朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -50ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

 

頭がいい人とそうでない人の違いとはなにか?

頭のよさとは、先天的な違いというよりも習慣の違いが大きいと。

頭がいい人の行動指針や思考能力がたくさん書かれている。

学ぶべきことや勉強することに関し目から鱗が落ちる箇所が多くあった。

こうやったら、こういう考え方を積み重ねていくと頭はけっして悪くならないと思う。

 

◎36P なぜ?という疑問が多い。そこから仮説を立てて検証し理由を突き止めることを生活上毎日いつもしている。街の小さな変化や違いに敏感だ。勉強時間と生活時間の境目をなくす。

 

◎198P 小さな挑戦の積み重ねで基礎体力を上げていく。小さなことにどれだけ本気に取り組めるかが大切だ。パーフェクトを狙うので頭がよくなる。日々の小さな営みを挑戦に変えていく。人生は成功を積み重ねるものではなく、挑戦を積み重ねることだ。

 

◎307P 身の程をわきまえない。自分の限界ラインを破って突破していく。無意識で引いている自分の限界ラインを超えて行動してみると、その積み重ねが真に頭がいい人を作っていく。試してもいないのに無理だと決めつけていないか。

 

 <目次>

はじめに

第1章 頭がいい人の「アタマの使い方」―「思考法」を変えれば、頭はよくなる(課題分解力 頭がいい人は課題を分解する/―「何がわからないかが、わからない」という状態を非常に嫌う、目標分解力 頭がいい人は目標も分解する/―「2重目標」で、メンタルに保険をかける、疑問力 頭がいい人は「なぜ?」が多い/―「育ちのよさ」が有利に働く理由と、その乗り越え方 ほか)

第2章 頭がいい人の「行動習慣」―思考を変えるには、まず「行動」から(「型」力 頭がいい人はルールを守る/―ルールを熟知するからこそ、個性的になれる、合理力 頭がいい人は頑張りすぎない/―上手に手を抜き、仕組みを活用する、計画力 頭がいい人はスケジュールを立てない/―長期計画に必要なのは「時間割」ではなく「やることリスト」 ほか)

第3章 頭がいい人の「心の動かし方」―「心」が変われば、思考と行動が劇的に変わる(反省力 頭がいい人は言い訳がうまい/―失敗と向き合う「勝者の言い訳」が、ミスを減らす、裏技力 頭がいい人は裏技をバカにしない/―正攻法で攻略できなくても、あきらめる必要はない、元気力 頭がいい人は「やる気スイッチ」を持っている/―「努力の天才」は意外にズボラ。「続く仕組み」を作っている ほか)

 

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、2年連続不合格。3年目に勉強法を見直し、偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。東大入学後、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)の監修(東大監修)を担当。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。東大に逆転合格した経験に基づくプロジェクトを、全国20校以上の高校で実施。高校生に思考法・勉強法を教えるほか、教師に指導法のコンサルティングを行っている。

 

【No1489】頭がいい人は○○が違う 偏差値35から東大に合格してわかった 西岡壱誠 日経BP(2023/06)

言葉からイメージされる色や形、モチーフといったものをビジュアル形でことばを提示してくれています。ことばで人生を楽しく明るく色とりどりに鮮やかにするために、このような図鑑でマッチする言葉を調べ選んで実際に使ってみることです。

230P

名前はそのものの命を芽吹かせます。ことばにはそんな力があるからです。ことばを使って名前をつける、口に出して伝える、お守りのように心に留める……ことばの力を借りて人は生き、思いを繋いできました。あなたのことばのパレットがより色彩豊かに彩られていきますように、その絵具たちで色づいた景色がまた誰かのこころを輝かせるでしょう。

 

