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朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

詐欺事件をモチーフにした実話に基づいたミステリーだ。

詐欺師とは、人をだまして金品をだまし取る者。

小料理屋「いちりん」。人がよい女将・あさ子の元に集う人のお客さんのなかに、職業、学齢などすべてが嘘で固めた男の詐欺師、藤代がいた。一流の生保に勤務のエリート社員と語ってお店に顔だすようになった。女将を含め老後の資金を貯めていた人からも数千万のお金をかすみ取った。

題名の「詐欺師の誤算」の誤算はその詐欺師を上に行く者、同居の妻と名乗る女の真紀を指す。藤代を含めて全ての人々がだまされていたのだった。真紀が藤代に指図してお金を独り占めしていて、そしてトンズラしたのだった

これが実話だというから怖い。稀代の大悪女の真紀。

人の好さに付け込む詐欺師らの卑劣さに憤ったまましばらく動けない。

嘘で塗り固められた人生は、そんなにうまくいくもんじゃない。

お金さえあればよいのか。いつか矛盾で破綻するよ。

 

作家・テーラワーダ僧。1948年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒。1980年、『海を越えた者たち』(第四回すばる文学賞入選)で作家活動へ。1988年、『漂流裁判』でサントリーミステリー大賞(第六回)、1989年、『遠い国からの殺人者』で直木賞(第101回)を受賞する。2016年、チェンマイの古寺にて出家し、現在に至る

 

目的を持って読書する、目次で大まかな流れを掴む、スキマ時間を読書に習慣化する。すぐに忘れてしまう読みっぱなしは、読んでいないのと同じ。読後は、自分の感想をSNSなどでアウトプットすることが重要だ。アウトプットすることで記憶に残りその知識は最高の貯蓄となります。

 

9P

読書を活用して、インプット(入力)をして、アウトプット(感想を書く)して、フィードバック(修正、改善)をすることで、脳を進化させて「読書脳」を手に入れることができる。読書をベースとして、読解力、理解力、文章力、アウトプット力、思考力、分析力、判断力を無限に進化させることができる。

 

特に印象に残った3箇所です。

 

41P 他人の経験はお金で買える

本には、何千人もの成功体験と何千人もの失敗体験が載っています。ありとあらゆる成功事例と失敗事例の集大成が本といえます。自分でゼロから行う無駄な試行錯誤を全て省力できます。

 

55P 本を読めばストレスと不安から解放される

本に書かれている通りの方法を忠実に実践すれば、悩みは解決するか、少なくとも軽減するはずです。

 

150P 著者に会いに行って好きになる

本で文字として書き切れなかった、表情、視線、眼差し、姿勢、雰囲気、動作などの非言語的メッセージを受け取ることで、本の内容を何倍も深く理解できるようになります。記憶に深く残る。著者の人となりが理解できる。

 

 <目次>

新版によせて

はじめに

第1章 なぜ、読書は必要なのか?読書によって得られる8つのこと

第2章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 3つの基本

第3章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 2つのキーワード

第4章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編

第5章 「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術

第6章 早く、安く、たくさん読める究極の電子書籍読書術

第7章 「読んだら忘れない」精神科医の本の買い方

第8章 精神科医がお勧めする珠玉の31冊

おわりに

 

札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。精神科医、作家。樺沢心理学研究所を設立。著書に「言語化の魔力」など。

これまでの経験や知識を得たことにより、訂正が意識的にできたのか、無意識にしたのかによる差異はあるが、

「じつは・・・だった」ととらえなおすことができれば、過ちの訂正によって毎日を前向きに過ごすことができる場面が少なくないことに気づかれた。

 

6P 老いるとは、若いころの過ちを「訂正」し続けることです。30歳、40歳になったら20歳のころと考えが違うのは当然だし、50歳、60歳になってもまた変わってくる。同じ自分を維持しながら、昔の過ちを少しずつ正していく。それが老いるということです。老いるとは変化することであり、訂正することなのです。

 

