をどう考えるべきか。」となっています。これは,調査結果をどう考えるかという漠然とした問いですが,一応①のパターンです。②のパターンで書くとすれば,「この記事について,私の意見を以下述べる」という形になります。この場合は②のパターンだと,反対意見を考慮する際にもう一度問題提起が必要になるので,迂遠です。このような問題形式の場合は,①のパターンが最適と言えます。

 

(4)添削課題③
時代と共に,スポーツには流行廃りがあります。
1960年代はテニスが,1970年代ではジョギングが,1980年代ではエアロビクスが,1990年代ではアクアフィットネスが流行っていました。
では,2000年代は何が流行っていたと思いますか。
流行っていたスポーツを答え,その理由を述べなさい。
(800字以内・制限時間1時間)
     参考答案例は,「時代と共にスポーツには流行があるが,私は2000年代もアクアフィットネスが流行していたと考える。その理由は以下の通りである。」と成っています。これは②のパターンに近いでしょう。
     この問題については,流行のスポーツを答え,その理由を述べるだけですので,①のパターンで書き出すのが少し難しいです。もっとも,「私は○○が流行っていたと考える。しかし,○○や○○などが流行っていたという考えもある。では,流行していたか否かはどう考えるべきか」などと,YES・NOに引きつけて問題提起をすることも可能です。


 (5)添削課題①
 1 『女性とスポーツ環境』(石田良恵著・2005年・モダン出版)110頁~112頁「女性は男性の記録を超えられるか?」を読んで,女性が男性の記録を超えることができない理由を要約し,女性としてはどのようにスポーツと関わっていくべきか,あなたの意見を述べなさい。(1時間・800字)
  
     参考答案例は,「本記事にあるように,身体的特徴という変えようのない事実によって,女性は男性の記録を超えることはできない。では,女性はどのようにスポーツと関わるべきなのか,考えてみたい。」となっています。これは②のパターンです。「高齢者とスポーツの関係」の部分でも検討しましたが,問題文がかなり抽象的なので,「どのように関わるか」というテーマそのものを問題提起に利用した形になっています。
     この場合は,先に自分の考えを示して,「私は,女性は男性と競うのではなく,女性同士と競うという形でスポーツと関わっていくべきと考える。その理由は以下の通りである。」というパターンで,①のように書いていくことも可能です。反対意見として,女性も男性と競うべきだという意見を採り上げることになります。


 (6)添削課題②
 2 中高年に向くスポーツ,向かないスポーツをその理由と共に述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「中高年は,競技としてのスポーツよりも,健康維持のためのスポーツという側面が強い。身体的には若者より弱っており,競うという側面が少ないからである。私は,中高年に向くスポーツは,アクアフィットネスやゴルフ,ウォーキングなどだと考える。なぜなら,中高年には血圧が上昇するような無酸素運動をすることは生命の危険もあり,妥当ではなく,ウォーキングのように,ゆっくり行い,身体に急激な負担をかけないものが最適だからである。」という形で,問題提起をしていません。このような問題形式の場合は,理由とともに自分の意見を言えば十分だからです。
なお,この後に私見を必ず述べるわけですが,私見は問題提起をするのではなく,自分がそう考えた理由を敷衍して述べていくだけで十分です。具体例や歯止めなどを書けば必要十分です。


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1 一文を短くする(ワンセンテンス・ワンテーマ)
    一文は一内容のみを書きましょう。目安としては,1つの文章が60字以上になるようであれば,文章を2つに分けましょう。


2 接続詞の使い方を考える
    小論文で使われる接続詞には以下のようなものがあります。接続詞は適格に使いましょう。(☆:かなり有効・○:有効・△:少し有効・×:有効でない)

