栗駒山の温泉ホテルに宿泊し、草花観察に出かけ、初めに目についたのがこの野草です。



もちろん見たことがありません。

「なんだろう?」



いつものように解らない時には、しばらく眺めます。



今回、私の目についたのは この葉 です。



この葉は、見覚えがあります。

ワレモコウです。

そこで、ワレモコウのページを図鑑で見ますと、ありました!




シロバナトウウチソウ


上から咲いていきます

意味の解らない名前ですね。「とううち」ってなんでしょう?

「とううち」は「唐打」だそうです。中国の組紐のことらしい。なるほど、その組紐のような形の花なのでしょうね。

穂状に小さい花がいっぱい集まって花序をつくっています。


← 拡大して見てね

その一つの花を見てみます。

雄しべがきれいです。

真ん中に白っぽい雌しべが出ているのが分かりますか?


つぼみ



実になっているのもあります。

シロバナトウウチソウ  バラ科  北の方に生えている植物です。


この日、午前中から歩き始めましたが、早い人は、もう栗駒山山頂から下りてきました。日の出を見てきたのでしょうか?その方は植物観察をしている私の横を通り過ぎようとしていたのですが、私が挨拶をしたら、「今、この上の方でクマが出た」と。挨拶をしたので教えたもらえた情報でした。山で初めて逢った人どうし、あいさつくらいは普通にしたいものです。

私たちは山道の植物を眺めながら行くので後から来る方々は次々と追い越していきます。私は一人ひとりにそのクマのことをあいさつしながら伝えるようにしました。

挨拶を交わしあうことと、ましてや事故につながりかねない大事な情報を持った時は、みんなに広めるようにしあいたいものです。

★そうして知り合った方の一人が、ルートの途中で再び出会った時、東北の野草が豊かな山の情報を教えてくださいました。その方は、この栗駒から1時間ほどのところにお住まいだそうで、気が向けばカメラ片手に登って来られるようです。

次回、東北に行くことがあれば、その方に教わった山へぜひ行きたいと思っています。



栗駒山には、湿原が広がっています。そこには、お茶席などで敷く毛氈から名づけられたモウセンゴケが生えています。



モウセンゴケは苔と名前についていますが被子植物で花も咲きます。



ただ、地面にくっつくように生えているところが苔のようだからこの名前がついたのでしょうね。



葉には、粘液がついた腺毛いっぱいついています。葉は、緑っぽいのですが、この腺毛が赤いのです。



その粘液についた虫などを消化吸収しています。



モウセンゴケ科モウセンゴケ  食虫植物です。





虫メガネを使いましょう

モウセンゴケの葉から出ている腺毛や、その腺毛の先についている粘液の玉が虫眼鏡で見るとよく分かります。そのネバネバも、とてもよく分かります。虫メガネを使い慣れるようにしましょう。

ホツツジ



花が枝の先に花序を作ります。



花弁は3~4枚あって、反り返っています。



雌しべに特徴があり



こんなに長く、ほぼまっすぐ突き出ています。


ツツジ科のホツツジです。


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そのすぐそばに、よく似ているのがありました。


「同じなのかなあ?」と思いつつも、どれも明らかに雌しべがくるっと先が巻き上がるようになっています。

花の色も違うし、写して帰って来ました。



ミヤマホツツジです。



もちろん同じツツジ科ですが属の違う植物でした。


低木の素敵な特徴ある花をつけるホツツジ、ミヤマホツツジでした。


アリがしべのつけ根に群がっていました。多分、蜜を舐めているのだろうと思い、ちょっと、味わおうと思いましたが、あまりにもアリがついていたのでやめました。しかし、それが正解で、有毒だったのです。ツツジ科にはアセビのような有毒のものとブルーベリーなどのような美味しい実を食べさせてくれるものとがありますね。解らないものは、舐めたりしないようにしましょう。解ったら大いに体験しましょうねwww。


こんにちは。みなさま、おげんきでしたか?

秋田から帰って来ました。秋田では、栗駒に2泊し、植物観察をしました。

いつも、和歌山の里山の植物を中心にブログを書いていますので、北の方の植物は初めてのことです。帰宅して、写してきた写真と図鑑を見比べながら同定をしていますが、大切なポイントを撮れていなくて種を特定できないもどかしさを感じたりもしていますが、しばらく、北の方の植物でブログを続けますね。