8P 訂正する力は、「リセットする」ことと「ぶれない」ことのあいだでバランスを取る力でもあります。

 

76P 訂正する力とは、過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力のことです。それは、持続する力であり、聞く力であり、老いる力であり、記憶する力であり、読み替える力でもあります。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 なぜ「訂正する力」は必要か(ヨーロッパのしたたかさ、「空気」は訂正できるか ほか)

第2章 「じつは…だった」のダイナミズム(訂正は日常的にやっている、試行錯誤の価値 ほか)

第3章 親密な公共圏をつくる(時事と理論と実存、訂正する力は経営の哲学だ ほか)

第4章 「喧騒のある国」を取り戻す(日本思想の批判的な継承、日本哲学のジレンマ ほか)

おわりに

 

東京大学大学院博士課程修了。批評家。株式会社ゲンロン創業者。「存在論的、郵便的」でサントリー学芸賞、「クォンタム・ファミリーズ」で三島由紀夫賞受賞。他の著書に「弱いつながり」など。

武器を持って政府と戦うこと、それに反して自分の身を守ること、人種による迫害、いじめ、差別。戦争が人を醜く悲しくさせてゆくものだった。人間は悪にも善にもなりきれない。メッセージ性を強く感じた。

戦争を起こした政府とそれを容認する国民、そして関係のないふりをする無作為の人たち。こういった環境では、敗戦でしか戦争が終わらない。

 

ナチス体制下のドイツで「エーデルヴァイス海賊団」を名乗り、反抗した少年少女を描いた物語だった。故郷に強制収容所が開設されたと知り妨害しようと、厳しい批判の言葉を選び実際に行動に移した海賊団だった。

自分ならば安易な方向に身を任せるのではないのか。彼らのように作為を持って行動できるのかどうか。

 

海賊団のメンバーのレオンハルトからヴェルナーへの手紙・遺書は涙腺が緩んだ。

歌おうとする海賊よりも歌わなかった人が多数であったが、ラストでの祖母アマーリエが孫のクリスティアンへの子守唄の事実は救いとなった。

 

1985年、埼玉県生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。2021年、『同志少女よ、敵を撃て』で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞しデビュー。同作で2022年本屋大賞、第9回高校生直木賞を受賞した。

 

成果主義や生産性、効率化だけが正しいのかを考えさせられた。

例えば、会社の総務や庶務関係の部署は、給与、業務管理、旅費、発注など営業や製造などを間接的に側面から裏方として支えているものだ。だから、どの会社にいてもなくてはならないところだ。

会社にいなくても数字で表わせることができない仕事や目に見えない業務がある。

そこに光を当てて評価してくれると嬉しいものだ。

それが可能である社会のなかにいてそれが気づける人ありたい。

 

340P

長く勤めている水田はダントツの一位だった。お金にならない親切、仕事に遅刻するスタッフ、お金に困っているスタッフをいくら助けても、直接的な売り上げになっていない。営業部から最大最悪の無駄と思われていることが、ここでは、“未来好転率”として評価されていた。

341P

「元社長はおっしゃっていました。この会社に十年後のヒーローを育てないと」

「今月の結果、今年度の結果だけでその人の本当の生産性は測れないと。本当に大事な人材は、今、この社会の仕組みでは負けてしまうような人ではないかと。」

 

人材派遣会社で働く初芽は、営業部での成績がふるわず上司から叱責される日々。ついに、会社中の使えない社員が集められたという噂のAI推進部へ異動になった。パワハラ、セクハラの横行する理不尽に耐えるのは、生産性の低い無能な社員だから?

