中道なる新党も出た.日本でも選挙があるようで、受け皿組織みたいだ。

でも、このblogでは、選挙は関係ない。

中道を、ナカミチ。
そう読んでしまった。

オーディオファンだと、そんな人も多かったのではないだろうか。
1972年に、ナカミチ1000というカセットデッキを生み出した会社だ。
当初は中道(Nakamichi))研究所という会社だった。

1ドル360円というこの時代、カセットデッキが1000ドルという超高額なモデルだった。
カセットデッキが、なぜこんなに高いのか?世界を驚かせた。

そりゃ高いのは、見て、触れると納得できる。

まず、みて圧倒される。
並みのカセットデッキ3台分ありそうなフロントパネル。


触れるとまたびっくりする。
録再操作はピアノキーではなく、ICロジックの電動動作。ものすごくスムーズだ。

カタログをみると、驚く。
独立3ヘッドで、ワウフラッターが検出限界だったという、すごい性能。

音を聞くと、完全のノックアウトされる。

普通、カセットデッキだと、元の音と比べて、テープに記録した再生音は明らかに劣化する。
しかし、このデッキは、音が全く相似で、区別しずらい。
唯一、ヒスノイズがあるので、あ、これはテープだなとわかるだけ。

1979年にナカミチ株式会社に変更し、81年に店頭市場(現在のJASDAQ)に公開する。
84年東証二部上場、たしか、このあとに本社を新宿の豪華なビルに移転したと思う、

米国では、北欧のB&O、米国のBoseと並ぶ高級オーディオブランドとして、圧倒的な地位を築いた。

この時代、カセットデッキは毎年進化していった。
クロームテープ、フェリクロームテープ、メタルテープなど、どんどん磁気テープの性能が上がってゆく。
カセットデッキは、走行性能はワウフラという点ではオープンリールを数字上は追い越した。
最も重要なヘッドは、3ヘッドが当たりまえ、特にメタルテープが出てからは素晴らしい高域性能になってこれまた、
データ上をオープンリールを凌駕していた。

その頂点が、ナカミチの1000ZXLというカセットデッキで、確か55万円という当時としては
圧倒的に高価なモデルだった。
僕は、とても手が出ない。

だって、ナカミチ以外の会社であれば、最高のカセットデッキが10万円で手に入る。
数字上のスペックも変わらない。

しかし、音を聞けば一目瞭然、ナカミチ1000ZXLで録再するその音と比べると、
他社の最高機種は、月とスッポンだった。

ナカミチの1000ZXLでの再生音は、ヒスノイズが聞こえないので、ソースかテープか、区別できないのだ。
他社の高級デッキでは、ソースと比べるとテープの音は、明確に変化する。
ナカミチの1000ZXLでは、ソースとテープの音は区別できない。
テープレコーダーとしては、完璧な、すごい性能だった。

この会社、カセットデッキが超有名なのは当然だが、アナログプレーヤーも素晴らしい。

もともと、LPレコードはセンターの穴が本当の中心とずれている事が多く、レコードは1/33回転している
わけだから、フラッターで音がふらつく。

その真の中心を、レコードの溝の円運動から割り出し、その真の中心にレコードの回転軸を移動するという
すさまじい機能を実装したプレーヤーを発表している。

これまた、100万円を超える高級機で、当時はとても買えなかったが、中心軸がx軸y軸移動するその姿は、
コンピュータで製図をする際のXYプラッタと同じで、見ていて楽しかった。

これを同じ事は、DSオーディオのES001 (現行機種はES002)でできる。

スタピライザーではあるが、光を出してレコードの溝の円を測定し、真の中心をスタビライザーの上面ディスプレイに提示する。距離でいうと、1mm未満なのだけど、その方向に向けて、レコードを指でチョンチョンと押すと偏心が修正され、真の中心でレコードが回る。

