大学という斜陽産業 -27ページ目

編者はつらいよ

某共同研究の成果を書籍として出版するために、出版助成に申請した。

とはいえ、音頭をとった人がいたが、特に全体のとりまとめの章があるわけではなく、どちらかというと論文集という感じである。だから、全体的に統一感があるようでないような印象でもある。そう思うと、編者は大変だと思う。

じゃあ、自分で引き受ければ、と言われるかもしれない。しかし、一読者として他人の共著の書籍を読んで、全体の統一感などがないと感じた時、「編者は何を見てるのかな」などと思うタイプなので、やはり、そのような重責は担えそうもない。

こういう編者の役割が得意な人もいるのだろうけど、つくづく編者はつらいよ、と思う今日この頃である。


共同執筆論文の仕上げ作業に悪戦苦闘中

これまでも、何篇か共同執筆の論文を書いてきたけれども、今回、ある人と初めて一緒に成果をまとめたのですが、その論文の推敲に苦労しています。

これまでの共著の場合、比較的固定的なメンバーで共同研究を進めてきており、その際に、皆で何回も推敲しあっていたので、文体等も含めお互い納得がいく者になっていたと思う。しかし、今回は、組んだ相手が初めてで、しかも、最終のまとめを相手に任せっきりにしてしまったせいか、言葉遣いを含め、気になるところが盛りだくさん。

研究経過を振り返ると、論文にまとめる前の議論ではお互い得意な部分をうまく持ち寄って、良い感じになりそうだった。そして、論文の構成を二人でまとめて、それぞれの得意な部分を執筆し、全体の調整を相手に任せたのだが、それがかえって裏目に出てしまったのかも。

さて、締め切りまであと少し。今週中には片をつけたい。



アクティブ・ラーニングは人気ないの?

先日のエントリーのように、カリキュラムについて考えています。

まあ、手始めにネットで少し検索してみて、おもしろいな、と思ったのはこれ。

ベネッセ調査、大学教員と大学生が求める「教育」の違い


ベネッセによる調査では、大学でアクティブ・ラーニング型授業が増えている一方で、それを受講する大学生は教員や保護者への依存傾向が高まっているとの結果が得られたとのこと。

今回のカリキュラム改訂でもアクティブ・ラーニングをどうするかが一つのテーマなので、気になります。

ちなみに、ベネッセによる調査の報告書の原本は、以下のリンクからどうぞ。

第2回 大学生の学習・生活実態調査報告書

【お悩み相談】研究室で料理しないで下さい

今日の相談事も臭い関係です。

研究室で毎日といっていいほど料理をしている人がいます。

廊下によくそのにおいが漂います。

ご飯を炊いているぐらいならまだまし。トーストは結構においますね。カレーライスもそうとうきます。

以前、他の先生が注意したら、「研究室で何をしようが勝手だ」と言われたそうです。どうしたらよいでしょうか。

ちなみに、その方は、遠方に自宅があるので、研究室で寝泊まりしているようです。さすがに廊下をパジャマで歩いていたりしている姿を見せることはないですけれども。

【お悩み相談】香水がきついのですが

今年新たに着任された女性の同僚の香水がきついんです。

すれ違うときだけなら良いのですが、会議で同室になった時だけでなく、廊下の残り香もすごいんです。

「香水が強すぎるので、香水をつけるのを止めるかもっと香りを弱いものにしてくれませんか。」というのはセクハラになるのでしょうか?

