朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -79ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

毎週メルマガで発行している「ニュースに一言」の原稿をまとめたものだ。

世のなかを騒がせた様々な事件を取りあげて百田さんの想いが述べられている。

痛快で十分楽しめる内容だった。

3P「人間の業」

「業」とは、仏教やバラモン教の「カルマ」に由来する言葉、「行ない」という意味でしたが、「前世の善悪の行為によって受ける報い」と捉われ、「理性によって制御することができない心の働き」という意味となっています。

つまり、頭でいけないことと理解していても、その行為を止めることができないとき、私たちはそれを「人間の業」と呼びます。

わかりやすく言えば「分かっちゃいるけどやめられない」というやつです。

 

コロナウイルスやワクチン接種に関する記事を取りあげてみた。

毎日罹患者の数が報道されている。関係者がその数を把握すればよいのでは。

だから、もうそろそろ数の報道は止めたらよいのでは。

新型コロナウイルスに対する国民へのワクチン接種政策は、コロナウイルス罹患者が減らないことから、どちらかというと成功しているとは言えないだろう。

重症化を防いでいるかどうか、自己免疫力でじつは防いでいるのでは?

よく分からない内容が入ったワクチンを打つことで、いつか将来人間の体に悪い影響があるものかどうか……など、杞憂であればよいが。

 

コロナワクチンに関するいろいろな情報が関係者だけが持っていて、重要なことが開陳されていないか情報が少ない。

 

体に基礎疾患がある人以外の方は、重症化するリスクが低いとするなら、頭痛や倦怠感などのひどい副反応を避けたいために、お上の言われるままにはワクチンを打たない!という各個人の選択肢も大いにありだと思った。

 

37P ワクチンはゴールではない

もう一度言います、私は決してワクチン否定派ではありませんし、その効果もおそらくある程度はあるだろうと認めています。ただ、無条件に受け入れるのにはもう少し時間と判断材料が必要だと思っています。そして最後の判断はあくまで個人が行うもので、それは尊重されなければなりません。これを認めないのは、最も避けなければならない全体主義にほかならないからです。ワクチンはコロナ禍終息のための手段だったはずが、いつの間にかワクチンを打つこと自体が目的になっているのは、滑稽以外のなにものでもありません。

 

44P ワクチン一辺倒に異議あり

奈良県五條市の中学校で教諭が生徒に新型コロナウイルスワクチンを接種したかどうか調べていたことがわかり、学校が生徒らに謝罪するとともに市教育委員会が再発防止に努めることを表明したというニュースが2021年9月にありました。

ワクチンを接種するしないは本来自由であるべきで、その差により最も公平でないといけない学校が生徒への対応を変えるなんてことはあってはなりません。また接種の有無はそれこそ“個人情報”の最たるものです。

 

59P ワクチンについての私の結論

ワクチンができる前は「ワクチンさえ完成すればコロナは終息する」と多くの人が信じていましたが、今やワクチンはコロナに罹らないためのものではなく、良くて重症化を防ぐことができるに過ぎないものと考えられています。ですから端から重症化のリスクの低い人にはワクチンの必要がないと言っているのです。

私はコロナがどんな病気か分からない時期には絶対に罹らないようにすべきだと考えていましたが、やがて過度に恐れるに足らないとわかってからは、それよりも優先するものがあると主張してきました。

ワクチンは“絶対的完成品”でなければならず、途上ではいけないのです。その意味では一回目、二回目とよくそんなわけもわからないものを平気で自分の身体に入れられたものだと感心します。

コロナとの付き合いも長くなりました。これからは言われるままでなく、自身で最良の選択をしていくべきです。政府は三回目接種が進まないと嘆いていますが当然です。国民は日々学習しているのですから。

 

 <目次>
まえがき
第1章 世に阿呆の種は尽きまじ
第2章 コロナというバカ発見器
第3章 図々しいにもほどがある
第4章 友愛の限界
第5章 現実は時に想像力の先を行く
第6章 正義の味方は厄介だ
第7章 この美しき世界
第8章 納得いかん
第9章 渡る世間は反面教師ばかり
あとがきに代えて

1956(昭和31)年大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。『海賊とよばれた男』(第十回本屋大賞受賞)等著書多数
ほかの著書に「アホか。」など。

