朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -8ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

健康は間違いなく重要であり、「自分らしく選択し生きる勇気」を持て!

かつての働き方のように、会社から与えられたものをただ有難く受け取るだけのような受動的な態度ではなくて、立場や場合によっては、これがしたい、これが欲しいという風な主体的で能動的に意思決定をしていくことが求められている時代になっていると思います。

人生100年時代であり人口減少少子高齢社会なので、たとえ60歳で定年を迎えても、そのあと70歳それ以降も働く可能性は十分にあります。その時々の状態に合わせて働くことが大切です。シニアが一定の収入を得ながら、自分らしく生き生きと豊かに暮らしていく取り組みが、日本の未来を切り開いていく原動力になります。

健康寿命と呼ばれている男性72歳若しくは女性の75歳まで、どのようにして世の中で役に立ち貢献をしていけるのかが、いまのぼくの課題です。

これまでの著書本もそうでしたが、今の著者の坂本貴志さんのモットーである客観的なデータや企業の実例、現場の生の実態を踏まえた諸々の考察を通じながら、再雇用や定年延長等のセカンドキャリア時において豊かで幸せに暮らしていける指針案を示してくれています。

定年後の生き方や将来のキャリアに悩んでいたり迷っている人にとっては、キャリアの再構築や働き方を見直すための方向性がわかってくる良本だと思います。

9P 

これからの時代、企業はミドルシニア社員にどう向き合っていけばよいのか。また、これから生じる市場環境の変化と合わせて、私たち個人はミドルシニアに家計とキャリアをどう考え、どう準備し、どう選択していけばよいのか。本書では、再雇用という選択肢を中心に、人生後半戦のキャリアの構造や家計の状態を俯瞰し、その選択肢についての見取り図を示して行きたい。

 

7P

かつて多くの人は60歳定年を機に引退し、多額の退職金と60歳からの一生の年金受給を行って、老後を送るという人生計画を描いてきた。しかし、このような画一的なモデルはもはや成り立たなくなっている。そうではなく、人生の限りある時間のどれくらいを仕事に費やすのか?また、どのような仕事で、どれくらいの強度で、いつまで働くのか。そして働くことで預貯金をどこまで積み増していくか。また、年金をいつから受け取るのか、その結果、老後の年金額をいくらにするのか。こうしたこと全てを、自身の家計状況や健康状態、自身の働く意欲は価値観に照らし合わせながら、自ら主体的に選択して行く必要性が生じているのである。

 

 

 <目次>

はじめに 坂本貴志

第1章 高齢期キャリアの構造

第2章 過渡期の継続雇用

第3章 働く社員が直面する家計と意識の構造変化

第4章 悩ましい年下上司との関係

第5章 人事制度改革の方向性―再雇用制度か、定年延長制度か

第6章 70歳雇用時代に向けた処方

おわりに 松雄茂

 

 

坂本貴志さん

リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。1985年生まれ。一橋大学国際・公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。研究領域はマクロ経済分析、労働経済、財政・社会保障。近年は高齢期の就労、賃金の動向などの研究テーマに取り組んでいる。

 

松雄茂さん

1986年リクルート入社。88年、現リクルートマネジメントソリューションズにおいて人材育成・コンサルティングの営業を行う。東海地区において、自動車メーカー、自動車部品メーカー、インフラ系企業など数多くの大手企業を担当。93年から企業の役員向けコンサルティングなどを行うコミュニケーションエンジニアリング事業を経て、首都圏の3000人超の企業を担当する営業部長、そして営業組織全体を統括する営業統括部長へ。約160名の営業系従業員のトップとして経営会議メンバーとなる。現在、2025年より独立をし、リクルートマネジメントソリューションズのパートナーとして、企業研修設計、コンサルタントを行う。

 

2025年は節目の年である。

「昭和100年」であり、「戦後80年」の年にも当たる。

また、阪神淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件から30年にもなる。

 