生石山には他にも咲いている花がありました



足元の草むらに埋もれるように咲いているちっちゃな可愛い花は



ヒメヤブランです。ユリ科。


放射状に出た細い葉

同じユリ科のジャノヒゲに似た葉をつけています。



次に、ススキ草原によく見られるクルマバナ

シソ科。花が車輪状になっています。


秋には、こうした色合いの草花をよく見かけますよね。


茎は、シソ科の特徴の四角になっています。



最後は、黄色の花は、アキノキリンソウです。

そして、間もなく咲きそうだった野草は、マツムシソウ、オミナエシ、ツリガネニンジンなどなどがありました。※キキョウは、もう、花が終わっているものしか見られませんでした。


生石山は、秋の七草がほぼそろって見られるところです。


秋の花草を探しましょう

子どもと一緒に探してみませんか?仮に、全種類が見つからなくてもいいのです。そういう営みを毎年行って、楽しむ文化を持っている家庭を築いていきましょう。


また、自分の身の回りの草花でオリジナルの「秋の七草」を作ってみるのもいいかもしれませんね。日々の暮らしに植物がちゃんと市民権を得ているような家庭こそ、豊かな家庭と言えるのではないでしょうか~。




おしらせブログ、しばらくお休みします


いつも、ブログを見てくださってありがとうございます。


お盆が済み、しばらく遠出します。


出不精のわたしにしたら、大変な覚悟が要ったのですが、東北の方まで行ってきます。


わたしが飼っている犬(愛称“琴”)は、縄文柴犬という柴犬の中のひとつの系統ですが、その縄文柴犬を守り、育てる中心になって活動しておいでた方がいらっしゃます。縄文柴犬研究センター(JSRC)というNPO法人を組織していますが、その事務所にうかがい、その方にお会いして来ようと思います。もちろん、琴を道連れに行きます。

秋田では、ついでに、栗駒が岳にも立ち寄り、北の方の生物を見てこようとおもっています。



予定では、8月20日に和歌山に戻る予定でいます。


行くときよりも賑やかになって帰って来ます。


ブログを再開した時には、これまでのように、よろしくおねがいします。



          それでは、みなさん、しばらくお別れします。

                    どうか、おげんきでおすごしください。

(お土産は、栗駒の生物になる予定です。また、「なう」には、新しい展開が始まります。)



里山の池の畔にヌマトラノオがありました(7/27ブログ)

おなじサクラソウ科のトラノオですが



こちらは、オカトラノオ。ヌマトラノオとちがって花が垂れます。



花は、終わりかけていました。実ができているのが多かったです。



こちらも生石高原のススキ草原の日当たりのよさそうな所で見かけます。


虎の尾にたとえられるような形で花が集まっています=花序



花びら5、雄しべも5です。


お盆はいかがでしたか~

さまざまなお盆の過ごし方があるのかもしれませんが、団塊世代のわたしなどは、昔からの習わし通りに毎年、お盆を迎えています。お墓のあるところ、仏壇のあるうちにみんながあつまり、談笑します。その時間、顔を合わせ共に過ごす中で互いの様子を知り、安堵し、ときには、励まし、また、来年のお盆まで元気にやろうって、心通わせる機会です。昔は、もっと、そうした機会があったのでしょうが、今は、お盆くらいなものになって来ています。

宗教を信じるか否かに関係なく、引き継いでいきたい日本の風習だと思います。

黄色い花をつけているのは、オトギリソウです。




オトギリソウは、この生石高原に広がるススキ原によく見られる植物です。



花弁は、5まい。雄しべはたくさんあります。


葉は、対生して、90度ずつずれて着きます=十字対生です。




名前の由来

葉を透かせて見たら、黒い斑点(油点)が見えるのですが、それが名前の由来になっています。オトギリソウ⇒「弟 切る 草」~です。平安時代の話です。鷹匠の名人の兄が「タカの傷を治すのにこの草がよく効くこと。それを秘密にしておくように」と言っていたのに、その弟が誰かにそのことを漏らしてしまったことに怒り、弟を斬り殺してしまったという話から、つけられた名前です。その葉の黒い斑点は、斬った時に散った血だというのです。


子どものわたしは、その話を聞いて、ぞっとしたのを覚えています。父の口からこんな残酷な言葉を聞いたことがなかった。ましてや、その話の全容はショックを受けていたわたしには、まともには耳に入れられませんでした。それ以来、この植物を見ると嫌な気分になるのです・・・・。


きれいなはななのに~

台風一過(8/11のことですが・・・)


あさになって、家の周りや畑の様子を見て回りますと


思わぬモノが見つかります。いつも、かなりの確率でね~



今回は、ほら、これ



アオギリの実です。



しかし、この周辺にアオギリはありません。



さて、どこから飛んできたモノなのでしょう?



これからアオギリ探しを~

この実がどこから飛んできたのかをつきとめようと思います。


風に乗って分布を広げる「歩けない植物たち」を感じます。



しかし、この実~おもしろい!!!


