炎 12月12日 Y2025 本日発売
1975年に出した 炎 wish you were here の50周年記念盤が、出た。

前作、狂気は、1973年に出たものだった。
ビルボード100に15年間もランキングし続けたというあまりに売れた名作だ。
この成功で、メンバー間の関係はぎくしゃくし、メンバー自身も離婚問題を抱えたりしたらしい。
実際、新作は2年間も出なかったのだから.
このまま解散するのではないかと思ったものだ。
でも、この炎が出た。
wish you were here あなたがここにいてほしい
のあなたとは、当然に、シドバレットだ。
ピンクアンダーソンと、フロイドカウンシルというミュージシャンの名前を使って
グループ名としたのも、シドバレットだった。
さて、この炎は、既に5.1chマルチチャネル版がSACDで出ている。
今回は、2025 mixとして、ATMOSで出したことが新しい。
僕は、フルオプションで、LPレコードやシングルまでついている完全版を手に入れた。
透明のビニールレコードは、この版にしかついていない。
これが欲しくて、買ったのだ。
英国版もレコードがついているが、黄色いビニールだ。
日本では1500セットの発売。
既にほかの国では、売り切れである。
まったく商魂たくましいメーカーとは思うが、買う人がいくらでもいるのであるから、
これはむしろありがたいというべきだろう。
肝心のマルチch ATMOSの音だが、いまの住処では、ATMOS 15.1chの再生ができない。
年末にSACDとの対比として書いてみたい。
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2chを超えるマルチch、要するに今でいうサラウンドというのは、もともとオーディオではなく、映画からきている。
歴史を調べてみると、どうやら1950年代から存在していたようだ。
日本は、まさに戦後で、オーディオや映画どころではない時代だったと思う。
当初、映画に使っていた70mmフィルムとは別に磁気テープ録音を行い、磁気テープのch数を増やしていたという。
そのテープとフィルムを同期することで再生するのだ。
こうした方式は、デジタルに移行するまで続く。
手元にある資料では、
1940年にファンタジアがLCRの3ch、
1953年肉の蝋人形が4ch(LCRS)、
1956年オクラホマは、70mmのフィルムで6ch
といった具合だ。
すべてフロント側のchを拡張したものであった.
これは、後方より前方を重視する姿勢であり、優先順位は前方が高いということでもある。
人間の眼は前方しか見ることができないので、当然にこうなる。
映像を伴う音の再生において、前方優先という要素は参考にすべきだと思う。
1chを後方側に設定するのみであったのは、大スクリーンに対応する必要性から開発されたからだ。
1960年代には、ドルビー社が登場する。
テープを低速で回して長時間再生を行う必要から、
高域のヒスノイズやダイナミックレンジを改善するニーズも生まれ、
ドルビーラボ社は、1965年にプロ用のtyoeA ,その3年後にコンシューマ用のtypeBを発表出荷している。
ピュアオーディオでは、バンガード社が1969年に テープをもちいた4chを出すが、
これは、もともとのオープンリールが4chになっていたものをそのまま利用したものだ。
その後、1970年に入り、QS,CD-4 SQなどの、方式が日本を中心に出てきて、規格統一できないままになった。
我が家では、CD-4のステレオセットが導入されていた。
数ある方式の中で、4chが、1chづつ完全に独立した音を出すことができる方式で、
ディスクリート4chとかいう売りで、テクニクスとビクターから出ていたものだ。
FM変調した音声を再生すると、キャリア信号を用いて4chに分離する。
キャリア信号が再生できない針では、通常の2chとして再生できる。
CD-4フォーマットのFM放送も可能だったらしい(一度も放送されなかったと思う)。
キャリア信号は、30kHzから45kHzであったので、かなり高域特性の良いカートリッジが必要だった。
レコードに高域の音を記録し、再生できる技術は、このおかげで飛躍的に成長したものだ。
(ただし、ホコリでノイズでも出そうものなら、デコードに失敗するのでいっきにしらける)
