朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -110ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

リスクは想定すべき。

不安をコントロールし前向きで楽しく、希望を持ってリスクを「正しく恐れる」ための専門家でない人向けの本です。

 

自然災害や交通事故、リコール、ハラスメント、情報漏洩、感染症、景気変動、人口減少など、災害・事故から経営・ビジネス、政治・経済・社会までの、ミクロからマクロまでのあらゆるリスクを65項目に渡って検討されています。

 

問題が起こる前にリスクの原因を取り除き回避するほか、発生頻度を低減する、他人にリスクを負担・移転すべきだと事例をもとにして教わりました。

 

リスクと言えば、このような言葉が思い浮かんできます。

危機管理、リスクマネジメント、転ばぬ先の杖、石橋をたたいて渡る、

悲観的に準備し楽観的に対処する、迅速に初動対応を行う、

5Sの整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つ。

人間が予期しない出来事に遭遇した時に、あり得ないという先入観や偏見が働き物事を正常な範囲だと勝手に認識してしまう脳のメカニズム、正常性バイアス、

PLAN→DO→SEE・CHECK→ACTIONの繰り返し。

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故がありその背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するという、1:29:300の法則・ハインリッヒの法則等々……。

 

「リスクを取らないのが最大のリスク」。

 

思い出すのは、東日本大震災での福島第一原発の電源消失事故。

想定していない高さの津波によって、非常用電源も海水をかぶってしまい、原子炉を冷やすための電源を確保することができなくなった事件です。

 

地震が多い日本において、地震が原発直下で起こることも当然ながら、海岸そばに原子力発電所を建設するのならば、想定以上の津波が来るのも想定すべきだったと考えられたのではないかと。

 

そんなことが起こらないように思考回路を閉鎖しないように正常性バイアスを外して、歴史や過去、書物から、深く慎んで人の叡智から学ばないといけないと思います。

 

 <目次>

はじめに

序章 リスクとは何か?

第1章 リスクの基礎知識

第2章 リスクをコントロールする10か条

第3章 災害・事故等のリスク

第4章 経営・ビジネスに関するリスク

第5章 政治・経済・社会リスク

おわりに 

参考文献

索引

リスクマップ

著者プロフィール

 

慶応義塾大学経済学部卒業。東京海上日動リスクコンサルティング株式会社、上級主席研究員。リスクマネジメント・危機管理等の企業向けコンサルタントとして、これまで約20年間に、600社以上にコンサルティングを提供、企業向け講演はこれまで200回以上。経営者、役員、幹部、一般社員など立場・担当部署の異なる様々なビジネスパーソンに「リスク」とその対処を解説する中で、リスクに対する様々な誤解や対処の難しさを実感してきた。また海外駐在員として中国勤務を経験し、国民性による「リスク」認識の大きな違いも体感した。2020年4月から現職。

 

【No.901】リスク大全 予測不可能な時代に先手を打つ 知らないとまずい65のリスクと対策(できるビジネス) 深津嘉成 インプレス(2021/06)

コピーライターの川上徹也さんの新刊本です。

 

3P 「故きを温ねて新しきを知る」「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

重要なのは、古い事例を抽象化する能力です。

 

ピータードラッカーが絶賛するマーケティングの元祖、三井高利。

「みかん伝説」ストーリーブランディング、紀伊国屋文左衛門。

越中富山の薬売りを全国に広め有名にした富山藩主前田正甫。

徹底した組織改革で薩長土肥に並び称される最強藩にした佐賀藩主鍋島直正。

実測による日本地図を作製したシニア企業家、伊能忠敬など、

12人の推しメンが登場します。

ぼくは、老年期の生き方やその行動力、不撓不屈の精神などを真似したいので、伊能忠敬が憧れる存在です。

 

自分ブランディングや先払い商品券などのよきところをただ真似するのだけではなく、なぜそうしたのか、そうしたらどうなったのか、それが生まれた経緯やその後のことも含めて、彼らの精神や日本魂のようなものを正に自分事として考えて解釈して、よいところ取りをして活用していきたい。