「(sphinxの)加齢臭の方がきついので、どうにかしてくれませんか!」と反論されたら、再反論できないとおもうので、自重しています。

カリキュラムについて考えろ

またまたお達しが下りてきました。

今度はカリキュラム改訂です。


この業界の人はわかっていることですが、基本的には、カリキュラムを一度改めると、そのカリキュラムで4年間学んだ卒業生がでるまで、そのカリキュラムをいじることは出来ません。ですから、頻繁にカリキュラムを変えているような大学であっても、4年間は同じカリキュラムで教育するわけです。

また、学生は、入学時に適用されるカリキュラムが卒業するまで適用されるので、カリキュラムを頻繁に変えると、同時に2つのカリキュラムが存在することになります。もちろん、ちょっとした修正ならば、科目名もそのままなだったり、科目の読み替えで対応できるので支障はあまりでませんが、大幅な改訂をすると大変です。

なぜなら、この卒業するまで、というのは当然留年した場合も適用されるので、極端な場合、8年生1人のためにある科目の講義をしなければいけないこともあるからです。(この場合、下手すると、3パターンぐらいのカリキュラムが並行している場合もあるでしょう)。

前回の改訂は、個人的にはあまり大きな改訂ではなかったと思っています。それに比べて、今回は「大」改訂をせよとのお達しなので、これまた大変そうです。

要するに、先日の高大連携も、このカリキュラム改訂に反映しろ、とのことだそうです。

高大連携について考えろ!

タイトルは「考え”る”」の間違いではなく、「考え”ろ”」という命令形であってます。

要するに、高大連携して教育するカリキュラムないし、課外プログラムなとについて考えろとのお達しが学部長から下されました。

連携する相手は、付属校などの同一学校法人の高校なら話は早いんですが、公立学校です。それも1校や2校ではなく、何校かに適用できるような方向性が望ましいようです。

同じ系統の学部による他大学の参考事例があるらしく、まずは情報収集から始めなくてはなりません。

一番の問題は、「金は出せない」から「知恵を出せ」という。でも、まだ十分な情報が集まっているわけではありませんが、他大学の事例の多くは、高校に教員を派遣したり、高校生に奨学金を出して入学してもらっているようなので、幾ばくかのお金は出してもらわなければならないからです。

あとは我々の手弁当でやれということ?

IDはいつまで有効?

この3月で某非常勤先からお役御免となった。

今やネットで履修者名簿のダウンロード、出欠確認、諸連絡等々を行えるのは当たり前になりつつある。その大学もその1つ。

で、先日、PCのブックマークの整理をしている際に、その大学に思わずアクセスしてみたら、ログインできました。まだIDが有効なんですね。

でも講義を持っていないので、一般的な事務連絡しか見ることは出来ませんでしたが。

となると、ほとんど使っていないけど、その大学で付与されたメールアドレスも有効なんだろうな、きっと。

売れる本、売れない本

某社から某テキスト本の改訂版が届いた。縁あって分担執筆をさせていただいており、たまに改訂がなされているので、自分の分野ではぼちぼち売れているのだろう。

もちろん、売れるテキストが、その分野を勉強したいと思っている万人にとって良いテキストとは限らない。でも、テキストって、やっぱり売れていない部類の本だと思う。だって、テキストを分担執筆で書くのも、その執筆陣の教員がテキストとして採用すれば、それぞれの大学である程度売れることが見込まれるからに他ならない。


しかし、比較するのも見当違いかもしれないが、発売から7日でミリオン・セラーとなる本もあるのも確か。わざわざアフィリエイト貼ったって意味ないけど、たまには貼ってみる。ちなみに、自分はまだ読んでいないので、感想もなにもない。ただ、その売れ行きに驚嘆するだけである。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上 春樹
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外部評価

半月ほど前のニュースになるが、横浜薬科大学が、大学基準協会による外部評価によって、「不適合」と評価されたことが報道された。


大学基準協会による評価結果 はこのリンク先にあります。


ちなみに、学長はかの江崎玲於奈氏なんですね。だから横浜薬科大学が目立ったのか、同時に不適合となったのは大阪学院短大やビジネスブレイクスルー大学大学院についてはあまり触れられていないような感もある。


自分の勤務先もこの大学基準協会の審査を受けている。7年に一度評価を受けるので、また近いうちに受けることになる。


きっと、大学関係者はこのニュースにいろいろな思いを持ったと思うが、世間はどう思っているのだろう。実際、不適合になっても法的拘束力もないし、補助金が強制的に削減されることもないようだし。

でも、受験生は不適合の大学は受けるやめよう、なんて思うのだろうか。