シバタ針やラインコンタクトが出てきたのは、CD-4のおかげだ。
ちなみに現代のカートリッジは、100kHzまで再生できる。
実に優れた方式だが、ろくなレコードはなかった。
尾崎紀世彦、ポールモーリア、ゴッドファーザーのサントラ。
あとは、蒸気機関車の生録とか、津軽三味線ライブとか。
僕の知る限り、ディスクで出たのはこれだけ。
話にならない。
せめて、マイクオールドフィールドのチューブラベルズでも出してくれたら良かったのだが。。。
けっきょく、、オイルショックで経済が4chどころではなくなり、
市場からは放置プレーにあって、すべての方式が滅んでいった。
そうしたムーブメントが復活してきたのは、1981年にドルビーサラウンドが出現したからだった。
以前からアナウンスされていた、DIRAC社のARTが、DENON A1Hで使えるようになった、さっそくつかおう、というメッセージがDIRACから届いた。 サイトのリンクをみると、299ドル、既にダウンロードもできるようになっている。
そもそも、僕はDIRACを使っていないのだが、興味津々なので、日本に帰ったら、つかってみようと思う。
世界最先端の ルームコレクション機能である。これは、良いニュースだ。
悪いニュースもある。
Pure Audio Streaming という会社が、ストリーミングサービスを開始している。しかし、サポートはとても悪く、
タイトルもあまり増えていない。
そもそも、Auro-3Dで再生するために、AVアンプにHDMIに変するNvideaの SHIELD TVproも合わせて購入したのだが、これが届いてみてビックリ、みすぼらしいボロボロの箱に、パッキンもなくボトッと入っていた。傷だらけの圧倒的な中古品で、こんな粗悪品を使えというんか? と思っていた。
誰が使ったか知らん傷だらけの汚らしい機器を好んで使おうとは思わないので、廃棄し、新品を買った。ぷんぷん。
対応にも疑問があったので、信用調査機関を通してファイナンス面からの調査を依頼ていたのだが、レポートが届いた。良くない内容であった。 1年もたないかもしれない。 当然、サブスクで支払った金は戻らないだろう。
少し前の話だが、オンキョーが倒産したときに、クラファンを通してAVアンプを購入した人の被害を思い出した。
まだ倒産すると決まったわけでもないが、客集めには苦労している様子で、いつまでもつやら、という感じである。
これは、悪いニュース。
今年になって日本だけではなく、世界のあちこちでリチウムイオン電池(以下バッテリーと書く)が燃えまくっている。
今年1月16日に、カリフォルニアのMoss Landinf発電所の送電網バッテリーが発火し、大火災を起こしたのも記憶に新しい。
EV車がいきなり爆発するのも,毎年起こっている。
ちょっと、怖いですね。
さて、欧州を飛行機で旅行すると必ずひっかかる問題なのだが、
ICAOという民間航空団体(日本は昔から理事国だ)が、バッテリーの輸送に制限をかけている。
今年の2月以降、容量で300whを超えるバッテリーは、飛行機に持ち込みができない。
300wh以下のものに限って1個だけ機内持ち込みができ、
1個が160wh以下のものであれば、2個まで、という条件になっている。
これは、ICAO参加社の最大値であって、個々に、もっと厳しい数字を出している航空会社もあるようだ。
(欧州はテロに神経質な航空会社が多いのでね)
最近は、飛行機だけではなく、ドーバーを渡るユーロエクスプレスでも、チェックが厳しくなってきた感がある。
日本でも中華バッテリーの爆発が相次いでいるから、近いうちに厳しくなるだろう。
ところで、whという単位は、パソコン内蔵バッテリーでは使われるが、モバイルバッテリーでは使われていない。
モバイルで使われる単位は、mAhだろう。
W(ワット、電力)とA(アンペア、電流)は、簡単に変換できる。
W=VA であり、リチウムイオン電池の1セルの内部電圧は3.7Vだから、
A=W / V= 1/3.7
つまり 1wh=270.72mAh である。
だから、
160wh=270.27x160 =43243.2 mAh
となる。
パソコンでも、携帯でも、マトモなメーカーであれば、バッテリーの容量はスペックに必ず記載がある。
また、windowsのノート型パソコンであれば、
コマンドプロンプトから、バッテリーレポートを出す命令をたたけば、容量情報が出る。
つまり、こう.
