朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -13ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

「情報の8割は視覚から得ている」

「超近視社会で目の病気の発症リスクは高い」

「一度失われた視野は元に戻らない」

 

「リモートワークの普及、生活習慣の変化、全身疾患の影響」など、パソコン、スマホなどデジタル機器の進展により利便性が高まる一方で、目は酷使し続けている。

早期発見で早期治療を、そして病気予防が肝と思っているため、定期的に眼科の検診をしている。

気をつけるに越したことはない。

後悔しないようこれからも気をつけていくつもりだ。

 

著者が眼科医の道を選んだ理由は、「一人でも多くの方に見える喜びをかなえる手助けをしたい」。

「失明リスクの高い病気に焦点を当て、40代以降の人が目の病気を加速させない方法、目の健康を維持するための生活習慣や食事のアドバイス、子どもの目に必要なこと」等が書かれてあった。

 

26P 視覚からの情報が制限されることで、脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下やうつ病の発症につながる。

 

160P 老眼は治る?

適切な治療を行えば、快適に見えるようになります。

166P 眼精疲労と頭痛の関係は?

根本原因となる眼精疲労への対策で頭痛は軽減します。

168P 黄色っぽい白目を白くする方法はある?

歯のホワイトニングのように、白目部分を今より白くする方法はありません。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 知らないと危険!放置すると怖い目の症状(「失明リスク」が高い4大疾病、目の病気が疑われる13の症状、目の構造と見える仕組み)

第2章 失明リスクを軽減!40歳から知っておくべき隠れた病気と対策(目の老化とうまく付き合っていくために~アイフレイルと白内障~、自覚症状がなくても、40歳を超えたら目の定期検査へ ほか)

第3章 目がみるみる元気になる健康習慣(生活習慣編、食事編)

第4章 目の常識を覆す!よくある疑問と最新知識をQ&Aで解説(目の健康を守るための新常識)

第5章 子どもの「見る力」を最大限に引き出す方法(子どもの弱視治療は10歳がタイムリミット;弱視のタイプと効果的な対処法 ほか)

おわりに

 

 

下内昭人さん

旭川医科大学医学部卒業。卒業後は道内の基幹病院で勤務。2016年に博士(医学)と日本眼科学会認定専門医資格を取得する。同年、日本眼科学会総合学術展示優秀賞を受賞。2017年から旭川医科大学眼科学講座の診療助教として、糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症の専門外来を担当し、難症例の白内障手術や網膜剥離などに対する硝子体手術を執刀。その傍ら、出張医として士別市立病院や名寄市立総合病院などの病院で地域医療に携わる。2019年国際眼炎症ワークショップ(GOIW)で眼科医向け教育セミナーにて指名講演を行う。2020年、旭川医科大学眼科同門会長賞受賞。2022年6月にしべつ眼科を開院し、現在に至る

 

【No1839】目の健康寿命 40代からはじめる後悔しないための生活習慣 下内昭人 講談社(2025/01)

8人の作家による将棋短編集。

青山美智子さんの「授かり物」は、青山さんらしい作品だった。息子の夢を優しく応援していく。

 

これまで全く読んだことがない作家さんの作品を読むことができたのは良かったと思う。次の読みにつながるから。

 

将棋の世界で、奨励会の細かいルールはよくわからない。

でも3段から4段に上がるための狭き門であること、この厳しさは主人公らの言動からひしひしと伝わってきた。

 

夢を諦めない姿勢と将来の不安に対する心の葛藤を描いたイメージが残った。

将棋の勝負師たちの手に汗握る緊迫感が伝わってきて良かったな。

 

 

 

 <目次>

授かり物 青山美智子

マルチンゲールの罠 葉真中顕

誰も読めない 白井智之

なれなかった人 橋本長道

王手馬取り  貴志祐介

おまえレベルの話はしてない(大島) 芦沢央

女の戰い 綾崎隼

桂跳ね 奥泉光

 

 

 

【No1838】もの語る一手 Stories about SHOGI 青山美智子ほか 講談社(2025/04)

なぜ急にもめごとが起きるようになったのか?それにはちゃんとした理由があったのだ。東京湾臨海署管内で立て続けに半グレによる傷害事件が起こった。また管内のスナックちとせでミカジメ料を要求されていた。それらには、塩崎恭司、年齢三十二歳の元マル走=暴走族関係者がかかわっているという。しかし、その裏には……。

