朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -14ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「話し上手は聞き上手」と聞いてからが久しい。

しっかりと聞く大切さを感じとることができる。

コミュニケーション力が高い人は「聞き上手」。

コミュニケーションや人間関係をさらに楽しくよいものにしてくれる心がけを。

「聞く力」から「聴ける力」へ。

聞くことと、聞けているは違う。

著者が。「産業カウンセラー」であり「認定心理士」なのはとても頷ける内容だった。

3P 

話し手がどれだけ濃く話すかは、聞き手次第なのです。

聞き手のあり方が、話し手の話し方を変えると言えます。

話し手が気持ちよく楽しく話せるのは、話し手のスキルが高いからというより、相手がとてもよい聞き手であるからなのです。

 

印象に残ったフレーズを引用します。

 

共感と同感の違い

50P 共感はあくまで“理解すること”であり、“同感すること”ではない。

共感は、相手と同じ場所立つことではなく、相手の横に立つこと。

相手の横から相手が見ているものを一緒に見て、相手の気持ちを受け止めることだ。

 

アドバイスするのではなく、答えを相手から引き出す。一緒にそれを考える。

185P 大事なのは、相手が悩んだり困っていたときにすぐに解決策を提示するのではなく、「相手がどうしたいのか、どうなったらいいのか」に合わせて一緒に考えることだ。

 

 

「YES  AND」を使って相手から教えてもらう。

222P 「聞くことは教えてもらうこと」

「あなたの考えをもっと聞かせて、それについてもっと知りたい、どうしてそんな風に思ったのか教えて、その辺をもう少し詳しく聞きたい」

人の話を聞く時は、「自分ならではの考え方や想い」を教えてもらうという気持ちでいる。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 聞き方の基本

第2章 相手が心を開くリアクション

第3章 距離が縮まる聞き方

第4章 話の盛り上げ方

第5章 仕事・人間関係がうまくいく秘訣

第6章 もっと話を引き出す聞き方

第7章 聞き上手の考え方

おわりに

 

 

山本衣奈子さん

E‐ComWorks株式会社代表。産業カウンセラー、認定心理士、伝わる表現アドバイザー。高校時代から演劇に没頭し、大学在学中にロンドン大学に演劇留学。演劇を通して、人間心理や会話を通じたコミュニケーションのあり方に深い興味を抱くようになる。卒業後はサービス業から接客、受付、営業、秘書、クレーム応対等の業務にて30社以上に勤務。発信力を認められてプレゼンテーションの中心役を担ったり、傾聴力を買われてクレーム応対の前線を担当したりといった経験を重ね、様々な現場で身につけた伝える力と聞く力を駆使し、「もっと分かり合えるコミュニケーション」方法を確立。2010年に独立し、講師として全国に伝え続けている。講演や研修だけでなく、カウンセラーや相談役として人の話を聴き相手の心に寄り添う活動も数多く行っている。その傾聴力は各業界でも高く評価され、著名人やスポーツ選手との対談も多数担当、指名で依頼されるMC

 

 

【No1829】うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣 人間関係がラクになる原理原則 山本衣奈子 明日香出版社(2025/01)

経済理論として根拠となる図表をたくさん使ってわかりやすく説明がなされていました。

久しぶりにマクロ経済学らしく講義を受けた感がありました。

 

森永卓郎さんは、財務省をザイム真理教と言っていましたが、これが財務省の本当の姿なのか。

7P

財務省は「スキあらば増税したい」人たちの集まりで、本心からは財政再建や経済成長のことなど考えていない。

増税で予算が膨らむことで各省庁に予算を増やす恩恵を与え、見返りとして天下りを認めさせる。

我々の血税を利用して自らの権力を強化し、結果として国民の利益を損ない、日本の未来を奪うようなことを平気な顔をしてやっている。

 

3P「財務省の中では『髙橋洋一を3度殺しても、殺し足りない』と言われている」

え?殺すということは、「社会的に抹殺する、復活できないほど貶められる」と。

理由は?

