朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -183ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。



「お客さんを勝たせる」営業の実践を追求しています。


225P「お客さんの言いたいことや、やりたいことを把握できるようになることが、売れる営業になる一番の近道なのです。」


まさにその通りなのですが、このようになれるのは簡単なことじゃない!


「コーチング営業」をマスターするための方策が、たとえを上げてわかりやすく書かれてありました。




これは、大切な友人からのご縁本です。


「いままでの朝活やセミナーなどで教わった内容がまとめて書かれてありますよ」とぼくのことを思って、うれしくも紹介していただきました。


ほんとありがとう!



「あなたの選んだ事は全て最高の選択です。だから迷わなくても大丈夫! 林健太郎」




 <目次>


はじめに


第1章 私がダメ営業マンから抜け出せた理由(お客さんは、何が本当に欲しいのか?、ダメな営業マンほど、トラブルに動じる ほか)


第2章 まずはコーチングで「売れる営業」に変わりなさい!(他人をコーチングする前に、自分にコーチングしなさい!、まずは洗脳されていることに気づこう! ほか)


第3章 「売ってください」とお願いされる!コーチング営業の技術(コーチング営業の原則、狩猟的営業と農業的営業はどっちが売れるか? ほか)


第4章 成約率を10倍に高める!コーチング営業の極意(売れない人ほど、自分の成績のために仕事をする、会社の理念を利用しなさい! ほか)


第5章 勝手に売れる!コーチング営業の7つのステップ(購買心理の仕組みを理解する、自分の商品のコンセプト、メリット・デメリットを深く知る ほか)


おわりに




☆1979年生まれ、石川県出身。高校を卒業後、大工として8年働く。その後、大手企業でリフォーム会社の営業・設計・現場監督をすべてこなすSE(セールスエンジニア)として勤務。その後、会社を離職し、師匠である苫米地英人博士と出会う。苫米地博士からコーチングの真髄を学び、その技術は格段に向上。現在は、パーソナルコーチングや企業コーチング、スポーツチームのコーチングを実施





225P


本来、コミュニケーションというものは、すべての人を幸せにするものです。


そのためには、お客さんの意思を把握して、お客さんの意思に沿った商品や情報を提供することで、お客さんは有益な商品や情報を手に入れ、あなたがその提供したものの対価として、お金を受け取り、両者が幸せになるのです。





池上彰さんが書かれた本を手に取ることが多くて、これで18冊目になります。



わからないことがあったり、難しい問題を理解したいときには、彼の本が最適なのです。



なぜならば、ものごとを噛み砕いて分かりやすく簡潔に教えてくれるから。



これは、彼が書いた本に一環として流れている姿勢だと思います。



30P

すぐに役立つことは、世の中に出て、すぐに役立たなくなる。すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ。



教養を身に付けるには、ハウツウものですぐ対応するのではなくて、日々コツコツと学び続けることではないかと納得しています。



190P

歴史は新しい研究成果によって、次々に書き換えられていくものです。(中略)

史実を覚えることは歴史にとって本質的なことではありません。

出来事と出来事の間に、どういう論理や因果関係が見て取れるのか。残されている史料を読み解くと、どういう出来事があったと推測されるのか。そういったところに、歴史を学ぶ面白さはあるのです。



歴史を学ぶのは面白いという理由が端的に書かれてあります。

歴史を学びたい気持ちは、まさにこの通りと思いますね。



200P

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。自らの経験のみに頼るのは愚かなことである。他人の経験を記した歴史に学ぶべきだ、ということですね。

歴史を批判的に眺めながらも、学ぶべき知見は現代に生かす。その積み重ねによってこそ、私たちは過去の愚行を繰り返すことから逃れられるのです。



このように歴史の知見を未来に活かして生きていきたい。



 <目次>


序章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?―現代の教養七科目

第1章 宗教―唯一絶対の神はどこから生まれたのか?

第2章 宇宙―ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源

第3章 人類の旅路―私たちは突然変異から生まれた

第4章 人間と病気―世界を震撼させたウイルスの正体

第5章 経済学―歴史を変えた四つの理論とは?

第6章 歴史―過去はたえず書き換えられる

第7章 日本と日本人―いつ、どのようにして生まれたのか?

