ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

円安の効果もあってインバウンドが爆上がりの現在、やはりと言うか話題に登ってきたのが日本では英語が通じない問題である。この手の話題が挙がる度、「日本に来るなら日本語勉強しろ」と言う意見で大荒れになるのであるが、当然この手の意見はナンセンス極まりないというか、頭が悪い事この上ない。

 

まずこの手の人間で勘違いしているのは、英語圏の人間のみが英語を押し付けている、と言う盛大なる勘違いである。世界の人口は80億人ぐらいだと思うのだが、その中で英語ネイティブ、英語がファーストランゲージの英語母国語者と言うのはたった4億人程度のはずである。で、インバウンドにおける英語話者が全てこの4億人の中から来ているのか、と聞かれたらそんな訳あるはずがない。

 

そして、日本はどのネイティブ英語国からしても距離的には遠い位置にあり、そして当然アジア各国からの旅行者の方が圧倒的に多い訳である。さらに、アジアの言語と言うのは欧州のそれと比べると、言語間的に遠い距離にあるものがほとんどなため、短期間の旅行のために行先の言語を覚えるというのは非常にコスパが悪いのである。その部分を全て補完してくれるのが、世界共通のリンガ・フランカである英語なのである。

 

つまり、非英語圏のタイやインドネシアからの旅行客も、日本に来る際は共通語の英語を使う以外はないのである。当然逆のパターン、つまり日本人がそちらの国に行く際にも、短期の旅行で意味不明なタイ語などを覚える余裕もないわけであり、となると当然英語をメインとして使わざるを得ないのである。

 

なので、日本に来るなら~と言っている輩はナンセンスとしかい言いようがない訳なのだが、この辺りの事情は一度でも海外へ行った事のある人間であれば嫌でも分かる事柄なので、おそらく日本から一歩も出た事がない連中がほとんどなのだろう。まあ、日本人のパスポート取得率20パーセントが本当なら、日本人の半数以上は未渡航なはずであり、それを考えたらやむを得ないのかも知れない。

往年のプロレスファンであれば、エリック兄弟の悲劇を通らずにはいられなかったはずである。ただ、ほとんどの日本人はその事実を知るのみであり、具体的に家族に何が起こっていたのかまで知る人は多くはなかったとは思う。なので、この映画ではそんな知られざる事実も多く語られており、もちろんどこまでが本当で、脚色なのかはそれを観るだけでは分からないものの、そういう観点からしてもなかなか興味深い物語だった。

 

まず思ったのは、父親のフリッツが息子たちをNWA世界王者にさせる事に異様なまでに固執していた事である。もちろん、昭和のプロレスにおいてNWA世界ヘビー級王座とは絶対的な世界最高峰であり、馬場が戴冠して以降も日本人が腰に巻くことを願ってやまなかったものである。ただ、近年の研究ではアメリカでは本当に稼げる場所がNYC、つまりはWWEのMSGのリングであった事、多くのレスラーたちがそこを目指していた、と言う事が日本でも知られてきたので、日本人だけが異様なまでにNWAを神聖視していたのだと思うようになってきたのだ。

 

しかし、この映画を見て、ギャラの面はいざ知らず、NWA世界王者こそレスラーにとっての最大の栄誉であったのだ、と改めて実感したものであり、そしてそこに至るまでの過程には様々な人間の思惑や嫉妬などが渦巻いていた、と言う事も知る事が出来た。

 

そして、近年のプロレス映画につきものとして、ケーフェイ、いわゆるプロレスの内側に触れているという事がある。と言う訳で、この映画でもエリック兄弟と、対戦相手のブルーザー・ブロディらが試合前に打ち合わせをしているシーンが流れ、そしてのちにケビンの妻となるパムからも、プロレスはフェイクなの?とケビンが質問されるシーンが含まれている。

 

当然、この映画のテーマはそこではないので、正直なくても全く支障はないシーンだとは思うのであるが、その後のケーフェイを超えたあまりにも生々しい人間ドラマが描写されていく事で、プロレスの本質はそんなものではないんだよ、と言う事を監督が伝えたかったのかも知れない、と言う事を感じたものだ。

 

