小論文の書き方(16) | 日常メモ

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日々の日常を日記形式で記録しております。興味のあるものは法律,小論文,酒です。日常的に酒を嗜んで生きております。

1 意見提示の書き方
   問題提起に続いて,意見提示を書くことになります。意見提示の部分は,問題提起で出した問題点について,自分はどう思っているのかを簡単に書いてから,反対意見を出し,それを批判するということを書きます。自分の意見は展開の部分で初めて書いても良いですが,今回は800字ということですので,意見提示の部分で「私は○○と考える」と簡単に意見を述べておいて良いでしょう。


2 反対意見を出す意味
   意見提示の部分では,必ず反対意見を考慮します。これは,視野が狭く,偏見を持った考え方をしているわけではないということを示すために使います。自分に都合の良いことばかりではなく,自分に不利益なことにも一定の配慮を示すことによって,説得力を出すという意味があります。自分の意見ばかりではなく。読み手が抱く反論をきちんと出しておきましょう。
   なお,反対意見は簡潔に書いてあれば十分です。反対意見の理由付けを書きすぎてしまうと,「しかし」以下の自分の意見の説得力が薄れてしまいます。「しかし」「思うに」の部分に行数を割き,「確かに」の部分はさらっと書く程度に留めておきましょう。
   さらに,「私は○○と考える」の部分も簡潔に書きましょう。自分の意見や理由を詳しく書くのは意見提示の後の「展開」の部分です。意見提示の部分では,YES・NOの主張だけに留めておき,自分の意見は出し惜しみしておきましょう。


3 意見提示の書き出しパターン
 (1)確かに~という意見は否定できない。それは○○という点からだ。しかし・・・
 (2)~という考えも成り立つかもしれない。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
 (3)一般には~といわれている。それも一理ある。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
 (4)~と考える人もいるかもしれない。なぜなら,○○だからだ。しかし・・・
   といったパターンが考えられますが,自分なりの書き方があるのであれば,それで構いません。書いていく中で自分のパターンを考えておきましょう。


4 意見提示の練習
    では,前回の問題提起の課題を使って,いくつか意見提示を考えてみましょう。

 (1)添削課題
「現代社会におけるスポーツの意義(役割)」について述べなさい
参考答案例では,「私は,現代社会においてのスポーツの意義は変化し,エクササイズや健康など競技に限られず様々な目的で利用されており,娯楽の側面も強くなったと考える。この点,現代においてもスポーツは競技性が求められるという考えもある。しかし,現代においては,スポーツが全て競技として求められているのではなく,高齢者の健康維持の目的であったり,女性がダイエット目的で始めたり,最近ではメタボリック症候群の改善のためにランニング等を中高年が始めたりと,一概に競技として求められているのではないことが分かる。」となっています。
     自分の意見は,「健康など様々な目的で利用されている」ということを簡潔に書いて,その後は,反対説として,「競技性を求めている」ということを書いています。さらに,反対説への批判として,現在のスポーツの実情を,高齢者や女性を具体例として挙げて示しています。


 (2)添削課題①
高齢者とスポーツとの関係についてあなたの考えを述べなさい。
(800字以内,1時間30分)
     参考答案例では,「私は,高齢者とスポーツとの関係は,まさに「健康」をテーマとしていると考える。確かに,一部の高齢者においては競技としてのスポーツをしており,成績を競っている。しかし,若者のスポーツとは異なり,成績を競うのは困難であることから,多くの高齢者はスポーツを健康や長寿に視点を置いている。」となっています。
     こちらも,前述(1)と同様に,「健康」と「競技」という相反する目的を挙げて,自説,反対説,反対説への批判を行っています。高齢者がどのような目的でスポーツを行っているのかはよく考えておきましょう。


 (3)添削課題②
以下は産経新聞10月10日のネット記事である。以下の記事を読んで,100字以内で要約し,700字以内であなたの意見を述べなさい。(1時間30分)