おわりに




1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業。NHKの記者などを経て、フリージャーナリスト。東京工業大学リベラルアーツセンター教授。著書に「そうだったのか!現代史」など。



あの岩田松雄さんにお会いしたときがあります。




「好きなこと」「得意なこと」「人のためになること」の三つの重なりに成功する秘訣があるよと言われたことを今でもよく覚えています。




彼が語ってくれた思いは、あのときと変わらずこの本の中にも息づいていました。




「28 ミッションとは自分がこの世に生かされている理由 世の中にいかに貢献するかを見つけなさい」




今もなお主張がぶれていないところに、彼に魅力を感じてぼくはとても惹かれるのです。




249P

「若い人たちに一番伝えたいことは、いま生きていることの素晴らしさを実感し、自分自身の可能性を信じて精いっぱい生きてほしいということです。」




カナダ人実業家のキングスレイ・ウォードさんの「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を思い出していました。




息子に対して自分の人生経験を踏まえて伝えることができる言葉があるのは、とても素敵なことだと思います。






「まずは自分が楽しむことが大切。『楽しむ』とは一生懸命やるということだ」三浦知良




「06 仕事は、火花の散る瞬間(本質)を意識することが大切」




「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところに行く、ただひとつの道だと思う」イチロー




「ものごとは心でしか見ることができない。大切なことは目には見えない」サン=テグジュペリ





岩田さんが学ばれた人生に役立つ格言やことわざなどの名言が満載でそれぞれが心に熱く響きました!





「岩田さんにまたお会いしたい!」





 <目次>


はじめに 


第1章 なぜ働くのか(自分の「限界」を簡単に決めてはならない、会社選びの決め手は社長と「ご縁」 ほか)


第2章 チャンスの土俵に乗る(知らぬ間に悪い環境に染まっていませんか、成果を出す法則=「やる気」×「活動量」×「質」 ほか)


第3章 壁にぶつかったときの考え方(「我慢」を楽しめる体質になりなさい、競争から逃げてもかまわない 目標は下げてもかまわない ほか)


第4章 可能性を最大限に伸ばす(いまを大切に生きなさい 嫌な過去はいくらでも消せる、自分のペースを守り続けなさい それが成功への近道だ ほか)


第5章 目の前のことだけが道を開く(お金とは、自分を高める手段、給料や見かけの華やかさではなく本当に自分のやりたいことを見つけなさい ほか)


おわりに














1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業。株式会社リーダーシップコンサルティング代表。元スターバックスコーヒージャパン株式会社代表取締役最高経営責任者。著書に「ミッション」など



「リーダーに求められる10の心得」


1 「ミッション」を語る

2 徳を高める努力をする

3 無私の心を保ち続ける

4 素直さを持つ

5 範を示す

6 怨みに任ずる覚悟を持つ

7 後継者を育てる

8 意中に人あり

9 努力と我慢

10 大いなるパワーには、大いなる責任が伴う




井口さんは、人生から「逃げろ」という表現を使っていますが、これはネガティブではなくポジティブな意味かと。



この逃げるとは、「どんどん行動して自分に最適な場所を探す」ことかと。



例えば、素晴らしい人生を送るために、この本に書いてある35の方法や手段を使って動くべきであるかと



 <目次>


1章 逃げ続ければ人生は変わる

2章 なぜ、逃げたほうがうまくいくのか?

3章 今すぐ逃げるべき仕事のこと

4章 今すぐ逃げるべき人間関係のこと

5章 今すぐ逃げるべきお金のこと

6章 今すぐ逃げるべき自分のこと


東京生まれ。リッツコンサルティングPTE.LTD.代表取締役。著書に「パワートーク」「パワーノマド思考」など。



フォルトゥナの瞳からは、人間の運命が見えるという。



自分だったらどうするのだろうか?



今にも死ぬ運命にある人がいるならば救うことができるのか。


場合によって救うべきなのかどうか。



人の死は運命によるものなのか、運命は変えられるのかどうか等々うーんと唸り考えさせられました。



読み始めてすぐストーリーに引き込まれるところは、さすが百田さんだ!



この本においても、いろいろなジャンルを書かれる百田さんの懐の深さを感じます。


1956年大阪生まれ。同志社大学中退。2006年「永遠の0」で作家デビュー。2013年「海賊とよばれた男」で第10回本屋大賞受賞



145P


「最後に、もう一度言っておくが、他人の運命を変えると、後悔することになるぞ。お前にもいつかわかる時が来る―」



彼女の勉強法は決して特殊ではありません。



テキストを、段階を経て「7回読み」するということ。



できるだけ効率良く努力をしたいという思いから生まれたこの勉強法。



目標を実現するための努力を怠らない人なら、誰もが実行できる勉強法ではないでしょうか!




 


とてもすごくインパクトがある題名ですね。




素晴らしい!



興味を持っている人は、これじゃ手に取りますよね。





 <目次>


はじめに

1「頭がいい人」がしていること

2 私の勉強ヒストリー(「少し上のライバル」を意識して、摩訶不思議な「社会」という場所で)

3 誰でもできる!「7回読み」勉強法とは?