財務省OBの髙橋氏は、財務省の一番痛いところを突いているという。

自らの権益を何が何でも守りたい財務省にとっては、「隠し通したいことを白日の下しさらす」とんでもない裏切者だからだ。

 

日本には、国債の借金に見合う十分な資産があるという!

271P 倹約をよしとすると借金は悪

莫大な借金があることそのものではなく、借金を返せるだけの資産がなかったことだ。

つまり、借金に見合うだけの資産がある限り、実はどれほど借金が積み重なってもかまわないと言っても過言ではない。

国債にもいえる。

マスコミも財務省も、なぜか「日本政府が国債をこんなに発行している」「また増えた」と騒いでいるが、これは企業や個人の借金の額だけを見て騒いでいるようなものだ。だが、当然ながら国は負債もあれば資産もある。国債発行だけを見て問題視するのは、経済プロであれば決してしない、一面的な見方なのである。

 

国債の金利はそう簡単に上がっていない。

単純な話として今の時点では国債の発行は心配ないものなのか。髙橋さんの説に分があると感じてしまいましたが。

277P 国債発行残高はGDP200%を心配しなくていい理由

もし国債が多く発行されすぎていると民間金融機関が判断したら国債は買われなくなり、そうなれば国債の金利がどんどん上がる。需要と供給の関係で、買いたい人が少ない場合は、買い手より有利な状況をつけなくてはいけないからだ。

でも、国債の金利は低いまま取引されている。言い換えれば、これは民間金融機関が国債をまだまだ欲しがっているということだ。つまり、国債は発行されすぎではないのである。

金利は上昇しないという現状を見れば、現時点での国債発行残高には何も問題ないということがすぐにわかるのだ。

借金というのは、必ず誰かの資産になる。国債は政府の借金だが、貸している民間金融機関にとっては資産である。民間金融機関は国債という資産を買って、利子収入を得ているのである。

今ほど低金利では利ザヤで儲けるというほど大きな額はならない。しかし、わずかでも収入を生む資産であることには違いない。

しかも、国債は金融市場の「コメ」だ。だから金融機関は、金利が低くても国債を買い続ける。借金とはどこまで行っても、借りる側と貸す側の二者関係の話だ。買し手が喜んで貸している間は金利が低いままだが、「なんだか危ないからもう貸したくない」という貸し手が増えれば金利が上がる。

国債の金利が低いまま取引されているから、「発行され過ぎ」というロジックが成り立たない。やはり単純な話なのである。

 

 

これって本当なのか?

ウソなのか?

世間で言われていることをただ言っているのか。

一般の常識を伝えているのか。

バズレばいいのか。

面白おかしく言っているのか……等々。

 

最終的には、賛成、反対、中庸などのいろいろな人の意見を聞いたうえで、各自で物事を判断していければよいのではないか思います。

 

 <目次>

はじめに

1章 大義名分にゴマかされるな!財務省のエゴとは?

2章 財務省の口車に乗らないために知っておきたい経済の基礎知識

3章 日本をわざと経済成長させない財務省

4章 親玉「財務省」子分「日銀」―その本当の関係とは?

5章 「金利」からも見えてくる!財務省の大好きな増税は「意味不明」で「愚かな策」

6章 何が何でも増税したい!「財務省のウソ」

7章 「円安で儲かる」は世界の常識。でも財務省は動かない

8章 「国債がまた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思惑とは?

 

 

髙橋洋一さん

1955年東京都生まれ。都立小石川高校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官、内閣参事官(総理補佐官補)等を歴任。戦後日本における経済の最重要問題といわれる、「不良債権処理」の陣頭指揮をとり、不良債権償却の「大魔王」のあだ名を頂戴した。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。現在嘉悦大学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長

 

読んでいて、「そうそう」「わかる」等々つぶやきたくなるほど、ぼくにとっての共感や同感をする内容が多かったエッセイ集でした。

読んでいる人の心に対して上手にことばを伝えていた感覚が残りました。

常日頃から相手にどうしたらうまく伝えることができるかをよくよく考えて実際に行動に移しているからだと感じました。

 

 

