
驚くことに、齋藤孝さんは、30歳過ぎまでに定職に就けなかった。失敗もしているし挫折もしてきたという。
悩み続けた齋藤先生からの山あり谷ありの自己体験に基づくアドバイス集だ。新社会人向けだが、数十年たった社会人にも役に立つ内容だった。
成長、成功、幸福に必ず繋がると僕は信じてやまない、そうした言葉の数数がきっと君にも届くはずだと確信しています。
世のため人のために動けることは、とても幸せなことだ。
80P 利他について
人のために動くというのは、誰にもできることではない。
だからこそ、お金や自己満足ではなく社会への貢献を目標に働くと、自分自身の能力は飛躍的に高まる。
何の職業にしても、社会的に意味のある仕事をして、その結果、お金が入ってくるということの方が、お金儲けそれ自体を目的とするよりも、やりがいもまして、自分自身の能力をグンと高まると強く考えます。
「足るを知る」など、論語からのことばが日常の生活に深く浸透している。
102P 修正について 「過ちて改めざる、これを過ちという」「過ちて改むるにはばかることなかれ」
ミスは誰にでもする。ただし古くは論語でも問われたようにミスをすること問題なのではなく、指摘されたミスをすぐに修正できないことこそが問題なのだ。
日頃から準備をしているからこそ、それがチャンスだとわかる。そうでないとただ単に目の前を過ぎていくだけになる。
172P 幸運について 「幸運の女神には前髪しかない。だからチャンスを捕まえるには前髪をつかむしかない。通り過ぎた後を追いかけても、後ろ髪がないので捕まえられない」機会をすばやく捉えないとチャンスを失ってしまうということです。
運は天から降ってくるものではなく、すべて人間関係から生まれてくる。ただし、一歩でも早く動かなければ、幸運を捕まえることは決してできない。チャンスは一瞬かもしれないということを自分の経験からも痛感している。
人生において、どれだけ自律して考えてどれだけ主体的に行動することができたか!それらの積み重ねだと思う。
196P 人生について やることや考えることがたくさんあって、毎日が長く感じられると、この感覚こそ日々充実して過ごしている何よりの証拠です。
幸せな人生か否かを決めるのは、貯金の額でもなければ、出世でもない。どれだけ本気で充実した日々を送ったか、その積み重ねしかないのだ。さて君は今日何にチャレンジするのだろうか。
<目次>
はじめに
第1章 「仕事」という“荒野”を恐る恐る歩き始めた君へ(「不安」について、「適性」について、「努力」について、「時間」について、「責任」について、「態度」について)
第2章 「挫折」という“難敵”との戦いで心が折れかかっている君へ(「挫折」について、「鬱屈」について、「不満」について、「妥協」について、「利他」について)
第3章 「組織」という“迷宮”で自分を見失いかけている君へ(「組織」について、「役割」について、「修正」について、「確認」について)
第4章 「人間関係」という“城壁”の前で足がすくんでいる君へ(「関係」について、「評価」について、「執着」について、「仲間」について、「友情」について、「結婚」について、「選択」について)
第5章 「成功」と「幸福」という“未来”を描き切れない君へ(「家庭」について、「お金」について、「幸運」について、「統率」について、「成功」について、「幸福」について、「人生」について)
おわりに
齋藤孝さん
1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程等を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくる。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導、フジテレビ「全力!脱力タイムズ」「newsイット!」など、TVコメンテーターとしても活躍中
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