朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -12ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

起業家はもちろん、サラリーマンでも戦略を立てるために役に立つ本。

まずは自分のことより、あくまでお客様ありきのニーズを優先することが大事です。

求められることをしっかりやることで信用が増していく、次にできることをしていって、上手くいくといつかは自分のやりたいことがやれるようになるということ。

38P「求められること」から商品を考える

「求められること」から→「できること」→「やりたいこと」にたどり着く

自分の「やりたいこと(好きなこと)」を優先して商品を作ってしまった人の多くは、事業をなかなか軌道に乗せられません。やりたいことで失敗した人が多いことを忘れてはなりません。

「求められていること」とは、「なんで○○しないのだろう?」と思うことや、あなたは何度も経験しているけれどほかのだれかにとっては初めての経験であること、「それやってあげようか」と聞いたとき、「ぜひ、お願いしたい、お金も払うよ」と言われることです。

 

一般的に広く誰でも売るのではなく、専用となると誰に対する商品なのかが特定しわかりやすくなります。お客様にとって選択しやすくなります。自分あてのブランディングにもなります。

81P 「○○専門」と言い切る 専門性を打ち出してお客様が反応しやすくする。

専門(専用)を打ち出すと、自分の課題ニーズに専門的な知見を持って答えてくれるような信頼感と権威性が生まれます。他にやっている人が少ないという希少性も感じさせます。

プロ(らしさ)を感じさせることができれば、高単価でも売れる商品をつくることができます。

 

 

 <目次>

はじめに 誰でも「1000万円」は稼げる

第1章 30日で1000万円を突破する!「起業のマトリクス」

第2章 商品づくり1―高単価でも売れる商品をつくる

第3章 商品づくり2―お客様が欲しくなる商品をつくる

第4章 集客―自分でやらずに「仕組み化」する

第5章 顧客化教育―「高単価、集客不要、高成約率」を実現する

第6章 販売―強引に販売しない

第7章 応援設計―いかに紹介してもらうか

おわりに 自分の事業を愛せなくなったときに

 

 

小川晋平さん

高単価化コンサルタント/Smart Asset HD創設者。慶應義塾大学経済学部卒。ベンチャー企業にSEとして勤務し、テレアポ会社を起業。その後、マーケティング会社を経営していた時期に苦境に陥る。その際、相談したコンサルタントの手腕と人柄に感動したことをきっかけに、自身もコンサルタントとして起業。33日で売上1000万円突破。事業をうまく軌道に乗せられなかった経営者・起業家に、「高単価ビジネス」のビジネスモデルを提案する

 

【No1875】起業のマトリクス 売り上げアップに必要な「打ち手」が一目でわかる 小川晋平 日本実業出版社(2017/01)

映画にもなった、あの『帝都物語』小説の著者。

アラマタさんは、知の巨人だ。

そして、汗牛充棟であり鷹揚自若であり博覧強記な人。

 

「すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」という題名がまずは気に入りました。例えば、ハウツーものの本はそれに当てはまりましょうか。

 

荒俣語録は名言集そのものでした。

勉強は楽しみながらしよう、嫌な仕事でもどこかに楽しみを見つけよう、広く好奇心を持ち続けよう、勉強も仕事も区別せず楽しもう、 など

 

いつか出会いたい 「座右の書」

295P 座右の書は死ぬまでに見つかればいい

本の魅力の一つは、一度読んで理解できなくても、時間を経て開いてみるととてもよくわかると感じたり、以前とはまったく違った感想を抱くことだ。とんでもない悪書だといわれるものであっても、時と場合によって非常に面白く読めることがある。逆に、昔は面白いと思って手にしたのに全くピンと来なかったということもある。

つまり、本に対しては結果を急いで求めないことだ。最終的に、本当に大事な一冊に出会うまでじっくりと、あらゆる本との出会いを楽しもうではないか。

 

 

