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ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

クアラルンプール国際空港、略してKLIAは1998年6月30日に開港した空港であり、つまりは香港国際空港とほとんど数日違いという比較的新しい空港である。そして、今回到着したLCC用のターミナル2、通称KLIA2は2014年という、さらに新しい建物だと言う。到着した時点ではその事は知らなかったが、1998年開港という事は知っていたし、映像や画像を見る限りではかなり大きく、そして綺麗な建物であるだろう、という事を想像していた。

 

しかし、現実に見たその建物はどうも古めかしく、汚れも目立っていた。世界一クラスのチャンギがあまりにも煌びやかであったので、どうしてもそれと比較してしまった、というのもあるのであるが、正直かなり垢抜けない感じであったのである。この辺りから少し嫌な予感はしていったのであるが、まあそれはさておきあっさりとイミグレーションも税関も通過、無事に入国を果たす事が出来た。

 

入国直後にまずすべき事と言えば、なんと言っても現地通貨の引き出しこそ最優先事項である。今の時代、大抵の国であればクレカは受け付けてくれるし、空港という場所であれば尚更だ。なので、昔ほどその必然性に迫られる事も実はないのであるが、事前の調査により旅行者用のSIMカードを買うためには現金が必須という事を知っていたので、まずは引き出しが最優先だったのである。

 

しかし、香港で毎回使用しているCITIバンクのATMはなかったため、ローカルのを使用せざるを得なかったのであるが、当然言語はマレー語と英語のみである。英語さえあれば大丈夫とは言え、シティバンクでは念の為に日本語を選択していたので、長らく英語で使用していなかった私はここで痛恨のミスを犯してしまう。アカウントはSAVINGとCURRENTの2種類があるのであるが、CURRENT=現在=普通預金と受け取ってしまった私は、何度それを押してもアプルーブがされなかった。

 

この時に使用していたのは、これも久々だった住信SBIのカードを使用してのものだったのだが、それはそれは血の気が引いたものである。やり方を確認するためにググろうともしたのだが、Ahamoでは15日以内であれば海外ローミングが基本料金で使い放題、とあったのにも関わらず、電波を拾ってくれなかった。

 

さらに焦った私はクレカでのキャッシングも考えたが、何度かのミスの後に三菱UFJのデビットカードを使用した所、無事に500リンギット、約16000円引き出す事が出来た。この時どのボタンを押したかは全く覚えていないが、とても安堵したものである。

 

そして、SIMカード売り場はあっさりと見つかったので、一番安い25リンギットのを買った。6GBかつ30日有効という大変お得なカードである。ただ、この時に英語が簡単に出てこなかった。適当な日常会話であれば問題ないのだが、質問文を作るのが苦手なので、こう言う時にはとっさに出てこなくて苦労する事がままあるのだ。まあそれはさておき、日本から来たと言ったら片言の日本語で返してくれた。さすがは親日国である。

 

そして、そのSIMカードはサブとして使用しているXiaomiの2021年モデル、Redmi Note Pro10に入れてもらった。これは勝手にやってくれるのであるが、何を隠そうこのスマホは中華製ならではのデュアルSIMなのである。以前はiPhoneしかなかったので、当然DocomoのSIMは無くさないように大事に大事に扱う緊張感に見舞われていた。しかし、今回は当然そんな事はないし、万が一スマホを紛失したとしてもダメージ的には最小限だ。という訳で、スマホを2台持っていったのは大正解、という事である。

 

 

 

 

前述した、ドイツ人ながら日本語在住30年以上、日本語堪能な方がいらっしゃったので、着陸直前にその人からマレーシアの事をちょっと教えてもらったりもし、思わず出会いがあったものだ。そして、ほぼ定刻通りにシンガポール・チャンギ国際空港に着陸した。チャンギと言えば、世界一の空港の栄冠に何度も輝いた世界最高峰の空港である。その期待通り、めちゃくちゃ綺麗でまるで光り輝いているかのように見えたものだった。


そして、ここでも稀にマレー語や中国語を見かけるだけで、ほぼ完全に英語のみの世界だった。しかし、そんな公用語の中に、なんと日本語表記が混ざっていた。当然、「乗り換え」とか、「到着」とかその程度のものなのであるが、これは英語でもそれぞれ「Transfer」や「Arrival」のように、簡単に理解出来るものばかりである。つまり、日本人はその程度も理解出来ないと思われているからこそであり、正直情けない気持ちになってしまったものだった。


