「別に」と小さく吐き捨てて、バタンと閉められる部屋のドア。
「なんだその態度は、親をバカにしているのか」「話す気すらないのか」とイラッとしますよね。
「学校どうだった?」と聞いた瞬間に「別に。普通」と部屋と心のドアを同時に閉められたり、夕飯の準備中に悪い態度をとられたりすると、正直こちらの機嫌も悪くなります。
ですが、この背中の裏側にあるのは、必ずしも親への軽視や攻撃心とは限りません。
子供は成長するにつれ、「自分の言葉が親に与える影響」を感覚的に学びます。
親が喜ぶような嘘をついたり、わざと傷つけるようなことを言ったり……そんな姿を見せることもあります。
一方で、下手に本当のことを言えば、親が過剰に心配したり、聞きもしないアドバイスを被せてきたり、最悪の場合は機嫌を損ねて余計にややこしくなったりすることも感じています。
そうしたことを子供なりに察知して、「これ以上踏み込まれてお互いの感情が事故るくらいなら、最初から会話を遮断して自分を守ろう」と防衛本能を働かせているケースが意外と多いものです。
言葉の短さは、心の余裕のなさや、葛藤の裏返しでもあるのですね。
だからと言って、「傷ついているんだな」「守っているんだな」と全てを受け入れ、子供の妄言や横暴な態度を放置してしまうのは違います。
子供の領域を尊重しつつも、家族としての(もっと言えば、人としての)最低限のマナーは譲ってはいけません。
配慮と放任は別物です。
・感情は認める:「今は話したくない気分なんだね」と、状況や感情はいったん全面的に受け止める。
・行動の線を引く:「でも、その投げやりな返事のトーンは良くないよ」と、コミュニケーションの最低限の一線だけは崩さない。
子供の気持ちを認めつつも、最低限の境界線をしっかり守らせることは、子供の将来的な社会性を育てるだけでなく、親自身を守ることにもつながります。
相手の部屋のドアは無理にこじ開けず、こちらはリビングのドアを「正しいトーン」で開けておく――その絶妙な距離感こそが、思春期を乗り越える鍵になります。
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