 

三井、三越、大丸、西川、にんべん、山本山など200年を超える老舗の企業が日本に多い理由があります。

「江戸式マーケ」江戸時代の企業家たちのマーケティング戦略・イノベーション・ビジネスモデルなどをわかりやすく解説した本です。

古い事例を抽象化する能力、古い商習慣を打破する画期的な販売方法を取ってきたことは世界にも大いに誇れます。

江戸時代の起業家に興味を持ち、現代に生かせる何か新しい知恵が得られたら幸せです。

 

※令和3年7月25日(日)オンラインでの出版記念講演会で川上さんからお話を聞きました。

直接お話や質問もできました。

読書愛好家冥利に尽きます。

 

 <目次>

はじめに 江戸時代の日本は、世界に誇れる革新的なマーケティングで溢れていた

三井高利「三井越後屋」―ドラッカーも絶賛!マーケティングの元祖

蔦屋重三郎「耕書堂」―日本初!本格的コンテンツ・マーケティング

富山藩二代目藩主前田正甫&越中富山の薬売り―200年以上続く「雇客信用ビジネス」を確立

大丸 下村彦右衛門正啓―京・大坂発の「ビジョナリーカンパニー」

材木商・河村瑞賢―江戸の「ソーシャルビジネス」とは?

豊島屋十右衛門「豊島屋酒店」―「原価販売ビジネス」で大繁盛店に!

二代目西川甚五郎「西川家山形屋」―「デザイン経営」でV字回復!

山本山 五代目山本嘉兵衛―お茶の「産地ブランディング」

にんべん六代目髙津伊兵衛―「前払いビジネス」の先駆け

紀伊國屋文左衛門―「ストーリーブランディング」で江戸一の豪商に

佐賀藩第十代藩主鍋島直正―徹底した『組織改革』でどん底から最強藩へ

伊能忠敬―歴史に残る『シニア起業』のロールモデル

おわりに

参考文献一覧

プロフィール

 

湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られ、様々な企業・団体のマーケティング・アドバイザーを務める。「難しい」ことを「やさしく」「深く」「面白く」伝えることをモットーに作家活動も継続している。著書は、海外でも多数翻訳されている。

ブレイクニュースは、まさに劇薬だった。

相手を傷つけるのと同様に自分にもそれ以上のダメージを与えかねない劇薬のようなもの。

使い方を間違わないようにしないと取り返しがつかない状態になる。

児童虐待や8050問題、冤罪事件、パパ活などの実情を、YouTubeなど画像を使って勇敢にしておこがましく辛辣に各種課題を取り上げていた。

動画の視聴回数は一千万回を超えている。

 

ブラウスの上のボタンが二つ外され、胸元が大きくはだけて谷間が覗きそうになっている凛として切れ長の美人。

これが「ブレイクニュース」の顔、キャスターの野依美鈴だ。

64P

「自分のことをきちんと語れることこそが自立だと考えています」

「引きこもっている人たちに対して世間の多くの方たちは、怠けている、あるいは甘えていると捉えるでしょう。ただ、実際に引きこもりの人たちと接しているとそうでない場合が多いのを実感します。彼ら彼女らの多くは怠けているわけでも甘えているわけでもなく、引きこもらざるを得なかったのです。学校や社会で頑張ってきたものの、命や尊厳の危機を感じて、それを守るために自殺するのではなく生き続ける道として、引きこもりという道を選択しているんです

 

最終章の「ハッシュタグ」でやっと野依がやってきた行動の意味がわかる。

なぜなのか理由が露わとなってくるので、最後はもうあっという間に読み切った。

 

事情があっても何でもぶっちっちゃけ晒し出されてもよいものなのかな!?