企画やイラスト、デザインなど、ことばを使う人をターゲットとした本。

「色のことば」「雨のことば」「春のことば」など、ことばで表現したい人に役立つ100のテーマのことばを集めた本です。

・小説や詩、短歌などの文字での表現、イラストや漫画などのビジュアルでの表現のアイデアを捜したい

・SNSの写真に添える文章をもっとすてきにしたい。

・友達とのメッセージのやり取りの表現のバリエーションを増やしたい

・お店の名前や商品のキャッチコピーを考えたい

 

この「いいね!」の言葉を早速使っていきたい。

これらはすぐ使えます。

124P いいね!のことば

いい感じ!上手い!お見事!感動!最高!凄い!絶好調!頼もしい!ナイス!やったね!一番!羨ましい!輝いてる!完璧!さすが!素敵!大好き!天下一品!ばっちり!
プロフェッショナル!有能!一流!偉い!Good!職人技!素晴らしい!匠の技!天才!花丸!魅力的!立派!

 

「百目鬼」は、sexyzoneの菊池風磨君のドラマ「ゼイチョウ」に出てきた女性の名前からわかりましたが……。

ほとんどこれらの名前は読むことができませんでした!勉強になりました。

148P

月出(ひたち)、薬袋(やない)、平安名(へんな)、青天目(あばため)、勘解由小路(かでのこうじ)、白(つくも)、小鳥遊(たかなし)、月見里(やまなし)、鴨脚(いちょう)、栗花落(つゆり)、臥龍岡(ながおか)、百目鬼(どうめき)、英(はなぶさ)、井(わかし)、央(なかば)、九(いちじく)、一口(いもあらい)、七五三掛(しめかけ)、八月一日(ほづみ/はっさく)、鉄(くろがね)、前(すすめ)、罍(もたい)、一(にのまえ)、十六夜(いざさわ)、一尺八寸(かまつか)、四月一日(わたぬき/つぼみ)

 

 <目次>

はじめに 色彩豊かなことばパレット

この本の使いかた

第1章 自然のことば

第2章 食べ物のことば

第3章 想いのことば

第4章 関係のことば

第5章 時と数と名称のことば

第6章 冒険のことば

第7章 宝石と色のことば

第8章 創作のことば

第9章 先人のことば

おわりに 

主な参考文献

創作のための“使える”コラム

書く創作のヒント

描く創作のヒント

 

 

みっけ

デザインが好き。知りたいこと、楽しいことを作品にしてSNSに投稿中

 

天野慶

歌人。絵本『ママが10にん!?』(絵・はまのゆか/ほるぷ出版)で第10回ようちえん絵本大賞を受賞

資産運用に注目しています。

銀行の預金金利がいまだ低いままです。

預金だけではお金を増やすことは簡単ではありません。

自分の責任で資産をしっかりと形成していくことが必要なのです

 

勉強になったところを取り上げました。

これまでの一版NISA・つみたてNISAついてです。

これらを新NISAにそのまま移管できないことです。

商品を一度売却して、改めて新NISAのつみたて投資枠や成長投資枠で取引する必要があります。

NISA口座が他の口座と損益通算ができないのは、これまでと同様です。

 

投資とは危ないものだというイメージは、投機と混同していることだったのです。短期の利益ではなく長期的な視野で投資をしていくのです。

45P 投資は投機ではない!

投機とは、ハイリスクハイリターン、相場の変動を利用して利益を得ようとする金融資産等の短期的な取引(売買)をいう。投資とは、将来希望と思われる企業やモノに投じることです。

 

51P 安全性、流動性、収益性の3つの性格を比較して、目的に合った金融商品を選ぼう!3つの基準を全て満たす金融商品はない。

56P 投資の基本!分散投資

1 卵は一つのかごに盛るな!

株式、預貯金、投資信託、債権などさまざまな金融商品に分散して投資する。

2 リスクを減らしてリターンを安定させよ!