前回に引き続き、樋口さん本です。

人生100年時代に面白く楽しく生きていくために、老いを素直に受け入れて、周りのサポートにも常に感謝していくことかな。

気づいたことで言いたいことがあれば、できれば樋口さんのようにハートフルな気持ちを持って相手に伝えていく姿勢は貫きたいなと。

 

トイレの手すりの件は、なるほどな。

ペーパーホルダーがときどき壊れているのは、お年寄りが思わず掴まってしまうのが原因だったのだ。

新幹線のトイレの手すりは、いろいろな動きにも対応できるようしっかりして設置されている。

 

髪は薄くなるので染められる髪があればそうすればよいかと。

・白髪は潔い、されど黒髪は凛々しい

 

自分が楽しめないと、相手には決してその楽しさが伝わらないものだ。

・年を取ったら男は「学力」より「楽力」。

学力があって、物事を多面的に楽しむ力、楽力のない人は自分も楽しくないし、他人を不愉快にさせるばかり。

 

相談できる・信頼する相手を見つけないと。まず。

・相談することで身につく4つの効用。

1 自分の立場や問題点を整理できる。客観視する力

2 別な考え方もあることに気づく。いろいろあらアな

3 今の世の中と自分の悩みとの関連を知り、自分だけの問題ではないとわかる

4 人生100年時代、新しい情報が得られる。

 

毎日の言葉が、その人を造っていきます。

言葉を変えて、優しくて広い心で機嫌よく生きていこう!

・人生100年を機嫌よく生きるヒグチ流・魔法の言葉

1 いろいろあらアな

2 ま、いいか

3 ほどほどに

 

 <目次>

はじめに いよいよ90代。いざヨタヘロ盛りへ!

第1章 必要に迫られた私の老化対策

第2章 忍び寄る老いをはねのけ、おしゃれを忘れず

第3章 家族だけでなく「共立ネット」も作ろう

第4章 おひとりシニアの元気になるコミュニケーション術

第5章 その年齢になってみないとわからないこと

第6章 人生100年時代、祖母力の役立ち方

第7章 娘がどんどん強くなる!

おまけ 人生100年を機嫌よく生きるヒグチ流・魔法の言葉

おわりに 高齢者よ!夢を語ろう、伝えよう

 

1932年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て評論活動に入る。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、東京家政大学名誉教授。内閣府男女共同参画会議の「仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会」会長、厚生労働省社会保障審議会委員、地方分権推進委員会委員、消費者庁参与などを歴任

やらないで後悔するよもやってみる、老いらくの恋は秘すれば花、

「こそこそ」だから「見て見ぬふり」が成り立つ、傷つく人の少ない道を選ぶ、

健康に気をつけて愉しく、大人になってからの生き方は子ども自身の責任、

加齢臭年代も言われれば清潔に気をつける、長い人生過ぎたことは置いて前を向く、

異文化の背景を持つ人だと思ってあきらめる、他人の評価を受け流す覚悟を持とう、

親しき仲にもけじめありが長持ちさせる、高齢世代の人間関係のコツは「ま、いいか」

 

ぼくは、樋口恵子さんのような大人のなかの大人がいてほしいと思います。

豊かな人生経験を積んだご長寿が必要な時代だから。

 

かつて数十年前までは三世代同居があり、家にいるおじいちゃんやおばあちゃんに悩みを相談したり、顔色が悪ければ心配して近所のおじさんやおばさんから勝手にお節介焼きされ貴重なアドバイスをもらうことができました。

 

ワンクッション置いた人。人生経験を踏み客観的に世の中を見て考えれる人です。

また身近な人生の先輩たちから貴重な助言があって助けられ頼れるような存在がいたものでした。

 

現代は、それなりに悩み多き時代です。

その人にとって一言で、救われるのならば。

 

90歳の樋口さんが30代の孫のような年代から、50代、60代の子どものような世代、70代ぐらいの姉妹のような女性の方たちから、お金、家族、介護、生きがいなど、人生の多岐に渡る悩みに誠実でハートフルに答えていました。

 

いつか樋口さんのように的確で温かいアドバイスができる人になることができれば

 

 <目次>

まえがき

第1章 生きがい―人生100年、希望を持って

第2章 お金―老後のためにも財布を守ろう

第3章 介護―どうか一人で悩まずに

第4章 恋愛―人生後半の恋愛マナー

第5章 親の立場―子の態度に物申す

第6章 子の立場―ムズカシイ親との距離感

第7章 きょうだい―割り切れない気持ちをどうするか

第8章 夫婦―我慢とあきらめのはざまで

第9章 嫉妬・義理の家族―親戚づきあいは覚悟次第

第10章 友達・近所づきあい―思わぬ「気づき」もある

おわりに あとがき エピローグ

 