ひとそれぞれで面白い。他人とは同じ景色を見ていても、似通っていてもそれぞれ微妙に思いや見ている箇所が違います。違う意見があることを認識していくと気持ちが楽になります。自分は変えることができても相手は変えることができません。相手を否定しないし自分と同じ考えになるよう説得をしない姿勢です。

219P 「意見の違い」を上手に伝えるための戦略

嫌われてもいいなんて思わないけれど、全員から好かれるなんてそもそも無理、ならばせめて、自分だけは自分のことをいいと思えるようでありたい。他人に言動を合わせて自己嫌悪に陥るより、その方がすっと健全だと思ってき生きて来た気がします。

そんな人間にとって、他人と自分が違うこと、同じ意見でないことなんて当たり前で、違う前にしても、「なるほど、そんな風に考えてる人もいるんだ、面白いな」と思うだけで。相手や自分を否定する必要なんてなく、まずはその違いを受け入れて、相手がそう考える至った経緯を聞いたり、新たな視点を得た自分に少し変化が生じるを楽しんだりします。

 

 <目次>

はじめに 

1章 自分を上手に伝えたい(「はじめまして」を印象づけるシンプルな方法、「人見知りで」は言わないのがマナー ほか)

2章 家族への思いを上手に伝えたい(家族への伝え方は「今」と「直接」にこだわらない、子どものころほめられてうれしかった経験が育む力 ほか)

3章 SNSの世界で上手に伝えたい(まずは肌の合うSNSとマイルールを決める、「いいね」を分析すると自分の強みが見えてくる ほか)

4章 悩みや意見を上手に伝えたい(断り方に人の器や誠実さが表れる、批判的なコメントをチャンスに変える対応とは ほか)

おわりに 

 

小川奈緒さん

エッセイスト。1972年生まれ、千葉県出身。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業後、出版社勤務を経て、2001年よりフリーランスに。ファッション誌のエディター&ライターとして活動したのち、現在は著作やnoteをメインに執筆を行っている。また、音声プラットフォームVoicyで「家が好きになるラジオ」のパーソナリティーを務めるほか、イベントやワークショップ、講演など幅広く活動中

 

「Yes and」これはまさしくキャリアカウンセリングの傾聴時に応答できる技術です。

×Yes but(うん、でも)ではなく、○Yes and(いいね、だったら)にする。

この「Yes and」という接続詞を使って会話を進めていくだけです。

これを身につけるだけで、人生が劇的に変わるこれは誰にでもできるテクニックです。

相手をいったん受け止める習慣と、それをより効果的に機能させるスキルが求められています。変化の激しい時代を生き抜くためには、異なる意見や主張をいったん受けとめることで、新たなアイデアをビジネスチャンスに育てていかなければならなりません。

また、仕事だけでなく家庭や友人関係などのプライベートな場面でもこの習慣は円滑な人間関係を築くうえで大きな力を発揮します。

 

 

228P 1on1ミーティング

「相手の話の内容をまずは肯定し、相手の気持ちや自分の感想を付け加えて返すようにしています。その結果、相手が嬉しそうな表情を見せ、話す量が多くなり、自己開示が進みました。信頼関係をより早く構築できたと感じています」

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 なぜ、あなたは「受けとめられない」のか?

第2章 「いったん受けとめる」の土台づくり

第3章 「Yes and」でいったん受けとめる方法

第4章 好循環を生み出す「Yes思考」

第5章 「Yes and」の注意点と練習方法―未来型対話の可能性

第6章 「Yes and」の活用事例

おわりに それでも人生に「Yes and」と言おう

 

 

中島崇学さん

株式会社共創アカデミー 代表取締役。共創ファシリ塾 塾長。NPO法人はたらく場研究所 代表理事。慶應義塾大学卒業後、NEC入社。人事、広報、組織改革など、社内外のコミュニケーション畑を歩む。特に組織改革では、社内ビジョン浸透のための「3000人の対話集会」の企画実施をはじめ、全社規模での組織開発プログラムを実施。NEC在籍中より社外の仲間と活動開始。会社、家庭以外の「第3の居場所」を創り、そのコミュニティをもとにNPO法人はたらく場研究所を設立。現在は株式会社共創アカデミーを設立し、組織を越えて活躍できるリーダーを育成するためにファシリテーション・リーダーシッププログラムを提供。また、講師を養成し活躍の場も提供している。米国CTI認定CPCC、米国CCEInc.、認定GCDF