    「ところで」:×
           文章を区切ってしまい,流れが止まってしまう。思考を区切るのは小論文では良くない。使うのであれば,ナンバリングをして段落を変えてから使う。
    「そして」 :△
           あまり有効ではない。論理的な文章に用いることはあまりない。文章にリズムを出す以外の効果がない。
    「そこで」 :○
           前の文章を受けて展開するときに用いる。「~である。そこで,~について論じる」など。
    「とすれば」:☆
           論理や事実を積み重ねて,考えている感じが出る接続詞。ただし,馴染みの薄い接続詞であるので,「このように考えれば」などと分かり易い接続詞に直す方が良い。
    「よって」 :○
           結論を示す場合に用いる。小論文では最も良く使う。「したがって」「以上より」なども良い。
    「しかし」 :○
           「しかし」は反対方向への思考を示す接続詞。適切に使わないと論理的思考力の弱さを露呈することになるので,注意が必要。1つの論証に逆説を2回以上使わないこと。
    「だが」 :△
           「しかし」を使っていれば,使う必要はない。
    「もっとも」:○
           原則的な文章を受けて,例外的な場合を示すのに使う。「~である。もっとも~な場合には・・・」などと使う。また,自分の主張を制限する場合にも使う。反対説に配慮して自説を制限する場合などである。同じように,「ただし」を使っても良い。
    「たしかに」:☆
           反対説に一定の配慮・理解を示す場合に使う。この「たしかに」を使った後には,逆説の「しかし」がきて,反対説への批判や自説などが展開されることになる。
    「思うに」 :☆
           自説を説き起こす出発点として用いる。同じ役割の接続詞として「そもそも」がある。「そもそも」は,物事の本質から説き起こすものである。ある物事の本質から遡って主張するときは「そもそも」を用いる。ただし,「とすれば」と同じように馴染みの薄い接続詞なので,「私は思うに」「私・・・と考える」などに置き換えた方が良い。
    「なぜなら」:○
           理由を後ろに示すときに使う。「なぜならば」でも良い。これを用いたときは,後に続く文章の語尾が「~だからである」という形になる。
    「また」  :☆
          並列的に文章を繋ぐ際に用いる。並列的な文章が3つ以上続くときは,「さらに」「加えて」など,他の接続詞を用いるようにする。


 3 小論文作成の手順
 (1)問題文を読む
     読み違いや読み落としは致命的になります。設問の長さにも寄りますが,最低でも2回は読みましょう。そして,何を聞かれているかを考え,自分の解答が聞かれていることにきちんと答えているのかどうかを考えましょう。
 (2)答案構成
     考える作業と書く作業は分けましょう。考えながら書くのではなく,答案構成の時間でしっかりと考えて,後は書く作業だけにしましょう。構成に当たっては以下の点に留意しましょう。
     ①問いに答える構成にする
     ②わかりやすい構成にする
     ③理由付けのある論理的な構成にする
     ④十分な時間を取る
     ⑤段落構成,叙述の順序,力点の配分,結論や理由などを分かり易く書く
 (3)答案を書く
     この段階では内容のことは考えず,主語と述語が対応しているか,文章表現は適切かなどを考えるのみで,答案構成に従って書きましょう。
 (4)見直し
     答案を書き終えたら必ず見直しをしましょう。

小論文の答案の書き方まとめ
 ①問題に対する答えを書く
   問われたことに的確に答える。不要なことは書かない。
 ②自分の判断を示す
   単なる知識の羅列ではなく,判断にしっかり理由を付けて,説得的なものにしましょう。例えば,必要性と許容性のバランスを考える,歯止めをかけるなどです。
 ③思考や論理を示す
   どのような結論をとったかだけではなく,どのような道筋で解答するかもきちんと示しましょう。
 ④採点者に伝える
   いくら書いても伝わらないと意味がありません。分かり易い表現,分かり易い字で書きましょう。
 ⑤試験時間を有効に使う
   ペース配分をきちんと考えて,与えられた時間内に有効に使いましょう。