このような状況下、本格的に政権交代が起きるような時期に入ってきたのか。

これまで自民党内で疑似的な政権交代が行われてきたという視点が鋭く面白い。

池上さんによると、自民党の総裁選挙を経て別の人が選ばれたら、国民は、結果的にまるで政権交代したかのような錯覚に陥ってきたようだったという。

255P 自民党が長期政権を維持できた理由

日本は1955年以降は自民党と日本社会党(社会党)の2大政党による体制が続いて「55年体制」と呼ばれ、自民党が政権を取り続けていました。それが最近、自民党から民主党へ、民主党から自民党へと本格的な政権交代が起きるようになりました。

それでも自民党が長期政権を取っているのは、自民党が派閥の連合体で、それぞれの派閥によって考え方が違うからでしょう。1つの政党の中でも、考え方の違う人が自民党の総裁になると、それまでの自民党の方針とはガラリと変わることが起きる。

言ってみれば“疑似的な政権交代”になっているのです。

 

 

 <目次>

プロローグ 弱肉強食のジャングルに戻る世界

第1章 福音派とテクノ・リバタリアンの“ハイブリッド国家”へ

第2章 EUの試練

第3章 変わる中東のパワーバランス

第4章 転機を迎えた中国

第5章 核軍縮と逆行する世界

第6章 内憂外患の日本

エピローグ 「真理がわれらを自由にする」

おわりに 

主要参考文献一覧

 

 

池上彰さん

1950年生まれ。ジャーナリスト。名城大学教授、東京科学大学(Science Tokyo)特命教授、立教大学客員教授など複数の大学で教える。角川武蔵野ミュージアム館長。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年間、『週刊こどもニュース』のお父さん役として活躍。2005年に独立。いまさら聞けないニュースの基本と本質をズバリ解説。

 

【No1912】知らないと恥をかく世界の大問題16 トランプの“首領モンロー主義時代” 池上 彰 KADOKAWA(2025/06)

 

当時の刑事警察部門のトップであった警察庁刑事局長の垣見氏が口述した内容が主であった。

彼は、オウム事件捜査に一区切りがついた段階でけじめをつける必要があったとして地下鉄サリン事件などの責任を問われて更迭されていたのだ。

 

地下鉄サリン事件は、防げる可能性はあった。しかし、実際には悲惨な事件が起きてしまった。

このことから何を学ぶのか!

今後、同様の事件があった際には活用ができ行動が取れるかが大事。

307P オウム捜査に思うこと

警察はオウム事件の捜査について自ら徹底的に検証して教訓と課題を洗い出し、その後に生かす責任があると言える。

 

ビスマルク(19世紀ドイツの宰相)「愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ」この言葉は、個人だけでなく、政治・経済・社会などあらゆる分野に通じるものだと思う。

 

重要な物事の判断には「覚悟」が必要であり、実際の行動に移せれるかが肝要だと感じた。

273P 自治体警察という頸木

では、垣見でなかったら地下鉄サリン事件は防げたのか?

垣見は聞き取りの中で「より早い時期に捜索するという判断ができなかったのか」と語り、警察庁内の関係部局や警視庁、各県警の考えを会議等でまとめることに時間を割くのではなく、長官に直接進言すれば「より早い時期」は可能だったのでは、と悔いている。それができなかったのは「そこまでの覚悟ができていなかった」とも。その後悔はわかるし、警視庁の一部幹部が垣見の責任をことさら言い募る気持ちもわからなくはない。

しかし、これは個人の資質の問題に帰してしまえる事柄なのだろうか。

 

 <目次>

巻頭言 手塚和彰

はじめに 聞き取りの枠組みと手法 五十嵐浩司

第1章 松本サリン事件 1994年6月~10月

第2章 対オウム作戦の立案 1994年9月末~12月

第3章 事件の続発と態勢構築 1995年1月~3月

第4章 地下鉄サリン事件 1995年3月20・21日

第5章 教団拠点の大捜索 1995年3月22日~3月中

第6章 國松長官狙撃事件 1995年3月30日~5月

第7章 麻原逮捕およびその後 1995年5月~96年8月

第8章 オウム事件全体の評価(1)―なぜ早期に捜索できなかったのか

第9章 オウム事件全体の評価(2)―30年後に振り返る

付録 経緯の時系列表

垣見隆とオウム捜査 ある警察官僚の出処進退 五十嵐浩司

垣見証言の意義 吉田伸八

終わらない事件と本書の位置 後記にかえて 横手拓治

参考文献

 