1932年東京生まれ。東京大学文学部卒業。時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て、評論活動に入る。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。東京家政大学名誉教授。同大学女性未来研究所名誉所長。日本社会事業大学名誉博士。内閣府男女共同参画会議の「仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会」会長、厚生労働省社会保障審議会委員、地方分権推進委員会委員、消費者庁参与などを歴任。

 

【No1200】老いの玉手箱 痛快!心地よく生きるヒント100 樋口恵子 中央公論新社(2022/08)

 

低所得の原因のひとつには、非正規雇用の増加が平均所得を下げているのがある。

書かれてあることはしごくごもっともであり、言い古されている内容で目新しさはない。

 

例えば、就業者の組織間流動性を高めるために年功序列的な賃金体制と退職金制度を改めたり、労働者一人ひとりの能力を高めるためのリカレント教育の充実、パートタイマーの労働時間を抑制している「○○万円の壁」といった税制の見直し、中小企業のデジタル化など、言い古されている政策の多くがうまく機能できていないことがいまの日本の現状につながっているのであろう。

 

198P 賃金を上げるための、たったひとつの道

他国の賃金が上昇していく中で日本の賃金は停滞しており、取り残されている。

「就業者一人あたりの付加価値(生産性)」を引き上げることが必要だ。

そのためには、企業が新しい技術を開発し、新しいビジネスモデルを見出す必要がある。また、日本の産業構造を新しくする必要がある。

日本の社会の仕組みを根底から改革しなければならない。

 

233P 日本にとって最も重要な長期的経済課題

高い付加価値を生む企業を作り、それによって持続的な経済成長を維持することだ。

 

 <目次>

はじめに 毎日、勤勉に働いているのに賃金が上がらない

第1章 シリコンバレーの技術者は年収1億円

第2章 これでいいのか日本いまや韓国より低賃金

第3章 賃金を決めるのは、企業の「稼ぐ力」

第4章 あなたの給料は、日本人の平均より高いか?

第5章 賃金格差はなぜ生じるのか?

第6章 物価は上がるが賃金は上がらない

第7章 どうすれば日本人の賃金を上げられるか?

あとがき 人の生くるは、パンのみによるにあらず

索引

 

一橋大学名誉教授。1940年生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年イェール大学Ph.D.取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。専門はファイナンス理論、日本経済論

 

【No1199】どうすれば日本人の賃金は上がるのか 野口悠紀雄 日経BP日本経済新聞出版(2022/09)

出る杭は打たれるが、出過ぎた杭はなかなか打てない。

 

国民の約8割が2回以上のワクチン接種をしたにもかかわらず、新型コロナが終息する兆しは、いっこうに見えない。

それどころか第7波が到来し感染は拡大している。

ワクチン接種が始まって以降、日本国内の死者数は増加している。

これはもう、「このワクチンを含むコロナ対策は失敗だった」と総括せざるを得ない状況ではないのか。

 

ワクチン後遺症など、健康や命を損なう可能性があるような情報については別格だと思う。

たとえそれが少数の意見であっても、なぜ批判を受けてでもそれを伝えたいのか!

その理由を知りたい。

 

230P

ワクチン接種が行われるとともに、新型コロナワクチンの副反応や死亡疑い事例がこれまでのワクチンとは比較にならないほど数多く報告されました。しかし、世の中はこのワクチンの負の側面について議論することは一切許されない風潮でした。

かつての原発安全神話論。

危険性を指摘すること自体タブーとされていた頃があった。

貴重な歴史からの人の叡智を学ばないと。

原子力発電所に事故が起きていたのにも関わらず世間には伝わってこなかった。

当然として原子力を使うので被ばくの危険はある。海岸の傍にあれば、津波で沈む危険性は必ずあるのだが。

 

一部の情報を遮断したり妨害されることなく、賛成、反対、中間などの多様な意見を集めて、ワクチンを打つことや打たないことの選択がある。

強制ではなく、最終的に各人が判断すればよいのではないかと思った。

 

7P

2022年5月、欧米で「サル痘」のヒトへの感染が見つかり、新たなパンデミック(世界的大流行)の発生が懸念されています。サル痘に限らず、今後も新たなウイルスが世界的に流行し、新型コロナのようなロックダウンやワクチン接種が強要されるかもしれません。

