教育に関連するニュースをお届けしています。
今日お届けするのは、中高生の英語力に関する記事です。
- 中3生で、中学卒業程度の実力があるのは47.0%。
- 高3生で、高校中級程度の実力があるのは46.1%。
どちらも目標としている50%を下回ったということです。
ただし、この調査はツッコミどころが満載です。
まず「中3生」のほうは、まだ在学中の段階で、中学卒業程度の実力があることを求めています。
しかし、まだ在学中なのに、卒業程度を求めるとは、いったいどういうことなのでしょう?
学校の授業は最後まで受けなくても意味が無いと言いたいのか、塾にもっと頑張れと言いたいのか・・・
一方、まだ在学中だと言うのに、すでに卒業程度の実力を持った生徒が47%と半分近くもいるなら、かなりすごいことです。
ただ、それを測る基準が「英検3級」となっており、実はこれは卒業程度の実力などなくても受かってしまえるものです。
現に、塾で一定の対策さえすればかなりの生徒が受かってしまうものなのに、それをもって「卒業程度の実力がある」とみなすのはかなり痛いです。
また、高3生のほうは、なぜか卒業程度ではなく、中級程度と格段に基準が落ちています。
要は簡単になっているはずなのに、それを満たしているのは46.1%とほぼ同じか少し下回る程度と、結果は逆になっています。
基準もバラバラなら、目標地点もバラバラという、もはや何だかよく分かりません。
とは言え、この数字は年々上がり続けており、素直に読むと「英語力が向上している」という話になります。
実際に、平成25年時点ではどちらも30%を少し上回るぐらいで、そこから考えるとかなり上昇していますよね。
そういう意味では、学校における英語指導は大きな成果を出していると言えるでしょう。
・・・ところで、実際の子供たちを見ていて、昔と比べて英語が得意になったという感じはするでしょうか?
少なくとも私は全くしませんし、世間を見渡しても、英語力のレベルが上がったというような雰囲気はありません。
それもそのはず、ここで学校の英語指導が出した「成果」とは、決して「英語力」ではなく、あくまでも「英検の点数や取得率」でしかないからですね。
要するに、この調査から分かるのは、「昔と比べて、学校(または生徒)が英検対策を頑張っていますね」というだけのことです。
ついでに言うと、上の47%という数字には「英検を取得した」生徒だけでなく、学校の成績などをもとに教師の裁量で「相当する力がある」と判断された生徒も含まれています。
所詮は裁量ですから、教師によっても年度によってもブレるわけで、数年前と比べて客観的な評価ができている保証も全くありません。
むしろ、政府や文科省や教育委員会や管理職などから「もっと数値を上げろ」と言われて、日々の指導に力を入れている先生は、評価の時に手心を加えてしまう可能性も高くなるでしょう。
もしかすると、良くなっているのは調査結果だけで、実際の数値は大して変わらないという話だってあり得ます。
もちろん、それはそれで逆方向にうがった見方ですが、それと同じくらい、この調査で「数年前と比べて英語力は上がっている」と判断するのもどうかといったところでしょう。
ついでに、記事内で文科省の担当者のこんなコメントがあります。
「英語教師が英語の実力を充実させるのは当たり前。英検などを積極的に受験するよう促したい」
上は、英語力の有無を英検などで測るのが問題という指摘でしたが、肝心の英語教師の実力のほうも英検などで測りたくてしかたないようです。
受験指導の場合は複数教科を教えなければならないわけですが、学校で英語「だけ」を教える先生なら、確かに英検の高位級くらいは持っていてほしいです。
しかし、英検や類似の資格をいくら持っていたところで、英語の「指導力」や、生徒の「英語力を高める力」には、全く何の保証にもなりません。
良いか悪いかは抜きにして、育てたい英語力がスピーキングなどの実用性重視の方向に変わってきているのに、学習成果を測る指標も、教師の力量を測る指標も、それとは異なる方向を向いているというあたり、問題は根深いです。
教育行政は日本で最も賢いとされる人たちが考えているはずなのですが・・・こういったあたりを見ても、やはり日本の学校教育や受験制度には問題があるという話になってくるのかもしれませんね。
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