垣見隆さん

1942(昭和17)年12月、静岡県浜松市生まれ。1965年、東京大学法学部卒業後、警察庁入庁。警視庁神田警察署長、福井県警察本部長、警察庁刑事局長、警察大学校長などを経て、1996(平成8)年、警察庁退職。1999年、弁護士登録。現在、第一東京弁護士会所属弁護士

 

【No1911】地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか 元警察庁刑事局長30年後の証言 垣見隆 手塚和彰 五十嵐浩司 横手拓治 吉田伸八 朝日新聞出版(2025/02)

人生を楽しく豊かに過ごしていくためにどうすればよいか!

ひとつのヒントです。

 

セカンドライフには、推し活がおすすめ!

自己肯定感があがって、生きがいにも連動する(らしい)。

特定の誰かを熱心に応援するこの推し活は、疑似恋愛のようで

心身の健康に良い影響を与えます。

 

ときめきやドキドキ感で若返り、ホルモンバランスを整える、脳の活性化で老化防止、快体験で免疫力アップ、ストレス軽減と気分向上、高齢期の不安解消、お金を使って経済の活性化へ貢献、認知症の進行を遅らせる 

等の効果が多いという。

推し活は、60代にならなくても、すぐいまからでもできますね。

 

 

また、和田先生によると、60歳以上になったら、仕事は「好きかどうか、楽しんでできるか、やりたいと思うか」で選ぶほうが今後の人生がより豊かになるそうですよ。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 「推し活」が与える健康への影響(60代からは新たな生き方を楽しむ、推し活による疑似恋愛が若返りをかなえる ほか)

第2章 幸福寿命と「推し活」の関係(「健康寿命」はただのアンケート調査、最も幸福度が高いのは82歳以上 ほか)

第3章 「推し活」で人生が変わった5人の物語(107歳のサッカーファン「命つきるときまでサッカーを楽しみなさい」、94歳のサッカー乙女「選手との出会いで蘇った青春」 ほか)

第4章 社会に広がる多様な「推し活」(「芸術への支援」は最も文化的で社会的意義のある推し活、心ときめく「趣味」の時間を持つ ほか)

おわりに

参考文献

 

和田秀樹さん

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。老年精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。

少子超高齢社会の状況下、家庭内での不慮の事故死は交通事故死よりも4.4倍も多く、高齢者の割合が9割を占めているという。

70代以上のシニア向けの家庭生活をしている中で日常の動作をどのようにすると体の負担軽減になるのか、怪我の危険やリスクを回避できるのかがイラストを使ってわかりやすく示されている。

特に高齢者の場合、些細な所作の見直しを行いながら、日ごろからひとつでも少しでも気にかけ気をつけるようにしていければよいのかと思う。

家庭内事故の主な死亡原因は、不慮の溺死および溺水、その他の不慮の窒息、転倒、転落、墜落が占めています。

こうした家庭内事故を防ぐために、日常生活における体の動かし方、起居、食事、排泄、入浴、外出など、日常の行動の際の留意すべき点といった見逃しがちな日常生活動作を徹底的に見直し、正しい姿勢や動作をまとめたものです。

 

ウォーキングなど運動して足腰が弱らないようにしていく。

脂肪燃焼作用が促進するのなら、スクワットなどの筋力トレーニングを先にしてから歩くことを心がけたいものだ。

103P ウォーキングとスクワット、どちらが先

筋力トレーニングからウォーキングの順序で行うと、体脂肪燃焼が促進されることがわかったのです。注目したのは成長ホルモンの分泌量です。筋力トレーニングからウォーキングの順に運動すると、その逆の場合に比べて成長ホルモン分泌量が5倍に増えることを発見しました。成長ホルモンは体脂肪燃焼させる効果を高めます。体脂肪の燃焼が促進されれば、その結果として突然死を防ぐ効果が期待できるのです。

与えられた人生を全うするために、スクワットや腕立て伏せなどの筋力トレーニングを十分ほど行い、その後にウォーキングを行うようにしましょう。

 

 

 

 <目次>

はじめに 

序章 日常生活を自分の体で豊かに過ごすために(日常生活動作とは?日常生活のための基本姿勢の取り方、日常生活のこんな場面あんな場面)