須田三郎、村雨秋彦、水野真帆、黒木のほか刑事組対課強行犯第1係の安積剛志、強行犯第2係の相良啓係長、組織犯罪対策係の真島喜毅係長、警視庁交機隊の速水直樹小隊長とその部下の古賀毅郎巡査部長、前田寛之巡査長。榊原課長、そして野村武彦署長などが活躍する。このような個性あふれるメンバーたちがチームワークでこの事件を解決に導いていく。

事件としては小さくともどんなに危険を顧みず自らの体を張って国民の安全安心な日常を守っていく警察官の矜持があった。臨海署が一丸となって事件に取り組んでいる姿勢から熱く感じられる魂の迸りがあった。

警察ものの小説、やはり今野さん。これも一気読み、面白かった。

 

 

今野敏さん

1955年、北海道生まれ。上智大学在学中の1978年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て専業作家に。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、2008年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。2017年、「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。2023年に日本ミステリー文学大賞を受賞

道鏡事件における称徳天皇のように、誹謗中傷が歴史書を見ていくと古来ずっと行なわれてきたことが分かった。真偽の由は分からないにしても、これでもかこれでもかと金槌で叩くようにして貶めるような酷い行為であろうかと。

日本人のDNAに刻まれているかのようで悍ましい。

現代におけるSNS上、よってたかって炎上させていく行為は、それらに通ずる内容であった。

7P

SNSを舞台とした現代特有と思われがちな現象も、実は昔からあったことがわかるのだ。

その底にあるのは人間の「悪意」である。

相手の性別や年齢、地位や生死、世間の空気から判断し、「この人は攻撃してもいい相手だ」と見極めた上で、誹謗中傷を展開し、溜飲を下げるという、人間の欲望がある。

そんな人間の悪意と欲望に基づく営みを古典文学や歴史の中で見ていく。

日本人は悪意とどう付き合ってきたのか。それを利用し、どう生かしてきたのか。人はなぜ悪意を人にぶつけるのか。それによって何を得ているのかなどを探っていきたい。

 

 

 <目次>

はじめに 昔からあった匿名掲示板的誹謗中傷

1 悪意極まれば人間扱いしない―容貌描写と悪意

2 悪意をうたう古代歌謡

3 古代の大罪、呪詛

4 嘘の告発と悪意

5 公正であるはずの歴史書に秘められた悪意

6 言霊が信じられていた古代なればの罰としての改名

7 弱者へ向けられる悪意、強者へ向けられる悪意

8「悪霊」化の瞬間

9 女性蔑視と悪意

10 中世の大罪・悪口

11 近世の悪口祭と、古代の大祓

12「普通の人」がよそ者へ向ける悪意

13 悪意を利用した支配

14 家族の中の悪意――日本版シンデレラ『落窪物語』の場合

15 七代祟る――一定の家筋への悪意

16 まじないとわらべ歌の悪意

17 悪意をぶつけられた歴史上の人物

おわりに 正義に見せかけた悪意の怖さと、悪意の自覚の大切さ

 

 

大塚ひかりさん

古典エッセイスト。1961年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻を卒業

 

農業の現状と課題から、農が大切などいろいろな意見を聞いて良いことも悪いことも想定していかなければいけない。

コメの価格高騰の影響もあり、食料問題に注目している。日本全体の食料自給率が諸外国と比較しなくてもとても低いことや、自国だけでは食べ物を決して賄えていないことは以前から気になっていたところだ。

247P「農は国の本なり」

いざというときに国民の命を守るのを「国防」というなら、「農業・農村を守り、食料を守ること」こそが一番の国防だ。

農林水産業は、国民の命、環境・資源、地域、国土・国境を守る安全保障の柱、国民国家存立のかなめである。

 

諸外国での戦争、食料の大量買い付け、世界的な異常気象による不作の状況下、もしもの有事での当事者を想定すると、例えば、穀物生産国が自国を優先としたら、お金の多寡の問題ではなくなる。海外から食料をたやすく輸入できるのかどうか!生きていくためには食べていかなければいけない。飢餓からの負の連鎖が起こる!?基本的に当たり前にできることができなくなる。どうなるのかと考えると……。