これを開発した人は、ナカミチでレコードプレーヤーを開発した人らしい。

なんという発想。
これを考えた人は天才だ。
なんというスマートな解決。

このおかげで、どのプレーヤーでも偏心のない回転でレコードが聴ける。

レコードファンには、必須アイテムなのだ。

独のオーディオメーカーで、ブーメスターという会社がある。

日本でも、本格オーディオ装置が輸入販売されていた。
たぶん、今でもノアが代理店として扱っている。

このメーカー、筐体が銀色でピカピカであることに特徴がある。
写真ではわかりにくいけど、808mk5というプリアンプがこれ

二階建てのように見えるこのプリ、本当に二階建てなのだ。

その二階部分は、必要なinputモジュールを買って構成する。

celloのSuiteのようなアンプなんだ。

この会社の初期からある代表作品だが、当初は二階部分しかなかった。

1F部分は、実はあとづけのリモコンユニットが入っている。

長い間、ブラッシュアップを重ね、今も現役のマシン。

 

実際に見ることはあまりないかもしれないけれど、とにかくピカピカなのでホコリも目立つし、

手あかも目立つので、とても家では使う気になれないし、音もドンシャリのわりに低域は伸びない。

 

でも現地ではとても有名な高級ブランドで、独の高級車、たとえば、メルセデスやポルシェでも

採用されている。注文時に標準オーディオに変えてこのオーディオを選ぶことができる。


僕の車では、標準装備だった。

さぞかし、ピカピカの筐体のアンプが車のパネルに入り込むと思っていて、それを操作できると考え、
期待していたものだ。

だって、この会社のプリアンプ(当時808mk4)だけでポルシェボクスターと同じ価格なんだぜ。
それが車の中に付属すると思えば、車を半額で買ったようなもん、と思うよね。
でも、実際はカーステは一切露出しないで、ディスプレイにピカピカのロゴが出るだけなんだよね。
操作は、全てリモコンだし、見事な筐体は、一切存在しない。基盤が車体内にあるだけ。


やられた。

まぁ、調査不足だったのだが、もう何年も使っているこのカーステ、久しぶりにいじってみると、

メニューの深層に、あれこれ音響を変更する機能がある。

AVアンプでいう、サラウンドモードではないか。

今まで、音を出すだけで満足していたカーオーディオだし、普通に2chにしかならないから、気が付かなかったのだ。
あれこれいじると、キャリブレーション機能というものがある。おやおや。

まさか、Diracでもついているのかな、と少し期待したが全然ちがう。

 

ホームオーディオのような、専用マイクで一次反射を測定するものではなく、いろいろな楽器や

ボイスの音色好みを設定すると、グライコで適当なカーブを作ってくれる機能のようだ。
ソニーのヘッドホンのアプリについているような、どうでもよい機能。


仕様を調べると、車のあちこちにスピーカーが積まれている事がわかった。

ブーメスターはスピーカーは作っていないと思うのだけど、7ch(mid+hi7ch+lo2ch)、ハイト2ch、サブウーハ2chで、7.2.2chを構成している。今までこんなにも多数のスピーカーは同時に鳴っていなかったと思う。

3Dサラウンドというモードもあった、なんと、Auro-3Dのロゴが出ている。

たぶん、AuroMaticだろう。2chをサラウンド化するモードだが、このモードにするときだけ、2chではなく7.2chで音が出る。
なるほど、3DサラウンドにするとAuroMaticが働いて、ゴージャスな音になるのか。

今までは、普通に2chで聴いていただけだったわけ。

今まで知らなかったぜぃ。


たぶん、AuroMaticの時は、相当に車内音響に最適化されていると思う。それだけ2chの時とは音の聞こえ方が違う。
広がりも違うし、解像度は明確にupする。
フロントガラスを超えて遠方にvocalが定位するのは新鮮だ。

これは面白い。

もしや、と思ってUSBにAuro-3D音源を入れて再生を試みたが、さすがに13.1chは読み込めなかった。
なんだ。意気消沈。

ネイティブAuro-3Dではなく、AutoMatic対応のどうでも良いサラウンドシステムであった。
このサラウンドの状態で、運転しながらに音楽を聴く気にはなれない。
お風呂でカラオケをしている音声になって、気持ち悪いのだ。
SW一つでもとに戻せるわけでもない。かなり深層に入ってもとに戻す必要がある。

 

一日で飽きてしまったが、発見があったことは喜ばしい。

 

ATMOS YES "危機" を Auro-3D風で聞く

YESの 危機は、1972年に出た作品だ。

名盤だけに多くの版があって、僕の手元にあるだけでも、ブルーレイ、DVD-audio(どちらも5.1ch)、SACD(2ch)、CDリマスターやHDCDなどなど、たくさんある。