第1章 日常生活動作の取り方(居間での日常生活動作 座る姿勢1 あぐら、居間での日常生活動作 座る姿勢2 正座、居間での日常生活動作 床から立ち上がる ほか)

第2章 「日常生活動作の自立」を維持するためのエクササイズ(筋肉のエクササイズ、関節のエクササイズ、循環のエクササイズ)

 

 

湯浅景元さん

1947年名古屋市生まれ。中京大学名誉教授。日本体育学会名誉会員。中京大学体育学部卒業、東京教育大学大学院体育学研究科修了後、東京医科大学で学ぶ。体育学修士、医学博士。中京大学体育学部長や中京大学スケート部部長などを歴任。長年、スポーツ選手の動作解析・研究・指導に従事。ハンマー投げの室伏広治氏やフィギュアスケートの浅田真央氏など多くのスポーツ選手の育成にあたった。また大学で教える傍ら、研究成果を生かして誰にでも実践できる健康法の指導でも活躍。現在、スポーツコーチングと医療分野との懸け橋としての役割にも取り組む。テレビ・ラジオ出演、講演会多数

 

【No1909】家庭内事故死を防ぐ 図解でわかる日常生活動作事典 湯浅景元 徳間書店(2024/06)

新聞の片隅にしか掲載されないであろう5つの事件。

自宅で血を流した男性死亡―別居の息子を逮捕

マンション女児転落死―母親の交際相手を緊急逮捕

乳児遺体を公園の花壇に遺棄―23歳の母親を逮捕

男子中学生がはねられ死亡―運転していた75歳の女性を逮捕

高齢夫婦が熱中症で死亡か―エアコンをつけてない

 

悪魔や幽霊や怪物は、急に表立って出てこない。

こころがぞわぞわした。背中がぞくぞくとした。哀しくて不愉快であった。

目の前に見える表面的な結果だけで、けっして物事を判断してはいけない。

なぜエアコンをつけていなかったのか等裏に隠された動機や秘密を知ったなら……。

人命を奪ったり自死を選んだり、それらの事件に至るまでの背景や原因があった。当事者自身が事件に至る背景を理解していない気がしていた。

客観的事実を知るための事件が起きた背景や当事者の心情は、前半には触れられていない。

もしも主体的に真相を知ったならば、読者はどんな気持ちになるのか!物事を俯瞰し想像して考えてみたらよいのではないか。

 

 <目次>

プロローグ

夕焼け空と三輪車

そびえる塔と街明かり

ジャングルジムとチューリップ 

まだ見ぬ海と青い山 

四角い窓と室外機 

エピローグ 

 

 

辻堂ゆめさん

1992年生まれ。神奈川県藤沢市辻堂出身。東京大学法学部卒業。2015年『いなくなった私へ』で第十三回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞しデビュー。『十の輪をくぐる』で第四十二回吉川英治文学新人賞候補となる。22年『トリカゴ』で第二十四回大藪春彦賞を受賞

図書館の紹介コーナーで見つけた。

大学院は何をするところかわかる。

大学院という場が「問いを立てること」から始まる知的な冒険であることを丁寧に教えてくれる本だった。

自分に学ぶ欲求があるのかもしれない。

大学院では、問題になっている課題を見つける事から始まる。

修士論文には、新しい問いから新しい発見が必要だ。

先行研究をしっかり調べる。何が既知なのかはっきりさせる。そうでないと何が新しいのかわからない。何がすでに明らかになっているかを調べることで、自分の問いがどこに位置づけられるかが見えてくる。

どんな心構えで臨めば良いのか、先行研究にどう向き合うのか、研究するために前提となる知識とはなになのか、知識を得るために何を学んでおけば良いのか……等々。

指導教官の助言をそのまま取り入れるだけではいけない。鵜呑みにせず咀嚼し検討をし意見があれば論理的に反論すべきであり、ただの受け身ではいけない。

対話と検討を重ねることで研究が深まる。

深く狭く掘り下げて学びたい人にとっては面白そうな場所だ。

大学までしか知らない人にとっては、新鮮な響きであり主体的な驚きであった。

 