 <目次>

はじめに AIに勝てる知的生活を見つけるために

第1章 脳にかかったクモの巣を払う 0点主義のすすめ

第2章 日本語という化け物を問い詰める

第3章 AIに勝てる勉強法

第4章 偶然がおとずれてくれる勉強法

第5章 やっぱり情報整理なんていらない

第6章 勉強を高尚なものにしない

第7章 苦手な勉強を楽しくする「魔法の力」

第8章 自己承認欲求に負けない「あきらめる力」

第9章 最強の「勉強法」は読書、場所はトイレと風呂と喫茶店

第10章 「人生丸儲け」と、「間違える権利」

あとがきに代えて だまされることで創造的批判力が身につく

 

 

荒俣宏さん

1947年東京都生まれ。博物学者、小説家、翻訳家、妖怪研究家、タレント。慶應義塾大学法学部卒業。大学卒業後は日魯漁業に入社し、コンピュータ・プログラマーとして働きながら、団精二のペンネームで英米の怪奇幻想文学の翻訳・評論活動を始める。80年代に入り『月刊小説王』(角川書店、現KADOKAWA)で連載した、持てるオカルトの叡智を結集した初の小説『帝都物語』が350万部を超え、映画化もされる大ベストセラーとなった。博物学、図像学関係の作品を含め、著書、共著、訳書多数

 

【No1874】すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる 荒俣 宏 プレジデント社 (2025/03)

手足に微細な毛を持ち、どんなところでも上ることができる木陰良則。

相手の懐から物を抜き取る「懐中殺」の使い手、雲川セイラ。

どんな毒でも死なない体を持つ毒術使い、赤味敦彦。

手裏剣をはじめ小物を巧みに操り、敵を攻撃するくノ一、一ノ坂はるみ。

息継ぎなしで長時間水中活動ができる潜水術の名手、小岩瀬新八。

 

江戸時代には重宝されていた忍びの者たち、甲賀忍者の末裔。

あの三億円事件も忍者が絡んでた!?

甲賀は現代の警察組織の深くに入り込んで事件を解決していくエンタメ作品。

ニンジャそれぞれのキャラだちが豊かで抜群だ。

さらっと軽く読めて面白いミステリです。

 

 <目次>

天高くアルパカ肥ゆる

毒を食らわばドルチェまで

アイリよ銃をとれ

水もしたたるパーティナイト

三億円は悠遠のかなた

 

 

青柳碧人さん

1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2009年、「浜村渚の計算ノート」で「講談社Birth」小説部門を受賞し、デビュー

割り切った働き方を考えさせられました。

少子高齢社会、昭和から平成、令和という時代の流れの中で社会は大きく変わってきました。

欧米などではもうすでに当たり前の働き方の「静かな退職」。

仕事への価値観も変化してきています。かつては仕事が趣味だというくらいのワーカホリックがいました。自分と家族のために生きていきたいとか、年功序列型も崩れかけつつあります。

この静かな退職に向けて、本人の行動指針や収入を含めたライフプランなどの経済的に自立していく必要があります。

本人から周囲、上司や会社もこの「静かな退職」を強く認知して、会社ではこの人材を活用していくべき時が来ています。

3P 「静かな退職」

アメリカのキャリアコーチが発信し始めた「Quiet Quitting」の和訳で、企業を辞めるつもりはないものの、出世を目指してがむしゃらに働きはせず、最低限やるべき業務をやるだけの状態である。

「働いてはいるけれど、積極的に仕事の意義を見出していない」のだから、退職と同じという意味で「静かな退職」なのだ。

・言われた仕事はやるが、会社への過剰な奉仕はしたくない。

・社内の面倒くさい付き合いは可能な限り断る。

・上司や顧客の不合理な要望は受け入れない。

・残業は最小限にとどめ、有給休暇もしっかり取る。

 