「小中高生の体力が向上 13歳の50メートル走はピークに迫る 文科省調査」

小中高生の体力や運動能力が3年連続で向上したことが、10日公表された文部科学省の平成21年度体力・運動能力調査で分かった。13歳男子の50メートル走の成績では、子供の体力がピークだった昭和60年度と同水準に戻っていた。問題になっている子供の体力低下だが、文科省では「運動能力低下が止まり、緩やかではあるが、復調に向かっている」と分析している。
 調査は21年5~10月に小中高校生の約3万1千人を対象に実施。50メートル走や立ち幅とび、ボール投げなど小学生男女は各8種目、中高生男女各9種目の計52種目で体力・運動能力テストを行い、記録をそれぞれポイント化した。
 ポイントの総合得点は、小中高の男女ともに3年連続向上傾向。種目別でも上体起こしと反復横とび、20メートルシャトルランでいずれも向上するなど、52種目のうち28種目で向上傾向。低下は3種目だった。
 特に中学生男子の50メートル走の平均記録は平成10年度より0・09秒速くなって7秒91。昭和60年度の7秒90に肉薄する結果となった。文科省は「体力作りの事業など、学校の地道な活動の成果」と分析する。
 ただ、中学生男子の50メートル走以外は昭和60年度の水準に戻った種目はなく、立ち幅とびではほぼすべての年代で10年度と比べて横ばいか低下など、向上傾向のない種目もあった。調査に携わった順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「小さいころから外で遊ぶ機会が少ないため、複雑な一連の動きが不得意なのではないか」と分析した。
 運動能力について、20年度から実施の国の教育振興基本計画では「5年間で60年度の水準へ回復」としているが、文科省は実現困難とみている。新学習指導要領では、小中学校の体育の授業も増えることになっているが、内藤教授は「学校だけでは限界がある。交通機関も発達し、便利な現代社会では、体を動かす機会は減っている。週末や放課後に、体を動かす自由な時間がもてるようにするべき」と指摘している。」
以 上
     参考答案例では,「この点,本記事によれば,50メートル走の結果改善は,体力作りの授業など,学校での教育の成果が現れたとしている。確かに,学校での体力作り事業は非常に重要であり,一定の成果が出ていることは好ましいことであり,調査結果が妥当であったと考える。
     しかし,この調査結果では,50メートル走以外の種目は軒並み低下しているという事実も伝えている。」となっています。
     「この点→確かに」という流れで,調査結果が妥当であったという反対説を述べています。その後,反対説への批判を述べるという形になっています。

 

(4)添削課題③
時代と共に,スポーツには流行廃りがあります。
1960年代はテニスが,1970年代ではジョギングが,1980年代ではエアロビクスが,1990年代ではアクアフィットネスが流行っていました。
では,2000年代は何が流行っていたと思いますか。
流行っていたスポーツを答え,その理由を述べなさい。
(800字以内・制限時間1時間)
     参考答案例は,「この点,スポーツとしては,ゴルフの石川遼選手の人気や,サッカーワールドカップなどの人気で,これらのスポーツが注目されていたともいえる。しかし,市民の間ではテレビ番組でも健康をテーマにしたものが多く取り上げられ,健康ブームといえる時代になっていることを反映して,気軽に,誰でも,安全にできるスポーツが好まれていたと考えられる。」となっています。
     「確かに」の代わりに「この点」という接続詞を使い,反対説を述べた後に,反対説への批判を述べています。少し分かり難いですが,典型的な書き方となっています。

 (5)添削課題①
 1 『女性とスポーツ環境』(石田良恵著・2005年・モダン出版)110頁~112頁「女性は男性の記録を超えられるか?」を読んで,女性が男性の記録を超えることができない理由を要約し,女性としてはどのようにスポーツと関わっていくべきか,あなたの意見を述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「私は,女性と男生とが競うのではなく,男女の違いを認識して,それぞれにあった結果が得られることが重要であって,女性が男性の記録を超える必要はないと考える。
     確かに,スポーツの世界においては,男女関係なく,記録を重視するという考え方もある。しかし,男女の身体的特徴は,変えることができず,無理に変えようとすれば,ドーピングのような健康を害する可能性のあるものに頼らざるを得なくなってしまい,妥当ではない。」となっています。
     今回は自分の意見を問題文でも聞かれているので,分かり易く,まず「私は」で自分の意見を述べ,「確かに」で反対説を。「しかし」で批判を述べています。自分の意見が尋ねられているときは,自説を先に述べておいた方が分かり易いですし,書きやすいでしょう。


 (6)添削課題②
 2 中高年に向くスポーツ,向かないスポーツをその理由と共に述べなさい。(1時間・800字)

     参考答案例は,「私は,中高年に向くスポーツは,アクアフィットネスやゴルフ,ウォーキングなどだと考える。なぜなら,中高年には血圧が上昇するような無酸素運動をすることは生命の危険もあり,妥当ではなく,ウォーキングのように,ゆっくり行い,身体に急激な負担をかけないものが最適だからである。
     反対に,中高年に向かないスポーツには,ウエイトトーレーニングや短距離走などが考えられる。なぜなら,息を止めながら行う負荷の強いこれらのスポーツや無酸素運動は,前述のように血圧が一気に上がり,中高年の身体に悪影響になる可能性が考えられるからである。
     以上から,中高年には,健康維持の側面から,急激な身体運動を伴わない運動が妥当であると考えられる。競技としてのスポーツでなくとも,ジョギングやゴルフなどで有酸素運動をすることで,身体への負担を少なくしつつ,健康を維持できると思われる。しかし,これらの運動が健康に良いと周知されているとはいえないことから,今後は中高年に適した運動が何かを周知し,安全に運動が行えるように,広めていくことが必要であろう。」となっています。
     この問題形式の場合,中高年に向くスポーツは何か,その理由は何か,向かないスポーツは何か,その理由は何かを述べた後に,私見を求められています。問題提起を述べ,意見提示を述べるといった作業は不要ですし,800字以内では不可能でしょう。「以上から」というように,まとめを書く中で,私見を述べていきましょう。

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