前述した、ドイツ人ながら日本語在住30年以上、日本語堪能な方がいらっしゃったので、着陸直前にその人からマレーシアの事をちょっと教えてもらったりもし、思わず出会いがあったものだ。そして、ほぼ定刻通りにシンガポール・チャンギ国際空港に着陸した。チャンギと言えば、世界一の空港の栄冠に何度も輝いた世界最高峰の空港である。その期待通り、めちゃくちゃ綺麗でまるで光り輝いているかのように見えたものだった。
そして、ここでも稀にマレー語や中国語を見かけるだけで、ほぼ完全に英語のみの世界だった。しかし、そんな公用語の中に、なんと日本語表記が混ざっていた。当然、「乗り換え」とか、「到着」とかその程度のものなのであるが、これは英語でもそれぞれ「Transfer」や「Arrival」のように、簡単に理解出来るものばかりである。つまり、日本人はその程度も理解出来ないと思われているからこそであり、正直情けない気持ちになってしまったものだった。
まあそれはさておき、ここでは華人同士でさえも英語で話し合っている事が殆どだった。明らかな東洋人同士が英語で話している国というのは他にはほぼ存在しないはずなので、やっぱりそれには不思議な感覚を抱いてしまうものである。そう思ってしまうのは、いくら英語が国際語だとは言っても、やはり欧米人のものである、という認識で捉えてしまうからなのだろうか。まあいずれにしても、英語がファーストランゲージというのは大変な強みだ。
ただ、この時はトランスファーまで1時間しかなかったので、周りを見ている余裕はなかった。すぐにゲート内へと向かうが、ここでも荷物検査が入る。しかも、待合室の中にはトイレがないのだ。幸い、非常事態は起こらなかったものの、万が一の事が起きた場合は戻らしてもらうのだろうか。という訳で、当然帰りの時は用を足してから待合室へ入った事は言うまでもない。
また、ネット上でも紹介されているが、ここでは飲料水が飲めるので、空のペットボトルがあれば水を機内に持ち込む事が出来る。私はその技を忘れていたため、ボトルごと捨てられてしまったものの、長距離フライトの場合には是非とも覚えていたい裏技であり、当然帰りには持ち込ませてもらった。さすがにLCCとは言えど、制限エリア内で買った水も持ち込ませてもらえない、というのはどうなのかなとは思う。
この乗り継ぎ時でも座席を選択していたのであるが、1時間だし、少しでもケチりたいと思った私は席の選択を取り消していたのである。しかし、価格に変化はない。そう、キャンセル料という名目で価格はそのままだったのだ。さすがにこれがLCCか、とひとつ勉強になったのではあるが、蓋を開けてみれば再び通路側、しかも隣には誰もいない、という結果オーライだった。
マレーシアまでは1時間とあるが、東京ー大阪程度の距離なので実際は50分程度である。そして、定刻通りに本来の目的地であるマレーシアにようやく辿り着いたのだ。しかし、ここでもさらなるトラブルに見舞われてしまう。