まあそれはさておき、ここでは華人同士でさえも英語で話し合っている事が殆どだった。明らかな東洋人同士が英語で話している国というのは他にはほぼ存在しないはずなので、やっぱりそれには不思議な感覚を抱いてしまうものである。そう思ってしまうのは、いくら英語が国際語だとは言っても、やはり欧米人のものである、という認識で捉えてしまうからなのだろうか。まあいずれにしても、英語がファーストランゲージというのは大変な強みだ。

 

ただ、この時はトランスファーまで1時間しかなかったので、周りを見ている余裕はなかった。すぐにゲート内へと向かうが、ここでも荷物検査が入る。しかも、待合室の中にはトイレがないのだ。幸い、非常事態は起こらなかったものの、万が一の事が起きた場合は戻らしてもらうのだろうか。という訳で、当然帰りの時は用を足してから待合室へ入った事は言うまでもない。

 

また、ネット上でも紹介されているが、ここでは飲料水が飲めるので、空のペットボトルがあれば水を機内に持ち込む事が出来る。私はその技を忘れていたため、ボトルごと捨てられてしまったものの、長距離フライトの場合には是非とも覚えていたい裏技であり、当然帰りには持ち込ませてもらった。さすがにLCCとは言えど、制限エリア内で買った水も持ち込ませてもらえない、というのはどうなのかなとは思う。

 

この乗り継ぎ時でも座席を選択していたのであるが、1時間だし、少しでもケチりたいと思った私は席の選択を取り消していたのである。しかし、価格に変化はない。そう、キャンセル料という名目で価格はそのままだったのだ。さすがにこれがLCCか、とひとつ勉強になったのではあるが、蓋を開けてみれば再び通路側、しかも隣には誰もいない、という結果オーライだった。

 

マレーシアまでは1時間とあるが、東京ー大阪程度の距離なので実際は50分程度である。そして、定刻通りに本来の目的地であるマレーシアにようやく辿り着いたのだ。しかし、ここでもさらなるトラブルに見舞われてしまう。


 

 

LCCに乗った事ある人なら分かると思うが、正規のチケット以外にかかるオプションは全て有料である。当然、席を選択するのもそうなのであるが、私はトイレに気兼ねなく行けるように必ず通路側を選ぶようにしている。一応、フルキャリアでもどちらが良いか?と聞かれるのであるが、アメリカン航空の時はその質問がなく、2回とも窓側でトイレ行くのに一苦労であったので、有料でも選べるというのは実に良い事なのだ。

 

しかし、にも関わらず、出発前に突然FAがやってきて、この人はトイレが近いから席を譲ってくれと言う。その乗客とはシンガポール在住の日本人のようであり、ここで私は唖然としてしまった事もあり流れのまま席を代わってしまったのだ。

 

真ん中の席が空いていたから、という事もあったのだろうだが、そこでようやく俺はこの席を選択するために1000円払っている事に気がついた。まあ、私の性格をよくご存知の方たちなら想像がつくとは思うが、みるみるうちに頭に血が昇っていき、「俺ここを得るためにお金払っているんだけど?おかしくね?」と言い放ち、という訳でさすがにその乗客も折れ、窓側に座っていた日本語堪能なドイツ人の方も納得、結局元の席に戻って行った。

 

前述のよう、最初からトイレが近いのであれば、予約した時にお金を払って通路側を選択すべきである。もしお金をケチってそれを怠っていたのであれば、それは完全な自己責任だ。FAも日本人同士だから話がつくとでも思ったのだろうか。結局元に戻ったとは言っても、あまりの理不尽さにマレーシアに着いてからも思い起こしてイライラしてしまったものだ。


そして、驚くべき事にハプニングはそれだけでは終わらなかった。当然、食も有料なのであるが、さすがに長時間のフライトを考慮してあらかじめ予約しておいた。ただ、シンガポールという土地柄かチキン絡みのものばかりであり、野菜や魚のメニューは皆無に等しく、唯一あったのがツナのフォッカチャだったので、それを事前に予約しておいた。しかし、受け取ったものを見るとあきらかに「TERIYAKI」と書いてある。機内WiFiでチェックした所、これは明らかにテリヤキチキンのフォッカチャだった。さらに、フォッカチャは全て売り切れとなっている。