ATMOS版は、2025年に出た版で、これは、今までのマルチchものとは、
『ものすごく違う』。

ものすごい違いは、ジョンアンダーソンの音声は、フロントchでは再生されないことにある。
そして、センターchでも再生されない。

どこから再生されるかというと、フロントワイド(Fw)だけ。

だから、1層のスピーカーを、7.1chではなく、9.1chで構成しないと、このATMOS版は正確な再生ができない。
でも9.1chをきちんと設定している人は極めて少ない。

このFw を設置していない人でも、ボーカルは適当なchに割ふられるので問題なく聴けるのだけど、だから余計

この事実に気が付かない。気づく人は、このアルバムを買った人の数%もいない(と思う)。

なぜ、そう思うかというと、危機のATMOS版、いろいろなblogや記事でも紹介されたけど、
この『ものすごい違い』を発見した人は、ほぼいない*。

*僕の知る限り、唯一、Auro3Dさんだけが(詳しく)指摘してる。
http://koutarou.way-nifty.com/auro3d/2025/03/post-96a4a8.html

昨年、rockin'on 4月号で、YESの危機を特集していて、丁度スペシャルエディション完全レビューをしていたのだけど、
最も重要な音の違いを見せつけたATMOS版での『ものすごい違い』を見逃していた。
評論家なら、正確な再生を心がけてほしいものであるが、まぁ、そんなことはどうでもよいか。


僕はこれをAuro 3D風に変更することを考えた。
どうするか。
こうする。Fw chの信号を、天井(TS ch)から出す。

TSは、トップサラウンドという名称で、頭上に位置するAuro-3Dを最も特徴づけるスピーカー、別名voice of god。

ジョンアンダーソンの神の声を、このchから、頭上から、再生したいと思ったのだ。

でも、TS 1chなので、このSPだけではだめだ。
2chぶんの信号を天井から再生せねばならぬ。

僕のSP配置なら、できる。普段、僕のATMOSでは、TM(トップミドル)の2chを

マトリクス化してTMセンターchを追加し、3ch分のSPを配置して使っている。

この3ch化したTM chを既定の2chに戻し、空いたTMセンターとTSに対して、

Fw のL/R出力を振り分ける。


そのほかのchは、そのまま使うので、9.1.6chではなく、7.1.8chとなる。

試してみると、これがまた、すばらしい。
ボーカルが、天から降り注いでくる。うーん。最高。
 

ATMOS版 9.1.6chの意図とは異なってしまうが、どのみち、もともと2chのソースになっていた各chソースを、

お遊びでFw にvoiceを振り分けただけのものだから、そのvoiceを一層から再生しようが、3層から再生しようが、

オーナーの勝手だぜ。

 

市販のAuro-3Dソースは、TSchを使う録音は存在しないので使わないSPだし、ATMOSでも、Fw chを使って

音を出すソースは稀であるから、普段からこの設定のまま使っても問題は起きない。もとに戻すのも面倒くさい

ので、この先も、このまま使ってみよう。

 

これで、海洋地形学 の1曲目、神の啓示がきけたら、素晴らしいに違いない。

来月(2026年の2月)、ATMOS版が出る。

危機とおなじように、Fw chだけからヴォーカルを出力していれば、良いけれど。


Auro-3Dもどきでのイマーシブ感 ★★★★★

1977年に出た、Gentle Giant(GG) の、唯一の公式ライブアルバム。
GENTLE GIANT / ジェントル・ジャイアント / PLAYING THE FOOL: THE COMPLETE LIVE EXPERIENCE: 2CD+BLU-RAY
一般に、ロックのライブは、メンバーが少ないため、演奏力のなさがモロにばれる.
ハードロックでは、そもそも演奏力がなく、たとえば、グランドファンク、エンジェル、モットザフープル

あたりのライブでは、失望すらある。

プログレは、スタジオ録音が素晴らしいだけに、さらに落差がある。
多重録音をする音作りをライブで再現するのは不可能であるかた、映像と、大人数の分厚さでごまかす必要があるのだ。
アランパーソンズプロジェクトは、運命の切り札まではライブをやらなかった。ライブは何度かみたがいまいちだった。
 