ストーリーは長兄かつ唯一の生存者であるケビンを主役として回っていくのであるが、父親のフリッツはデイビッドとケリーにそのセンスを見出された事で、ケビンよりもプッシュされていく事になる。私は姉しか居ないので、弟にジェラシーを抱いた事はないものの、当然ケビンとしては面白くないに決まっている。そのあたりのプロレスラーとしての葛藤や嫉妬も、上手く描かれていると感じたものだ。

 

そして、期待に違わずレスラーとして大成していき、ダラスのリングを大いに沸かせていく事となり隆盛を極めていく。その流れから、NWA世界王者に挑戦していく流れが出来ていくのであるが、そこまでの流れはほぼ順風満帆と言っていいものであった。なので、前半1時間はまあ楽しい気持ちで観る事が出来るのであるが、プロレスファンとしては当然その後に起きる悲劇をすでに招致している訳であり、後半1時間は気分が重くて仕方がなかったものである。

 

その描写もおおよそ史実通りなのであるが、ケリーのバイク事故がNWA世界王座になった直後のような描写になっていたのは気になる所だ。もちろん実際はそれから約2年後の事である。マイクの怪我と病気は史実通りであるものの、私は死因のみしか知らなかったので、その要因となった怪我と病気をここでようやく知る事が出来た。

 

そして、私もリアルタイムで知ったケリーのピストル自殺でケビン以外全員の死を迎えてしまう訳であるが、ここの描写も史実とは若干異なるようである。ケリーは事故後もWWEのリングに立つなど、兄弟では一番の出世をしたとは思うのであるが、足を切断した事からくるこらえようのない苦しみ、そしてWWEをクビになるかも知れないという未来への恐怖などは、観ていて本当に心が痛んだものである。

 

その死をもって映画はラストを迎えていくのであるが、個人的には最初から最後まで2時間全くだれる事なく集中して観れたので、映画の出来としては最高と言っても良かった。また一族のライバルとして、前述のブロディや、テリー・ゴーディやマイケル・ヘイズらのザ・ファビュラス・フリーバーズ、そして往年のNWA王者であるミスター・プロレス・ハーリー・レイスや、そしてそしてリック・フレアーらも出来る限り似せてまで登場してくれるのはファンならニヤリとしてしまう事この上ない。

 

ただ、反面気になる点もいくつかあり、まずはベルトがチープすぎる事、そしてレスラー兄弟としては5男に当たるクリスの存在が、パーマン5号のごとく完全に抹消されているのはさすがに気の毒に思えたものだ。触れない云々以前に、その存在が最初からいなかった事のようになっている描写なのである。一応、最後にメッセージも出るし、パンフレットにはその理由も示されている。

 

監督曰く、観客はこれ以上の悲劇に耐えられないだろう、との事らしいが、本音を言ってしまうと尺の問題、そして一番は他の4人と比較してレスラーとしての実績は皆無に等しかった、と言うのが一番かと思う。私は週刊ゴング掲載時の訃報で彼の存在自体を初めて知ったのであるが、いかんせん巨人が並ぶアメリカで165cmはあまりにも小さすぎる。日本ですら新日本・全日本の採用基準が180cm以上の時代(実際は未満も多くいたのだが)だったのだから、他の選択肢はなかったのか、と思わざるを得ないものだ。

 

私の感想はおおむねこんな感じであるが、プロレスファンであれば観て絶対に損はないだろう。暗いストーリーなのはどうしようもないが、それでも全体的な出来としては大満足だった。

 

2021年12月に日本発売して以来、全く価格が下がる事のないASUSの高級ゲーミングモニター、PG32UQを遂に購入した。12月にこちらの下位モデル的な位置に値するROG Swift XG32UQを買っているのであるが、色合い自体は非常に好みで奇麗なものの、説明とは異なり量子ドットではなかったので、同技術使用のMSIのものとは明確な差があり、それもあってサブモニター使用に留まっていた。

 

結局、そんな事情もあり、XG32UQを購入以降もPG32UQへの興味は尽きなかったので、Amazonポイントアップキャンペーンに合わせてとうとう購入してしまったという事である。最初はPS5の画面を映したのであるが、最初の立ち上げの画面で明確にその画質の素晴らしさが分かり、もうこれはヤバいな、と言う言葉しか出なかった。色合いからして完璧な量子ドットであり、その上ASUSの色合い自体そのものも私の好みなのだから、これはもう最高としか言いようがないレベルであった。