国内と海外など「地域(エリア)」と購入する時期をずらすなど「時間(期間)」を分散させる。

60P 資産運用は、目先の結果だけに一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で行う。一定額ずつ継続して購入するドルコスト平均法がある。これは毎回の投資金額を一定額とする方法である。

 

新NISA制度のしくみや対象となる金融商品、新NISAを活用した資産運用などについて漫画や図を用いながらわかりやすく解説しています。また、投資、資産運用の基本や初心者におすすめの投資信託などの紹介もありました。

 

 

 <目次>

はじめに 新NISAを活用しよう!

本書の使いかた

第1章 NISAの制度が大きく変わった!(“マンガ”NISA制度がパワーアップ!NISAとはどんな制度? ほか)

第2章 資産運用の基本の「き」(“マンガ”資産運用って何?そもそも資産運用とは? ほか)

第3章 投資の代表「株式投資」(“マンガ”株式への投資は成長投資枠で!株式投資のしくみとは? ほか)

第4章 初心者にオススメ!「投資信託」(“マンガ”投資信託は初心者向け!そもそも投資信託とは? ほか)

第5章 新NISAを活用してかしこく資産運用!(“マンガ”NISAで資産運用をはじめよう!新NISAをスタートさせよう! ほか)

索引

 

 

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP。長年、大学や専門学校などで、FPや資産運用などの教育に取り組むとともに、幅広く執筆・講演・コンサルティング業務を行う

 

 

【No1487】知識ゼロからの新NISA活用術 A Beginner's Guide to Utilize New NISA 前田信弘 幻冬舎(2023/12)

藤原鎌足や不比等らを祖とする藤原摂関家は、世襲が続いていた。

天皇に自分の娘を嫁がせて、娘と天皇との間に男の子を生ませる。

天皇が変わっても中国の王朝のように交代がない。

平安時代は、ぬるい世の中だった。

藤原道長は、まさに巡り合わせがよかった。

藤原兼家の5男である道長は、自らが藤原の長となり貴族社会のトップとなって政権を動かすことは本来ではありえないだろう。

内覧や摂政となるのに運が必要だ。

運も実力のうちかと思った。

 

9P 藤原道長は「島耕作」である

藤原道長は、父・兼家の出世に伴い、急速に自らも出世したが、次々と道隆や道兼らの兄たちが亡くなり、その兄の跡取り息子たちがほとんど自滅のような形で出世コースから外れたことで、一挙にその絶大な権力を手中に収めます。

彼は、「サラリーマン金太郎」のような、型破りで持ち前の行動力でサラリーマンの常識を壊して出世していくタイプとまるで違っている。

敢えて言うならば、課長から会長まで上り詰めたビジネス漫画「島耕作」シリーズの主人公・島耕作のようなものです。

何か画期的なことを成し遂げたかというと、そうではないような気がします。にもかかわらず、いろんな女性と遊びながら、気づいたら出世していている。

何か特別なことをやったというよりも、年功序列でみんなが同じような政治活動を行っている中で、たまたま強大な権力の座に就いたということにすぎないのです。

 

 <目次>

はじめに 「ぬるい日本」と藤原摂関家

藤原道長と『源氏物語』をめぐる謎(藤原氏が権力を独占したのはなぜか?なぜ藤原道長が絶大な権力を手にしたのか?摂関政治はなぜ、短命に終わったのか?光源氏のモデルは藤原道長なのか?藤原道長と紫式部は愛人関係だったのか?『源氏物語』執筆の依頼主は藤原道長だったのか?藤原道長の「望月の歌」の真の意味とは?)

第1部 藤原道長と摂関政治の栄華(藤原氏とは何か?平安貴族の政治、摂関政治の誕生、藤原道長の生涯1藤原道長の生涯2藤原道長の生涯3藤原道長の生涯4、なぜ摂関政治は短命に終わったのか、藤原道長と女性たち、藤原道長と紫式部)

第2部 紫式部と『源氏物語』の世界(紫式部の生涯―紫式部とは誰か?『源氏物語』の成立と構成第一帖~第五十四帖・全編あらすじ解説、『源氏物語』の和歌、藤原道長年表、紫式部年表)

 

 

