新聞の片隅にしか掲載されないであろう5つの事件。
自宅で血を流した男性死亡―別居の息子を逮捕
マンション女児転落死―母親の交際相手を緊急逮捕
乳児遺体を公園の花壇に遺棄―23歳の母親を逮捕
男子中学生がはねられ死亡―運転していた75歳の女性を逮捕
高齢夫婦が熱中症で死亡か―エアコンをつけてない
悪魔や幽霊や怪物は、急に表立って出てこない。
こころがぞわぞわした。背中がぞくぞくとした。哀しくて不愉快であった。
目の前に見える表面的な結果だけで、けっして物事を判断してはいけない。
なぜエアコンをつけていなかったのか等裏に隠された動機や秘密を知ったなら……。
人命を奪ったり自死を選んだり、それらの事件に至るまでの背景や原因があった。当事者自身が事件に至る背景を理解していない気がしていた。
客観的事実を知るための事件が起きた背景や当事者の心情は、前半には触れられていない。
もしも主体的に真相を知ったならば、読者はどんな気持ちになるのか!物事を俯瞰し想像して考えてみたらよいのではないか。
<目次>
プロローグ
夕焼け空と三輪車
そびえる塔と街明かり
ジャングルジムとチューリップ
まだ見ぬ海と青い山
四角い窓と室外機
エピローグ
辻堂ゆめさん
1992年生まれ。神奈川県藤沢市辻堂出身。東京大学法学部卒業。2015年『いなくなった私へ』で第十三回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞しデビュー。『十の輪をくぐる』で第四十二回吉川英治文学新人賞候補となる。22年『トリカゴ』で第二十四回大藪春彦賞を受賞