 

調整機能もいつものASUSのように非常に豊富であるのだが、プリセットの時点で変更する必要がないほど美しく、私が変更したのはガンマ値と色温度程度のものである。ガンマ値や彩度はMSIでは調整不可能なので、この辺りの細かさはさすがにASUSである。また、一部レビューでは解像感がいまいち、ともあったのだが、ビビッドピクセルをマックスにすれば非常に細かくなるし、実使用ではほとんど心配ないレベルであると思う。

 

オーバードライブは6段階調節可能であるが、4以上だと逆残像が目立ってしまうので、せいぜい3がいいとこだろう。そして、黒挿入機能も付いているのだが、さすがにこちらに関してはZowieのDyACには全く及ばない。まあ、そもそもそこを重視している人であればこちらは選択肢には入らないだろうから、別に気にしなくては良いとは思うが。

 

結論からして、今まで買った中でも最高峰の画質と言わざるを得ない。27インチも含めれば、NanoIPSを使用していたLGのモニターも非常にレベルが高かったのだが、それと同等レベルと言っていいだろう。まあ、さすがに発売当時からほぼ値下がらない、かつ13万と言う価格を考えたら当然かも知れないが、下位のXG32UQを買うのであれば、少し頑張ってこちらを買った方が後悔しないだろう。

 

 

 

相変わらず国内を独走するNintendo Switchであるが、アケコンを必要とするゲームが多数なのにも関わらず、そのラインナップが非常に弱いという欠点がある。HORIのアケコンは相変わらず2017年に発売したRAP.Vのみだし、当然他社のアケコンも大したものはない。

 

そのアケコン不足を解決してくれるのが、台湾の雄であるBrookである。初期の製品群は遅延が酷くて使い物にならなかったのだが、3年ほど前からリリースされているWingmanシリーズからは劇的に遅延が解消され、余程のコアゲーマーでもないかぎりはそれで十分な代物となっている。

 

当然、Switch用のも2020年にリリースされているのであるが、ちょうど1年前にSwitchとPS3.PS4対応の新型が発売されていた。以前のものはすでにアプデが停止されているという事もあり、せっかくなのでその新型を買ってみた。

 

当然かも知れないが、幸いにも手持ちのアケコンはほとんどが対応していた。PS5用のファイティングスティックαは最初は反応してくれなかったものの、PCに設定したら普通に対応してくれたので、余程マイナーなアケコンでもない限りは大丈夫なはずである。遅延に関してはしっかりとは検証はしていないものの、比較的遅延が少ないとされる「怒首領蜂大往生」や、「怒首領蜂・大復活」、「斑鳩」などで試してみた際も、ほぼRAPVと変わりない操作感覚であったので、まあ間違いなく太鼓判を押せる出来ではないかと思われる。

 

なので、これさえあればSwitchの弱点とも言えるアケコン不足を解消出来るのであるが、ひとつ重大な欠点が存在する。それは有機ELモデルには対応していない事である。Xでも指摘している人が何人か居たのであるが、残念ながらこちらの現行モデルでも非対応のようである。まあ、アケコン使用イコールモニター使用が前提だし、そうなるとストレージの容量以外は両モデルでも全く変わらないのであるが、有機ELモデルのみを所有している人は要注意だ。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

少し古い話になるが、昨年8月に行われたEVO2023のスト6部門にて優勝したUAEのAngrybird選手のアケコンが、かのHORIのRAP.Nであった。これまで、プロゲーマー御用達のアケコンと言えばかのウメハラ氏が使用していた旧マッドキャッツを筆頭に、ときど氏のRazer PantheraやObsidianなど、圧倒的に海外メーカー製が強く、我らが日本の雄であるHORIのアケコンを使用している人は正直多いとは言えなかった。

 

さらに、ウメハラ氏が使用して以来、ヒットボックスことレバーレスアケコンが圧倒的な影響力を持ち始め、名だたるゲーマーたちがこぞってレバーから移行していった事からも分かるよう、HORI云々よりもはや勝つためにはレバーレス一択、的な風潮すらあった。