1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当

考えることは、答えを出すために問題を頭の中で位置付けて整理するためだった。

禅問答もどきの回答で相手を不思議に納得させるような、いつもの養老節がこの20年以上も前に行われた養老孟司さんの講演録をまとめたもののなかに見受けられた。

5P

「どうしてそういうことを考えるのですか」この種の質問は何度も受けた。私も特に考えたいわけではない。ただ仕事をしていると、ひとりでに考えざるを得なくなるのである。多くの人が「考えない」のは、考えても答えが出ないと感じているからではないか。考えるのは、答えを得るためではない。頭の中で問題をきちんと位置付けるためである。答えは関係ない。答えは出ることも、出ないこともある。答えが出ないまま、あとは放っておく、位置づけがちゃんとしていれば、いずれ答えが「やってくる」。問題が正しく位置づけられていれば、おのずから答えが出る。そのために自分の頭を整理しているのである。

問題なのは他人の頭ではなくて、自分の頭なんだから、自分の頭の中くらい、自分で整理しなくちゃダメである。

 

 <目次>

文庫版まえがき

まえがき(再録)

現実とはなにか(東海ちけんだいがくにて講演)意識は、なぜあるのか?

自然と人間(大正大学仏陀会にて講演)人間は死んだら「モノ」なのか?「ヒト」なのか?

からだと表現(全国大学保健管理協会にて講演)人間は「人工身体」と「自然身体」の二つのからだを持っている

構造から見た建築と解剖(日本建築学会にて講演)人工(脳)と自然(身体)との釣り合いこそ重要である

ゆとりある生活の創造(教育委員会連合会にて講演)人間は、意識だけでできているわけではない

現代社会と脳(新宿区立女性情報センターにて講演)「男」と「女」という言葉ができたとき、性の連続が断ち切られた

ヒトを見る目(おしゃべり新年会にて講演)人間は、自分ができることの説明ができない

子どもと自然(鎌倉愛育園にて講演)子どもを育てるとは「手入れ」をすること

情報化社会と脳(NTT DATAサマーフォーラムにて講演)「ああすれば、こうなる」だけになった現代社会

あとがき(「脳と自然と日本」再録)

初出一覧

 

1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。専攻は解剖学。東京大学名誉教授、京都国際マンガミュージアム名誉館長。1989年、『からだの見方』(筑摩書房)で、サントリー学芸賞受賞。ほかに、『バカの壁』(新潮新書、毎日出版文化賞受賞)など多数

衣食住などの平安時代の宮廷貴族の日常を知るのはとても面白い。

大河ドラマ「光る君へ」の紫式部や藤原道長などの貴族たちの関係を知って、これから番組を継続して見て楽しむために大いに参考となる書だった。

 

189P

平安朝の半ばころ、道綱母や清少納言だけでなく、新しい長編小説、世紀のベストセラーを完成させた紫式部、自分の愛を高らかに歌いあげた和泉式部、歴史の中の真実を物語に収斂した赤染衛門など、数えきれないほどの女たちが、文学の中で自己表現してきた。まさに書く女たちの世紀であった。

男たちが、借り物の外国語である漢籍を下敷きに日記を書き、公的文書や漢詩をつくっていたとき、女たちは、心の内面を描写できる仮名、いわば自国語で、自己を語ったのである。この仮名文学が、我が国の平易な日本文を定着させていったことはいうまでもない。女たちは、伝統文化の基礎をしっかりと固めたのである。

 

 <目次>

序章 『源氏物語』の時代

第1章 結婚する女たち

第2章 住まう女たち

第3章 産み育てる女たち

第4章 働く女たち

第5章 切り盛りする女たち

第6章 文化を創る女たち

第7章 旅する女たち

第8章 老いて死にゆく女たち

終章 家の成立と女性

 

1947年生まれ。歴史学者、埼玉学園大学名誉教授。専門は平安時代史、女性史。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士

 