現代のデジタル社会へ警鐘を鳴らす社会派小説だった。

 

356P

「きみはすべてを諦める前に死ぬ気になって闘ったことがあるのか」

「きみの言葉が届かないのは死ぬ気になってでも伝えようとしていないからじゃないか」

死ぬ気になって闘わなきゃ大切なものも守れない。 

 <目次>

ブレイクニュース

巣立ち

嫌疑不十分

最後の一滴

憎悪の種

正義の指

ハッシュタグ

 

1969年兵庫県生まれ。2005年に「天使のナイフ」で第五一回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年『Aではない君と』で第三七回吉川英治文学新人賞、2017年に「黄昏」で第七〇回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞

老後の生き方の意味を提言した本。

老いても病を経験しても、心までは老いてしまってはいけない。

良いことも悪いこともすべて過去の出来事として水に流せればいい。

今までのことはリセットして、ゼロから始まると考えれば。

人間は、いくつになっても、新しいことを始められる。

少しだけの勇気があれば、夢は叶うのだ。

等々教えていただいた。

 

 <目次>

はじめに 長く生きて思うこと

第1章 私の老人性うつ病との闘い

第2章 老人は、余生に寄り添う

第3章 老人は、死に寄り添う

第4章 老人は、健康に寄り添う

第5章 老人は、明日に向かって夢を見る

おわりに 老いる意味

 

1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒業。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家になる。69年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞を受賞。推理小説、時代小説、ノンフィクションまで幅広く活躍する文壇を代表する作家。数多くのミリオンセラー作品がある。2004年に日本ミステリー文学大賞、11年に『悪道』で吉川英治文学賞を受賞。

「人の幸不幸はおしなべて帳尻が合うようにできている」

南総里見八犬伝を著した曲亭馬琴(滝沢馬琴)の息子宗伯に嫁いだお路(みち)の半生が描かれた物語。

失明してしまった馬琴の口述筆記をして八犬伝を完成させたと聞いていたが、これほどまでに悲喜交々至る毎日だったかと思いもしなかった。

読むと書くには大きな開きがある。

馬琴から難解な漢字、難読な字を要求されるなど、お路の代筆の困難は、身を削るほどに想像をはるかに凌駕するものがあった。

そうであったとしても、世間に求められるために完成させる必要があった。

 

息子の早世など数々の悲嘆を乗り越えて、日常の些細なことにふと幸せを感じるお路の姿。先が見えない今をしっかし生きていく大切さを教えていただいた。

 

202P

『八犬伝だけは、何としても終わらせる』

覚悟に満ちた、馬琴の声がよみがえった。舅の意地と矜持ばかりでなく、贔屓たる読者のためであったのだろうか。おそらく国中の読者を合わせれば、百万にすら届くかもしれない。そのひとりひとりが、続編を、そして大団円を、焦がれるほどに待ち望んでいる。

完成に至らなければ、その夢と期待を砕き、裏切ることになる。

三十年近くのあいだ、ひたすら執筆を続け、すでに九十六冊百七十六話。版木の枚数は、三千を超えたときく。

半生を費やした、まさに生きた証しが八犬伝であり、読者にとってはそれが、渇いた喉を通る一杯の水であり、空腹を満たす米であり、凍えたからだを温める炭となり得る。

ふいに天啓のように、お路は悟った。

読物、絵画、詩歌、あるいは芝居、舞踊、音曲―。

衣食住にまったく関わりないこれらを、何故、人は求めるのか?
それは、心に効くからだ。精神にとっての良薬となり、水や米、炭に匹敵するほどの生きる力を与える。

八犬伝がこれほど歓迎されるのも、荒唐無稽であればこそだ。窮屈な日々の暮らし、煩雑な人付き合い、身内の厄介、己の不甲斐なさ―。人生は、小さな悲哀に満ちている。

現実からかけ離れているからこそ、読者は一時でも悩みや煩わしさから解き放たれて、馬琴の拵えた世界に高く舞うことができるのだ。

未完となれば、悲嘆と落胆はいかばかりか。馬琴も死んでも死にきれまい。

大衆にここまで求められ、これほど幸せな物語も他にあるまい。

 