「逃げたらいい」と「逃げ場なんてない」の狭間で揺れ動く初芽だが。輝かない人々に当たる心温まるスポットライトは、これまでと同じ世界を新しい見え方へと変えてくれる。ビジネスの世界に精通した著者が従来と真逆の価値観で描く、決してかっこよくないヒーローたちの物語。

 

 <目次>

第一話 福田初芽(23)の反逆

第二話 山川拓真(27)の乱心

第三話 三浦駒子(45)の憤怒

第四話 土屋絵里(35)の咆こう

第五話 水田速雄(54)の奮闘

第六話 大森元気(38)の憂鬱

第七話 ヒーロー達の逆襲

 

小説家・ビジネス書作家。京都出身。『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』を上梓しデビュー。『成約率98%の秘訣』『人に好かれる話し方』『和田裕美の営業手帳』など著書の累計は230万部を超える。自身の生い立ちをモチーフにした小説『タカラモノ』(『ママの人生』を改題)は大きな反響を呼び、舞台化になる。

芝居小屋のすぐそば、雪夜に赤い振袖が舞うなか、華麗な若衆・菊之助が無頼の博徒を仕留めて首級を上げた。返り血を浴び白装束を染めるところは緊迫感がひしひしと伝わってきた。

 

菊之助の縁者だというひとりの侍がその顚末を知りたいと芝居小屋を訪れる。

この木挽町での仇討ちを目撃した五人。一八、与三郎、二代目芳澤ほたる、お与根(久蔵)、野々山正二。彼らが一人称で語り始めるそのリズム感は心地よかった。

 

最初は単なる目撃談であったが、理由があって矛盾や疑念が生じてきた。

あだ討ちの意味を解き明かす結末は、重なり合うほどほんとうに上質だった。

 

木挽町のあだ討ちは、見事な徒討ちであった。

 

 <目次>

第一幕 芝居茶屋の場

第二幕 稽古場の場

第三幕 衣装部屋の場

第四幕 長屋の場

第五幕 桝席の場

終幕 国元屋敷の場

 

1977年、神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経て、フリーランスライターとなり、新聞、雑誌などで幅広く活躍。2010年、「絡繰り心中」で小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。2020年に刊行した『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』は、細谷正充賞、本屋が選ぶ時代小説大賞、新田次郎文学賞を受賞した。2022年、『女人入眼』が第一六七回直木賞の候補作になる。

人は一人では生きていけないし決して独りではない。

誰かを助け誰かに助けられて生きていくものだ。

姫川玲子は、鋭利な刃物、諸刃の剣のような捜査方法を取り、それとは逆に心が広く相手を包み込む慈愛あふれる魚住久江巡査係長。

姫川は、青春時代から心の闇を持ち続けていた。

姫川はそこから抜け出すための一寸の光りを見つけたのだ。

摑み離さない糸のようなものを彼女が持つことができたよい機会だったと思う。

 

塞がれた窓、防音壁、追加錠、監禁目的の改築が施された民家で男性死体が発見された。

警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、現場は証拠が隠滅されていて糸口はない。

犯人はなんの目的で死体を放置したのか?玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がってきた。

魚住久江が合流し、姫川班が鮮烈な進化を遂げるシリーズ第10作め。

 

東京都生まれ。学習院大学卒。「妖の華」でムー伝奇ノベル大賞優秀賞、「アクセス」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。ほかの著書に「ストロベリーナイト」など。

地下鉄サリン事件、警察庁長官襲撃事件……等。

あのオカルト宗教教団をモチーフにして作られたものだと感じると、なにかきな臭い匂いが当初からしてくる。この物語の真相が実際の事件の真相かと思うような錯覚に陥ってしまった。

 

楽器店を経営する圭一の妻・沙月は雑誌のライターをしている。

彼女は夫に離婚届を渡して七尾に出張に出たまま音信不通になる。彼女が残した原稿には未解決事件の警察庁長官狙撃の記事があった。

亡くなった圭一の叔父の遺品の中から銃弾が発見された。その銃弾が28年前に起こった警察庁長官狙撃事件に使われたものと同じ型という可能性も浮上する。

また、公安部の斉賀の父親はこの狙撃事件を気に掛けながら亡くなった。妻の行方不明を契機に圭一と斉賀が出会って、この2人の共通項が見え始めてくる。

 

終盤に犯人を追って、長野、富山、石川など各土地に繋がっていくところは、サスペンスミステリーとして、とてもスピードがあって見応えや読みごたえが多々あった。

 