 <目次>

はじめに 本書の目的 社会人院生としての経験 社会人と大学院教育 本書の特徴 大学教員のみなさんへ

第1章 大学院は何をするところ?(大学院で学ぶ意味、なぜ修士論文を書くのか、なぜ大学院で学ぶのか)

第2章 大学院生活の知恵(入学前準備篇、入学後にしておくこと、1年目の研究生活の心得 ほか)

第3章 修士論文を執筆する(論文を書き始める前に、伝える技術、レジュメの作成 ほか)

社会人院生に薦める参考文献

あとがき

 

齋藤早苗さん

2018年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。徳島大学卒業後、三井生命保険(現・大樹生命保険)で職域営業を担当。在職中、LIMRAより国際継続率優秀賞(International Quality Award)を受賞。その後、山口県東京物産観光事務所で物産の宣伝・販売、日本看護協会で各種委員会運営事務局などを担当後、退職し、一橋大学大学院社会学研究科修士課程に進学。修了後、現在まで、都内大学編入・大学院予備校で論文講師、受験指導にあたる。

拉致被害者本人が著す24年にも及ぶ北朝鮮での生活を思いのほか克明に記したものであり、拉致という現実を当事者の視点から静かに語られた一冊でした。

読書を通じて、これまで知らなかったことやいままで考えてこなかったことに向き合う時間となりました。

この本を読んだことで、日本人は、日本人が拉致されたことをどう受け止めるべきなのか、そんな問いが心に残っています。

 

 <目次>

はじめに ある人の言葉

1 問題は決して「解決済み」ではない(「八人死亡」は事実か、変遷する説明―横田めぐみさんをめぐって)

2 日本人拉致の本当の目的(直接の目的は何だったのか、世界各地で発生した事件)

3 拉致は北朝鮮に何をもたらしたのか(果たされなかった目的、まず「拉致」ありきの発想、計画を頓挫させたもの)

4 変容する思想教育(工作員育成のための「マインドコントロール」術、育成放棄後の思想統制)

5 独裁下を生きるということ―私に与えられた「革命任務」(一二人の工作員に日本語を教える、書庫での発見、異質な任務、動き出した事態)

おわりに 重層的な人権問題として

日本人拉致 関連年表

 

蓮池薫さん

1957年、新潟県柏崎市生まれ。新潟産業大学特任教授。中央大学法学部3年在学中の1978年に拉致され、24年間、北朝鮮での生活を余儀なくされる。帰国後、同大学に復学し卒業。拉致問題の啓発と解決のため、講演活動やメディア発信を積極的に行なう。

 

親は子を看護する義務はあるが、子は親を介護する明確な義務にはなっていない。

肉親や家族間でのトラブルはできるだけ避けたい。

遺産総額が5千万以下で約8割に相続争いが発生している。

兄弟は他人の始まりと言うが、思うに両親からの相続時に財産の価値も考慮しながらも、血の分けた兄弟姉妹の間で悲しい骨肉の争いは避けたいもの。

 

この著者は、相続で裁判になって苦労の末、兄弟の絆を断ち切り縁を切ったのも当然の状態となっていた。

兄弟姉妹がいる人で、ある一人が主に介護をした場合でも相続時にその労苦が反映や考慮がされない事例、家庭裁判所で介護費用が公平に扱われなかった事例、兄弟姉妹の間に弁護士が入り法定相続分の要求がされていた容赦ない事例などがあった。

 

このような良くない事例を避けるためにはどうすればよいのか。

できればそうならなければ良いが、仮にそうなっても大丈夫なよう生前からの用意が必要であろう。

例えば、生前贈与や公正証書での遺言書を作成し親の意思を反映しておく等、事前に準備をしておくことが必要なのかと感じた。

 

 

5P

この本を執筆するにあたって、介護を経験した方たちに多数取材をさせていただいたが、かなりの方が異口同音に語られたのは「自分が看ることになったら、他の兄弟姉妹たちはあっさり逃げてしまった」というナマの声であった。そして、そのうち相当数の人たちが「いざ親が亡くなると、もう介護の必要がなくなった他の兄弟姉妹は、自分の相続権を主張してきた」と語っている。著者も似た経験をした。

 

 