 

これが普通の日本人なら泣き寝入りするのであろうが、私はそうではないのでこれは俺が頼んだものではないので交換して欲しい、と言った。Itineraryを出して、と言ってきたが、PDFでの添付ファイルでもメニューまでは記載されていない。当然、ネットに繋げる事も出来ないのだが、そのぐらい把握してくれと思ったものだ。一応、ミスを認めはしたのであるが、案の定フォッカチャは売り切れていたので、同じ9シンガポールドルのものと交換して欲しい、と言ってきたのであるが、そう言われた所でいきなり決めれる訳もない。

 

「じゃあもうスナックと水でいいよ」と言ったのであるが、12SDのビーフが残っているというので、差額はいらないのでそれにしませんか?と言ってきた。私は肉料理はいずれも嫌なのであるが、鶏肉よりかはマシ、だと思ったので結局それにした。思ったより美味しかったのであるが、それでも未だに牛肉は我慢して食べる、という類のものに違いはなかった。


そんなトラブル続きのスクート内であったが、その後は着陸まで何事もなく終えた。ここで他に思った事は、日本発着便なのに日本語アナウンスもアテンダントもゼロ、英語のみ、だったという事だ。日本語はもちろん、シンガポールの他の3つの公用語も顧みず、英語だけをフォーカス、つまり乗客が全員英語を理解出来るという大前提で運行している、という事である。

 

確かに国語であるマレー語を差し置いて、シンガポールは完全に英語がファーストランゲージとなっている感があるとは言え、これはなかなか大胆であるな、と思ったものだ。まあ、自分は全然それで問題がないのであるが、あまりにも英語力に自信がない人は避けた方がいいのかも知れない。

 

 

 

結局、チェックイン時間には十分に間に合う事が出来た。現在、日本人が出国するためにはワクチン3回接種の公的な証明書が必要なのであるが、当然私はすでにインストール済みなので全く問題なく通過出来た。が、私の番になりそうな所で、ひとりの高齢日本人女性が何やら足止めを食らっている。結局、「今日の所は乗れません」とされ返されてしまったので、ワクチン関係の何かがパス出来なかったのだろう。気の毒と言えばそれまでだが、それまで準備を怠っていた本人が悪いので仕方がない。


ただ、上記のように私自身はワクチンは問題なかったのであるが、チェックインの時に「(目的地は)シンガポールまでですよね!」と元気に言われたので思わずハイ!と言ってしまった。間違った事は言っていない、と思ってそのままだったのであるが、よく見ると航空券が一枚しかない。経由の場合は当然その時点で2枚貰える訳であり、おかしいと思った私は「最終目的地はマレーシアになってますよね?」と改めて聞いた。

 

そうすると、「2枚目が出てこない」という怪しい会話が流れたので、思いっきり不安に駆られてしまったのであるが、普通に向こう側のミスという事が判明し、事なきを得た。まだキャリアが浅そうな感じもしたのであるが、これがフルキャリアのスタッフならこんな事はないだろう、と思ったのも確かだった。この時朝食はまだであり、普段食べるきっかけのない朝マックを食べよう、と思っていたのであるが、この時点で8時半を過ぎていたので、泣く泣く断念し出国へと向かった。

 

すでにワクチン接種は見せているので、その先に検閲は一切なく日本人の出国はこれまでの通りにセルフである。スタンプが押されていよいよ出国、というあの胸の高鳴りがなくなってしまったのは残念であるが、まあこれも時代の流れだろう。そして、すぐに朝食を調達しに、ゲート近くのセブンイレブンへと向かい、レッドブルとおにぎりをたらふく胃に押し込んだ。

 

ここに向かう最中、マックもあったのであるがあいにく改装中だった。ここがかの「第一ターミナル中央ゲートエリア店」なのであるが、長らくどこにあるか分からなかったので、ようやく見つける事が出来たのであるが、改装中なのはひたすら残念だったものだ。しかし、成田空港という土地柄、ここで早朝から働くってかなり大変な事だと思うのだが、その辺りどうなっているのだろうか。自分だったらそれなりに良い条件でないとやらないと思うので、セブンイレブンの人しかり頭が下がる思いである。

 

