小説家で僧侶の瀬戸内寂聴さんと彼女の秘書である瀬尾まなほさんとの貴重な対話集です。
法話のような、説教のような話をしっかりとがっちりとまとめた本となっています。
まなほさんが寂聴さんに対して「考えるよりもまず体が動いている。深く考えずに行動している」などと、失礼なことをわりとズバズバ平気で語っています。
師匠と弟子のような立場に見えるお二人なのですが、心を通わせほぼ対等の立ち位置で主張しあいリスペクトしあい、互いに意見を戦わせているのをぼくは微笑ましく思いました。
このなかには、いくつもの金言がありました。
今世99年間生きてきた寂聴さんの優しくて愛溢れる思想が詰まっています。
日本人として生まれてきてよかったと。
多くの人が力漲る寂聴さんの言葉に触れて、各自でその意味を腹から感じ取れればよいかなと思います。
・見返りを求めないのが本当の愛情です。渇愛ではなく、慈悲の心で。
・他人の思いやることの大切さを説いた忘己利他。
・他人の幸せを喜べない人がいます。嫉妬は人間として醜い感情です。
・うまくいかないことを誰かのせいにするよりも。自分のことは自分で決めて責任を持ちなさい。
・他人と比べたり、過去を悔いたりしても、人は幸福にはなれません。
・当たり前のことなど、この世に一つもない。すべては有難いことばかり。
・小さなことで満足できる人は幸せです。本当に好きなことであれば、長く続けられえます
・好きなことがその人の才能です。何歳になろうが好きなことは見つかります。
・やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい。
・人は出会うべくして人に出会うものです。無理に出会いを求める必要はありません。
・いいことも永遠に続きません。さっさと環境を変えればいいのです。
・自殺は自分で自分を殺すこと。いただいた命を勝手に殺してはいけません。
・直感とやってきたことを信じて、自分が好きなことを貫き通す。
・「私なんか」と自分を否定せずに、「私こそは」と思って生きなさい。
2021年11月9日瀬戸内寂聴さんは別世界に旅立たれました。享年99。
亡くなる三カ月前、京都の寂庵で取材した内容を基にして著された本です。
作家 瀬戸内寂聴さんのご冥福を心からお祈りいたします。
<目次>
親愛なる先生へ
第1章 愛は見返りを求めません
第2章 周りの人の幸せを考えなさい
第3章 思うがままに生きなさい
第4章 この世は有り難いことばかり
第5章 ものごとは必ず変わります
第6章 やりたいことを貫きなさい
まなほのこと 瀬戸内寂聴
何も知らなかったまなほの成長を見ながら
寂聴先生のこと 瀬尾まなほ
私に勇気を与えてくれる心強い先生へ
瀬戸内寂聴
小説家、僧侶(天台宗大僧正)。1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。21歳で結婚し、一女をもうける。京都の出版社勤務を経て、少女小説などを執筆。57年に「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞を受賞、本格的に作家生活に入る。73年に得度し「晴美」から「寂聴」に改名、京都・嵯峨野に「曼陀羅山 寂庵」を開く。女流文学賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、泉鏡花文学賞など受賞多数。2006年、文化勲章受章。2021年11月9日に逝去、享年99
瀬尾まなほ
瀬戸内寂聴秘書。1988年、兵庫県生まれ。京都外国語大学英米語学科卒業。卒業と同時に寂庵に就職。3年目の2013年3月、長年勤めていたスタッフたちが退職し、66歳年の離れた瀬戸内寂聴の秘書になる。困難を抱えた若い女性や少女たちを支援する「若草プロジェクト」の理事も務めている。