たとえばピンクフロイドやジェネシスのように、ライブでサポートメンバーを入れて音を整えるグループもある。
ジェネシスは、ガブリエルのあとはドラマーがヴォーカルを兼ねるので当然にマルチドラムになる。
 

でも、YESやGGはサポートメンバーを入れない。演奏力が違うのだ。中でも、GGは演奏力が一段高い。

GGは、完成度が高いプログレロックの中でも、特にライブという点では、とてつもなく完成度が高いのだけど、
それが、今回のATMOS化で、ますます輝いた名盤だ。

オリジナルのLPは2枚組で、見開きのジャケでは、欧州ツァーの各都市が星座のように線で結ばれる図と
ライブアクトの写真が並べられていた。
この2025年版では、ジャケットはオリジナルLPと見開き面の雰囲気は変わっているが、
実は同じ写真素材を使って並べられだけのもの。何も工夫はない。

ただし、写真はオリジナルポジを使ったのだろうか、写真の解像度が高い。
CDは2枚組で、このツァーの未発表音源を加えてリミックスされている。
2chとしても明らかにわかるのはとても音は解像度が上がっている。


それよりも重要なのは、BDがついていて、アトモス化されていることだ。
当然にマルチch化されている。
 

最初、僕は勝手に9.1.6chを勝手に期待したのだが、その点では裏切られた。
フロントワイドchとリアh chから音は出ない。

つまり、9.1.6ch(15ch)ではなく、7.1.4ch(11ch)だ。
 

しかし、世の中、11chしか対応できていないアンプが大半であり、これで大多数のユーザは網羅されている。
ATMOS本来の能力は発揮されないので手抜きではあるけれど。

 

とはいえ、CDは良い音になっただけが、BDでは音はさらに極めてクリアーであり素晴らしい。でも、そんなことではなく、臨場感が3次元的に広がる点で、『ものすごく』素晴らしい。

僕は、このグループのライブは、何度か見たことがある。
全員がマルチプレーヤーで、少しの合間に楽器をとっかえひっかえ演奏したり、
ハーモニーを担当したり、大忙しなのだ。それが、ATOMOS版では手に寄るようにわかる。
まぁ、映像で入っていればよかったのだけど。。。

BDには一応映像は入っていて、もしや、と思って期待してみたのだが、
どうでもいいイメージ映像であった。音と関係はない。

いや、唯一、8曲目、Octpusからの抜粋の冒頭は、
Octpusのジャケが出てきてコインの転がる音に合わせて
映像でコインが転がる程度のシンクロはあった。

で、ATMOSのマルチchミックスだけど、音は不思議な感じがある。
普通、こういったライブ収録では、リスナーは観客に囲まれ、後ろや横chから観客の声が入る。
サウンドステージはもっぱら前面に展開し、演奏も前面を中心に音が広がる。


でも、この作品は違う。
ステージを客席から聞くのではなく、ステージ真ん中で聞いているような音の聞かせ方だ。
しかも、フロントch(前方)から観客の拍手が聞こえるのだから、観客席を向いて聞く音である。
つまりGGの一員としてステージに立ち、観客に顔を向けているというイメージをもっているようだ。
おもしろい音像提示だと思った。

特に、On Reflectionは、その感じが最高に出て圧巻だ。
ただし、なぜかドラムスは前方に定位する。
ここまでするなら、後方に定位させてほしかったところ。

まぁ、しかし、楽器に、ハーモニーに、GGのメンバーに、もみくちゃにされるのは凄い。
できる限り大音量で再生したい。

このアルバムには、2nd アルバム Acquiring the Tasteからは、なぜか1曲も選曲されていない。
アルバムジャケットが、肛門をなめているような絵であり評判が悪かった2ndだったので、
選曲を遠慮したのかな?

GG ファンであれば、ぜひBDでATMOS再生を楽しんでほしい。
ルネッサンスのカーネギーホールライブも、ぜひATMOS化を願う。できれば15chで。


イマーシブ度 ★★★★☆  7.1.4chとしては満点(9.1.6chではないので、少し減点)
 

炎 12月12日 Y2025 本日発売

1975年に出した 炎 wish you were here の50周年記念盤が、出た。


前作、狂気は、1973年に出たものだった。

ビルボード100に15年間もランキングし続けたというあまりに売れた名作だ。

この成功で、メンバー間の関係はぎくしゃくし、メンバー自身も離婚問題を抱えたりしたらしい。

実際、新作は2年間も出なかったのだから.