 <目次>

はじめに 「静かな退職」が流行し始めた理由

第1章 日本にはなぜ「忙しい毎日」が蔓延るのか

第2章 欧米では「静かな退職」こそ標準という現実

第3章 「忙しい毎日」が拡大再生産される仕組み

第4章 「忙しい毎日」を崩した伏兵

第5章 「静かな退職」を全うするための仕事術

第6章 「静かな退職者」の生活設計

第7章 「静かな退職」で企業経営は格段に進歩する

第8章 政策からも「忙しい毎日」を抜き去る

おわりに

 

海老原嗣生さん

サッチモ代表社員。大正大学表現学部客員教授。1964年東京生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて雑誌「Works」編集長を務め、2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。人材・経営誌「HRmics」編集長、リクルートキャリアフェロー(特別研究員)

 

認知バイアス、例えば、自分の考えや意見が正しくて否定的な証拠には目を向けないなどの思い込みがあるようです。

36P 認知バイアスとは思い込みである。

「情報を処理するときに判断や記憶が合理的にできないために、ゆがんでしまう現象」

 

物事を客観視できるか、多面的に見ることができるか、論理的な思考ができるか、短期ではなく長期的な視点が持てるかなどが対応するために必要だとわかりました。

291P 認知バイアスとの、うまいお付き合いの仕方

・自分の偏見を知る 

・すぐに決めない 時間があるときはよく考えて決める

・別の視点や反対の立場について考えてみる 都合の良い判断をしていないか立ち止まる

・あまり少ない事例だけで判断しない 他の考え方はないのかと反芻してみる

・他者の意見も聞いてみる 自分一人で判断しない

・直感を過信しない 少し立ち止まってみる

・批判的思考の視点を持つ 根拠を重視する。

 

認知バイアスについては、例えば、ハロー効果、ダニング・クルーガー効果、正常性バイアス、初頭効果、親近性効果、メタ認知、サンクスコスト、自己効力感、認知的不協和論等、

常日ごろ日ごろ聞いたことがある言葉や身近な事例を取り上げながら網羅的にとりまとめられわかりやすく説明されていました。

 

人は、いろいろな思い込みを持って突き動かされていることを知ることができたことがよかったと思います。

 

 

 

 <目次>

PROLOGUE 世界は認知バイアスが動かしている

INTRODUCTION 認知バイアスの「キホン」と「本書での学び方」

1 思考のクセ 「思考のクセ」が思い込みを引き起こす

2 心 「心の状態」が思い込みを引き起こす

3 人 「周りの人」が思い込みを引き起こす

4 情報・モノ 「周りの情報・モノ」が思い込みを引き起こす

EPILOGUE 認知バイアスとうまく付き合うために

おわりに

参考文献

 

 

栗山直子さん

東京科学大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院講師。専門は認知心理学、教育心理学、教育工学。青山学院大学文学部教育学科卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻修士課程、同大学大学院同研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻助手。その後、同大学同研究科助教、改組により同大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院助教、講師を経て、現職。2016年文部大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)受賞。認知バイアスも含む人間の柔軟な思考、主に推論・問題解決に関心があり人の思考に関する研究に従事。現在は論理的思考を育成するための研究を進めている。日本心理学会、認知科学会等会員。日本認知科学会をはじめ、海外の Cognitive Science関連の学会で発表を多数行っている

 

【No1871】世界は認知バイアスが動かしている 情報社会を生きぬく武器と教養 栗山直子 SBクリエイティブ(2025/03)

247P 

科学史に名を刻んだ人たちの物語は、わたしたちに問いを投げかけます。

何が彼らをそこまで駆り立てたのか。名誉のためか、愛国心なのか、それともただ純粋に知りたいという衝動か。

彼らの生き様を知ることは、わたしたち自身が「どう生きるか」を考える契機になるでしょう。

 

156-157P 山中伸弥 iPS細胞の作製(2006年)

 分野の違う人に話すと新しい考えが得られる 異分野の視点に勇気づけられる。

微生物の研究者、ビッグデータの研究者、植物の研究者など、分野が違う人と自分の取り組んでいる仕事の話をすると、新しい発見が得られることがある。臆することなく悩んでいることを共有しよう!