 <目次>

一 酔芙蓉(すいふよう)

二 日傘喧嘩

三 ふたりの母

四 蜻蛉(かげろう)の人

五 禍福

六 八犬伝

七 曲亭の家

 

1964年北海道生れ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。2012年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、2021年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞

樺沢さんの「行動最適化大全」を紹介したいと思います。

 

樺沢さんは、アウトプット大全やインプット大全などがベストセラーとなっています。

累計180万部以上、36冊書かれている、精神科医で作家の樺沢紫苑さんが令和3年7月8日に出された新刊です。

この本は、心と体が健康になり幸福になるための秘訣が書かれています。

 

みなさんは、悩みや不安、ストレスなどをどのように解消されておられますか?

ぼくは、例えば周りの人に聞く前に本で調べてから、行動して解消するようにしています。

本には、人生の先輩や歴史上の人物などの失敗や成功、発言や足跡があります。

自分が体験するほぼ同様の事例については、すでに本のなかに書かれています。

ぼくは、そこからヒントをもらって、自分で解決するようにしています。

 

この本の特徴としては、目次がないことです。

第一部に、はイラストがありまして100ページも使っています。

それぞれ朝、昼、夜、健康、人生などで、最適化するための方策が絵でわかりやすく描かれてあります。

樺沢さんは、これまでこんなにわかりやすく伝えられる本を書いたことがないと話されていました。

最近の売れ筋本は、必要以上に難しいことが書かれており消化不良を起こすものが多いものと気づかれてこのようにイラストを多くしたとおっしゃっておられました。

 

このイラストを見て興味がありましたら、第二部の詳細部分を読んで内容を確認します。

 

たとえば、「朝の快適化」を取り上げてみます。

毎朝、同じ時間に起きる、トイレに行く、一杯の水を飲む、新聞を読む、本を読む、勉強をする、出勤がてらウォーキングをするなどが書かれてあります。こうすることで健康になるのです。

どうしてそうなるのかというのが第二部に詳細に書かれてあります。

 

ぼくらの脳のなかに、脳内から「ホルモン」が出ているのです。

 

土台となるのが、「セロトニン」です。心と体の健康に関係するものです。継続することやウォーキングをすることで出てきます。気持ちがいい、清々しい、さわやかな気持ちになります。

 

次に「オキシトシン」、人とのつながり、ふれあい愛情ホルモンです。家族、友人とのつきあいなどでよく出てきます。うれしい、安らぐ気持ちです。

 

最後に「ドーパミン」です。お金や成功に関連するホルモンです。試験に合格した、目標を達成したときなどに出てきます。やった~!と叫ぶような達成感や充実感です。

 

幸福に生きていくためには、こういったホルモンの分泌をよくすることだということを教えていただきました。

この本は、心と体が健康になり幸福になるための秘訣が書かれています。

健康が体に良いことは、精神科医として科学的に説明してくれました。

 

去る7月10日に樺沢さんの新刊発表の講演会が行われました。

そのときに、会場設営や新刊販売などのお手伝いをしました。

これはぼくの趣味なのですが、樺沢さんといっしょに写真を撮らせていただき、本にサインをいただきました。

とても楽しいです。

こういった行動をすることで、セロトニンや、オキシトシン、ドーパミンなど、ぼくの脳内からたくさんのホルモンが分泌していたことだと思います。

 

終わりまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 <目次>

はじめに 

第1部 イラストでわかる―最高の1日をつくる行動の最適化(1日のスタート「朝起き」を心地よくむかえる、健康的なよい習慣「朝型生活」に切り替える、スッキリと気持ちのいい「目覚め方」を学ぶ、あらかじめ決めた「朝のルーティン」をこなす、穏やかな「朝散歩」を日課にする ほか)

第2部 最新科学・研究結果で説明する―最高の1日をつくる行動の最適化(「朝」の最適化、「昼」の最適化、「夜」の最適化、「仕事」の最適化、「学習」の最適化 ほか)

