196P 良く推し、良く推されて、良い人生を
ナルシスト、ナルシシズム、自己愛。
推し活は、身近な人をエンパワーする力を得て、誰かの幸せを後押しする力になるとともに、自分自身を幸せにするものだった。
6P 「推し」が教えてくれるのは、人間の心の問題は承認欲求やアイデンティティだけで成り立っているのではない。ということです。誰かを推すこと、誰かを応援すること。なんらかのグループや共同体に所属し、そのおかげで気持ちが充たされること。それらも人間の心の問題を考えるうえで、大事な構成要素のはずです。
8P 「推し活」には自分自身の心理的な充足だけでなく、推される側を応援する、エンパワーする力が伴います。
熱狂と興奮のSNS時代に、承認欲求や所属欲求、ナルシシズムの充足を求めて。
196P 自分自身のナルシズムがどうであるか、それが他者と一緒に生きていくうえで長所となるか短所となるかが問われている。多かれ少なかれ皆ナルシスト。そうであるなら良きナルシストであれ、よく成熟したナルシストでありたい。
<目次>
はじめに
第1章 承認の時代から「推し」の時代へ―21世紀の心理的充足のトレンド(「推し」ブームの2020年代、「いいね」と「萌え」の00年代 ほか)
第2章 推したい気持ちの正体―SNS時代のナルシシズム(「推し」は人生を左右する?承認欲求が薄れ、所属欲求が息を吹き返す現代 ほか)
第3章 「いいね」と「推し」に充たされ、あるいは病んで―自己愛パーソナリティの時代と成熟困難(ナルシシズムを病的とみる時代から、当たり前とみる時代へ、それでも「いいね」と「推し」があるじゃないか ほか)
第4章 「推し」をとおして生きていく―淡くて長い人間関係を求めて(「推す」のも「推される」のも大切、今、あなたは何で心を充たしている? ほか)
第5章 「推し」でもっと強くなれ―生涯にわたる充足と成長(長く続けて、長く成長、ナルシシズムの成長理論 ほか)
あとがき
精神科医・ブロガー。1975年生まれ。信州大学医学部卒業。ブログ「シロクマの屑籠」にて現代人の社会適合のあり方やサブカルチャーについて発信
著書に「何者かになりたい」など。
【No1480】「推し」で心はみたされる?21世紀の心理的充足のトレンド 熊代 亨 大和書房(2024/01)