雄町哲郎は、京都の原田病院で働く内科医である。

シングルマザーだった最愛の妹が若くして病を得、闘病の末にこの世を去った時、一人残された甥と暮らすために、将来を嘱望された凄腕の医師は激務である大学病院を去り、町医者として働く決意をした。

 

マチ先生こと、哲郎医師が大学病院ではなく京都の町医者としてなぜ従事し働いているのか。短絡的には、東京で妹が残した甥の龍之介くんを育てるためであろう。しかし、それだけではない、彼のこころには深淵の闇のようなものがあることに気づいた。この哲郎が原田医院にいる意味を今後解読していくことは面白いことになってくるだろう。

 

甘党の人にとっては、欠かすことができない最高の和のスイーツだとわかった。

219P 

「いいかい龍之介。前にも言ったことだが、この世の中にはぜひ味わうべき三つの食べものがある」

「矢来餅と阿闍梨餅と長五郎餅ですね」

「わかっているじゃないか。だから早々にお参りを済ませて、ゑびす屋に行くとしようか」

はい、と答えた龍之介が、再び白砂の上を駆けだした。

 

僅かな時間でも火花があって機微が鋭い。

61P

哲郎は坂崎の目を見て静かに告げた。

“薬を増やします”

坂崎がほっとしたようにうなずいた。

うなずいてから妻の方に、震える顔を向け、小さく笑ってみせた。

かすかな挙動であったのに、暗闇にひらめいた火花のように鮮やかであった。その火花の中に、万感の思いが込められていた。

芽衣子の両目に、みるみる涙が浮かび、やがて、丸い両手がその顔を覆っていた。

 

余命いくばくもなくとも、人は幸せに生きることができるのだという境地かと。

151P

「たとえ病が治らなくても、仮に残された時間が短くても、人は幸せに過ごすことができる。できるはずだ、というのが私なりの哲学でね。そのために自分ができることは何かと、私はずっと考え続けているんだ」

その問いかけは、南に問うたものというよりは、自分自身への確認のようであった。哲郎は返事を待つわけでもなく、じっと空を見上げたままだ。

 

古い都はこういうところらしい。言い得て妙。

189P

「それにしても、こんな場所があったんですね。京都にはもう五、六年住んでいますが、未だに色々驚かされます」

「この町は、広いというより深いのです。とても深い……」

「この古い町の表層には、様々な歴史ある建物が残されていますが、それらは客人をもてなすために陳列された、いわば骨董品です。骨董が悪いわけではありませんが、生活が骨董に埋もれてしまえば、それは生きた町ではなく、博物館になります。むしろ古い物が骨董にならず、今も日常の中で生きているから、この町は面白いのだと思うのですよ」

「だから表層を歩いているだけではなかなかこの町の本当の姿には出会いません。あちこちに隠れている入り口を見つけて、深層に分け入って行かなければいけない」

「入り口ですか」

「観光案内書には書かれていない入り口ですよ。そういう秘密の入り口を見つけて、深い所へ降りていく、そうすると、なぜ古い町が今も生き生きとしているかが見えてくる」

「新しいものと古いものが、ごちゃごちゃに入り混じりながら、独自のカクテルとして、斬新な味わいをもたらしてくれている、そういう土地です」

 

医師であり人である哲郎は、死や狂気と紙一重というような世界を生きてきたのかと。

193P

「私は狂気の果てを見て、そこから逃げ出してきた人間です。それなのに逃げ出した先では、あなた(哲郎)のような医師が、淡々と死と向き合っている。狂気も死も、人間という存在が成立するぎりぎりの外縁に漂う宇宙ですよ。迂闊に近づけば、戻って来れなくなる。いや、戻って来る意味さえ見失います。勇気はいくらあっても足りません」

 

「生きることは行動することだ」という名言があった。

210P

哲郎はもう一度青い空を見上げた。

最先端の医療の世界は、誰も踏み込んでいない未知の領域を切り開いていく驚きと発見に溢れた道だ。顧みて、今哲郎が向き合っている世界には、発見も驚きもないかと言えば、そんなことはない。ここにも、最先端と同じくらい、多くの医療者が踏み込んでいない未知の領域があるのだと思う。むしろ医療の二字にとどまらない広大で果てのない人間の領域だ。