フライトはほぼ予定時刻となった。初めて見る黄色と黒のスクートは、かつて存在したハドソンのイメージカラーを思い起こさせたものだが、そんな事を思っているのは自分だけだっただろう。そして初めて乗るスクートの機体、同じLCCである香港エクスプレスは席が3列x2の小型であったが、スクートはそれなりに長距離路線もあるという事で3.3.3である。そして、シートも皮ではなくクッション性もあり、これなら7時間のフライトにも耐えられそうだった。

 

LCCと言うとどうしても席のクオリティが低い、というイメージがあったので、これだったらもっと早くスクートでシンガポールでも行っていれば良かったと思ったものだ。そんな思いも束の間、いきなりのトラブルに見舞われる羽目になる。


 

 

話はまた前後してしまうが、今回も新宿より成田エクスプレスを利用した。都心から一番速いのは京成スカイライナーであるのだが、いかんせん新宿以西の人間にとっては日暮里まで行くのが面倒な事この上ない。フライトは翌日だし、時間なら十分ある、それに高い金払うぐらいなら余計に乗っていたい、という事もあるので成田エクスプレスというのは鉄板である。


一番便利なのは、地元からの空港バスなのであるが、なんとコロナ禍では全部運行休止しているそうである。普通に考えたらそれもそうなのであるが、過去に迂回の関係もあり3時間弱ぐらいかかった事もあったので、そういう事もあり現在は安定している電車が中心である。

 

成田エクスプレスはシート間の感覚が広いのでとても快適なのであるが、この時間帯は東京〜成田空港間が無停車ではないのである。まあ、コロナ禍では全時間帯そうなのかも知れないが、という訳で時間でスカイライナーに勝負を挑むのは最初から諦めており、あくまで利便性と快適性を追求している、というのがこのJR東日本の姿勢という訳である。


そして、再びナインアワーズへと戻るが、ベッドはもちろんシャワーの使い心地も良く、アメニティも申し分なし、この辺りはさすがに日本という感覚である。シャワーは必ず温水が勢いよく出る、というのはあくまで日本に限った常識であるという事を忘れてはならない。

 

そして後は寝るだけ、なのであるが、絶対に寝坊できないという緊張感からかなかなか寝付けなかった。朝の9時までにチェックインを終えればいいので全然余裕に見えるかも知れないが、スクートは第1ターミナルなので、第2ターミナルよりシャトルバスで移動しなければならないのだ。確か6分感覚ぐらいで巡行はしているのであるが、ターミナル間の移動はそれなりに時間も要するので、つまりはこの時間を考慮して余裕を持たせなければならないのである。

 

つまりは第2ターミナルでチェックイン出来れば余裕、という話なのであるが、こればかりはどうしようも出来ない。第1ターミナルでチェックインするのは2017年にエバー航空を使用して以来の話なので、あまり馴染みのないのも不安だった。フィリピン留学以来、成田と言えば第2ターミナルがほとんどだったのだ。

 

まあ、それでも7時には目が覚めたので、まだ余裕もあると思った私はシャワーまで浴びてゆっくりと支度をしていた。しかし、そうしているうちにあっという間に8時近くになり、チェックインカウンターに並んだ時にはすでに8時半ぐらいになってしまっていたのだ。

 

 

 

 

かねてよりの念願だったマレーシアに足を運んできた。とりあえずそのきっかけなどは省くとして、成田発のフライトが朝10時と早かったので、どうしても成田に一泊せざるを得なくなった。

 

過去に2回ほど早朝のフライトは経験があるものの、実はエアポートホテルは2キロ以上離れている所が多く、いくらシャトルバスが運行しているとは言ってもなかなか使いづらいのだ。それでも以前は香港やアメリカへのインターンだったりと、それなりに大イベントだったからまだいいとはして、今回は単なる旅行である。その程度にわざわざホテルを…と言う訳なのであるが、ここ7年早朝フライトを使用しなかった間に成田には便利なものが出来ていた。そう、ナインアワーズと言うカプセルホテルである。


この系列は他店舗では2000円とかで泊まれるらしいが、この成田に限っては6000円と言う、カプセルホテルとしては詐欺のような価格である。まあ、土地柄そうせざるを得ないのは当然なのであるが、それでも高い。ただ、空港ホテルに泊まらない限りそれ以外の選択肢は存在しないので、今回は素直にそれに従う事にした。

 

