「Nのために」「白ゆき姫殺人事件」などのように怖くないけど湊さんのテイストが出ている作品。
物語のはじまりが、旅先を訪れた人々を通じてバトンのようにリレーされ、この物語のおわりにしっかりとつながっていきます。
それがわかったから読み終えてよかったと思います。
読み終えた後は爽やかで温かな気持ちになれます。
湊かなえさんの執筆のスピードが凄く早いと感心しています。
どうしてこのペースで本を出せるのかを知りたいくらい不思議。
彼女の発想力は、物凄く高い。
それと取材力もすばらしい。
いい加減には、北海道など現地の名前や風景も描写できない。
来月にはどんな本を出されるのか楽しみ。
<目次>
空の彼方
過去へ未来へ
花咲く丘
ワインディング・ロード
時を超えて
湖上の花火
街の灯り
旅路の果て
1973年広島県生まれ。「聖職者」で小説推理新人賞、「告白」で本屋大賞、「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。他の著書に「豆の上で眠る」など
40P
この物語に続きはない。結末は読み手の想像にまかせるということだろうか。
あわただしい日常の中ではそんなことに思いを馳せる余裕はんないけれど、おわりのない物語は、旅のお供にするにはちょうどいいかもしれない。
292P
「言い忘れたことが一つあったの。おばあちゃんは最初で最後の本って言ったけど、最後かどうかはまだわかんないよね」
そうね、と小さく笑っておばあちゃんは窓越しに空を見上げた。
北国の夏の夕方の空は、まだ高く青い。
その向こうにある物語を見てみたいと、おばあちゃんもあたしも、この先ずっと願い続けるに違いない。