>powercfg /batteryreport
と打てば、whの情報が出る。
僕の場合、飛行機に乗る時は、超軽量のPCを持ち込むので、いちいち容量の確認を受けた
ことは今までに一度もないが、一応念のため、この情報をコピーして、裏蓋に張り付けている。
ちなみに、富士通の世界一軽いnotePCを使っていて、質量は650g程度で、25whのバッテリーだった。
最新のnotePCであれば160whを超えることはない(と思う)が、
40000mAh(4万)を超える大きなモバイルバッテリーも日本では普通に売っている。
中華販売サイトでは(たとえばAliExpress)、4万mAhどころか、50万Ahのバッテリーも売っている。
これが爆発すると、結構大きな発火が起こる。
たとえて言えば、ドラゴンという火花が激しくとび散る家庭用花火があるけど
これ。
これが数発分のエネルギーで発火が起こる。
こんな危険な花火を、皆はカバンに入れて運んでいるようなものですよ。
少なくとも海外旅行には持ってゆかない方が良いです。
昔の大きなノートPCを持ち込む人も、一度チェックしてみると良いと思う。
真夏がやってきた。
欧州では、熱波がやってきて、原子炉が停止に追い込まれた(スイス)。
なんで停止したかというと、河川の温度が上がっているからだそうだ。
冷却水が高温になると十分な冷却ができなくなる恐れがあるので、
予防的に停止したのだという。
夏に電力供給が途絶えると、エアコンが使えなくなり、最悪死者を出す。
スペインのあちこりで山火事が発生した。気温もポルトガルでは50度になった。
そんないやなことを吹き飛ばすためにも、お祭りに出かけよう。
欧州の夏は音楽祭の宝庫なのだ。
バイロイトとか、ザルツブルグは、昔からNHKでライブをFMで流していたので、
日本でもかなりポピュラーだと思う。
でも、これからでは、チケットは手に入るまい。
経験上、今からでもチケットはまず手に入る、中身の濃い音楽祭をいくつかピックしてみる。
真っ先に思い浮かべるのは、エジンバラ国際フェスだ。
https://www.eif.co.uk/
今年は、8/1-24まで開催する。
もともとが、グラインドボーンの総監督が有志をあつめてスタートしたものなので、
クラシック、オペラが素晴らしい。
でも、ダンス、演劇などいろいろなジャンルのプログラムもかなり優れている。
ダンスと言えばケルト語圏でダンスといえばリバーダンスがあるし上演もされる。
エジンバラ市中にあるエジンバラ城の横にThe Hubという建物で行われるが、
近隣のあちこちの場所で、いろいろなショーやパフォーマンスが行われていて、
それらをすべて合わせて、ひとつのお祭りを形成している。
どれかの催しは、当日ふらりと行っても参加できる。
ついでに、スコッチモルト好きにはたまらない、ウィスキー博物館も行く価値がある。
お次は、ベートーベンフェス。
https://www.beethovenfest.de/
モーツァルトの祭りがザルツブルグ。ワーグナーの祭りがバイロイト。
ならば、ベートーベンだってあるでしょ。
あります。
しかも、あのリストが創始者だ。
今年は、8/28-9/27 まで開催する。
ベートーベンは、後期はウィーンに渡ったみたいだが、ボンで育った。
ボンの数少ない観光資源なのだが、生家は博物館として公開されているし、
その周辺にベートーベンの研究センターやホールを併設した資料館もある。
で、この祭りは、Oper Bonnがメイン会場で開催されるが、ここでのチケットは、入手が難しい。
でも、期間中に、あれこれ100近いコンサートが連日、複数の中小ホールに
分散して開催されるので、その周辺コンサートであれば、当日でも買える。
正直言って、メイン会場での演奏は、バイロイトとか、ましてやザルツブルグに比べると、
(かなり)見劣りするので、周辺コンサートの参加で十分だ。
むしろ、ジャズ風ベートーベンのような普段は聞けないゲテモノの方が楽しいと思う。
これだって、立派なベートーベンフェスの催しなのだ。
最後のおすすめ、ベローナ オペラフェス。
https://www.arena.it/en/arena-verona-opera-festival/
エジンバラフェス、ベートーベンフェスと比べると、圧倒的に高名なフェスだと思う。
会場は、ベローナで、要するにローマの円形競技場(当然屋外にある)で開催される。
日が落ちる少し前の夕方から始まり、日が暮れると光の演出が相まって、雰囲気は最高だ。

主にベルディの作品を上演するが、プッチーニやチャイコなども上演されるし、
オケ、バレエなども行われる。
ここは、何をみた、というより、ここで何か(なんでもいい)、を見たという体験に価値がある。
超有名なフェスだが、3万人を収容できるように拡張されており、有名な割にはチケットは入手しやすい。
とにかく、古代ローマから使われているこの場所で、ものすごい人数の中で、
光と音響演出の催しをライブで見ることができる。ひたすら、素晴らしい.