 

そんな中、前述のAngrybird選手がスティック、かつ我らが誇るHORIのRAPを使用しての世界一に輝いたのだから、これはもう痛快としか言いようがない。別にレバーレスを否定する訳では全くないものの、やはりアーケードゲームのコントローラーと言えば黎明期からレバーが主流だっただけに、今の時代でもそれが通用する事を証明してくれた事は、昔ながらのゲーマーとしてはやはり痛快なものがあると言わざるを得なかった。

 

正直、これまでHORIのアケコンを使用して世界一になった例があるのかどうかは分からないのだが、個人的には1999年のツールドフランスにおいて、ランス・アームストロングが初優勝を果たした際、それまでツールだけは勝てなかったシマノ・デュラエースが遂に世界を制した事を思い起こさせる。まあ、その記録に関しては2013年に抹消されてしまうのだけれども、やはり日本のメーカーを使用した選手が勝つというのは痛快極まりないものだ。

 

で、その肝心のRAP.Nであるが、改めてその特徴を説明していくと、まずは何よりもカッコいい。ガワ自体はすでにPS3時代に開発されているものであり、側面にタッチパッドとヘッドフォン端子がついた事ぐらいしか違いはないのであるが、実物は写真よりも遥かに格好良いのである。そして、金属製でこそないものの、かなりの高級感を醸し出しており、所有欲もかなり満たしてくれる。

 

それだけに重いのであるが、これが海外では当たり前とされる膝置きが非常に安定し、さらに天面も広くとられているため、手元がかなり安定するのだ。ノアール配置なのは現行のファイティングスティックαも同様なのであるが、こちらは縦に長くしかも左手側のスペースが不自然に狭いため、人によっては左手がガワからはみ出てしまうかもしれない作りとなっている。なので、この点はRAP.Nの明らかな優位点だろう。

 

逆に欠点と言えば、手元に傾斜がないために机置きにはあまり向かないとされる事だ。出来なくもないのであるが、やはり手首などが角に当たってしまうため、傾斜つきのアケコンと比べるとやりやすいとは言えないかも知れない。また、RAP.Vとは異なり、オプション系ボタンが左上に設置されているのはいいのであるが、窪みがある作りとなっているためそこに埃がたまりやすいのである。

 

そして、2017年発売だけあって当然HAYABUSAユニット搭載である。別に特段やりづらさなどは感じないのであるが、三和レバーに慣れ切った人は違和感を感じて当然の作りなので、まあ大抵の人は換装してしまうのであろう。また、しっかりしている作りなのにも関わらず、天面が薄いのかレバーの音が若干響くのも難点だ。

 

なので、一長一短あるアケコンなので、今わざわざプレミア価格で中古品を買うほどでもないとは思う。連射装置などは初代ストIIなどをプレイする際に使えるかも知れないが、今買うなら普通にファイティングスティックαを選んだ方がどう考えてもマシだろう。





これまでマレーシアを絶賛してきたが、まだ先進国との間に超えられない壁がある事も嫌と言うほど実感するので、最初の海外旅行の国にマレーシア、となるとさすがにお勧めはし辛い。しかし、一般的に言われている発展途上国と比べた場合であれば遥かにインフラは整っているし、また東南アジアとしては稀に見るレベルの治安の良さもあると思うので、住みやすい事も確かである。

 

海外旅行での悩みと言えば、まずトイレが挙げられる。日本のようにコンビニでもトイレが借りられる訳でもないし、また公衆トイレがあったとしても日本人の使用に耐えられるレベルはかなり限られているので、常に万が一を想定して行動しなければならない。それを考えると、これまでの経験からマレーシアはかなり楽な国のひとつかと言っていい。

 

東南アジアでは日本のようにペーパーを流せる国は多くはなく、台湾のデパートですらその場合がほとんどだ。しかし、マレーシアではほとんどの場所で水に流せるし、高級デパートなどはほぼ日本並に清潔に保たれている。反面、公衆トイレは少なく、あったとしてもほとんどの場所で有料だ。と言っても日本円で6円だったりするのであるが、あまりにも細かすぎて持ち合わせがない事もあるので、少し足を延ばしてもデパートへ行った方がマシだ。