4 努力とやる気を持続させる「メンタルコントロール術」

5 なぜ学ぶ?何を目指す?自分と向き合うと見えるもの



1983年生まれ。札幌市出身。筑波大学附属高等学校進学を機に単身上京。2002年に東京大学に入学し、法学部に進み、3年次に司法試験、翌年には国家公務員1種に合格。また、学業と並行して、東京大学運動会男子ラクロス部のマネージャーも務める。学業成績は在学中4年間を通して“オール優”で、4年次には「法学部における成績優秀者」として総長賞を受け、2006年3月に首席で卒業。同年4月に財務省に入省し、主税局に配属。主に国際課税を含む租税政策に従事。2008年に財務省を退官し、2009年に弁護士登録


15p


勉強の得意そうな人でも、みんながみんな決して楽しんで勉強しているわけではないのです。


勉強が楽しくないのは、当たり前であり、苦痛を感じるのは自然なことです。勉強というプロセスそのものが私達の目標ではありません。


験に受かること、資格を得ること。勉強によって得られるその先のゴールが、私達の目標なのです。


勉強は目標を得るための手段にすぎません。そして、この手段が苦しいからこそ、その先のゴールにたどり着いたときには、本当の意味で「楽しい」と思えるのです。




132p


7回読みは、(何度も繰り返すと、文章との間に親密さが出てきます)まず「認知」し、それを「理解」へとつなげていく道筋を作ることが大切なのです。






「Nのために」「白ゆき姫殺人事件」などのように怖くないけど湊さんのテイストが出ている作品。



物語のはじまりが、旅先を訪れた人々を通じてバトンのようにリレーされ、この物語のおわりにしっかりとつながっていきます。



それがわかったから読み終えてよかったと思います。



読み終えた後は爽やかで温かな気持ちになれます。



湊かなえさんの執筆のスピードが凄く早いと感心しています。



どうしてこのペースで本を出せるのかを知りたいくらい不思議。



彼女の発想力は、物凄く高い。


それと取材力もすばらしい。

いい加減には、北海道など現地の名前や風景も描写できない。



来月にはどんな本を出されるのか楽しみ。





 <目次>


空の彼方

過去へ未来へ

花咲く丘

ワインディング・ロード

時を超えて

湖上の花火

街の灯り

旅路の果て


1973年広島県生まれ。「聖職者」で小説推理新人賞、「告白」で本屋大賞、「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。他の著書に「豆の上で眠る」など


40P

この物語に続きはない。結末は読み手の想像にまかせるということだろうか。


あわただしい日常の中ではそんなことに思いを馳せる余裕はんないけれど、おわりのない物語は、旅のお供にするにはちょうどいいかもしれない。


292P

「言い忘れたことが一つあったの。おばあちゃんは最初で最後の本って言ったけど、最後かどうかはまだわかんないよね」


そうね、と小さく笑っておばあちゃんは窓越しに空を見上げた。


北国の夏の夕方の空は、まだ高く青い。


その向こうにある物語を見てみたいと、おばあちゃんもあたしも、この先ずっと願い続けるに違いない。




表紙には、タイトルと色とりどりの朝顔、そして浴衣の女性が見えます。



花とは全く関係なさそうな事件がプロローグで起きます。



「タイトルや花とは、これからどうやってつながっていくの?」



複数の主要人物が関係なく登場してきます。



「これはどんなお話なの?」



頭の中が疑問だらけで話がすすんでいきます。



後半には、その事実が一つ一つとつながっていきます。



想像を超えるつながりがちょっとずつ見えてきます。



重なり過ぎが偶然のようですが。



どのようにつながっていくのかをよくよく考えながら読み進めていくととても面白かったな!



 <目次>

プロローグ1

プロローグ2

エピローグ



1958年(昭和33年)、大阪生まれ。大阪府立大学工学部卒業。85年、エンジニアとして企業に勤務しながら、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。99年、『秘密』で日本推理作家協会賞、2006年、『容疑者Xの献身』で直木賞、2012年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で中央公論文芸賞を受賞




191p


「黄色いアサガオは禁断の花、という話だ」


「禁断……」蒼太は梨乃と顔を見合わせた。


「私がアサガオに興味を持ったのは、父親の弟、つまり叔父の影響だ。その人がいろいろな変化アサガオを咲かせるのを見ているうちに自分でもやりたくなった。だが叔父はある時私にいったんだ。どんな花を咲かせてもいいが、黄色いアサガオだけは追いかけるな、とね。理由を訊くと、あれはムゲンバナだからだ、といわれたよ」


