このブログでは、いただいたご相談内容を全文そのまま手を加えることなく掲載しています。
公開することで、同じような疑問を持った方の参考になればという思いからです。
つくり話と思われても嫌ですしね(笑)
ところで、別の経路で非公開のご相談をいただくこともあります。
そちらは全文掲載はしませんが、役立つ内容についてはすでにいくつか記事にして紹介しています。
これらはもともとご相談の文章があるわけですが、個人情報が含まれる部分や固有名詞など、細かい情報をばっさりカットすると内容がつぎはぎで意味の通らない文章になってしまいます。
そこで、内容を一般化して普通の記事の形でお送りしています。
今回もそんな記事です。
成績を貼り出すやり方は効果がありますか?
成績を貼り出すことで、競争心を煽る方法ですね。
塾はもちろんのこと、実際にやっている学校は今でもありますよね。
これは一定の効果があります。
実際に塾に入れたらこの方式だったため、子供がやる気になって「やっぱり塾は違う」などと感心する保護者の方もいるくらいです。
ただ、この方式には副作用もあります。
それは「下位に定着した生徒は、一層悪くなる」ことです。
成績を張り出す最大のデメリット
テストなどをもとに順位が決まり、それを貼り出すわけですが、そのテスト結果はそうそう入れ替わるものではありません。
500点満点で450点を取るような生徒は、やはり毎回それくらいの点数を取りますし、300点がとれない生徒は、やはり毎回それくらいの点数を行ったり来たりします。
かなり生徒数が多ければ上下の幅も増えますが、生徒数が少ないとほとんど上下しないことが起こるのはご想像がつくと思います。
うまく毎回順位が入れ替わると、「よし、次は抜き返すぞ!」と頑張りますし、同じくらいの順位にライバルのような生徒が何人かいると、そこで競いあって頑張ります。
しかし、そうそううまく順位は入れ替わりませんし、ライバルもいる生徒のほうが少ないです。
それに下位の生徒の気持ちになってみてください。
頑張って順位が1つか2つ上がったところで、明らかに下位であることには変わりありません。まさか一気に3位以内に入る・・・ようなことは、普通ありえませんよね。
(予めそういう仕掛けを用意すれば別ですけれども)
毎回毎回、自分の名前が最後のほうに貼り出されてみてください。それはつまり「お前は馬鹿だ」と言われているのに等しいです。
授業中に他の生徒の前で間違えるだけでも、生徒は本当に傷つくものです。
確認テストをして、その点数が悪いだけでも傷つく生徒はたくさんいます。
それを、総合テストなどで貼り出されてしまったら、それこそ公開処刑と同じで、自分の存在そのものを否定されているような感じにさえさせてしまうものです。
「何くそ!」「だったら、次回は良い点を取ってやる!」と思って頑張る生徒なら良いですが、そんな生徒はどんどん少なくなっていますよね。むしろくじけてしまって、立ち直れなくなる生徒のほうがはるかに多いのが今の日本です。
そして仮にやる気になったとしても、そのやる気が継続するかは別問題です。
まさに先日の記事「やる気があれば成績は上がる?」で書いたことですね。
下手にやる気を起こさせることで、逆に悪い状態に追い込むことさえあるのです。
「貼り出すことでやる気が起こるならそれでも・・・」と考える親や教師は多いですが、これもまた昨日書いた、「やる気を起こすことこそが重要」と低いレベルで考えてしまう罠にはまっているゆえに起こることなのですね。
貼り出し方式そのものは、やる気を起こす方式であったとしても、やる気を継続させる方式とは言えませんから。
成績を張り出す塾が合う生徒、合わない生徒
ですから、「成績を貼り出す」方式は、主に上位の生徒や競争心があって負けず嫌いの生徒(最近は少ないですが・・・)にとっては効果的だと言えるでしょう。
(ただし、上位の生徒は他の方式でも頑張るので、あえてこの方式にしないといけないわけではありません)
一方で、下位の生徒にとっては、うまくいくこともあるけど、逆にうまくいかないことのほうが多いと言えます。
こういった副作用の大きい方式だけに、運用する側には細心の注意が必要です。
しかし、残念なことに、多くの塾、学校ではわりと安易に利用されているのが現実です。
最低でも「下位の生徒が定着してしまわないような、何らかの仕組みや工夫」があることと、「下位になることが「悪い」ことではなく、それをバネにして上を目指すことが大事だ」と生徒みんなが考えるような雰囲気があるかどうかを確認しておいたほうが良いでしょう。
前者があれば順位の入れ替えによって生徒のモチベーションは上がりますし、後者があればできない生徒を馬鹿にしたり、できない自分を卑下したりすることはなくなります。
反対に、そういう学校・塾でないと、自分の子が上位の子のモチベーションアップのための「人柱」に使われてしまうこともありますからね(苦笑)
具体的に知りたければ、その塾に昔からいる生徒で、下位になっている生徒がどういう状態にあるかを調べてみましょう。
後から入ってくる生徒にどんどん抜かれ、それでも下位に定着したままでやる気をなくしてしまっているようなら、問題ありです。すなわちその子が人柱ですね。
反対に、後から入ってくる生徒はみな下位になり、もともといる生徒に負けじと頑張るようなら、理想的です。
もちろん、塾に入っていなくても賢い生徒がいますから、なかなかそういうふうにはなりません。
しかし、下位に定着した生徒でも、その生徒なりにやる気を持って頑張っているのなら大丈夫です。
そうでない場合は「指導力の無さ」または「面倒見の悪さ」を表していますから、注意してくださいね。
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