 

また、前にも触れたようにトイレが併設されている駅も多いので、それも便利な点のひとつだ。ただ、向こうの人はホースの水を使って流すらしく、床が水浸しな事は確実なので、やはり結局はデパートやモールの方が安全である。

 

もちろん、ある程度のホテルやAirBnBの部屋でも日本人が難なく使用出来るレベルであり、そこに関しては全く問題はなかった。ただ、最初に泊まったホテルではシャワーと便座のスペースが近かったので、それが苦手な人はある程度の高級ホテルを選択した方がいいだろう。そして、KLでもホテルの価格は非常に安く、1泊5000円でもかなり良いホテルに泊まる事が出来る。今の香港では重慶大厦のウサギ小屋のような部屋でもそのぐらいしてしまうので、コスパに関しては雲泥の差だ。その辺りも、私がマレーシアを好む理由のひとつである。

 

「寝られればいい」と言う人も居るだろうが、香港の安宿や、台湾のカプセルホテルに連泊した経験から、KLやバンコクの快適なホテルに泊まった際、住環境と言うのはいかに大事か思い知らされたものである。やっぱりコスパが良いのであれば、日本や香港ではありえないレベルのコスパの部屋に泊まらなければ損、と言うものである。

 

5000円レベルでもそうなのだから、ドミトリーやカプセルホテルとなればありえないほど安い。それこそ1泊1000円するかしないかレベルで泊まれるので、3万ちょい出せば1か月泊まれるほどである。しかし、現実的にありえないし、やはりせっかくKLに行くのであれば、1日中過ごしても快適なレベルの部屋に泊まるべきである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マレーシアと言えば香港と同様、かつての英領なので今でも英語が準公用語的な位置付けとなっている。英語のWikipediaだとRecognized Language、つまり香港のように母語と同様の位置付けでこそないものの、国から認定されている言語である、と言うニュアンスだろうか。なので、基本マレーシアでは英語が通じるというイメージでこそあるものの、このような分かりづらい位置付けから実際に行くまではどの程度通じるのか多少不安でもあった。

 

しかし、実際に行ってみると、少なくともKLではほとんどの場所でマレー語とのバイリンガル表記となっており、「思ったよりも」遥かに第2公用語的な位置付けとなっていた。もちろん、私はマレー語など分かるはずもないので、全て英語で押し通していったのだが、言葉の壁を感じるような事は皆無だった。

 

そして、マレー人やインド系は母語と英語のバイリンガルなのであるが、2割を占めるというマレーシア系中国人の語学力は世界でも屈指と思われ、大抵の華人はマレー語、普通話、英語、そして両親のルーツである中国語である広東語や福建語などを操る事が出来る。さらに、英語力であればさすがに家庭でも英語を話すシンガポール華人の方が上だと思っていたのであるが、なかなかどうしてかなりの華人が同等のレベルで英語を操る。

 

もちろん、私が泊まった部屋のホストも英語が堪能であったのだが、ネイティブかと思うほど流暢であり、あまりにも速く話してくるので集中していないと聞き取れなかったほどである。それに加えて前述の言語も話せるのだから、華人の語学力にはあきれるほど圧倒されたものである。

 

アジアでの英語学校と言えばやはりフィリピンが有名であるが、マレーシアにも少なからず外国人向けの英語学校が存在する。さすがに多少はフィリピンよりも高いであろうが、インフラや治安を考慮すれば、多少高くて遠くとも、マレーシアを選ぶ価値は十分にあると言える。

 

そして、マレーシアの盲点と言えば日本から微妙に遠く、そしてバンコクやシンガポールほど観光地としての人気も高くはないため、日本人に会う事が稀な事である。マレーシアでは日本企業が非常に多く、日本食レストランやユニクロなどはそこら辺にあるし、ダイソーも現地では非常に人気だ。ブキ・ビンタンより少し歩くと、ガラガラではあるがららぽーとまであるし、KLCC駅には伊勢丹も紀伊国屋書店もあるし、イオンモールまで存在する。

 