 

 

ビタミンDを用いた新たながん治療法を紹介している。これが患者にとって福音となるか本物なのかどうか。これから症例を積み重ねていかないといけない。がんを克服するために可能性があるならば取り入れて対応をしていくべきだと思う。

34P「毎日ビタミンDのサプリを摂取していると、がんの種類に関係なくすべてのがんの死亡率を12%減じ得る」「がんを発症してから毎日ビタミンDを摂るようになった場合でも、がんの死亡率が11%も下がっていた」。

ビタミンDは基本的に日に浴びることやサプリメントで摂取できるものであり、副作用の心配がなく効果のおよぶ期間・部位は広範囲にわたるものだと書かれてある。

なぜ、ビタミンDががんに効くのか。ビタミンDとはなんなのか。ハーバードや著者の研究で得られた科学的エビデンスを基にして、ビタミンDががんに作用するメカニズムを解き明かすとともに、新たな夢の治療法として確立させるべく取り組んでいる最新の研究を紹介している。

 

 

 <目次>

プロローグ~ビタミンDはがん医療のゲーム・チェンジャーになれるか~(白血病と私、「私ぬがん」と「私なないがん」、何が違う? ほか)

第1章 スーパービタミン「D」の驚くべき効果(ビタミンDの不思議、ビタミンDはビタミンにあらず! ほか)

第2章 「がんの新常識」を知って、正しく恐れよう(「がん」とはどういう病か、「がんは死ぬ病」という常識が覆った! ほか)

第3章 がんとビタミンDの関係―Dは「死ぬがん」ほどよく効く(ビタミンDは第6のがん治療となり得るか?ビタミンDの抗がん効果を検証する「アマテラス試験」をスタート! ほか)

おわりに 

参考文献

 

 

浦島充佳さん

1962年、愛知県生まれ、東京育ち。東京慈恵会医科大学分子疫学研究部部長・教授。小児科専門医。86年、東京慈恵会医科大学卒業後、附属病院において骨髄移植を中心とした小児がん医療に献身。93年、医学博士。94~97年、ダナファーバー癌研究所留学。2000年、ハーバード大学大学院にて公衆衛生修士取得。13年より東京慈恵会医科大学教授。小児科診療、学生教育に勤しむ傍ら、分子疫学研究室室長として研究にも携わる。9・11米国同時多発テロに強い衝撃を受け、医師として大勢の尊い命を守るべく活動するようになる。専門は小児科、疫学、統計学、がん、感染症。現在はビタミンDの臨床研究にフォーカスしている。またパンデミック、災害医療も含めたグローバル・ヘルスにも注力している。

 

 

【No1826】ビタミンDでがんの再発・死亡を予防する!ビタミンDは副作用のない抗がん剤 浦島充佳 さくら舎(2025/01)

昭和は、こういう人物がいた時代だったのか!?

主人公の猛夫、(家族も含む)お前はどれだけ周りを巻き込んで混乱させるのか。

猛夫の母タミ、タミの姉のカツ、カツが営む旅館で下働きの駒子、妻の里美など女性たちに助けられ救われ続ける。

ある意味ラッキーだな。

タケオがトントン拍子に理容師として独立して、このままでは終わらないだろうと思っていたら、巻末には、砂上の楼閣的なラブホテルの経営へと動いていく。

これが桜木さんの直木賞受賞作品にあった「ホテルローヤル」に辿り着くとは思いもよらなかった。

タケ、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は、波乱万丈だったな。

極端に幅が揺れる出演者たちの喜怒哀楽からは、「人生万事塞翁が馬」の言葉を強く思い出させられた。

 