 <目次>

プロローグ

第一章から第五章

 

1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。2015年に『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。ほかの著書に「看守の流儀」「ダブルバインド」など。

人生100年時代と呼ばれています。長生きするために食べたいものを我慢したり、健康のために運動をして怪我をしたりすると果たして幸せなのかどうか。

自分が思うようにして生きていき好きなことをして楽しいことをして過ごす方が健康的に寿命が延びていくのではないかと和田先生の本からそう思うのです。

 

失敗を恐れずにやりたいことを試すことができる人は人生を楽しめます。そして幸せにつながるものです。和田先生と同様にぼくもそう思います。

振り返ってみれば、人生では、ぼくもトライ&エラーを繰り返していました。

38P 懲りずにトライ&エラーを繰り返す

人生において、どんなことでも試してみないとわかりません。何もせずにわかったふりをして、最初から諦めている人がどれだけ多いことでしょう。わたしは自分の人生を毎日実験だと思って過ごしています。自分のやりたいことはとにかく試す。失敗したら、次はうまくいくようにやり方や考え方を変えて、失敗を次に生かせるよう努力します。一つのやり方のなかで失敗を考えてもなかなか答えはわからないものです。根性だけで問題解決できるほど世の中は甘くありません。

人生はその繰り返しではないでしょうか。いろいろと試さずに諦めてしまう人は、失敗を恐れているのかもしれませんが、失敗してもいいじゃないですか。そこから新たな気づきも得られると思いますし、やらないよりもやって後悔したほうが、人生何倍も楽しめるとわたしは考えています。

どのような世代にあっても、ぜひこれからの人生は実験だと思って、自分のやりたいこと、我慢してきたことを我慢せずに試してみてください。それが幸せな老年につながると信じています。

 

定年後、老年期、第二の人生においては、地域活動や趣味など現役時代の地位や肩書などがあまり関係のない第三の世界に足を入れるようになります。そうしたときには、どうすべきなのか和田先生は大きなヒントを与えてくれていると思うのです

47P 地位や名誉より、やりがい

仕事一筋で頑張ってきた人は、出世して地位や名誉を手に入れることに幸せを感じて、それがなくなってしまうことのほうが苦痛になるのかもしれません。

年をとってからはそういったものをすべて手放して、「自分が幸せを感じるかどうか」だけを考えるべきだということです。自分の好きなものを見つけ出すことが、幸せを見つけ出すための簡単な方法です。

 

幸せに過ごしていくために、医師として多くの高齢者を見てこられた和田先生ならではの所見ですから参考にできます。

55P 素の自分に戻れば見えてくる

心地よいことや楽しいことを日々生活のなかで実践している人は、元気で若々しい人が多いです。他人と比較せず、自分が心地いいこと、楽しいことをすればするほど、老延期を幸せにすごすことができるというわけです。

 

 

 <目次>

はじめに

序章 0~60歳までの地図―生まれついての変わり者

第1章 60歳からの地図―第二の人生のスタートはまだまだ先

第2章 70歳からの地図パート1―70代で終わらないために

第3章 70歳からの地図パート2―わたしたち高齢者の手で社会を変える

第4章 80歳の壁を超えてからの地図―死の不安に振り回されないために

第5章 100歳の地図―人生はすごろくゲーム

おわりに

 

 

1960年大阪府生まれ。精神科医。東京大学医学部卒業。アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師、東京大学医学部附属病院精神神経科助手などを経て現在、ルネクリニック東京院院長。立命館大学生命科学部特任教授。30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。2022年7月より日本大学常務理事

 

【No1432】わたしの100歳地図 65歳を過ぎても幸せが続く鉄則 和田秀樹 主婦の友社(2023/06)

海外に比べて日本は物価がとても安い!

日本は、中流ではなく下流に転落している!

日本はもはや先進国じゃない!?