 

図やイラストを用いて多くの生物学者達の業績をわかりやすく学ぶことができる内容でした。

 

 

 

 

 <目次>

はじめに

本書の楽しみ方

1 組み合わせる!(いろんなものを使ってみる 医化学・毒性学の父(1538年)パラケルスス、ちゃんと量って比べてみる 柳の実験、ガスの命名(1648年)ヤン・ファン・ヘルモント ほか)

2 視点を変える!(フタしてみたらわかった事実 レディの実験(1665年)フランチェスコ・レディ、スッキリまとめあげる 分類階級と二名式命名法の確立(1758年)カール・フォン・リンネ ほか)

3 偶然をものにする!(好奇心に逆らわずにとことん突き詰める 微生物の観察(1674年)アントニ・ファン・レーウェンフック、あえて危険を冒してみる 種痘法の開発(1796年)エドワード・ジェンナー ほか)

4 突きつめる!(近いジャンルの知識で自説を強化する! 植物の細胞説(1838年)マティアス・ヤーコプ・シュライデン、とことん実験を繰り返す! メンデルの法則(1865年)グレゴール・ヨハン・メンデル ほか)

掲載生物学者で追う 生物学全史

生物学史の偉人年表

地質年代における生物の歴史

おわりに

人名索引・用語索引

主要参考文献・主要参考WEBページ

 

 

水野壮さん

筑波大学大学院生命科学研究科博士後期課程修了(農学博士)。日本科学未来館で展示開発勤務の後、サイバー大学、フェリス女学院大学および日本赤十字看護大学の非常勤講師を経て、麻布大学教育推進センターの生物学講師となる。そのかたわら、NPO法人食用昆虫科学研究会を立ち上げ、副理事長として昆虫食の普及活動に努めている。

 

 

【No1870】生物学史ひらめき図鑑 生命の謎に挑む科学者たち50のイノベーション 水野 壮 ナツメ社(2025/05)

 

国内の疫学調査によって得られた知見に基づく内容。

疫学の権威によると、健康は習慣化だと。

それも、無意識のうちに健康になれる習慣(仕組み)を身につけることだという。

7P 60年の月日を越えて見つけた日本人の健康の普遍的な法則。

その正体をひと言にまとめると、健康な人は「無意識のうちに健康になれる習慣」を実践できる環境にいたということです。

 

21P 医療×統計の実践的学問「疫学」

疫学は、病気が起こる原因やどうやったら予防できるかを、人の集団を対象として調べることにより明らかにする学問

 

概ね実践していることもありそうでないものもあり。日々気をつけていこう。

41P 60年の医療×統計でわかった日本人の健康の最適解

1 タバコは一切吸わない

2 お酒は1日2合未満

3 塩分を減らしカルシウムを増やした和食をとる

4 座位時間(長いと寿命が短くなる)を減らして適度な有酸素運動をする

5 肥満を解消する(特にBMIが30以上の人)

 

 

 <目次>

プロローグ

はじめに なぜ、医療×統計が最強のエビデンスなのか?

序章 ちまたの健康法は「ニセ科学」だらけ(「ジョン・スノウ」の井戸―「知」の出発点、集団を追跡し続けて真実を見る「疫学」 ほか)

1章 60年のデータでわかった健康の最適解の方程式(前提 ただ長生きしても仕方がない、延ばすべきは「健康寿命」、健康の原則 健康は「すべきだ」では手に入らない ほか)

2章 60年のデータでわかった「食事」健康になる小さな習慣(「和食」を工夫して理想の食習慣を手に入れる、量を増やすべき食材 ほか)

3章 60年のデータでわかった「運動」健康になる小さな習慣(運動すると寿命が延びる、運動を仕組みにする ほか)

4章 60年のデータでわかった「ストレス」健康になる小さな習慣(ストレス解消法は何でも良いとは限らない、笑いの知られざる健康効果)

おわりに

ストレスが強いと高血圧になる?