そんなときに、ウイルスの恐怖に駆られてパニックに陥ってしまうと、本当は安全でも有効でもないワクチンを慌てて打ち、後悔するハメにならないとも限りません。

だからこそ、政府、医療界、マスコミが流す一方的な情報を鵜呑みにせず、反対の意見も含めて多角的な情報を得る努力をすること、それらを総合的に吟味して、冷静に行動することが大切です。

 

 <目次>

はじめに

第1章 コロナワクチンの「正体」(集団免疫は獲得できなかった、集団免疫に懐疑的だったワクチン研究者たち ほか)

第2章 コロナマネーの深い闇(安全性に関する議論は尽くされたのか、新型コロナは「賭け」に出るべきウイルスではない ほか)

第3章 マスコミの大罪(「ワクチンの話はしないでください」、政府の情報を垂れ流しているだけ ほか)

第4章 コロナ騒ぎはもうやめろ(形骸化している感染対策、アルコール消毒液に含まれている「不純物」 ほか)

おわりに

 

宮沢孝幸

1964年、東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。京都大学医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授。1990年、東京大学農学部畜産獣医学科卒業、獣医師免許を取得。東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻で動物由来ウイルスを研究。東大初の飛び級(修業年限短縮)で博士号(獣医学)を取得。英国グラスゴー大学博士研究員(日本学術振興会海外特別研究員)、東京大学農学部助手、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)名誉研究員、大阪大学微生物病研究所エマージング感染症研究センター助手、科学技術振興機構(JST)さきがけ研究21(PRESTO)チームリーダー、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授、京都大学ウイルス研究所助教授などを経て現職

 

鳥集徹

1966年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部社会学科新聞学専攻卒。同大学院文学研究科修士課程修了。会社員・出版社勤務を経て、2004年から医療問題を中心にジャーナリストとして活動。タミフル寄附金問題やインプラント使い回し疑惑等でスクープを発表。『週刊文春』『女性セブン』等に記事を寄稿してきた。2015年に著書『新薬の罠 子宮頸がん、認知症…10兆円の闇』(文藝春秋)で、第4回日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞

 

素のままで学生から卒業して、即会社に就職してきたこれまでの足跡を振り返ってみると、まさしくベルトコンベアーに乗ってきたか、エスカレーター式レールのうえに乗り、わき道にそれずに真面目に大きいな道を歩いてきた感がある。

それが気持ちも生活も楽だったことは否めない。

自分の足で大地を踏みしめ、地べたに足をつけて山を登っていきたい。

はっと気づいてこれから将来に向けて、素足で行動に移していっても遅くはないだろう。

111P エスカレーターを降りて途方にくれる人々

今の日本は、一生、エスカレーター人間であるという人口が半分ぐらいを占めている。きわめて不自然、不健康な社会である。偉そうな顔をしているエリートたちもまったくエリートとしての力量を欠いている。だいたいエリートとは生存競争を勝ち抜いた人のことである。

(中略)

エスカレーターには終わりがある。そんな当たり前のことすら、わからない人間が大部分である。退職になり、エスカレーター終りとなったら、どうしてよいかわからない。うっかりしなくても、エスカレーター症候群にやられる。体がおかしくなる。心もすこし変になる。病気になるが、治してくれる医学はないから、老化するほかはない。

若いときから、自分の足で歩き、階段を登って生きる人は、五十になれば、知命、つまり、一人前の大人になることができる。生活賢者である。

 

艱難辛苦が人を育てるのは、古今東西当たり前、勿論のことだ。

エスカレーター人間であって、外山さんのいうような「こども」だったかもしれない。

いつまでも一人前にならない大きなこどもが増えたという外山さん。

「おとな」にならなければいけないと思った。

手おくれになる前に大人になる努力をし始めなければ。

113P 苦労という月謝が人を育てる。

イギリスの哲人、トーマス・カーライルは、「経験は最良の教師なり」といった。学校の先生ではない。

さらに、「ただし、月謝がひどく高い」と付け加えたのである。つまり、失敗、不幸、難苦などの経験が、人間を育てる最大の力である、というのである。

エスカレーターは月謝が安い。それだから、いつまでものっていていかにも上へのぼっていくように見えても、のぼっていく力がつくわけではない。

むしろ、自力を失ってしまう。エスカレーターの上で転ぶのは容易ではない。階段なら、転んだり、足をすべらすことは、それほど難しくない。

転んで、痛い目にあって、立ち上がってまた、歩き出す。それが大人である。エスカレーターにのって喜んでいるものはもののわからないこどもであると言ってもよい。

学校は、そういう未熟なエスカレーター人間を育てて、文化の基盤であるような顔をしてきたのである。

 