これだけでも親日国だと分かるが、にも関わらず日本人を見る事はかなり稀だ。バンコクやシンガポールには1日居ればどこかで日本人に会うにも関わらず、トータル1か月滞在したマレーシアで会う事は非常に稀だった。もちろん、パンデミック後と言う特殊な事情はあるかも知れないが、その点香港と同じく私には非常に快適だったものだ。

 

一応、駐在員などはKLセントラルの北西にある「モント・キアラ」と言う高級住宅街に住んでおり、そこには日本人コミュニティなどもあるらしいのであるが、周囲には鉄道駅がなく、陸の孤島的な存在となっているため、そういう意味からもKLを旅行するだけでは日本人に会う機会は皆無と言う事である。

 

 

 

 

 

 

 

2年連続で訪れた事からも分かるよう、パンデミック後に最もお気に入りの海外となったのがマレーシアである。マレーシアと言えば2006年から日本人が長期滞在したい国としてずっと1位だし、実際かのガクト氏を始め、元カプコンの岡本氏やバイリンガールの人などが移住している事からもその人気ぶりが伺えるというものである。

 

特に、ガクト氏などは度々YouTubeでマレーシアの素晴らしさを説いているし、かの中田敦彦氏との対談では、「一度マレーシアに住んだら戻れなくなる」とまで言い放ってしまっている。ちょっと言いすぎなきらいもあるかも知れないが、私個人としては十分同意出来るというものだ。もちろん、彼の豪勢な自宅を見ても分かるように、一般庶民との生活に剥離がある事は確かなので、一概に彼の意見を鵜呑みにする事も出来ないとは言える。しかし、私の経験上、マレーシアは日本人にとって快適な海外である事はおおよそ間違いではないかと思う。

 

もちろん、私はマレーシアに移住した訳ではないし、もちろん就労の経験もなく、単なる海外旅行をしてきたに過ぎない。そして、正直マレーシアはクアラルンプールでもエンタメに乏しく、隣国のシンガポールやタイ、特にエンタメや歴史的建造物の宝庫であるバンコクと比べたら分が悪いと言わざるを得ない。ただ、楽しみに行くよりも生活の拠点や快適性を考慮した場合は、KLも決して負けてはいないと思う。

 

で、なぜ私がそこまでマレーシアを気に入ったかと言えば、まずは前述のように快適性だ。2022年に初渡航した際、中心駅のKLセントラル駅そばに泊まったのであるが、KL最大の駅でありながらそこまで人口密度が高くないのである。もちろん人が居ない訳ではないのであるが、東京や香港の主要駅に比べたら遥かにマシだ。さらに、最も使用頻度が高いであろうケラナ・ジャナ・ラインでもマックスで4両編成程度である。イコールそれで十分な輸送力と言う訳なのだから、おおよその人口密度など想像がつくというものだろう。なので、バンコクでの駅や車両の混雑ぶりには正直うんざりしたものである。

 

まあ、最も新しいMRTラインはさすがに奇麗なのであるが、前述のケラナ線を含め、やはり先進国との差は明らかに感じるのは否めない。それでも、便利な点としては大体の駅にトイレがある事だ。日本なら当たり前なのだが、海外では香港ですら当たり前ではないので、無料で使えるトイレが確実にあるのは非常に心強い。もちろん、街中にもなくはないし、当然ショッピングセンターではそれなりに清潔なトイレが使えるので、その辺りもマレーシアの安心できる点である。

 

そして、日本人を悩ます昨今の円安であるが、マレーシアのリンギット(発音的にはリンギ)も強い貨幣とは言えないので、円安の今でも物価がかなり安く感じるのは大きなアドバンテージだ。マッサージも、マレーシアで主流なタイ式であれば日本よりも格安で行う事が出来る。ローカルのレストランなども言わずもがなだ。

 

で、そのガクト氏がフォーカスを置く食事であるが、確かに移民国家なだけあって様々な世界料理が食べられるのも確かである。マレー料理は口に合わない日本人が多いと思われるので、もっぱら私は中華やタイ料理が中心だ。ブキ・ビンタンで有名なアロー通りも、大体その2種類がメインである。正直、香港の広東料理ほど驚くべき美味しさは感じた事はないのであるが、決してまずくもない及第点以上の味ではあるので、コスパを考えればまあ満足は出来るはずである。

 

 

 

 

 

 