「ありがとう」を言おう

 

 

 

大平哲也さん

医療×統計の専門医。1965年、福島県生まれ。福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。同大学健康増進センター副センター長。大阪大学大学院医学系研究科招聘教授。福島県立医科大学卒業、筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪府立成人病センター、ミネソタ大学疫学・社会健康医学部門研究員、大阪大学医学系研究科准教授などを経て現職。専門は疫学、公衆衛生学、予防医学、内科学、心身医学。現在は、循環器疾患をはじめとする生活習慣病、認知症などの身体・心理的リスクファクターの研究および心理的健康と生活習慣との関連について研究。運動や笑いなどを使ったストレス解消法の研究でも知られており、テレビや雑誌などでも活躍している

 

 

 

【No1869】10000人を60年間追跡調査してわかった健康な人の小さな習慣 大平哲也 ダイヤモンド社(2025/02)

 

223P いつまでも続いていくもの、不変なものなど一つもない。たった一日で人生は変わる。

佐藤正午さんは「月の満ち欠け」以来二度目だ。

熟れた、熟した、実る柿、はじめの葬儀の場面から目の当たりにした。

この「熟柿」がこの小説で意味するところは何なのだろうか、反芻しながら読み進めることとなった。

先に書評を読んでいたのである程度の悲惨なあらすじは知っていた。

伯母の晴子の葬儀の帰り道、大雨の中車を走らせていた際、主人公のかおりは轢き逃げ事件を起こしてしまった。それが起こることがわかっていてもそうなってほしくないと思いつつ、ぼくは読みながら彼女といっしょにこれを体験してしまい気持ちがひどく動転してしまった。ちなみにかおりはそのとき身ごもっていたのだ。

彼女のたどる道は踏み外した人の実例と重なるようにして、千葉から山梨県笛吹市石和温泉、岐阜のパン工場、大阪のパチンコ屋、福岡のホテルなどと各地を流れていくこととなった。

かおりの周りには、久住呂さん親子など良きお節介焼きがいたり、また反対に、マンションの同室で悪い人斉藤さんとの対照的な人物が出てきてこのコントラストが主人公の悲惨さをさらに際立たせて物語に深みを持たす結果となったと思う。

 

なぜあのときにあの場所から逃げてしまったのか。なぜ老婆を助けなかったのか。

かおりがどれだけ苛まれたことかわからないくらい、後悔し憔悴しきっている。

最後にとある真実が明かされるが、このラストは想像できなかったし想像するのはとても難しかった。終盤にはずっと涙腺が緩み続けるほど良い内容だったと思う。

 

360P

「あれかな?柿の実が熟したってことかな?」

「柿?」

「熟柿。熟し柿という意味の熟柿。でもスマホに入れてある辞書にはもうひとつの意味が載ってて、『熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと』の語意もあるらしいんだよね。熟柿には。(中略)つまりね、柿の実の季節になれば熟すように、物事の成就には適した時期があるというか、その時は自然に訪れるのを気長に待つというか、……」

 

 

 <目次>

第一章から第十二章

 

佐藤正午さん

1955年長崎県生まれ。83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞しデビュー。2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞、17年『月の満ち欠け』で直木賞を受賞

 

 

業界自体かっこよく見える世界だけれども、見えないその裏で大変真面目に努力をしているのだった。

プロデューサーの苦労話は、リアルによる生々しさがあった。

数多くの番組制作にかかわって、報道からバラエティーまで上司の命令一つで責任を取り番組を統括しなければならない葛藤と苦労話が描かれていた。

 

この日記シリーズは、ある分野での知らない話や分からない面を赤裸々に伝えてくれるので面白い。

5P テレビプロデューサーの裏の顔

芸能界と二人三脚で疾走してきたのがテレビ局だったのだ。

20余年にわたりテレビ局に勤務し、ある事情で退社したあとも業界の周辺で禄を食んできた。私が実際に目撃し、また体験したことである。

深刻ぶった話ばかりではない。間抜けな話やしょうもない話も数えきれないほどある。

テレビ局とはどんなところで、テレビプロデューサーの仕事とはいったいどんなものなのか?