それでは、他の国と比べてあるところを取り上げてみた。

日本の平均年収は韓国よりも少ない。東大卒よりも海外で働く介護士の年収のほうが高い。ビックマック指数があって、ビックマックの値段でみると、スイス939円、アメリカ721円、イギリス621円、中国498円、韓国490円、そして日本は396円。

iPhoneでは、トルコ23万8454円、日本以外の国々の平均は、14万8182円で日本は約12万円の世界37の国の中で最安値だ。

ものの販売価格はその国で市場調査やマーケティングを行ったうえで売れる値段で設定しています。日本では安くしないと売れないとみなされていました。

ものごとは客観的に俯瞰して見なくちゃいけないと思いました。

国内にいるだけでは、目が曇っていてよく見えないのかもしれません。

 

イギリスに住んでいる著者が「海外から見た日本の現状」について、医療サービスなどのデータや不動産などの事例とともに、海外との経済的な違いを赤裸々に語っています。

日本は、海外と比べて物価や給料が安いこと、海外の人が日本の安さに目をつけて激安なものやサービスをどんどん買いあさっているということがわかりました。

北海道のニセコの土地が海外にたくさん買われています。

ある町の上下水道の権利、競争入札によって外国の資本に委ねてもよいものなのかな。

彼らが、日本に魅力を失くして撤退したらそのあとはどうなるのでしょうか。

健康保険もコスパがよいため、海外から日本に来て受けている。

また、日本の橋や道路などのインフラがどんどん劣化しています。インフラの整備が今後も進まないことは想像に難くありません

色々な課題が見えてきて将来を憂います。

 

750万円は低所得だという印象に残った面白い箇所を引用しました。

95P アメリカでは年収1千万円でも低所得

私の夫は日本に滞在時に、街で配っていた不動産のチラシを見て、怪訝な顔をしていました。何が不思議なのか尋ねてみると、次のような答えが返ってきました。

「ここには、不動産購入者のモデルケースとして、夫の年収が750万円、妻は専業主婦、子どもは二人という家族構成が書かれている。子どもは二人いるのに、年収が750万円しかないと、生活はとても厳しいはずだ。これは生活困難な層の実例として挙げられているのか」

つまり、イギリス人の夫にとっては、世帯年収750万円で子どもが2人いる夫婦は貧困層という感覚なのです。

日本以外の先進国は物価も上昇し続けています。日本にいるだけではあまり気づかないかもしれませんが、物価も給料も30年以上低迷し続けている日本の現状は、他国から見ると、異常に映るのです。

 

終わりに、気になった3点を取り上げました。

142P 物価が他の先進国に比べて安いワケ

インフレーションが低いため、日本ではものやサービスの値段が30年間上がっていない。

 

151P 非正規雇用が経済を停滞させている

いまの40代ぐらいの氷河期世代の人たちを非正規雇用にしておくことで、日本では消費が落ち込み、デフレ一直線になってしまった。

 

153P 非正規雇用の文句を言えない人を利用している

会社で働く期間が短いので、同じ会社の中に繋がりのある人が少なく、ストライキを起こす仲間を集めるのが難しい。政府や大企業は、これからも非正規雇用の人をどんどん使い倒して儲けてくださいという姿勢でいる。

 

 <目次>

はじめに

第1章 「ニッポンの安さ」を日本人は何も知らない(「世界最安値」のニッポン、欧米に逆輸出される「100円ショップ」 ほか)

第2章 転落しているのは「日本」だけ!(日本のイメージは「バブル時代」で止まっている、欧州からは「遠い国」 ほか)

第3章 日本が売られる5秒前(財布に優しい国「ジャパン」、発展途上国も日本の不動産を買っている ほか)

第4章 なぜ、「安い国」になってしまったのか?(物価が他の先進国に比べて安いワケ、なぜ、日本企業は儲からないのか? ほか)

第5章 「貧乏国」で幸せをつかむヒント(「英語力」がカギになる、「怪しい情報」がはびこる日本 ほか)

おわりに

 

著述家。元国連職員。1975年、神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。ツイッター上では「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する。