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(1)導入
    ア 自己紹介
       面接・プレゼンテーションにおいては,志望動機,高校生活で気をつけたこと,部活動の最高成績,将来教師を目指すのか,なども聞かれるようです。自己紹介を通じて,面接の訓練になるようにしておきましょう。
    イ 今後の指導スケジュール
       受験レポートを見た限り,小論文よりもプレゼンテーションが難しいと考えられます。プレゼンテーションの基礎技術,リハーサルなどの訓練も交えつつスケジュールを調整していきましょう。
    ウ 小論文を学ぶ意義
       小論文は受験だけではなく,今後の大学生活においても役立つということを念頭に置いて頑張りましょう。特に理由を考えることで,論理的な思考力を養う作業が重要です。
  
(2)小論文
    ア 小論文とは何か
    イ 作文との違い
    ウ 小論文の形式面
  ①冒頭一字を空ける
  ②段落を分ける
  ③漢字を間違えない
  ④文末に「以上」と入れる
  ⑤途中答案は絶対避ける
  ⑥語調を同じにする
  ⑦一度書いたら読み直す
  ⑧句読点は文章内で
  ⑨指定された部分以外には書かない
  ⑩時間内にきちんと終える
  ⑪筆記用具は複数持つこと
  ⑫同じ接続詞は使わない
  ⑬最後に氏名・受験番号を確認する
  ⑭主語・述語をきちんと対応させる
    主語をはっきりさせること,述語ときちんと対応させることが必要です。長い文章になったり,一気に書いていると,時々主語と述語が対応していない答案が出てきます。見直しをすることで,ミスをなくすようにしましょう。また,日本語は主語がなくても通じてしまうので,きちんと主語があるか否か確認しましょう。
  ⑮一文を短くする(ワンセンテンス・ワンテーマ)
    一文は一内容のみを書きましょう。目安としては,1つの文章が60字以上になるようであれば,文章を2つに分けましょう。
  ⑯接続詞の使い方を考える
    小論文で使われる接続詞には以下のようなものがあります。接続詞は適格に使いましょう。
  ⑰指示語を多用しない
       「その」,「この」などの指示語を多用すると,文章が読みづらくなります。連続して使うなど,多用することは避けましょう。


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1 小論文に求められること
   簡単に言えば,問いに答えて説得力ある文章が書けているかが重要です。難しく言えば,相手の要求を理解する能力,事案の分析力,推論能力,論理的思考力・説得力,判断能力,文章表現力(伝達能力)が求められています。社会一般の常識や,社会への関心や視点を問われることもあります
   形式面では一定の設問に対して,制限時間内に,解答として一定の量の文章を作成する試験なので,学術論文などとは違います。
   内容面では,論者の問題提起と,結論,その理由がきちんと示されている必要があります。この辺りは作文や感想文,レポートと異なります。
   小論文は,解答するために設問を読むこと,問題点を読みとり,結論・主張とその理由付けがきちんと出来ることが重要です。すなわち,以下のようにまとめることができます。


①設問を読む
 ・何を聞かれているのかを客観的に読みとる
 ・課題文は正確に読む
②考える
 ・何を論じたらよいのか,問題点を考える
 ・自分の主張と理由を考える
 ・答案の構成を考える
③書く
 ・解答として文章を作成する
 ・字は丁寧に,分かり易く書く
 ・段落分けをする

 2 小論文の実質面
   小論文の実質面,内容面は何が求められているのでしょうか。簡単に言えば,「問われていることに答える」ということです。実は,これがしっかり出来ている答案は意外と少ないです。書いている途中で自分の思いばかりが先行してしまい,簡単な問いにも答えられていないことがあります。きちんと問いに答えることに気をつけましょう。
   また,自分の意見や理由が書かれていないものも多いです。自分の意見と理由はどんな小論文でもきちんと書いておきましょう。
   さらに,ほとんどの答案は論理的な文章になっていません。この辺りは,慣れが必要ですが,自分の理由付けが「なぜこうなるのか」という疑問をいつも持って書くようにしましょう。つまり,「理由付けをきちんとする。なぜ?ということをいつも考える」ことで,論理的な文章になります。