11月に購入したMSIの量子ドットは、普段使いであれば十分満足な出来だったのであるが、ゲーム使用時の画質が私の求めるものとは差異があった。その時点で27インチを2台所有していたので、これらを売り払って新たに別の32インチの購入を検討したのであるが、その中で選んだのがタイトルのASUSのモニターである。

 

一応公式サイトやAmazonでは、量子ドットと言う売り文句なのであるが、「ちもろぐ」さんの検証によれば実はそうではないらしい。しかし、レビュー自体の評価は高かったし、またこれまでの経験から、LGとASUSが最も自分のお気に入りの発色でもあったので、在庫が少なめと言う事もあってMSIを買って2週間後に、タイトルのモニターを買ってしまった。

 

ROG、Republic of Gamersのシリーズは、TUFよりもワンランク上に設定されているゲームにさらに特化したゲーミングモニターのシリーズである。昨夏、こちらの24.5インチのモデルをすでに購入したのであるが、期待に違わずTUFよりも遥かに奇麗な発色であり、さらに160Hzでこそあれ、残像感が極めて少ないという、非常に優れたモニターであったので、それもこの32インチを購入した理由である。

 

そしてこちらの32インチモデルであるが、まず画質云々よりもこのシリーズのスタンドは扇状でかなり大きく、デスク上のスペースをかなり取ってしまうのが残念だ。MSIのモデルは見た目こそ地味なものの、邪魔にならないうえにキーボードも置けたりするなど、スペースを有効活用出来たのであるが、このROGシリーズはそれが出来ない。まあこれは予想していた事とは言え、奥行のないデスクにはハッキリ言って不向きだ。

 

また、端子周りにはカバーがついているのであるが、私が使用しているHDMIケーブルは8K用のためにかなり太く、スタンド部分を通すとかなりギチギチになってしまい、カバーが取り付けづらいのも難点だ。

 

なので、デザイン重視もあるせいか本体の作りは機能的とは言えないのであるが、肝心の画質は期待に違わずデフォルトでも非常に奇麗、特にゲームは極めて映えると言っていい。さすがにASUSだけあって、画質は極めて細かく調整出来るのであるが、余程の拘りがない限りプリセットで十分なはずである。もちろん、ゲームだけでなくブラウジングも動画もバッチリだ。

 

確かに、MSIとは異なり量子ドットならではの鮮やかさは感じられないので、おそらくやはり異なるのだろう。しかし、前述のように、間違いなく画質に関しては美しいと言えるレベルなので、これで後悔する人はまずいないはずである。

 

ただ、残念ながらAmazonでも指摘されているように、ROGのシリーズではPS5のHDMI接続時に画面が突然消えるなどの不具合が報告されているが、私も同様の現象が起きてしまっているので、おおよそ仕様なのかも知れない。また、スピーカーがないのでヘッドフォンジャックから出すしかないのであるが、そこからの音質が極めて悪く、仕方ないのでPCやコンソールから直接繋ぐか、ヘッドセット使用が前提となる。

 

なので、画質自体は非常に奇麗なのであるが、不具合も割と致命的に近いため、正直お勧めし辛い部分もあるのは確かである。ただ、現時点でDPからの信号ではその不具合はないし、音もPC本体もしくはヘッドセットで解決出来るため、それらを前提として使用するのであれば間違いなくお勧めだ。

 

因みに、この機種のちょうど1年前に発売されたPG32UQは本当の量子ドットらしいが、両方を購入した人の価格コムのレビューによるとXG32Qの方が画質に関しては優れているとの事である。

 

 

 

 

第8試合は今年で新日本を去るウィル・オスプレイの3WAYマッチであったが、正直新日本所属としては最後のドームになるであろうオスプレイの試合は、シングルにしてほしかったというのが本音である。3WAYマッチは元々アメリカで生まれたものであり、有名な所ではクリス・ベノワが世界王座に輝いたWM20などが記憶に残る所であるのだが、王者以外がフォールされてもタイトル移動と言うのが個人的には引っかかるものがあるし、また3人ともなるとイコール打ち合わせもしっかりやっているんだろうな、と言う思いが拭いきれず、そういう観点からしてもあまり好きではないのが正直な所だ。

 