こんな経験ができるのは、エジプトの古代遺跡前か、ローマしかない。
こんなリアルな雰囲気を、立体画像とマルチchで、部屋で疑似体験できる日は、おそらく来ないと思う。
本物と疑似は、まったく異なるのだ。
Queen の1stアルバムのATMOS版が出た。
昨年(Y2024)に、Queenの初期のアルバムがリマスターされた。ハイレゾ化、5.1ch化されて、既にAppleが配信しているし、パッケージメディアでも出ている。
これは、そのappleの音源とは別物だ。appleの音源は一層の5.1chで音が出るだけ、というものであった。この時は、音に対してメンバーは携わっていなかったと思う。おそらく、その音がいまいちだったので、作り直したかったのではないだろうか。
このATMOS版は、ルイス・ジョーンズとシャーリー=スミスが、あのATMOS設備が完璧なアビーロードスタジオでマスタリングしている。ブライアンメイとロジャーテイラーも、かかわって、音楽全体を再解釈、再構築しているという。
ATMOS化である以上、15.1ch=9.1.6chのATMOSフルフォーマットですべての音が鳴っていてほしい、と期待して買った。
そして、期待通りに、ちゃんと15.1chすべてが使われていた。
すばらしい。
さて、このオリジナルLPは、1973年に出ている。日本では、初期の3アルバムすべてが1974年に出た。1年に3枚も(日本で)アルバムが出したのは、たぶん、シアーハートアタックからキラークィーンが日本でブレイクして、慌てて1st 2ndを出したのだ。
この当時購読していたロック雑誌『ミュージックライフ』では、Queenというバンドは毎月大きく取り上げられたし、渋谷陽一がMCをしていたFM番組『若いこだま』でもよくかけられていた。
Queen初期の作品を,queen売出し時期として最初の3枚までとすると、シアーハートアタックは傑出していたけれど、音作り、曲調はいずれも同じようなものだった。
さぁ、再解釈、再構築したこの音源は、オリジナルとどう変わったのか?
どの曲も、曲からコーラスとギターを分離し、イマーシブな感じを出すように工夫されている。Queenから、コーラスを分離するということは、重要な部分はすべてマルチchのためにリマスタリングされているということだ。つまり、これが、再解釈、再構築ということになるのだと思った。
オリジナルの良さを打ち消すことはなく、どちらかというと、クィーンの重要な音粒である、ボーカル、コーラス、ギターを空間に漂わせるつくりである。音楽的には同じであって、再解釈、再構築というおおげさなものではない。もとのマスターテープは一緒だから当然だ。
でも、オーディオ的にはえらく異なる。バンドの良さを生かしたイマーシブ化なのだ。解像度が劇的に上がっている。今まで聞こえなかった音が聞こえる。これを聴いた後、オリジナル版で同じ部分を再生してみると、確かに、その音は入っている。気が付かなかっただけだ。
ひとつひとつの音粒が、オリジナル版では団子状粒としていっしょになっていたものが、ここでは分離して気持ちよく聞けるというものだ。プリンスのような横のSPだけから声がピンポンするような違和感のある気持ち悪さはない。
さすが、バンドのオリジナルメンバーが関与しているだけある。
15.1chのスペクトラムを付しておこう。
5曲目、My Fairy Kingの冒頭からボーカルが入ったところまでの数秒のピークホールドである(赤線)。緑線は、瞬間のスペクトラムだがポーズを押してスナップショットをとっているので、残留ノイズと考えてほしい。
15chもあるので、ペアがあるchはL側だけを示した。
どのchにも音が出ているのがわかるし、それぞれの帯域特性と音圧もわかると思う。
FWだけは特別扱いしていて、使い方が違うので、このchを再生できる人だけは、再構築の解釈を完全に聞き取ることができると思う。ここまでFwを特別扱いするということは、オブジェクトベースではなく、チャネルベースでマスタリングしていると思う。
以前書いたプリンスといい、Queenといい、ATMOS音源は面白くなってきた。
ATMOS 15.1chの再生装置をそろえてでも、聞く価値は十分にあると思う。1st 2nd がATMOS化され出ているが、2ndよりも1stの方が満足度がより高いと思う。おそらく、シアーハートアタックもいずれ出ると思う。楽しみだ。
ATMOS 15chのスペクトラム
Fr さすがにフロントchは音量、帯域ともに最大である。

C このchを含め、フロント以外は低域は絞られている。
Fw
このchだけは、ほかのchを異なるので、注記する。