そこに道を切り開きたいと言えば、いささか傲慢にすぎるだろうか。

自問して哲郎は苦笑した。

理屈の複雑さは、思想の脆弱さ裏返しでしかない。突き詰めれば「生きる」とは、思索することではなく行動することなのである。

 

消化器内科専門の哲郎は、医師の仕事の本質に向き合って生きていた。

人の幸せとは何かと問い続けていた。

自らの道を進んでいく強く静かな足取りがあった。

人の幸せはなにかを考えて考え続ける哲学者のような佇まいがあった。

患者に対して穏やかな声掛けと誠実さがあった。

静かにやさしく人の命に向き合う姿は美しくて、彼の後ろ姿にぼくは心が癒された。

 

 <目次>

第一話 半夏生

第二話 五山

第三話 境界線

第四話 秋

 

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第二位となり、映画化された。

 

歴史が大好きで大河ドラマ大好き芸人の松村邦洋さん。

源氏物語の紫式部が主となる大河ドラマ「光る君へ」を見ていくうえで予め習うようにわかりやすく書かれてあります。人物相関図とともに紫式部や道長たちの活躍状況を説明しています。歴史解説だけはなく松村さん独自の考察やドラマ出演される俳優さんの出演背景なども語っています。

今年のドラマ進行とともに面白く楽しく番組を理解するための相乗効果を図った平安時代の歴史を知るために入門書のようでした。

 

28P 藤原道長は、紫式部のパトロンだった

紙じたいがものすごく高くて貴重だったんですよ。今みたいに誰でも勝手に文章を書き残せたわけじゃないんですね。

紫式部が「源氏物語」を書き続けることができた大きな理由の一つは地位とお金を持った人が紫式部を見つけたからなんです。頭が良くて才能があって、ものすごく勉強した人だったんですけど、後世に残るようなすごい作品を作るには、芸術ってお金がかかるので作品の材料を買ったり作るための作業の場を用意したり、出来上がるまでの間に作者がごはんを食べられるようにしたり。

だから芸術家にはパトロン、つまりその才能に惚れて、ファンになってお金を出してくれる人がいないと、なかなかうまくいかないんですね。

 

45P 女房―将来の皇后候補の教育係

見た目以外の女性の魅力の基準は、品格や教養なんです。身近に教養の持ち主である家庭教師を雇って娘に幼いころからいろいろ教えるのです。必修科目は、和歌、習字、音楽の三つです。

 

169P 貴重な日記「小右記」を書いたのは道長のライバルー藤原実資

円融天王の側近の蔵人頭を務めるエリート。小野宮右大臣という実資の肩書から取った名前で、55年もの間、宮中の出来事を描き続けていたんです。

実資は何事にも筋を通す人で、道長やその子の頼道が権力闘争でおかしなことをやると、「そりゃ違う」「筋が通らん」ときつい指摘をする。道長に左遷されるわけでもなく、右大臣までなっています。道長は一目置いていたのではないか。

検非違使の別当、朝廷や貴族の行事・しきたりとか法律・制度・慣習についての一流の学者でした。蹴鞠の達人でもあったそうです。

※道長が謳ったとされる「この世をば我が世と思う…」が記されている日記を書いた人。

 

 <目次>

はじめに 

人物相関図

第1章 衝撃…今度の大河ドラマはセックス&バイオレンス(半グレ?チーマー?ワイルドな貴族たち、カッコイイ系をそろえた俳優陣、紫式部を押し倒しちゃう藤原道長)

第2章 紫式部が『源氏物語』を書き始めて宮廷に入るまで(「男だったらなあ」―父を嘆かせた頭の良さ、夫は20歳くらい年上の遊び人)

