【No1860】あまからカルテット 柚木麻子 文藝春秋(2013/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

タイプは違っている咲子、満理子、由香子、薫子の女子校で同級生だった4人はそれぞれ別の道を進んでいる。結婚している人、仕事にまい進する人、独身組に彼氏ができたりして、4人の物語には話題が尽きない。

お互いに助け合い、知恵を出し合ってそれぞれの難局を一緒に乗り切っていく様子を見ていると、こんな友達がいたら人生は楽しくてよかったなあとうらやましく感じるのです。

この物語を締める「おせちでカルテット」。

大みそかから新年へ女子4人のそれぞれの動向からは、読んでいるこちらもハラハラドキドキさせられて、話がトントン拍子に行き過ぎてもそれが面白かったと印象に残りました。

 

270P 解説 酒井順子

四人にも、まもなく共にカルテットを奏でることが不可能になる時が来るでしょう。しかしカルテットというのは、ひとりひとりがソロとしての活躍できるほどの個性を持つ人の集まりだからこそ、成立するもの。たとえ友情の中断期間があっても、四人はその間にまた、一人ずつ異なる成長をとげることでしょう。そして再び結集した時は、ますます芳醇なハーモニーを響かせるに違いないのです。

 

 

 

 <目次>

恋する稲荷寿司

はにかむ甘食

胸さわぎのハイボール

てんてこ舞いにラー油

おせちでカルテット

解説 酒井順子

 

 

柚木麻子さん

1981年、東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒。2008年、女子校でのいじめを描いた「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。受賞作を含めた単行本『終点のあの子』でデビューし、繊細な心理描写で注目される