ピークホールドをみるだけではわからないが、時間軸でみると、ほかのchを異なり、多くの時間では鳴っていない。でも、ここぞというとき(強く意図して再構築された局面だろう)、特にギターとボイスが鳴る。

Sb このchは、Fwと並んで無視されているchだが、かなり広い帯域を再生する必要がある。

Tf
Tm
Tb
イマーシブ度 ★★★★★
聴く価値 ★★★★★
おすすめ ★★★★★
東京は、6月としては異例の真夏日がきたという。
7月も熱いことだろう。
欧州も負けずに暑い。
いや、日によっては明らかに勝っているというべきか。。。
アフリカからの熱波が、偏西風に乗って直接波としてやってくるからだ。
波が一時反射して弱まってくれるとよいのだが、西欧州には直接やってくる。
いや、一昨日は東欧州もすごかった。
この熱波はものすごく熱い。
どのくらい熱かったかというと、スペインは、一番波が強いので、
先日気温が46度(摂氏ですよ!!!) になった。
想像できないでしょ。
まぁ、フィンランド式のサウナでは100度になるのだから、
耐えられるはずではあるけれどね。
直接波は、アフリカから遠くなるにつれ弱くなるが、パリは40度。
ロンドンはそこまではいかないが、30度ちょい。
こうした日が、6月にも2度きた。
日本と違って湿度が低いし夜は涼しいので、昼の30度程度であれば
家やオフィスでは問題はないのだが、地下鉄は凄いことになる。
簡単に地下が30度を超える。
車両の中は、混めば混むほど上昇し、さらに数度は上がる。
東京と違って、地下鉄は冷房の普及が低いので、厳しいのだ。
車両だけでも冷やせばよいではないか、と思うのは甘い。
トンネルを伝って熱がホームに来るので、待っている間は地獄になる。
東京をマネして、駅からトンネルから、地下を丸ごと冷やすという発想が最適なのだが、
欧州では実現は難しい。
なぜかというと、熱を逃がす巨大な室外機を街中のあちこちに設置することは、街づくりと
して認められないのだ。
これは、家でも同じで、集合住宅のベランダに室外機を置くことは美観を損ねるという
理由で認められないことが多い。
もういっそ、スコットランドに遷都するのがよいのに。
いや、おれが引っ越せばよいだけかもしれない。
パープルレイン、これは1984年の歴史的な名盤だ。

この1つ前の「1999」は1982年に出た作品だった。
2枚組で、丁度出現したばかりのCDでは1枚で発売されたので、LPより割安に買えたことを覚えている。
ただし、収録時間の都合で1曲少なかったはずだ。なんの曲かは知らない。だって入っていなかったのだから。
今だったら、トラックピッチを狭めて無理無理収録できただろうに。
時代背景をついでに書くと、マイケルジャクソンのスリラーが出たのが1982年。
1984年はジャクソンズがヴィクトリーを出して、マイケルが頂点を極めた年だった。
その1984年に出たのが、この作品というわけ。CDでは、本当に素晴らしい作品に仕上がっていた。
大ヒットしたWhen Doves Cryは、ベース音にシンセ(ドラム)をつかっている。
当時のテクノの流儀を取り入れ、ききずらい音を出したことで成功したといえる作品だ。
さて、この曲をATMOSで再生すると、最初から驚きの連続になる。
1984年に真面目に聞いていた人ほど、違和感をもつと思う。
とにかく、1層のサイドch(SL,SR)をつかって、大胆なリライトを行っている。
僕の再生設備による視聴位置では,SL,SRのスピーカーは、ほぼ真横よりわずかに後ろに位置するが、
フロントスピーカー以上に存在感をもって鳴る。
しかも、奇妙に感じる音なのだ。
チンドン屋が、盛大にどんちゃら演奏している感じ。
1層を主に使っており、1層は、全9chが鳴る。
2層の音は、重視されていないようで、天井にSPを設置していなくても楽しめると思う。
when ..は、曲の冒頭プリンスのダミ声は、左右にピンポンするようなミックスになっていて、
しかも、やけに長く続くように感じる。
左右の耳に直接届くので、耳に突き刺さり、聞きづらい。
おそらく、だけど、
この曲のもつ、聞きづらさという要素を、わざと強調したのではないだろうか。
僕は同時代的に聞いていたソースで、オリジナルCDの2chでの音を強くイメージしている。
だからこうしたミックスは好きになれない。
せっかく買ったので全曲を聴こうを思ってたのだけど、ここで耐えられなくなって、
途中で聞くのを止めて,最後の曲までスキップした。
その曲は、最も重要なtitle truck。
この名曲は、やはり、2chで聞く方がよいと思った。
このATMOSのミックスは、好きになれないのだ。
昔からのプリンスファンにとっては、好きになれない人が多い気がする。
昔のイメージをぶち壊した、別作品であり、リライトである。
BDメディアだが動画は入っていない.