このナインアワーズは第2ターミナル駅の改札を右に向かった所にあるのだが、空港側に行けばすぐにセブンイレブンがあるので、立地的には最高である。今回、3年ぶりの海外旅行となったのであるが、2015年以降の香港旅行は全て羽田発なので、成田発というのは2017年の台北旅行以来である。つまり成田発に関しては5年ぶりなのであるが、セブンイレブンやファミマなども空港価格になっていた。

 

羽田のセブンイレブンでは通常価格だった気がするので、最後の砦だと思っていたコンビニまでもが、と思ったものだがまあ仕方がないだろう。チェックイン前に夕食を求めに行ったが、当然と言うべきか殆どの店がシャッターが閉まったままであり、やっていたのはマックだけだった。現在、日本の店舗は一部30店舗のみ高価格となっているが、成田はそれに輪をかけて高かった。さすがにクーポンの価格はそのままであるが、モバイルオーダーが停止されていたので止むを得ず並んで買った。閉店間際だったので、オーダーが一気に入るのを防ぐために止めていたのだろう。

 

因みに、価格以外は空港店舗だろうがそう変わる部分はない。当然、クルーの英語対応自体は可能なようであったが、それでも別に極端に流暢という訳でもないようである。ただ、外国人と接したいのであればこれ以上の立地はないだろう。

 

そこで食した後、ようやくチェックインへと向かった。「受付の態度が素晴らしい」とレビューにあったが、日本人的感覚であれば突出して素晴らしい訳でもなかった。まあ、客が偉いという概念がゼロな世界からしたらそう思うのであろう。


そして、これが人生初のカプセルホテルなのであったが、実際に泊まってみるといびきなどが壁を突き抜けてきたりはするものの、個人的にはとても快適だった。チェックイン後に注意事項を渡されるのであるが、「迷惑行為をしたら退出してもらう」とあるのに、インド系言語を話す客は普通に電話をしていた。英語版の注意事項はないのであろうか。少し立腹したので文句言ってやろうかと思ったが、自分が迷惑行為をして追放されるのも嫌なので終わるまで耐えた。


 

 

 

昨日のNIntendoDirectにおいて、Switch版のレイディアントシルバーガンが突如として発表され、そしてすぐさまDL販売が開始された。これは往年のファンにとっては晴天の霹靂とも言えたが、発売からすでに24年、最近のゲーマーたち、特に今は2Dシューティングがマニアックなジャンルなだけあって名前すら聞いた事のない人がほとんどかも知れない。

 

まあファンにとっては今更語るまでもないが、「レイディアントシルバーガン」と言えば、シューティングゲーム黄金期を彩ったゲームの集大成と言ったゲームであり、それこそ世紀末を飾るに相応しい、20世紀最高のゲームのひとつと言うに相応しい作品である。発売当時はすでにドリームキャストが発表されており、セガサターン市場は末期を迎えていたのだが、それだけに出荷本数が極めて少なく、翌年ぐらいにはすでにプレミア化していたかと思う。

 

私は発売当時の雑誌の記事において、なんだか凄そうなゲームというイメージこそ抱いたものの、ゲーセンで手をつけなかった事もあってすぐに買う事はなかった。3年後、過去のシューティングを収集し始めたのであるが、時すでに遅し、その時点で秋葉原においては14800円もの価格で売られているほどであった。

 

ただ、傑作には違いないものの、確実に人を選ぶゲームだけあってその当時は金さえ出せばまだ入手可能な時代であり、私もそれからしばらくしてようやく地元で1万円で購入出来たものである。最初はなかなか上手くいかなかったものの、秋葉原で同人の攻略ビデオを購入してからはそれこそ鬼のようにハマり、1ヶ月毎日狂ったようにプレイしていったものである。あまりにも面白すぎたおかげで、その後他のゲームにハマれなくなってしまったほどだったからよっぽどのことだった。

 

しかし、当時はプレイできたハードは当然セガサターンのみ。先を見越してハードオフなどで程度の良い本体を確保したりはしていったものの、さすがにPS2がメインとなっていた世の中においてSSを常時置いておくのはしんどくなってきた頃でもあった。そして、PS3、Xbox360の時代となり、テレビもHD化かつHDMIが当たり前になっていくと、さすがにSSは片付けざるを得なくなり、当然シルバーガンをプレイする機会も失ってしまったのである。

 