おわりに 

参考図書リスト

 

精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通じてメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、インターネットのフォロワー累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している

 

【No.896】今日がもっと楽しくなる 行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す イラストでわかる完全版 樺沢紫苑 KADOKAWA(2021/07)

 

恩返し」

弟子が師匠と対戦して師匠に勝つことが、「これ以上の恩返しはない」と普通では思われる。

しかし、ここではそうではなかった。

相手が弟子であろうと誰であろうと決して負けたくないものであった。

 

まだ修行の身で若輩であるのに関わらず。

206P「新しいうちから長く使い込んだような振りをする必要はない」

は、僕にもハットして心に突き刺さる言葉であった。

 

たとえ熟練度が増して、世間から見て老輩になったとしても、初心を忘れずに新規事に取り組み、変化を求め続ける狂気な姿勢には、ぼくはただ感無量でした。

210-211P

将棋が好きで好きで好きすぎて、一般的な社会人が歩む道をすべて切り捨てて将棋にのめり込み、頂点に立って何年経とうが満たされることも飽きることもなく、まだ新しい一手にここまで目を輝かせられる人間。

これだけプレッシャーがかかる立場に置かれていながら、勝敗に飲み込まれることなく、将棋を愛し続けていられる異常な精神。

国芳には、目的も目標も必要ない。ただ見たことがない光景を目にしたいというだけで、自分を、戻るべき足場を躊躇いなく壊せる。

その熱量は、狂気でなくて何なのか。

 

 <目次>

弱い者  

神の悪手  

ミイラ  

盤上の糸  

恩返し  

 

1984(昭和59)年、東京生れ。千葉大学文学部卒業。2012(平成24)年、「罪の余白」で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2016年刊『許されようとは思いません』が第38回吉川英治文学新人賞候補に、2018年刊『火のないところに煙は』が第32回山本周五郎賞候補となり、第7回静岡書店大賞を受賞、さらに、第16回本屋大賞にノミネートされる。2020年刊『汚れた手をそこで拭かない』が第164回直木賞候補、第42回吉川英治文学新人賞候補となった。

婚約指輪が100万円以下だから、カルティエのダイヤが小さいから、と婚約相手をふってしまう主人公、弁護士の剣持麗子。

かなり勝ち気で自分に圧倒的な自信を持っていて、しっかりと仕事ができるタイプだが憎めない。

言動がきつくて身近にいたら仲良くなれないようなタイプだが、次第に嫌悪感がなくなり応援してしまうから面白い。

 

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲るという奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。

学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する犯人選考会に参加することとなった。

数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する……。」

 

著者の新川さんは、東大法学部卒の弁護士さんだ。

だから、警察官や検察に対して法律的な観点からの展開も拡がっていくのだった。

 

 <目次>

第一章 即物的な世界感

第二章 中道的な殺人

第三章 競争的贈与の予感

第四章 アリバイと浮気のあいだ

第五章 国庫へ道連れ

第六章 親子の面子

第七章 道化の目論見

第19回「このミステリーがすごい!」大賞選考結果

第20回「このミステリーがすごい!」大賞募集要綱

 

1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『元彼の遺言状』でデビュー

「花うた」

加害者と被害者家族、糸で繋いだような往復書簡。

被害者家族がここまで心がひろいのか気になったところだが。

圧倒的な構成力で彼らがたどる人生の顛末には圧倒されるばかりだった。

 

街の中で行き交う人々に、通り過ぎる家々の明かりに、それぞれに窺い知ることのない秘密があった。

仄暗い息苦しさの中に、罪を赦すこと、心を受け入れること、生きる日々を見守り、寄り添い続ける圧倒的な優しさと希望が描かれていた。

 

 <目次>

ネオンテトラ

魔王の帰還

ピクニック

花うた

愛を適量

式日

 