 <目次>

はじめに 

1 大人の生活

2 大人の会話

3 大人の作法

4 大人の育成

5 大人の愛情

6 大人の苦労

7 大人の知性

対談 年を取れば取るほど楽しいことばかり―大事なのは、失敗すること(加藤恭子×外山滋比古)

未来はわからないから面白い―人生100年時代を生きる

 

1923年、愛知県に生まれる。東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。文学博士。雑誌「英語青年」の編集長を十年余り務めた。東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。2020年7月、逝去

著書に「日本語の論理」「日本語の個性」「思考の整理学」など。

なぜお金には価値があるのか?

物価はいつ上がったり下がったりするのか?

誰がどうすれば景気がよくなるのか?

東大生が、日本や世界のお金の動きを「100人の島で起きた出来事」としてまとめ、わかりやすく解説している。

 

『世の中の共通認識として「税が財源ではないこと」、「大事なのは、お金の数字の大きさではなく、人や技術や実用的なモノであること」がきちんと理解されるようになると世界は変わる。』

 

多くの人が抱えている簡単ではない経済の問題があり。

それを分かりやすく説明し理解しやすく例えを用いて説明しているので中学生でも経済の仕組みを理解できるような内容でした。

 

現代社会はいかに成り立っているか、そのためには何が大事なのか、改善するにはどうすればよいかを考えるきっかけとなります。

 

白か黒ではなく、中間やグレイもあると思います。

資本主義なのか?社会主義か?

そんな両極端ではなく、その真ん中を取るとか、それぞれのよいところ取りができたら、過ごしやすいよい世の中になるのではないかと思いました。

 

274P

なんでも競争!の完全弱肉強食社会ではなく、平等にしようとする税ルールや弱い人を助けるルールなど、社会主義のような面もあります。

資本主義と社会主義はどっちがいい?というのは、テレビの音量は0と100のどっちがいい?のような極端すぎる質問です。

どちらかを選ぶ必要はありません。

テレビの音量を0から100のちょうど良いところに設定するように、ちょうど良いところを探せばいいだけなのです。

そのちょうど負いところが、私たちがめざす「持続可能な経済システム」です。

 

極端がいけないのではないかな。一部への極端な富の偏在など。

283P

格差がどんどん拡大していく状況は、持続不可能であり、修正が必要だということです。

今地球上には、現在の人類全員が生きていくために必要なだけの食料・モノ・サービスがあります。だから役割分担と分配さえうまくできれば、物理的にみんなが暮らしていくことは可能です。

格差が広がりすぎない、持続可能な状態を達成できる仕組みを考える必要があります。

 

日銀が引き受けるなど自国通貨建ての債務であるからこそ。こういう考えになることを納得しました。

88P 国の赤字は民間の黒字

「日本の借金が○○兆円」とニュースなどでよく見ます。

この借金というのは債務のことです。

このときの国の債務量とは、「累計通貨発行量」を表しているだけです。

つまり、国の債務として「100万円」と記録されたとき、世の中に現金「100万円」の紙幣が誕生・供給されて、誰かが現金「100万円」を手に入れていることになります。

「国の赤字(債務))」とは、「民間の黒字」です。自国通貨建ての債務は、いくら増えても「債務不履行」になることはありませんし、増えてダメなものではありません。むしろ国の債務が増えないと、民間の黒字が増えないからです。

「国債とは、金利を除けば、ほとんど現金と同じもの」

 

 <目次>

はじめに

1 ケイザイ以前の話

2 国家とお金

3 国の役割と政府のお仕事

4 景気と物価

5 投機と債券

6 貿易と為替

7 課題と未来

おわりに

 

ムギタロー

1994年生まれ。福島県出身。経済評論家。社会基盤学や粉粒体物理学を専門とする研究者。2013年県立福島高校卒。2017年東京大学工学部卒。2022年東京大学工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)取得。YouTuberとして、現代貨幣理論を中心とした最新経済学を一般向けにわかりやすく解説することに定評がある。ポエトリーラッパーとしても活動中

 