そんな時、2008年春突如Xbox360に斑鳩が移植。当然、シルバーガンの移植も熱望されたが、トレジャー側はSSゲームの移植の困難さという理由から移植はしない、の一点張り。一時はマイクロソフト直々に移植をお願いしたとの噂も出たほどであるが、とうとうその熱意が届いたか2011年9月、遂にXbox360にて発売開始がされた。当時、360はシューティングが非常に強く、シューター御用達のハードとなっていたが、遂に本命の登場である。そして、ストリートファイターIVのメインハードになった事もあってか、アケコン選びにも困ることはなかった。まさにアーケードゲーマーのためのハードと言えたのである。

 

こちらはOneにも後方互換が実現され、当然XSXSにおいてもプレイ出来るのであるが、日本の普及台数の少なさもありプレイする人は限られていた。だからこそ余計にXboxの価値があったとも言えるのであるが、遂にここにきてシルバーガン史上初のナンバーワン普及台数ハードへの移植である。内容は画質がフルHDになった以外は360版のベタ移植であり、遅延も支障はないレベルであるが、何故か現時点でBGMがフェードアウトする、ショットのSEがやたらと大きいなどのバグがある。

 

当然あり得ない不具合であり、メーカーもすぐさま謝罪かつアプデでの対応を告知してくれたのだが、この移植を機に是非ともシルバーガンの世界に触れてくれる人が増える事を願う。

 

 

 

 

 

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コントローラーがまだ専用端子、かつモニターがまだブラウン管のみだった時代は遅延は皆無に等しく、少なくともそれで騒がれたゲームはほとんど記憶にない。それを家庭用で初めて体感したのは、ドリームキャストでコンバーターを使用してPS用のアケコンを使用した時であったかと思う。

 

この時はガンバード2をプレイした時に気付いたのだが、シューティングは最も遅延を体感しやすいジャンルと言う事である。そしてその次のゲームが、タイトルにもあるようにPS2版のグラディウスIIIだった。

 

10年の時を超えての待望の移植であり、その出来も当時のブラウン管に合わせたスコアの画面配置以外はほぼアーケード版そのままと言う素晴らしい出来だった。遅延がなければ、である。そう、何を隠そうPS2版には擁護出来ないレベルの遅延が存在しており、発売と同時にグラディウスファンが集う掲示板において物議を醸したのである。

 

私が購入したのはしばらく経ってからであったが、確かに明確な遅延が存在していた。グラディウスIVは皆無だったので、明らかにこれはグラIII固有の問題だったのである。当時はまだPentiumIIIがメインの時代であり、ハイエンドPCにおいて1GHzを超えるかと言うものであったが、それでもアーケードゲームのエミュレータは存在していた。

 

本当の理由は不明であるが、と言う訳で以前の移植と比べても非常にアーケードに近かった事から、このグラIIIはエミュベースの移植であったのだろうと思われる。つうかそれ以外に思い浮かぶ理由がないのであるが、ドット単位の動きが要求されるこのゲームにおいて遅延は致命的である。と言う訳で、実に20年もの時を超えて、この度ブラウン管テレビを使用して遅延を計測してみた。

 

ブラウン管なので非常に目に負担がかかり、正確性という点では若干劣るかも知れないが、大体6フレーム弱、5.8ほどという結果だった。プレイに影響が出るのは5フレーム以上からなので、まあ妥当と言った所なのだが、つまりはアプデ以降のSwitch版よりも遅延が大きかった訳である。

 

 

 

 

 

 

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今回はPS4で個人的に気になっていたゲームを調べてみた。結果は以下の通りである。