そして、いよいよ第9試合のオカダVSダニエルソンである。YESコールを全米に巻き起こし、何度もWWE王座に輝いた正真正銘のスーパースターであるダニエルソンと、日本が誇る我らがオカダ・カズチカのシングルマッチ、まさに世界が注目の一戦である。まあ、知ってのようにすでに昨年アメリカで行われており、ダニエルソンの勝利となっているので、さすがに今回はオカダだろうというのは予測がつくのであるが、プロレスは結果が全てではないのは当然のこと。まさに最初から最後まで目を離せない試合となったのであるが、ブライアンの試合を見るのは久々なので、ここまで日本的な試合運びだとは驚いたものである。

 

それもそのはず、ブライアンはWWEのスーパースターになる以前に何度も日本のリングに上がっており、しかもLA道場で新日本のストロングスタイルを習得した事実があったという。そんなバックボーンがあった事は全く知らなかったので、オカダが勝つだろうなとは思いつつも、もしや?と思わせる場面が何度もあったりして、かなり緊張感のある戦いと思ったと同時に、危険技に頼らずともここまで観客の目を引き付けるブライアンの技量には感服したものである。

 

結局、やはりオカダの勝利ではあったものの、正直ブライアンの圧倒的な技量を見せつけられたあとの、オカダのお決まりとも言えるフィニッシャーへの流れは少々残念に思えたものだ。まあ昨今のプロレスの流れを考えればそれが王道なのかも知れないが、やはりたまには猪木のジャーマンや卍固め、馬場のジャンピングネックブリーカーのように、本当のここ一番でしか出さないような流れが欲しいものである。まあ、もちろんオカダの変形エメラルドなどは地方では出さず、ここ一番でしか出していないのかも知れないが、「ここで終わっちゃうかな」と言う予測がつく流れは少し物足りないのも確かである。

 

そしてメイン。最初は当然挑戦者の内藤哲也の入場であるが、ノーマスク解禁以来初、実に4年ぶりとなる東京ドームでの大・内藤コールは実に心地よかったものである。一時は一生手拍子のままなのか、と思ったほどなのだから、それまでの鬱憤を晴らすかのようなまさに大・内藤コールであった。

 

対する王者のSANADAは、まさかのオレンジを基調としたコスチューム。もうこれは見てくれからしてオレンジパンツ時代の武藤敬司を意識している事があからさまであり、正直青がイメージカラーとして完全に定着していた事もあって個人的にはかなり残念に思えてしまった。しかも、見てくれだけでなくファイトスタイルも武藤を意識しまくり、しかし、天才・武藤敬司を完コピ出来るはずもなく、悪く言ってしまえば劣化武藤と言った感じであり、個人的にはどうしてもいただけなかった。

 

ファンの新陳代謝に成功した新日本において、かつての武藤敬司を知る人はもはや少ないのかも知れないが、それでもオリジナルのSANADAを大事にしてほしかった。武藤敬司に憧れる気持ちは嫌と言うほど理解出来るとは言え、あの天才を超えられる訳がないし、オリジナルを超えられるはずもないのだから、やはりここはいつも青とSANADAだけのスタイルを貫き通してほしかったものである。

 

まあそれはさておき、個人的にどっちに勝ってほしいというのはなかったので、場内があまりにも内藤一色だった事には正直驚いたものである。当然、勝利の瞬間も大爆発だったので、正直SANADAが気の毒に思えたぐらいだ。試合後、EVILらが襲撃し、まさかのバッドエンドかと思いきや、さすがに今回はそうはさせず、4年越しのハポン締めで大会は幕を閉じた。なので、内藤ファンにとっては大満足の大会であったとは思うのだが、今の自分はそうでもないし、また試合自体もフィニッシャーがやはり大試合用の流れであったので、個人的にはそこまで、とはならなかったのが正直な所だ。

 

しかし、そう思ったのは私ぐらいのようであり、ネットの反応もほとんどの人がこの大会は大満足だったようである。それは非常に素晴らしい事であるが、個人的には4年前の1.5もそれで終わらせるべきだった。特に、1.5はその年の年間最高試合賞に輝いたほどだし、試合直後の満足感も半端ではなかったので、尚更そうすべきだった。