「ムゲンバナ?」


「夢幻の花という意味だ。追い求めると身を滅ぼす、そういわれた」


淡々とした口調で話した田原の言葉に、蒼太は背筋がぞくりとするのを感じた。返す言葉が出てこない。




パレートの法則にも誤算があるという意味だ。



人生において、当てはまらない場合もあると言う。



どんな場合なのかと考えながら、終わりにはその意味がわかりました。


柚月裕子さんの作品は初めて。ご縁ですね。


登場人物が少ないからこそ、ストーリーのつながりがわかりやすかったですね。



犯人が彼だと思っていたら、じつは違っていた展開が面白い。



おわりまで食い入るようにして読み終えてしまいました。


141-142P


「生活保護のことを話していたら、働き蟻の法則だな、って言って、どんなに一生懸命やったって堕落者はいなくならない、そう言いました」


小野寺は、ふうん、と鼻を鳴らすと、聡美の問いに答えた。



「ある大学の教授が蟻を使って実験したところ、ある一定数のよく働く蟻と、働かない蟻に分かれる、というデータが出た。そこで、働かない蟻を取り除き、働く蟻だけにしてみた。すべての蟻が働くと思うだろう。だが、違った。勤勉な蟻だけにしても、そのなかの二割程度は、働かなくなるという結果が出たんだ。それが、若林が言った働き蟻の法則だ」


142P


小野寺の話から聡美は、似たような法則でパレートの法則と呼ばれているものがあることを思い出した。たしかイタリアの経済学者が発見した統計モデルだったはずだ。


小野寺は補足した。


「80対20の法則とも呼ばれていて、ある分野における全体の八割を、全体の一部である約二割の要素が生み出しているというものだな。たとえば、社会経済だったら、全体の二割程度の高額所得者が社会全体の八割の所得を占めるとか、マーケティングだったら、二割の商品が八割の売り上げを作るとか言われている」



335-336P


「人間は、法則や数式で成り立っているものではない。


わたしたちひとりひとりが努力して自立し、法則に基づいた社会ではなく、すべての人がひとりの人間として見てもらえる社会を実現したい。そのためにわたしは、ある目標を立てている」


記事の最後は、短い一文で結ばれていた。


―将来、ケースワーカーになりたい。


(中略)


人の人生が、数字の羅列である法則に当て嵌まるとは、聡美には思えなかった。


さまざまな理由で、生涯、自治体の援助を受けながら生きる者もいるだろう。が、援助を糧として自立していく人間も必ずいる。」





◎1968年岩手県生まれ。「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞しデビュー。「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を受賞。





 <目次>

第1章

第2章

第3章

終章



「舟を編む」― 言葉の重要性を発見するために効果的な1冊。


辞書を作るという地味な作業に陽を当てたのは素晴らしい視点。


一月後に、二度読みしました。



ぼくも目標を掲げてやり遂げてきたことがあったからこそ、終わった後の達成感、満足感は共感しやすかったです。


「愛情」と「編纂」



手元に辞書を置いてわからない言葉を思わずくりたくなりました。

辞書を作るって、こんなにたくさんの時間と労力がかかるとは知らなかったな。



主人公の彼らといっしょになって自分も辞書を作っているような感覚を覚えるほど、この中に引きこまれたのです。



これでもう終わってしまったのか!と思うくらい、読み終わってからすこし寂しい気持ちがしています。


辞書の編纂にかける気持ちが熱く伝わってくる素晴らしい小説でした。



映画にもなっているのでそれもぜひ見てみたい。



読むのとまた違った感動を映像でも味わいたい。




☆1976年東京都生まれ。2000年「格闘する者に○」でデビュー。06年「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞受賞。ほかの著書に「風が強く吹いている」など




27P


「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」


魂の根幹を吐露する思いで、荒木は告げた。「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために、もし辞書がなかったら、俺たちは茫然とした大海原をたたずむほかないだろう」


「海を渡るにふさわしい舟を編む」


松本先生が静かに言った。「その思いをこめて、荒木君とわたしとで名づけました」


きみに託す。声にはしなかった言葉を聞き取ったのか、馬締は円卓から両手を下ろし、姿勢を正した。




186P


たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。


歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。

一緒に鏡を覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。


辞書を作るって、案外楽しくて大事な仕事なのかもしれない。


258P


めでたい晩にも、『大渡海』のこのさきを考えている。さすが荒木さんだ。松本先生の魂の伴走者だ。


辞書の編纂に終わりはない。希望を乗せ、大海原をゆく舟の航路に果てはない。


馬締は笑ってうなずき、

「では、今夜ばかりはせいぜい飲むとしましょう」


泡があふれぬよう注意しながら、荒木のコップにビールをついだ。