地下鉄サリン事件、警察庁長官襲撃事件……等。
あのオカルト宗教教団をモチーフにして作られたものだと感じると、なにかきな臭い匂いが当初からしてくる。この物語の真相が実際の事件の真相かと思うような錯覚に陥ってしまった。
楽器店を経営する圭一の妻・沙月は雑誌のライターをしている。
彼女は夫に離婚届を渡して七尾に出張に出たまま音信不通になる。彼女が残した原稿には未解決事件の警察庁長官狙撃の記事があった。
亡くなった圭一の叔父の遺品の中から銃弾が発見された。その銃弾が28年前に起こった警察庁長官狙撃事件に使われたものと同じ型という可能性も浮上する。
また、公安部の斉賀の父親はこの狙撃事件を気に掛けながら亡くなった。妻の行方不明を契機に圭一と斉賀が出会って、この2人の共通項が見え始めてくる。
終盤に犯人を追って、長野、富山、石川など各土地に繋がっていくところは、サスペンスミステリーとして、とてもスピードがあって見応えや読みごたえが多々あった。
<目次>
プロローグ
第一章から第五章
1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。2015年に『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。ほかの著書に「看守の流儀」「ダブルバインド」など。