240P

「いつでもお金を出せば安く輸入できる」時代が終わった今こそ、国民の食料は国内でまかなうはずなのに、食料自給率の向上が不可欠で、投入すべき安全保障コストの最優先課題のはずなのに、食料自給率向上に予算を掛けるのは非効率だ、輸入すればよい、という論理は、危機認識力と国民の命を守る視点の欠如だ。

 

 <目次>

はじめに

第一章 今、何が求められているのか

第二章 なぜ、自給率を重視せず「有事立法」なのか

第三章 今だけ、金だけ、自分だけの農業がもたらすもの

第四章 腰砕けの価格転嫁誘導策

第五章 多様な農業経営体からの後退

第六章 牛は水道の蛇口ではない

第七章 田んぼ「潰し」に七五〇億円

第八章 種をいかに守っていくか

第九章 農を守ることこそ真の国防

緊急レポート 令和の米騒動(コメ不足は猛暑のせいではない!~農家を苦しめる政策が根本原因、「オレンジ・牛肉ショック」の深層~貿易自由化と消費者選択)

おわりに 

 

 

鈴木宣弘さん

東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授・名誉教授。1958年生まれ。三重県志摩市出身。東京大学農学部卒。農林水産省に15年ほど勤務した後、学界へ転じる。九州大学農学部助教授、九州大学大学院農学研究院教授などを経て、2006年9月から東京大学教授、2024年から現職。1998年~2010年夏期はコーネル大学客員助教授、教授

この物語を読んでも、スカッと!はしません。

「復讐を預かる」成海慶介は、ただ成り行きを見守っているだけのように見えるが、別途仕掛けていて突然すばやく行動を起こす。また相手からの依頼を受けるだけでなく、お客様に殊勝な心掛けで諭すような言葉を発する人物であった。

121P

「遅かれ早かれ、あんなオケはすぐに飽きられる。でも、そんなことは関係ない。本当に大切なのは、あなたはどんな音楽家になりたいのか、どんな人生を送りたいのか、ということだ。本当に望んでいることが何なのか、もう一度考えるのです」

 

83P

美菜代はその札を見て、胸が痛むのを感じた。けれど、成海は全く意に介さず、口笛でも吹きそうなぐらい気軽に、それを数えた。

「確かに百万円ありますね」

「よろしくお願いします」

乙恵は丁寧にお辞儀をした。成海はにっこりと笑った。

「あなたの復讐はもう成し遂げられたも同然です」

 

復讐されるような人間は、ほっておいても不幸になる。

そんな人物は不幸にならずとも心からの幸せは掴めないものだ。

85P

「だから、この間説明しただろ。何もしなくても、神様が復讐してくださるんだよ。『復讐するは我にあり』」

「また、そんなこと言ってえ。神様が復讐してくださるなんて、あるわけないじゃないですか。私たちが動かなかったら誰がやるんですか」

「だから、何もしないの。復讐なんてしない方が依頼人の幸せにつながるんだから」

 

自分が傷ついて悲しくなって後悔する気持ちになる、ブーメランのように自分に返ってくる。依頼人の幸せにつながらないので、思っていても復讐をしないほうがよいのだ。

309P

「それでも復讐はするな。おれはそれしか言えない」

成海はぽつんと言った。

自分と自分の周りの人間を汚す。必ず、後悔する

「所長に、復讐するは我にあり。って言葉を教えたのって、誰なんですか」

「……小学校時代の校長だよ。ミッション系の学校だったから」

「そうだったんですか……」

美菜代の心の中に、小学生の成海がマリア像を見上げている絵が思い浮かんだ。

「復讐しなくてよかった、と思える日が必ず来る。いまはそれだけしか言えない」

 

 

 <目次>

第一話 サルに負けた女

第二話 オーケストラの女

第三話 なんて素敵な遺産争い

第四話 盗まれた原稿

第五話 神戸美菜代の復讐

解説 島田亜希子

 

原田ひ香さん

1970年、神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞、07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞

会議で自分の意見を簡潔にまとめて発表する、専門用語をかみ砕いて説明する、課題を分析して仕事を進める手順を検討するなど、仕事ができる人は、言語化がうまくできる人だ。

自分の思いをちゃんと相手にうまく伝えることができればそれに越したことはない。

言語化とは「自分の思いを言葉を用いて第三者へ分かりやすく伝えること」です。

最初にこの意義や概念に触れたのち、具体的な言語化への活用術などを説明しています。

言語化の向上によって、個々の理解や交流を深めて社会全体の豊かさに寄与することを伝えていました。

 