2ch ハイレゾでも入っているが、そんな音源はとっくに出ているので、
このBDはもっぱらATMOS音源としての価値しかない。
ATMOSでは、全ての曲が大胆なリライトがされていてびっくりする。
とはいえ、
本人が作り上げたトラックを使っているものであり、聞く価値はある。
僕も、少し時間をおいて、いずれ あらためて聞くことにする。
プリンス 2016年死去
1985年の、We are the world 曲の収録では参加に誘いがあったらしいが、
いちパートだけでは大勢と横ならびになるのでイヤだったような記事を当時みた。
We are the worlsのアルバムには4 the Tears in Your Eyesという曲を提供している。この曲は、キリストの死に関する解釈を詩にしたもので、プリンスらしからぬ真面目さがある点で、評価している。凄く盛り上がった live aidの英米ライブには、せめて参加してほしかったのだけど、残念だ。
もうマイケルも、プリンスもこの世にはいない。
マイケルジャクソン 2009年死去
天才は短命だ
僕は親から高校生の時にステレオセットを買ってもらったのだけど、最初に買ってもらったのはチュナーとカセットデッキで、しばらくはスピーカーは使わないで音楽を楽しんでいた。
その後、追加したコンポは、トリオのSP(たぶんLS707)、サンスイのアンプ(AU-D907)、マイクロのプレーヤー(DD-100)だった。
トリオのSPは、めっちゃ重いフロア型で33cmウーハ、12cmスコーカはアルニコ鋳造というかなり高級なユニット、ツィータはホーン型、バッフル面は傾斜してタイムアラインメント管理されたという、きわめて優れたものだった。
時代の最先端をゆく設計だったと思う。なぜか、これは不人気で売れ残っていた。トリオといえばチュナーとかアンプであって、トリオのSPなんて買う人はいなかったのだろう。その証拠に、展示品ではなく全くの新品が4割引きで投げ売りされていた。本当は、YahamaのNS1000を狙っていたのだけど、予算の都合でこれに抑えた。正解だった。
サンスイは、初代D907で初ロットを買った。当時のサンスイは不人気で、3割も引いてくれた。山水のアンプ、人気に火が付いたのはこのアンプが大ヒットしたからなのだけど、初ロットの段階では、まだヒットしていなかったので、安く出してくれたのだ。パワーアンプ部だけでも価値がある素晴らしい性能、プリはヘッドアンプ付きで、機能も音も、いう事がなかった。

プレーヤーはマイクロ。確か、DD-100 の特別仕様だったと思う。
プラッターだけで5.2kgもあった。電源は独立型、アームはロングタイプML505LS、内部のケーブルは銀線のモデルであった。しかも、バネで針圧をかけるダイナミック型で、演奏中でも針圧を変えられる。
マニュアル操作だったが、触れる感触も、素晴らしいものだった。なんといっても、プラッター直径が40cmもあって、ダストカバーもぶ厚いアクリルで重量があり、圧倒的な存在感があった。
しかーし、使ってわかったのだが致命的な欠点もあった。最も重要なシャフトが細くてチャチすぎる。ターンテーブルは、シャフトだけで支えられている、これが細くてチャチなので、僅かな力をかけても、ターンテーブルが簡単にフラフラ傾いでしまうのだ。たとえば、クリーナーを当てるとターンテーブルが下に傾く。強くあてると、しまいには偏心してくる。だんだんと、その偏心が大きくなり、ターンテーブルの外周では、上下にゆれて回転する。使用半年で、上下に1mm揺れるようになった。
クリーナーを軽く充てる程度にしておけばよかったわけだし、音は良かったのだけど、その後、シャフトが太いプレーヤーを選ぶようになったのは、この教訓からだ。
そして、この先、二度とマイクロの製品は買うことがなくなった。
まぁしかし、このシステムで聞く音は、なんとも雄大で、とにかく、気に入った。
この時のコンポの選定は、カタログやら、雑誌やら、で一応リストアップした候補はあったものの、店舗でみて、手に取ってからその場で決めた。重量感とか、操作時のSWなどの感触を重視して、音なんて聞かないで選んだものだった。雑誌の評価なんかも気にしなかった。
アンプなんて、まだ店頭に並ぶ前だったから、通販で安くい売っている店を選んで買った。確か、秋葉原のラジオ会館にあったF商会なる店だったとおもう。