心皮についた実




山の中に入ると、さらにさまざまなモノと出会えます。



クヌギの枝が落ちているのです。



どんぐりが育ってきていますね。



いつもは、高い木の上で手にとって見られないものが落ちているのです。

他にも、コナラ、ノグルミ、ヌルデなどの実の着いた枝が散乱していました。




子どもと台風の後片づけなどをしながらも

生物への関心を広げていくことを、いつも心のどこかに置いて暮らすとたのしいですね。

この台風の中、それぞれの生物はどうしていたのだろうと思える心をみんなで持っていたいと思います。


今日から、お盆ですね。みんなで集まるお家も多いと思います。

生物のことを話題にすると急にみんなが子どもの頃にかえり、話が盛り上がったりします。

オレンジの地に赤い斑点のついた花びらを平らに広げています。



アヤメ科ヒオウギです。



1mほどの高さになりますが、花茎のつけ根には、このような葉が



扇形ですね。扁平



雄しべが3本。

緋色の花をつけ、葉が扇形ということでヒオウギ。


つぼみ

生石山にそれほど多くは見られませんが、鮮やかな色で目立ちます。


左に実

この花の後に、実ができますが、その実は皮に包まれて熟します。その後、その皮が破れると、つやのある真っ黒な丸い実が入っているのです。この実のことを「ぬばたま」といいます。


そうですね、あの夜とか、黒い・・・の枕詞に使われる「ぬばたま」です。

(その実ができたら機会があれば記事にしたいと思いますが~)


~こどもたちに豊かな語彙を~

ヒオウギを目の前にして子どもたちに話してやりましょう。

オレンジのに赤い斑点

ぬばたま  など~

みなさん、台風の被害はなかったでしょうか?台風の最中に東北では地震も!

日本は、自然災害にひんぱんに襲われる国なのだということを今更ながらに感じます。






生石山の野草の三番目は、ギボウシです。


オオバギボウシです。トウギボウシとも言います。



ギボウシは、漢字では「擬宝珠」です。橋の欄干にあるあの飾りから来ています。

つぼみの形が似ているからですね。



雄しべが6本あります。




薄い紫色の花びらが美しいです。



ユリ科トウギボウシ(オオバギボウシ)。葉が大きいですね。



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生石山には、もう一つのギボウシがあります。


葉の小さい、コバギボウシです。



花の色が濃いですね。



背丈は、上のオオバギボウシと比べると明らかに低い。約4~50cm


花の中に見える濃い紫の筋がきれいです。



コバギボウシは、オオバギボウシのような花の乱れがないように思いました。

生物の名前から語彙を豊かに

ギボウシという名前を聞いた時に、私は、あの欄干の大きな柱の上についている飾りのことを 擬宝珠ということをまだ知りませんでした。父は、この植物を前にしてこの蕾を摘まみながら「これに似たものが牛若丸と弁慶の五条大橋についているでしょ」と言いながら「 擬宝珠」(ぎぼうし)という言葉を教えてくれました。生物には、こうした他からとってきた名前が多いので、ぜひ、子どもと一緒にorお孫さんと一緒に自然体験をしながら語彙を豊かにしてやりませんか~。

おはようございます。

雨を始めとした様々な被害が心配です~

どうか、みなさま、お気をつけてください。


生石高原にはキアゲハが何匹も飛んでいました。



初めに見かけたその個体は、「うん?」「何?」



羽の裏側に赤茶色のものが~



「赤茶色」=多分、オニユリの花粉でしょうね


黄色い部分が大きい

それに羽も傷んでいます。羽化してから、ずいぶんになるのでしょうね。


子孫は残せただろうか?

キアゲハとアゲハはよく似ているのですが、こうして間近にして見ると、その違いが解りました。それは、黄色と黒の模様がありますが、その黄色の一つひとつの面が広い。もう一つは、前羽のつけ根にある黒い部分が大きいことです。

私は、これまでは、黄色い色が濃いのがキアゲハだというような漠然とした見方しかできていなかったので、ときどき、自信がない時がありました。しかし、これで間違うことがなくなりそうです。~ただし、今回のようにしかとその姿を見させてくれたらの話ですが~


前羽のつけ野の黒い部分

蝶の姿から

この蝶の姿を見ながら、この蝶が生まれてからここまでどのような出来事に遭遇してきたのかを想像してみたらどうでしょう?昆虫たちが生き延びることの大変さを考えるいい機会になりますね。生物相互の関わり、生息している里山という環境、そして、人間のあり様にまで~



別の個体。こちらは、羽の痛みが見られません。