11P

言語化力とは思いやりの表現でもあり、その力が強い人は他者への配慮や共感を言葉で伝えることができます。高い言語化力は良好な人間関係を築く礎となり、自分とその周囲に幸せをもたらします。日々の会話や文章での適切な言葉選びが、豊かなコミュニティを形成するのです。

 

 

 <目次>

はじめに 

序章 世界は言葉でできている

第1章 言語化の本質

第2章 言語化力を高める基本的習慣

第3章 心を揺さぶる言語化力

第4章 人を動かす言語化テクニック

第5章 言語化の先にあるもの

おわりに

参考文献

 

 

齋藤孝さん

明治大学文学部教授。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程等を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス 新潮学芸賞受賞)など多数

ハムラビ法典「目に目を、歯には歯を」

やられたらそのままやり返していたならば、この世の中の秩序が成り立たない。犯罪には対応する法で裁かれるべきものなのだ。憎しみの連鎖を断ち切るには、「愛」や「慈悲」のようなこころが必要だろうか。諸外国で行われている紛争を見ているとついついそう思ってしまった。

 

真に罪を償うとはなにか?

少女殺しで少年院に送られた少年Aがいた。刑期を終えて少年院退所後、殺された少女の母親に殺される事件が発生する。事件の裏に復讐を誓った母親に少年Aの居所を密告した少年院仲間の少年Bの存在が明らかとなってくる。

 

ベールに包まれた事件の真相を解明するため、刈谷苑子という記者が手記をまとめ記述している体裁がはじめから続いていた。この記者がこの事件を基に執筆したい動機がなにかがまずは気にかかるところだった。

 

被害者、加害者の家族の視点でそれぞれ考えてみると、どちらの立場なのかで判断が違うし行動も変わってくるのだろう。

復讐したい気持ちがあっても実際にそうするのかしないのか。

それぞれの罪に対する認識の違いがあることでハムラビ法典のような事件が起きてしまう可能性があるのだ。

じくじくとした患部の傷がうずくようで痛はがゆくもどかしい思いが植え付けられる内容だった。

 

 

222P

「小学校のとき、習いませんでしたか。自分がされたくないことは、人にしちゃだめだって。殺されたくないなら、殺しちゃだめですよ。殺したのなら、殺されてもいいってことではないですか。目には目を。歯には歯を、死に死をもって償ってもらおうと思ったんです。私が言いたいのはそれだけです」

 

 

 <目次>

序章 墓地

第一章 N少年院ミドリ班の三人

第二章 六人の暮らし

第三章 派閥

第四章 裁き

第五章 復讐と贖罪

 

 

新川帆立さん

1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身。宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業、同法科大学院修了後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビュー

 

相手の行動を制限する言い方・スピーチロックの言葉の上位3つです。

ちょっと待って!動かないで!早くして!

 

そのほかの事例は、「何度言ったらわかるのか!ぐずぐずするな、立ち上がらないで、同じこと何度も言わせないで、いい加減にして、さっき言ったでしょ、こっちに来るな、触るな……」

 

これらを悪気なく無意識に相手の気持ちを考えずに気軽に言ってしまっていることがあるのではないかと。

 

相手から反発がなく、望ましい行動にスムーズに導く伝え方のコツは、スピーチロック防止を意識して言葉を選んで相手に発することです。

 

2P スピーチロックは、「相手の行動を制限する言い方」。つまり言葉の選び方、伝え方によって、相手の行動を制限し、心理的にも負荷をかける「言葉の拘束」をしてしまう可能性です。逆に言えば、スピーチロック防止を意識した言葉選び、伝え方ができれば、相手からの反発がなく、相手の行動を制限することもなく、望ましい行動に導くことができます。

(「DJポリス」の事例の紹介あり)

採用、研修、人事評価策定などの人材育成から見えてきたことは、「人は言葉選び、伝え方次第で、相手の受け止め方や行動を変えさせ、自分の印象も操作できる」ということです。言葉は、道具もお金もいりません。

 

 

相手の気持ちに寄り添って丁寧な言葉を遣って話すことや敬語を使っていくことは、これからすぐにも対応ができるものだと思いました。

114P スピーチロックの言葉を言い換えるコツ

敬語を使う、理由を追加する、結果予知を想定する、行動を誘因する、感情的な言葉を後回しにする。あいまいな言葉を使わない、ポジティブな言葉を使う 等々。

 