44P 介護は終わりが見えない

兄弟姉妹が仲良く平等に介護を分担したというケースは、現実には少ない。誰かが主な介護になっている場合がほとんどと言ってもよい。そして介護しなかったものに限って、相続は平等を主張する傾向があることは否めない。「介護は少なめに、相続を多めに」という自己中心の発想者は多いのである。

介護から逃げるだけ逃げておいて、相続財産についてはどんどん権利主張をしていく。そのためには手段を選ばない。そういう兄弟姉妹に対して、どう対処して行ったらいいのか。それが本書の主な目的である。

 

 

147P 再び家族による介護の時代が到来するのだろうか

女性の就業率は増えており。子世代の親を介護することは、男性の大半が、そして女性の多くが離職することにつながる。

それなのに、現在の法制度のスタンスや裁判所の考えが、家族の介護は家事の延長線上に置かれ、ボランティア扱い同然で本当にいいのだろうか。

介護退職は介護のための明らかな経済的損失と言えそうだが、それを相続財産から補填するという発想は今の裁判所にはないし、法律の定めもない。

 

 

 <目次>

まえがき

序章 「きょうだいは他人の始まり」か?

第一章 相続争いの現実

第二章 親孝行をした者が受けた現実―実例を踏まえて

第三章 法律や裁判所はどう考えているか―親孝行はボランティアなのか

第四章 調停と裁判の現実

第五章 社会問題としての介護

第六章 もし自分が要介護者の立場となったなら

第七章 介護からの逃げ得を防ぐために

終章 立法・司法への提言

あとがき

参考文献一覧

 

姉小路 祐さん

1952年京都市生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)法学部卒業。高校社会科教員をしながら、’91年に第11回横溝正史賞を受賞。2008年、親の介護のために高校教員を退職する。

 

【No1905】介護と相続、これでもめる!不公平・逃げ得を防ぐには 姉小路 祐 光文社(2025/04)

金八先生やドラゴン桜などの学園ドラマの変遷を通じて、学校、教育、世相などを鑑みていく発想が面白いと思った。

 

「歌は世につれ、世は歌につれ」のことわざが頭に浮かんだ。同様に「学園ドラマは世につれ、世は学園ドラマにつれ」だ。

 

5P

本書は、学園ドラマ、その中でも「先生モノ」と呼ばれる作品が、現実世界のどんな話を反映して作られているのか、また逆にフィクションがどのように現実に影響を与えたのかについて、みなさんと一緒に概観するものです。

 

生徒と先生の間には、時代が変わってもいつの時代にも信頼関係が大切だ。

この文章が終わりに書かれてあったのがとても印象に残った。

205P

結局どんなに時代が進んでも、どんなに教育が変わったとしても、生徒と先生の信頼関係がいらなくなることはあり得ないんです。

 

あの金八先生はこんな人だった!?

55P 金八先生的テンプレート

1 不良生徒問題行動を起こす生徒が現れる。

2 その生徒が不良行為問題行動を起こすようになった原因は、大人や別の先生にあり、そうした生徒は、大人や先生という存在を最初は信じていない。

3 金八先生的な存在が、その生徒と向き合い。徐々に生徒がこの先生は違うと考えるようになり、問題が解決して行く。

 

 

 <目次>

はじめに 

第一部 ドラマの教育監修とは

第二部 学園ドラマが描く先生と教育(学園ドラマが産声を上げた1970年代、1990~2000年代のファンタジーな学園ドラマ、2000年代以降のいじめ問題に関するドラマ、2000年代後半以降の受験モノの誕生と、学校の先生以外の先生がフィーチャーされる学園ドラマ、2010年代以降の受験の矛盾を語る教育ドラマ、2010年代以降の教員を普通の人間とするドラマ、2020年代以降の最新の学園ドラマ、次に来る学園ドラマ、先生モノとは)

第三部 学園ドラマに見る“未来の先生像”とは(西岡壱誠×中山芳一)

おわりに

 

西岡壱誠さん

東大生、株式会社カルペ・ディエム代表、日曜劇場「ドラゴン桜」監修。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指し、3年目に合格を果たす。在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施し、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。

 

 

【No1904】学園ドラマは日本の教育をどう変えたか 熱血先生から官僚先生へ 西岡壱誠 笠間書院(2025/05)