井上智洋

経済学者。駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。IT企業勤務を経て、早稲田大学大学院経済学研究科に入学。同大学院にて博士(経済学)を取得。2017年から現職。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論

 

望月慎

一般社団法人経済学101所属翻訳者。2013年「望月夜」名義で経済ブログ活動開始。主にマクロ経済学、マクロ経済政策についての論説を中心に展開。2017年には一般社団法人経済学101に参加し翻訳活動開始。「MMT四天王」と称される論者の一人

 

【No1196】東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった! ムギタロー 井上智洋/監修  サンクチュアリ出版(2022/08)

人生は、「初心忘るべからず」

人は、悩む動物です。

ときどき、迷うと立ち止まって考えてみることが大切かと思います。

そもそも会社とはなにか?働くとはなんぞや?人生や社会に向けて自分は何をしていくべきなのかどうか!等々。

働く意味は、若年層でも壮年になっても老年になってもいくつになっても変わらない普遍性があると思うのです。

この本は、まさしく池上彰さんから働き始めた若者たちへの熱いメッセージだったのですが、いまのぼくにとってもなにかしら意味がある役立つ内容でした。

池上さんのお蔭で基本に立ち戻って考えることができたことはよかった。

「会社員であっても、会社とはまったく別の世界を持ってほしい」という最後のことばが心に響きました。

ぼくは、間違っていなかったのだ。

それに気づいて実践しているから。

人生は、「終わりよければすべてよし」

 

186P 働くことは自己実現だ

あなたの仕事によって、喜んでいる人がいるなんて、とても素敵なことだとは思いませんか。自分が働くことによって、喜ぶ人がいる。社会のために役立っていると実感できる。社会の中で、自分を必要としている人たちがいることを知る。これが、「自己実現」なんだろうと私は思うのです。

人間は「社会的存在」です。社会の中で、自分の存在価値を確かめることで生きていくことができるのです。あなたが働くことで、社会の中に、あなたの生きていける場所が見つかります。

 

188P 会社員であっても、会社とはまったく別の世界を持ってほしい

会社人生は、やがて終わりのときが来ます。定年退職した後の人生が、これまた長いのです。その長い人生を「余生」として送るのか、そのとも「新しい第二の人生」として過ごすのか。それを決定するのが、会社での生き方です。会社の生活だけがすべてなんて、寂しすぎます。もう一つの人生を持ってほしいのです。つまり、会社での一日の仕事が終わった後の夜の時間をどう過ごすのか、土曜日・日曜日・休日をどう過ごすのか、ということです。

この時間を会社の人たちだけと過ごしていれば、世界が狭くなってしまいます。会社とは全く別の世界は、趣味の世界であったりするのでしょう。世のため、人のためのボランティアかも知れませんね。そんな確固たる人生を持っていれば、会社を辞める時(やめさせられたり、リストラされたり、定年退職だったり、円満退職だったり、いろいろありますが)、そのときに、もう一つの人生が本格的に始まるのです。

「会社だけが人生です。これがすべてです」ということにはならないでほしいのです。

これが会社員からフリーのジャーナリストへと第二の人生を歩んできた私からのメッセージです。

 

 

15P 会社は何を目的として存在するのか?会社はお金を儲けるために存在する。

もうけたお金が回れば、家計や政府にもお金はめぐる。

経済の良い循環のために会社は利益を上げなければならない使命があるのです。

 

24P 会社は生き物だ。生き物には寿命がある。

生き残るためにどうすればいいか?世の中の変化に対応する。

時代に合わせて作っていくものを変えておく。発展が望めない仕事はどんどん切っていく。

中身が変わることによって全く違う会社になっていく。

 

44P そもそも株式会社ってなんだろう?お金を出した人が限られたリスクを負うだけですむ組織。

 

55P 会社で一番偉いのは株主だ

 

78P 

組織それ自体の存続が目的になってしまったら、会社の業務は行き詰まります。いつでも柔軟に組織され、外部の変化に合わせて組織も変化し、任務を達成したら解散して、またあたらしい業務につく。こんな組織の在り方が求められているのだと思います。

 

112P 優れた指導者(経営者)とは、どんな人なのか?