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 相手の行動を制限する「スピーチロック」とは?(言葉による拘束「スピーチロック」とは?スリーロック(3つの拘束)とは? ほか)

第2章 「スピーチロック」と「ヒューマンエラー」の深い関係(ヒューマンエラーとスピーチロックはどのように関係しているのか?「スピーチロック」は「ヒューマンエラー」を誘発する)

第3章 スピーチロックを引き起こす言葉と対処法(相手を精神的に傷つけ、行動を抑制してしまう言葉、スピーチロック防止の一番の対処法「言ってはいけない言葉」を排除 ほか)

第4章 シチュエーション別「言葉」の言い換え(時代とともに言葉の使い方も変わる、ジェネレーションギャップを埋めるスピーチロック防止法 ほか)

第5章 「非言語表現」を最大限活用する(言語表現と非言語表現の割合、非言語表現は7種類 ほか)

 

 

大野晴己さん

株式会社はあもにい代表取締役。採用育成サポート協議会理事長。豊橋創造大学客員教授。静岡大学大学院工学研究科修了(MOT技術経営)。パフォーマンス心理士

坂東眞理子さんの品格シリーズにこれが一つ加わりました。

祖父母としての役目・役割です。

娘や息子とは違ったある程度の距離感を持って、孫と親しく接する秘訣が書かれてあるのかな。

転ばぬ先の杖として、いつか役に立つことがあろうかとの思いで読み終えました。

次の世代には、祖父母の背中をそっと見せる。

語りでは恩着せがましくせずに、自分の生き方や知恵をさりげなく授けるようにして。

孫と向き合う上で大事なのは、「釣った魚を与えるより、魚の釣り方を教えること」です。孫に残すべきはお金や物ではなく、「無形資産」です。自分たちの「生き方」や、「生活の知恵」を授けましょう。人間として何が大事か、心を込めて伝えるのです。

201P

祖父母は長い人生を生きて初めてわかったこと、気がついたこと、人生を生きて行く上で不可欠な知恵を伝えることができます。さらに人間として欠かせない基本的な倫理やマナーを教えることによって、孫をまともな大人になるのを助けることができます。それが結果として、社会の次の世代の資質を向上させ、新しい文化を開いていけるのではないかと期待しています。

 

不易と流行。令和の孫育てに昭和の常識は通用しないとは言いながら、時代が変遷しても変わらない普遍性があります。また新しく変化していくことにも合わせていく器量が必要です。

25P

不易と流行を見分けることは、生きていく上で不可欠です。いつの時代でも人間として大事にしなしなければならない普遍的なことと、その時々で流行し目新しく魅力的に見えることとを見分ける重要性を伝えるのも、祖父の役目です。

 

いままでもこれからも、課題に取り組む態度と知的好奇心が大切かと。

93P AI時代に必要な能力 

大事なのは、課題を見つける能力です。変だなとか面白い、かわいそうだなと豊かな感情を持ち、困ってる人に自分ごととして共感し、ほかの人が直面している課題を解決するにはどうしようと考える人が必要とされるはずです。

そのために孫がなぜと質問したら丁寧に答え、自分でも答えがわからなかったらどうしてだろう、こうかな、ああかなと考える時間を持つことです。これは忙しい親には期待できない役割です。余計なことを考えないで勉強しなさいという教育方針のもとで子供が成長すると、AI時代には通用しない単純人間になってしまいます。

必要なのは、スキルや知識ではありません。課題に取り組む態度や知的好奇心など、心の持ち方です。

 

 

 

<目次>

はじめに 

第1章 祖父母の心得(孫の存在を全面的に肯定する、祖父母は伝えることを諦めない ほか)

第2章 孫に伝えるべきもの(仕事と人生を語る、子どもに我慢を教える ほか)

第3章 年齢別・孫との向き合い方(乳児期(0~1歳)の孫との向き合い方、幼児期(2~5歳)の孫との向き合い方 ほか)

第4章 祖父母の「終活」―次世代に残すべきもの(老いてゆく自分を見せる、死にゆく前にできること ほか)

おわりに 

 

 

 

坂東眞理子さん

1946年生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)に入府。埼玉県副知事・ブリスベン総領事・内閣府初代男女共同参画局長などを歴任。2004年から昭和女子大学教授。学長、理事長などを経て、2016年から総長を務める