第3章 五男坊・道長は、こうしてテッペンを取った(道長の父・兼家が関白になるまで、道隆が後ろ盾だった定子サロンと清少納言、兄2人の死、道長と甥っ子・伊周の対決)

第4章 紫式部は見た!道長の素顔と宮廷のウラ側(紫式部、「女の園」彰子サロンに入る、紫式部と『源氏物語』がキューピットに?道長、ついに外祖父のポジション獲得!エピローグ)

おわりに 

略年表

主な参考文献

 

1967(昭和42)年8月11日生まれ。山口県出身。日本のお笑いタレント。大学生の頃、バイト先のTV局で片岡鶴太郎に認められ芸能界入りし、斬新な生体模写で一躍有名に。ビートたけし、半沢直樹、“1人アウトレイジ”、阪神・掛布雅之、故野村克也監督など多彩なレパートリーを誇り、バラエティ、ドラマ、ラジオなどで活躍中。筋金入りの阪神タイガースファン。芸能界きっての歴史通であり、YouTubeで日本史全般を網羅する『松村邦洋のタメにならないチャンネル』を開設。特にNHKの歴代「大河ドラマ」とそれにまつわる知識が豊富。

 

【No1482】松村邦洋まさかの「光る君へ」を語る2024年NHK大河ドラマ 松村邦洋 プレジデント社(2023/12)

249P「しっかりと目的を明確化した正しい方向性の努力は報われる」

 

ひとことで言うと、これに尽きます。

 

これは、技能の取得や資格の合格など勉強していくうえでの羅針盤的な解釈だと思いました。

読書と勉強では、基本的には文字を使って文章が書かれていることもあって、文章を読むときや勉強する方法に関して、いくつも有益で共通した箇所があることがわかりました。

勉強するときだけではなく、読書していく際にもそのメリットを活用していきたいです。

これは、勉強の意味をよく分かっている人たちが書かれた本だと思いました。

 

◎67P 歯を磨くように、風呂に入るように習慣化する。何度も繰り返しているため無意識的に行動を取ることができる。身体に沁みついていてルーティン化している。場所を決める。立って勉強する。

 

◎126P 答えがある事柄を考えるのは時間のムダ。考える前に情報を集めて、既に答えにたどり着いている人を探す。すでに答えが出ている問題はその答えをパクる。不明な物事を理解しようと努める「考える時間」を削る。

 

◎173P 力を入れる場所や意図が書かれる場所は、最初と最後にあるので、文章は最初、最後から読む。後天的な努力で「正しく、速く、大量に」読む能力が身につく。なぜ?言葉の裏がわかる、ひと言でいうと。文章の意図やテーマがわかれば文章を正しく読める。

 

<目次>

はじめに リアルドラゴン桜を生み続けてわかった!結果は勉強を始まる前の準備で決まる

INTRODUCTION 勉強嫌いでも時間がなくてもOK!「マトリクス」を書けば「自分に合った勉強法」がかならず見つかる

1 「好き×苦手」の勉強法 頑張らないでOK!「目的・目標のブレイクダウン」で自分に合った「正しい努力の方向性」が見つかる(「頑張らない」を意識する―「何のために何をするか」だけにフォーカスしよう、分解して「己を知る」―明確な「目的」を得るために、現状を「分解」しよう ほか)

2 「嫌い×苦手」の勉強法 自分を変えなくてOK!科学的な「ルーティンづくり」で「自動モード」で勉強が始められる(「習慣化」する―「自然と勉強を始めちゃう」魔法の環境を整えよう、モノに頼る―「自分を変える」より「手軽」で「効果的」なやり方を選ぼう ほか)

3 「嫌い×得意」の勉強法 「面倒くさがり」でOK!「タイパ最大化」の4STEPで「最小の時間」で「最大の効果」をゲットする(メリハリをつける―遊んでもいいけれど、「目的のない時間」だけはゼロにしよう!「逆算思考」で考える―「ムダな勉強」をとことん排除して「効果的な努力」だけしよう ほか)

