梅田蔦屋書店の書店員、三砂さんの読者エッセイです。
1テーマ30冊程度、「新しい働き方を探す旅」のような、人生に欠くことができない7つのテーマを取り上げています。
彼の本棚の中からいままで読んできた本の関係性を大切にして紹介をしています。
うまくいかなかったとき、失敗した時、目の前が暗くなったときなど、この避難所に助けられることがままあります。
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ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学列伝』には、「教養は、順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所である」という古代ギリシアの哲学者アリストテレスの言葉がかきとめられています。
本との出会いは人との出会いと同じです。
千年前の作者やそれを読んだ人の思いに触れることができます。
生まれ育った環境や年齢、立場も関わりなく、それに向き合い、感じ、考えたことに、本を通して出会うことができます。
時を超えて先人の叡智に触れる機会を持てるのがとっても嬉しいのです。
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本屋の中を歩くと、そっと手をさしのべるように、目の前を明るく照らしてくれる本と出会うことができました。ページを開くと、想像を絶する困難や不幸を乗り越えて、誰も歩いたことのない道を、一歩、また一歩歩いていく著者とともにその風景を眺めることができました。
世界を変えることができなくても、自分自身の言葉で、自分自身の人生を生きられたら、世界が違って見えるのだと、私は読書に教えてもらいました。
楽しくてページが止まらない本に出会う機会は、一年のうちでもそんなに多くはありません。
読書の醍醐味を知ったなら、途中でやめることができません。
読書好きなみなさんと同じ想いのままに。
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(源氏物語など)千年前から読みたい本を読む喜びは変わっていません。菅原孝標女の言葉を追いかけていると、本は何かのために読むのではなく、楽しくて楽しくて、ページをめくるのがとまらなくなるから読むのだと、読書の出発点に何度でも立ち返ることができます。何より素晴らしいのは、菅原孝標女が読むのをとめられなくなったその本(源氏物語)が、今も本屋の店頭や図書館で、気軽に手に取れることです。しかも、日本だけでなく、世界中で。
<目次>
まえがき なぜ人生には本が必要なのか
第1章 本への扉 人生を変える本との出会い
第2章 生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本
第3章 新しい働き方を探す旅
第4章 「お金」から見た世界
第5章 「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
第6章 幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
第7章 本から死を考える 死の想像力
あとがき 本との出会いは人との出会い
BOOK LIST
1982年、兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社工作社などを経てカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。梅田蔦屋書店の立ち上げから参加。これまでの主な仕事に同書店での選書企画「読書の学校」やNHK文化センター京都教室の読書講座「人生に効く!極上のブックガイド」などがある。「WEB本がすき。」(光文社)などで読書エッセイを連載。本と人をつなぐ「読書室」主宰。