 
本体:初期型PS4
モニター:ゲーミングモニター BenQ XL2411K
アケコン:Brook UFB
 
PS4ゲーム名 遅延(ms) 1フレーム 遅延(フレーム)
雷電 37.5 16.67 2.24955009
R-TYPE ORIGINAL 116.7 16.67 7.00059988
R-TYPE ARRANGE 104.2 16.67 6.25074985
コットン ブーメラン 116.7 16.67 7.00059988
バトルガレッガ 58.3 16.67 3.49730054
エスプレイド 45.8 16.67 2.74745051
ストライカーズ1999 66.7 16.67 4.00119976
ストライカーズ1945II 66.7 16.67 4.00119976
餓狼伝説SPECIAL 58.3 16.67 3.49730054
出たな‼︎ツインビー 50 16.67 2.99940012
スターフォース 50 16.67 2.99940012
サンダークロス 37.5 16.67 2.24955009
ゼクセクス 58.3 16.67 3.49730054
VSグラディウス 79.2 16.67 4.75104979
グラディウスII 70.8 16.67 4.24715057
グラディウスIII 58.3 16.67 3.49730054
グラディウス 42.1 16.67 2.52549490
前回のケツイなどでもそうであったが、実機ブラウン管並みに遅延を感じない数値は37.5がほぼ理論値だと思う。今回で言えば雷電とサンダークロスがそれに当てはまるのだが、どちらもレバーを入れた瞬間に自機が動いてくれるのをダイレクトに実感出来るはずである。それほどこの数値に当てはまるゲームは遅延が存在しない。
 
次点では初代グラディウスとなるが、これはYouTubeでも先人が2.5フレームと出している通り、こちらでもほぼその範疇に収まった。リリース直後は遅延が存在していたようであるが、今はご覧の通り2.5フレームというこちらも実機ブラウン管並の感覚である。こちらも前述2ゲームと同じぐらいに遅延を感じる事はないのでとても快適だ。
 
M2移植のバトルガレッガとエスプレイドもさすがに優秀だ。前者は3フレーム以上と、他の移植に比べると遅延を感じるレベルなのだが、こちらは実機でも存在していたためプレイ感覚は実は基板と同じである。
 
そんな初代に比べると、続編は劣ってしまう。個人的にはグラIIがグラIIIよりも遅延が大きいのが意外だったが、確かに装備セレクト画面のカーソルの動きが鈍い感じはしてしまう。
 
彩京も4フレーム前後であるが、それでもPS4版は、Switch版があまりにも酷い遅延だっただけに、これでもえらく操作が快適に思えたものだ。こちらも基板の時点で存在するらしいので、と言う事はもしかしたらストライカーズ1945IIなどは初代PS版が一番出来がいいのかも知れない。実際、PS4版が発売されるまでは、PS3で走らせてもSwitch版よりも快適にプレイ出来たほどである。
 
対照的に重いのが、見ての通りR-TYPEと、昨年一部で話題となったSS版移植のコットンである。前者はオリジナルのXbox360版と比べると明らかに遅延が感じられたが、やはりご覧の通りである。一応、オリジナルとアレンジ両方で試してみたが、まあ実際は変わらないであろう。
 
コットンは発売時点では10フレームほどの遅延があったそうであるが、2月ぐらいのアプデで7フレーム前後まで改善された。シューティングだと5フレーム以上遅延がある時点でかなり操作的には支障が出るので、当然明らかにプレイに支障が出るレベルであるのだが、これでもSwitch版の戦国エースなどよりかマシなのだから恐れ入る。
 
また、格ゲーで唯一計測した餓狼伝説SPECIALは、個人的に気になっていたからなのであるが、ストリートファイターのアニコレがあの有様なので、こちらはかなり優秀な数値と言える。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はこちらもネット上ではなかなか見る事が出来なかったPCEミニの遅延である。全部はさすがに無理なので、シューティングを中心に抜粋してみた。結果は以下の通りであるが、ゲーム毎にかなりバラツキがあるのが分かるかと思う。

 

モニター:BenQ XL2411K

コントローラー:HORI RAPV

 

PCエンジンミニ 遅延(ms) 1フレームの値 遅延(フレーム数)
スターパロジャー 62.5 16.67 3.74925015
源平討魔伝 87.5 16.67 5.24895021
超兄貴 145.8 16.67 8.74625075
ギャラガ88 112.5 16.67 6.74865027
ドラゴンスピリット 83.3 16.67 4.9970006
ファンタジーゾーン 79.2 16.67 4.75104979
銀河婦警伝説サファイア 133.3 16.67 7.99640072
グラディウスII 112.5 16.67 6.74865027
オルディネス 104.2 16.67 6.25074985
スーパースターソルジャー 95.8 16.67 5.74685063
R-TYPE(US) 66.7 16.67 4.00119976
大魔界村 83.3 16.67 4.9970006
スーパーダライアス 100 16.67 5.99880024
グラディウス 75 16.67 4.49910018

 

おおよその平均は6フレーム前後である。5フレーム弱ならかろうじてゲームになるという感じであるが、8フレームとなると露骨に遅延を感じるためプレイはかなり厳しいだろう。