4 「地頭」がよくなる習慣 机に向かわなくてOK!「なぜ?」をつなげる思考法で「生きているだけ」で頭がよくなる(自ら問いを立て、答えを探す―日常生活をすべて「教科書」にしよう、関連づけて覚える―最強テクニックで記憶力を爆上げしよう ほか)

5 努力を続ける習慣 「強い心」なんてなくてOK!「マインドセット」の整え方で努力を「効率的」に「継続」できる(使う「言葉」を変える―「本当の実力」を発揮できる素地を整えよう、演技をする―「強者」のフリを続けて、本当に強くなろう ほか)

おわりに 「努力は報われる」の本当の意味

著者紹介

 

 

チームドラゴン桜

逆転合格した「リアルドラゴン桜」東大生と、「リアルドラゴン桜」を指導した経験のある講師の集団。多くの「逆転合格」をした現役東大生が集うとともに、大手予備校で30年以上指導してきた経験のある講師をはじめ、ベテラン講師も参加している。

全国複数の学校でワークショップや講演会を実施。年間1000人以上の生徒に学習指導しており、多くの「リアルドラゴン桜」を輩出している。

2023年にはMBSテレビ「月曜の蛙、大海を知る。」の企画で、「シングルマザーで子どもを3人育てながらタレント活動をする小倉優子さんが、大学合格を目指す」というプロジェクトを総監修。偏差値30台から見事、学習院女子大学補欠合格、白百合女子大学合格を勝ち取った。

 

 

【No1481】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること チームドラゴン桜 東洋経済新報社(2023/08)

196P 良く推し、良く推されて、良い人生を

ナルシスト、ナルシシズム、自己愛。

 

推し活は、身近な人をエンパワーする力を得て、誰かの幸せを後押しする力になるとともに、自分自身を幸せにするものだった。

6P 「推し」が教えてくれるのは、人間の心の問題は承認欲求やアイデンティティだけで成り立っているのではない。ということです。誰かを推すこと、誰かを応援すること。なんらかのグループや共同体に所属し、そのおかげで気持ちが充たされること。それらも人間の心の問題を考えるうえで、大事な構成要素のはずです。

8P 「推し活」には自分自身の心理的な充足だけでなく、推される側を応援する、エンパワーする力が伴います。

 

熱狂と興奮のSNS時代に、承認欲求や所属欲求、ナルシシズムの充足を求めて。

196P 自分自身のナルシズムがどうであるか、それが他者と一緒に生きていくうえで長所となるか短所となるかが問われている。多かれ少なかれ皆ナルシスト。そうであるなら良きナルシストであれ、よく成熟したナルシストでありたい。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 承認の時代から「推し」の時代へ―21世紀の心理的充足のトレンド(「推し」ブームの2020年代、「いいね」と「萌え」の00年代 ほか)

第2章 推したい気持ちの正体―SNS時代のナルシシズム(「推し」は人生を左右する?承認欲求が薄れ、所属欲求が息を吹き返す現代 ほか)

第3章 「いいね」と「推し」に充たされ、あるいは病んで―自己愛パーソナリティの時代と成熟困難(ナルシシズムを病的とみる時代から、当たり前とみる時代へ、それでも「いいね」と「推し」があるじゃないか ほか)

第4章 「推し」をとおして生きていく―淡くて長い人間関係を求めて(「推す」のも「推される」のも大切、今、あなたは何で心を充たしている? ほか)

第5章 「推し」でもっと強くなれ―生涯にわたる充足と成長(長く続けて、長く成長、ナルシシズムの成長理論 ほか)

あとがき

 

精神科医・ブロガー。1975年生まれ。信州大学医学部卒業。ブログ「シロクマの屑籠」にて現代人の社会適合のあり方やサブカルチャーについて発信

著書に「何者かになりたい」など。

 

【No1480】「推し」で心はみたされる?21世紀の心理的充足のトレンド 熊代 亨 大和書房(2024/01)