音というのは、その時の体調や気分で、かなり印象が変わる。でも、見栄えや感触の印象は不変だ。目に見えるものなのだから見栄えは重要だし、毎日つかうのだから操作感は重要だ。だから、コンポを買うときは、操作感やデザインを音なんかより優先した。いまでも、基本、音は聞かないで買っている。
しばらくはステレオで使っていたのだけど、あるとき、余っていた小型SPが2つあることに気が付いた。
当時、アンプは、スピーカー出力を切り替えできて、A, B, A+B という3通りの切り替えできた。
Aには2ch、Bにはマトリクス用の2つのスピーカーをつなぎ、マトリクスで聞きたいときだけ、A+Bで聞く。
この方法は、たしか月刊ステレオという雑誌で紹介されていた手法なのだが、たぶん、その記事は長岡鉄男ではない人だったと思う。大昔から知られていた方法のようだ。
マトリクス配線で4ch化した構成で、ピンクフロイトの狂気を聞いたのだが、もう、音がグルグル回って、すさまじいのだ。マトリクス4chの効果に、ひっくり返った。
最初にきいた、マトリクスサラウンドであった。
毎年5月に開催される、欧州ハイエンドショーが始まる。
15-18日までミュンヘン。
日本のハイエンドショーと全く異なり、B2Bで、主に代理店や評論家などのプロを対象としたメッセであり、
本来は一般客向けではない。
いままで、フランクフルト、ミュンヘンで開催され、今年もミュンヘンで開催されるが、これがドイツ最後になる。来年から少なくとも3年間は、オーストラリアはウィーンに移る。
ミュンヘン会場は、幕張メッセのような会場である。
広い空間はよいが、要するに広い体育館であり、きちんとした部屋に区切ることができないので、使いずらいし、音も悪い。そんな理由もあったのではなかろうか。
ウィーンの会場は、昔からfinest audio showを開催している会場で、小部屋も多数ある。
東京の有楽町で開催される、ハイエンドショのような展示ができるので、良い方向になったと思う。
ところで、Auro-3Dに大きな動きがあった。
マルチchを主体とした配信サービスが今年7月から行われる。フォーマットには、ATMOSではなく、7.1.4ch PCMが採用されるが、Auro-3Dも使われる。
今まで、2Lが孤高でがんばっていたソースも、高い値段で空輸しないでも、こちらからストリーミングで聞けるようになる。
Sunnyvaleにある Pure Audio Streaming 社がミュンヘンのハイエンドショーで、初披露するという。
Room H1, Stand K1Bで、Auro-3Dとのコラボ。
とアナウンスしている。
配信のサービスは、7月25日から始まるが、このハイエンドショーがおわる5月18日までに申し込んだ先駆者マニア向けにβ版が提供される。これは5月25日からサービスされる書いてある(日本に向けても配信されるかどうか不明だ*)。
https://pureaudiostreaming.com/pure-audio-streaming-unveils-exclusive-early-adopter-program-for-audiophiles-at-high-end-munich-2025/
*専用機材として、受信,デコード.HDMI出力のために、(amazon fire HDのライバル製品である)Nvisia shild TV proが必要で、これは、all regionで使えるわけではない。 僕も使っているが、iPAD miniを2枚(いや、3枚かな)重ねたような大きさで、amazonfire HDよりもでかいが、さすがにNvideaだけあって256コアで処理が早く、メモリも16GBと大きく(さらにSDで増設可能
)、フリーズしない点で優れている。今の版は2019年登場なので、枯れて安定していると思った方がよい。
日本では正規販売はしていないと思う。Auro-3D 11.1chを再生するには、firm 9.1.2以上にする必要があり、設定はナイトリスニングoff, システム音off,オーバーサンプリング off ,Dolby オーディオ off 、とする。日本から、updateできるかどうか不明。