※桜木紫乃さんは、薄汚くて薄幸な哀しい男女を描かせるとほかより頭一つ抜け出ている小説家だと思う。

 

 

 <目次>

一章 鉄の町

二章 修業

三章 別れ

四章 長男

五章 夫婦

六章 闘い

七章 新天地

八章 落城

 

 

桜木紫乃さん

1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞受賞。20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞受賞

「あの人は頭がいい」「理解力が高い」「仕事ができる」

共通していたのは、読解力。

 

11P 「読解力」とは、文章や発言の意味を正しく理解した上で、自らの頭で考え・分析し、何かしらの解釈や評価をする能力を言います。

12P 読解力を高める

本質をつかむ力が重要。

本質をつかむとは、目に見えるものだけではなく、その奥や裏にある根本的な性質(真意、実態、意図、本意、極意など)までを洞察する力を言います。

本質をつかむことで誤解や誤読を避けることができ、書く、話す、判断する、学習する、問題解決するなど、あらゆるアウトプットの質が高まっていきます。

15P

3つの読解法

表層読解 文字通りの意味や明確に示された情報を読み解く力

深層読解 話や文章の背景や行間、見えにくい文脈などを読み解く力

本質読解 話や文章の核となる意図や真意を読み解く力

 

 

 

物事を上手に判断していくために、これまでもこれからも足場を高くしていくわけだ。

91P 読んだ本の数だけ足場が高くなる

抜け道があることに気付いたり、危険を察知できたり、楽園が広がっている様子が見えたりします。視野が広がり余裕をもって周りを見渡せるようになっていきます。

(読書によって)物事・事象に一部ではなく、足場が高くなればなるほど、全体が見えるため、物事、事象を正しく把握できるようになります。

 

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 なぜ読解力は最強の知性なのか?(読解力は知性を司る最強の能力だ、読解力の低さはビジネスパーソンにとって致命傷である ほか)

第2章 読解力の前提となる語彙力を鍛える(語彙力のある人は読解力も高い、読書に勝る読解力トレーニングはなし ほか)

第3章 本質をつかむための論理力を磨く“本質読解”(「本質読解」とは何か、7つの事例で実践!本質の見抜き方 ほか)

第4章 「細かい関係性」を理解する“表層読解”(表層読解とは何か、まず全体を「俯瞰」する ほか)

第5章 クリティカルに聴く・読む“深層読解”(深層読解とは何か、ニュアンスから読み取る ほか)

おわりに 

 

 

 

山口拓朗さん

伝える力【話す・書く】研究所所長/山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのちライター&インタビュアーとして独立。27年間で3800件以上の取材・執筆歴がある。現在は執筆や講演、研修を通じて「論理的に伝わる文章の書き方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化強化法」など実践的なノウハウを提供。2016年からアクティブフォロワー数400万人の中国企業「行動派」に招聘され、北京ほか6都市で「Super Writter養成講座」を23期開催

 

 

【No1824】読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術 山口拓朗 SBクリエイティブ(2025/03)

中高年男性を取り巻く働き方の現状や課題、中高年のキャリア論や活性化策など前提条件から方策まで幅広く検討がなされていた。

障害者を含めた人たちに対して、やさしく分かりやすく見やすいホームページをつくれば、それが健常者にとっても見やすいものになることを司書修得時に気がついたのだった。翻って、中高年層が働きやすい社会を創れば、すべての働く人にとって役立つものになると思う。

1P 調査研究を進めていくうちに、管理職数の多くを占める中高年男性層にとって、働きやすい社会をつくることが、大局的にみれば、働くすべての人が働きやすい社会の実現につながるのではないかという仮説を持つに至りました。

 

男性が女性のようにしなやかに生きるとは実際にどうだろうか?