「雪よ林檎の香のごとく」でデビュー。ほかの著書に「イエスかノーか半分か」など。

仕事、社会活動、趣味、ボランティアなど、定年後の居場所は、ものの見方や自己肯定感、未来に対する姿勢、行動量との相関関係が強いのだ。

誰かから誘われるのを待っているのではなく、興味を抱いたら自分から先方に連絡し確認するほか、安心感が持てるように、読書会などそもそも自分でその居場所を作ってしまったらよいのだ。

 

過去を振り返ってみると、新しいことより、小さい頃からしてきたこと、途中で中断したこと、あのときにしたかったこと等の中からやることや楽しむべきことが見つかるのではないかと思っています。

21P 自分の中から抜き出す

定年退職を目前にしたライフプラン研修では、「定年後は趣味を探すか、ボランティアか地域活動でもやってみるよ」と言っている人もいる。しかしそういうスタンスでは、なかなか自分なりの居場所を見つけるのは簡単ではない。新たな道筋は、外に特別な何かがあると探すのではなく、自分の今までの人生と向き合う中で現れてくることが多い。自分の外にある法則やノウハウに解答はなく、予測できない未来にこそ価値がある。その時に役立つのは、自ら歩んできた道筋なのである。

 

現役世代、組織に属していてそれに寄り添うように生きてきたことが、こころの安心につながったものだと思います。

「何とかなるさ」

老年期は、健康なうちには働けるだけ働いて世間と繋がり安心感を持ち続けたい。

118P 老後不安の正体は?

安心感は、将来も何らかの形で働き続けることや日常の生活を調えることから生まれるということを彼らから教わったのである。不安の反対語は安心だと思いがちだが、実は行動なのだ。また「何とかなる」という気持ちも大切だ。

 

自分が好きなことや面白いことに自然と夢中になります。

ぼくは、健康に留意しながら、読書に夢中になってゆきたい。

138P 健康寿命を延ばす

私が講演や研修の中で出会う健康寿命の長そうな人は、現役時代に培った営業のスタイルを使いながら、定年後も起業数社から営業代行の仕事を引き受けて毎日顧客を飛び回っている70代後半の男性、地域の子どもたちに絵本の読み聞かせのボランティアに勤しむ70代後半の女性、彼女の夫はマネジャーとして活動を支えている。定年前後から学生時代に興味があった歴史を再び学び直して、「毎日が楽しくて仕方がない」と語る人などなどである。

彼らは、健康を維持するために対応策を打っているというよりも、自分が興味や関心を持っていることに充実感をもって取り組んでいる。彼らを見ていると、健康な人とは、健康のことを考えない人だと思えるのである。

 

充実した人生を過ごしていると、体に活力が漲り顕著なほどに自信が外に滲み出てきます。

そのいい顔には、他人からの信頼と信用が付いてくるものです。

262P なぜ「いい顔」になるのか

マスコミの取材を受けていて、「定年後に充実して過ごすためにどうすればようのですか?一言で言ってください」と回答を求められることがあった。一言で言えるのなら、こんな何年も取材やインタビューを続けていないわけであるが、その時は、「自分が『いい顔』になることに取り組めばいいのです」と答えた。その人が「いい顔」になる理由は人によっても異なっていて、そこに至るプロセスも人それぞれ違うところがオモロイのである。

 

 

 <目次>

第1部 『定年後』のいま(生涯現役、転身、コロナ禍から見たこと、こころの居場所、お金と健康、地域・ご縁、故郷と家族、過去の自分に出会う)

第2部 終着駅は始発駅(居場所は足元に、ほんとうの名前は何?、偶然の出会い、地元を愛する、過去の自分と語る、貯金は使い切る?、死んで生まれ変わる、「How Many いい顔」)

 

1954(昭和29)年、神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、生命保険会社入社。人事労務畑を中心に経営企画、支社長などを経験する。体調を崩したことをきっかけに50歳から職務と並行して取材・執筆・講演活動に取り組む。2015年定年退職。18年から神戸松蔭女子学院大学教授。著書多数