 

 

 <目次>

まえがき テレビテレビプロデューサーの裏の顔

第1章 プロデューサーの知られざる日常(雲泥の差:テレビ上方に入ったワケ、初仕事:新人の困りごと ほか)

第2章 番組予算が足りません!(ほ~ら綺麗でしょ:センセイの魔法の言葉、「プール金」活用術:不審な技術費用 ほか)

第3章 役に立たず、尊い仕事(悪酔い:中国国宝の片隅で、ワイドショープロジェクト:そして報道デスクへ ほか)

第4章 視聴率という魔物(生放送ワイドショー:リアルな情報を集める、信じられないほど安い店:芳しくない視聴率 ほか)

あとがき 何も起こらない日々

 

 

北慎二さん

1959年、神戸生まれ神戸育ち。大学卒業後、関西の民放テレビ局に入社し、編成部、東京支社、制作部などに勤務。テレビプロデューサーとして数多くの番組制作に携わる

 

 

【No1867】テレビプロデューサーひそひそ日記 スポンサーは神さまで、視聴者は×××です 北 慎二 三五館シンシャ フォレスト出版(2025/04)

森永卓郎さんの主張は、他の人とは違ってあけすけでちょっと極端な傾向がありますが、大きな視野から見てみると的を射ていると思えます。

もうすでに少子高齢社会で人口が減少しており働き手が少なくなってきているので、高齢者でも働かないと世の中が循環していかないんですね。

130P 「死ぬまで働け」という国のメッセージ

官僚は敵視しているのは、専業主婦と悠々自適な高齢者です。

「老後には2000万円が必要」というメッセージに隠された政府の意図は「もう年金はあてにしないでください」ということです。そして「生涯にわたって働き続けてください」というのが政府の本音です。

 

最低限度の賃金しか支払われていないとすると、その利潤は、どこにあるのか。

働いている人にその利潤を分けて、資本家も労働者もみんなで幸せに暮らしていけるような考えにはならないものなのかと不思議に思います。

137P 日本に蔓延するブルシット・ジョブ

なぜ日本では少子化が止まらなくなるかというと、資本家というのは、労働者が仕事で提供した労働力に対して、帰宅してから翌日に労働力を回復し会社に出社できる程度の最低限の賃金しか支払わないことで、利潤を最大化するからです。子育て世代の場合では、子供を産み育てるまでの賃金は払いません。なぜなら資本家にとっては、育児費用を負担することは何のメリットもないからです。これが資本家の本音です。

 

 

 

 <目次>

プロローグ 「プラザ合意」背後に蠢いた日米の「黒い思惑」

第1章 高すぎたアメリカへのツケ

第2章 奴隷化計画を推進した小泉純一郎内閣

第3章 日本人を奈落の底に突き落とすザイム真理教

第4章 急所を握られた安倍政権の末路

第5章 奴隷化が加速する日本社会

第6章 新NISAは「地獄の入り口」

第7章 脱奴隷化のための「一人社会実験」

第8章 私の晩年

第9章 「グローバル資本主義」は崩壊する

エピローグ

 

 

森永卓郎さん

1957年東京都生まれ。経済アナリスト。獨協大学経済学部教授。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。テレビ・ラジオなどのコメンテーターとしても積極的に発信。常に庶民の目線で数々の経済書を執筆し、03年『年収300万円時代を生き抜く経済学』がベストセラーに。2023年11月、ステージ4のガン告知を受けたものの、以降も精力的に執筆。2025年1月28日逝去

 

【No1866】日本人「総奴隷化」計画1985-2029 アナタの財布を狙う「国家の野望」 森永卓郎 徳間書店(2025/02)