95P 中高年男性は年齢を重ねるほど必要なのはしなやかさ

柔軟でしなやかな体を作り上げる。新たな力が生まれ、自分を元気にしていく。

 

今いる場所で、やりたいこと、やれることをやってみる、そんな行動をすべきだ。

154P 中高年男性こそ手厚くすべきキャリア形成支援

自分が今働く意味を見つけられればよく、外部に資格を取ったり、社内で指導者として活動しようとすることだけが自律的なキャリアではないと考える。副業等もしておらず社外における自分の役割で明確に伝えられるものがなくても、例えば、組織の中で人間関係を調整するのが得意といったことでも、それが自分の役割やその場に必要な能力であると認識できることが大事である。いまいる組織の中で、今持っている自分の能力を把握し、未来の自分のために何をしたいかを考えて、行動を起こしてみることが自律的なキャリアの一歩ではないかと考える。

 

中高年男性のキャリアシフトによって、働く者が働き続けたいような社会をつくっていく方策とすべき。

220P 未来に残したい中高年男性の働き方

雇用環境が大きく変わり、個人が持つ多様なスキルや経験がより重視されている現在において、ジェネラリストとして活躍してきた中高年男性が好条件の転職やフリーランスへ転換することは容易ではない。しかし、それを中高年男性の特有の問題として片づけるのではなく、中高年男性がキャリアシフトしやすい社会をつくることが、大局的に見れば、年齢を経ても働き続けたい多くの人々のためにとってもよりよい社会づくりにつながるはずである。

(中略)

中高年男性一人ひとりが自信を持って輝く努力を忘れず、高齢化が進む日本社会で年齢を問わず多様な人材が活躍できる会社が増え、全ての人が能力と意欲を最大限に活かしつつ協力をしあいながら働ける社会づくりに向けて取り組んでいけば、日本社会の雇用の未来は、明るくなるのではないだろうか。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 中高年男性を取り巻く働き方の現状(変化を余儀なくされる産業構造のなかで中高年世代は仕事を得ることができるか、なぜ、中高年男性の働き方に対する企業の関心が高まっているのか ほか)

第2章 中高年男性をめぐる働き方の課題(現代にあわない定年制度がもたらす働き方の課題、役職定年がもたらす士気減退のインパクト ほか)

第3章 中高年男性は自らの幸福のために何を始める「べき」か(中高年男性のためのキャリア論、年齢を重ねるほど必要なのは「しなやかさ」 ほか)

第4章 企業が中高年男性を活かすための方法論(中高年男性こそ手厚くすべきキャリア形成支援、定年後も生涯現役の人材をつくる仕組み ほか)

第5章 中高年男性の活躍推進を通じた日本社会の活性化(ガラスの地下室に閉じ込められた中高年男性の解放、キャリアにもかかりつけ医が必要な時代の到来 ほか)

 

 

小島明子さん

株式会社日本総合研究所創発戦略センタースペシャリスト。経済社会システム総合研究所客員主任研究員。ESG企業評価の一環として行っている働き方や女性活躍に取り組む企業に対する診断業務、中高年男性および女性、氷河期人材の働き方に関する調査研究、企業のESGの取組みと人材確保力に関する実証分析等の調査研究に従事

マンション管理士や中小企業診断士の技能や資格を持っていても約束されるものではない。副業する中高年の「おじさん」の実態に迫る内容だった。動機で最も多いのは収入の補填、子供の教育費等への補充のためなどの理由があった。

データ入力、体験モニター、試験監督、せどり、ポスティング、食品工場、倉庫ピッキング、ウーバーイーツ、Amazon配達、デリヘル送迎、ホテル清掃、居酒屋皿洗い、駐車場警備、空き缶回収等々、本業の収入が減りつつあるなか、中高年がなんとか手を出せることができると思われる仕事であった。

 

「副業」が愛人のようだという考え方の発想が面白いと思って。

179P 副業は愛人と似ていると思うことがある。

本業(本妻)がありつつも、副業(愛人)を掛け持ちするおじさん。おじさんたちは、副業では本業のような責任は負いたくないと考える。面倒なことは避け、副業のおいしいところだけ味わいたい。しかしそんな都合のいい副業(女)はそんなにない。

本業の合間に、周囲に知られないようにこっそり副業をして、家族に秘密にしているおじさんも多い。そんなところも愛人と似ている。

 

中高年の副業の実態は、こうなのだを明らかにしています。

5P おじさんの副業探しは人生100年時代の序章

1 おじさんは低賃金市場で人気がない 学生バイトのような仕事しかない

2 すでに地方では副業が10年前からはじまっていた 成果主義、リーマンショックの直後から始めていた

3 男はつらいよ 生きづらさや男性のジェンダー問題

 

やれるものならばやってみるほうがいい!