社員が「自分たちでやったんだ」と思える組織作りができている。

指導者がいなくなっても、ちゃんと後を担う人がいる。

自律した人材を輩出する組織をつくれる経営者が、本当の意味での良い経営者です。

 

 <目次>

はじめに 会社選びや働き方で後悔しないために

第1章 会社の正体(会社の社会的役割って、なんだろう?、ある大企業はどのように生まれ、発展してきたのか?会社選びのポイントはあるのか?「良い会社」「悪い会社」ってあるの?「会社のかたち」はいろいろ、「法人」って、なんだろう?ほか)

第2章 会社の組織(会社で一番偉いのは誰だろう?取締役会って、いったいなんだろう?アメリカと日本、経営トップにどのような違いがあるのか?組織の形態にはどんなものがあるのか?)

第3章 会社の経営(日本的な経営って、どんな経営?「成果主義」は、成果を上げたのか?会社のあり方が問われている;優れた経営者とは、どんな人なのか?)

第4章 雇用(「就職」とは、どういうことか?新型コロナの流行は「働き方改革」を進めたか?「給料」をもらうって、どういうこと?;男女の雇用格差は本当になくなったのか?;雇用形態はいろいろある?「福利厚生」って、どういう制度?「労働組合」って、いったい何?)

第5章 会社員を目指す人へ(「今後間違いなく発展する会社」を見極める方法はあるのか?辞めたくなったとき考えるべきことは?「会社で働く」とは、どういうことか?)

 

1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、73年にNHK入局、報道記者やキャスターを歴任する。94年から11年間にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、わかりやすい解説が話題になる。2005年、NHK退職以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍。16年4月から、名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在も11の大学で教鞭をとる。

 

【No1195】会社のことよくわからないまま社会人になった人へ 池上 彰 ダイヤモンド社(2022/09)

最後の「星の随(まにま)に」がよかった。

夫婦の離婚やいざこざは、なにかしら子どもに影響を与えるものだ。

こどもは、表情とは違って心のなかの平静を保てないものだと思う。

 

東京大空襲を経験したご近所の婦人佐喜子さんが少年想くんに関わってくる。 

「あの夜は、東京大空襲の夜は星座が見えたんですか?」

と聞く想くんに対して、

「火の上にはきっと星座が光っていたんでしょうけど」

「炎の熱と熱さで星座もほどけてしまったんじゃないかしら。こんなふうに」

と佐喜子さんは答えた。

 

佐喜子さんは、暗い夜空、B29から落とされる焼夷弾、燃えさかる町、溶けてしまった星座を、施設に入る前に思い残すことなく描いた。

 

佐喜子さんが想くんに語った、おわりのこのことばが印象に残った。

214P

「約束してくれる?どんなにつらくても途中で生きることをあきらめては駄目よ。つらい思いをするのはいつも子どもだけれどね。それでも、生きていれば、きっといいことがある。……私はあなたにこのマンションで出会えて良かった。いつか忘れてしまうかもしれないけれど、なるべくあなたのことは忘れないようにするね」

世代を超えこころ通わせるピュアな友情のようなものを感じた。

ぼくが、想くんならばどう感じるだろうか?

ずっとこころに留めて、大人になっても忘れないだろう。

自分が受けた悲しみやつらさを次には体験させたくない。

佐喜子さんのような御年になったとしたならば、大人になってさらに分かった意味を含めて、次の世代に大切な思いを繋いでいきたいと。

 

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

 

 <目次>

真夜中のアボカド

銀紙色のアンタレス

真珠星スピカ

湿りの海

星の随に

 

1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞を受賞。第167回直木賞受賞作。心の揺らぎが輝きを放つ傑作。

ザワザワ、モヤモヤ「今村夏子ワールド」

読後の感想を見ているとよく目にしたワード。

 

大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。

「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。

あの女が新たに雇われるまでは(とんこつQ&A)

 

敦煌→とんこう→とんこつ。てんが取れてそう読むようになった。

丘崎さん→おかざみさん→おかみさん→お母さん。こういう変化は面白いな。

 

あまりおおくは語れないが、ありきたりの楽しさではなく、割り切れない部分にユーモアがあり、歪んでいく狂気を孕んだ様子をなんの変哲もない普段の日常にじわじわっと落とし込んでいくように感じた。

 

 <目次>

とんこつQ&A

噓の道

良夫婦

冷たい大根の煮物

 

1980年、広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞しデビュー。「こちらあみ子」と改題し、同作と新作中編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に第24回三島由紀夫賞を受賞。2017年『あひる』で第5回河合隼雄物語賞、『星の子』で第39回野間文芸新人賞、2019年「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