不安や迷いを抱えて、ただ思ったり考えているだけではなく、実際に行動してやってみればわかってくることもある。

173P 宴会場で働く中高年の本音

「本業でもシンポジウムや会議でホテルの宴会場に来ることがあって、裏側がどうなっているのか見てみたいと思っていました。たまたまアルバイトサイトに見つけて、月に数回働いています」

聞けばvさんは誰もが知る有名企業のエンジニア。工場などで使用される自動システムを作っていると言う。年収もそこそこあるようだし、なぜ副業をしているのか。

「30年同じ会社で働いてきましたけれど、50歳を過ぎて定年後のことを考えた時、今まで培ったスキルが外では通用しないのではと思うようになりました。退職したら、いっそ全く違う仕事をしてもういいのではないかと、副業を試しているところです。

長年勤めてきた会社に最適化され、外で戦える武器が何もないと不安を感じている中高年は多い。

 

 <目次>

プロローグ

第1章 「副業の森」をさまよう

第2章 上流から下流に

第3章 若者に交じって

第4章 夜のしごと

第5章 部活のノリ?

第6章 セカンドステージ

エピローグ

 

 

若月澪子さん

1975年生まれ。大学卒業後、NHKのキャスター、ディレクターとして生活情報などを担当。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中

 

 

【No1822】副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はあるか 若月澪子 朝日新聞出版(2023/12)

激動と混迷な社会の中、毎年新たな法律の施行や従来の法律の改正が相次いでいます。

私がいる職場ではそれらを知っているものとして当然に判断して皆が行動しています。例えば、マストな時間外労働の上限設定や定年制の廃止などがあります。ある意味、法律は知っていると安心ができて信頼が生まれ、知らないと全く損をするものです。

 

労働基準法などの労働三法をはじめ、労働契約法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法など労働法に関し様々な法律を取り扱っています。「1テーマ見開き2ページ+図表付き」で、人事や総務で労務業務に携わる人には知っておくべき基本的な知識・トピックが網羅されていました。改正された労働条件の明示義務、育児・介護休業法、高齢者雇用安定法、フリーランス法等、ちょっと知りたかった内容も盛り込んでいましたから、ぼくにとっては魅力的な本でした。

 

(さらに詳しく知りたい場合や実際の業務で使用される際には、社会保険労務士などの有資格者や関係省庁・機関に内容の確認や相談されることを勧められています)

 

 

 <目次>

まえがき

第6版の発行にあたり

第1章 人事労務をめぐる法律の基礎

第2章 求人・採用・労働契約

第3章 賃金の内容と支給方法

第4章 労働時間・休日・休憩

第5章 異動・配転・出向

第6章 退職・解雇

第7章 労働災害・安全衛生

第8章 労働組合・労使紛争

第9章 多様化する雇用形態

第10章 人事・労務をめぐる今日的問題

 

中田孝成さん

ルート行政書士事務所 代表 株式会社ルート代表取締役。1965年生まれ。関西大学経済学部卒業、神戸大学法学研究科修了。京都大学大学院公共政策教育部修了。兵庫大学大学院経営学研究科(経営学博士)。弘前大学大学院医学研究科在学中。大学卒業後、株式会社リクルートに入社し、住宅情報、リクルートコスモス、法務を経験したのち、独立。行政書士として、個人や企業のさまざまな法務を手がけるほか、株式会社ルートでは、資格や検定のプロデュース事業と人事コンサルタント業務を展開し、阪神タイガース検定やセクハラ相談員など多数の検定を企画、運営する。

 

【No1822】図解でわかる人事・労務の知識(第6版)中田孝成/監修 総合法令出版(2025/03)