このまま解散するのではないかと思ったものだ。

でも、この炎が出た。

wish you were here あなたがここにいてほしい
のあなたとは、当然に、シドバレットだ。

ピンクアンダーソンと、フロイドカウンシルというミュージシャンの名前を使って
グループ名としたのも、シドバレットだった。

さて、この炎は、既に5.1chマルチチャネル版がSACDで出ている。

今回は、2025 mixとして、ATMOSで出したことが新しい。

僕は、フルオプションで、LPレコードやシングルまでついている完全版を手に入れた。

透明のビニールレコードは、この版にしかついていない。

これが欲しくて、買ったのだ。

英国版もレコードがついているが、黄色いビニールだ。

日本では1500セットの発売。

既にほかの国では、売り切れである。

まったく商魂たくましいメーカーとは思うが、買う人がいくらでもいるのであるから、

これはむしろありがたいというべきだろう。


肝心のマルチch ATMOSの音だが、いまの住処では、ATMOS 15.1chの再生ができない。

年末にSACDとの対比として書いてみたい。

2chを超えるマルチch、要するに今でいうサラウンドというのは、もともとオーディオではなく、映画からきている。

歴史を調べてみると、どうやら1950年代から存在していたようだ。
日本は、まさに戦後で、オーディオや映画どころではない時代だったと思う。

当初、映画に使っていた70mmフィルムとは別に磁気テープ録音を行い、磁気テープのch数を増やしていたという。
そのテープとフィルムを同期することで再生するのだ。
こうした方式は、デジタルに移行するまで続く。

 手元にある資料では、
1940年にファンタジアがLCRの3ch、
1953年肉の蝋人形が4ch(LCRS)、
1956年オクラホマは、70mmのフィルムで6ch
といった具合だ。

すべてフロント側のchを拡張したものであった.
これは、後方より前方を重視する姿勢であり、優先順位は前方が高いということでもある。

人間の眼は前方しか見ることができないので、当然にこうなる。
映像を伴う音の再生において、前方優先という要素は参考にすべきだと思う。

1chを後方側に設定するのみであったのは、大スクリーンに対応する必要性から開発されたからだ。

1960年代には、ドルビー社が登場する。

テープを低速で回して長時間再生を行う必要から、
高域のヒスノイズやダイナミックレンジを改善するニーズも生まれ、
ドルビーラボ社は、1965年にプロ用のtyoeA ,その3年後にコンシューマ用のtypeBを発表出荷している。

ピュアオーディオでは、バンガード社が1969年に テープをもちいた4chを出すが、

これは、もともとのオープンリールが4chになっていたものをそのまま利用したものだ。

その後、1970年に入り、QS,CD-4 SQなどの、方式が日本を中心に出てきて、規格統一できないままになった。

我が家では、CD-4のステレオセットが導入されていた。
数ある方式の中で、4chが、1chづつ完全に独立した音を出すことができる方式で、
ディスクリート4chとかいう売りで、テクニクスとビクターから出ていたものだ。


FM変調した音声を再生すると、キャリア信号を用いて4chに分離する。
キャリア信号が再生できない針では、通常の2chとして再生できる。

CD-4フォーマットのFM放送も可能だったらしい(一度も放送されなかったと思う)。

キャリア信号は、30kHzから45kHzであったので、かなり高域特性の良いカートリッジが必要だった。

レコードに高域の音を記録し、再生できる技術は、このおかげで飛躍的に成長したものだ。

(ただし、ホコリでノイズでも出そうものなら、デコードに失敗するのでいっきにしらける)

シバタ針やラインコンタクトが出てきたのは、CD-4のおかげだ。

ちなみに現代のカートリッジは、100kHzまで再生できる。

実に優れた方式だが、ろくなレコードはなかった。

尾崎紀世彦、ポールモーリア、ゴッドファーザーのサントラ。
あとは、蒸気機関車の生録とか、津軽三味線ライブとか。

僕の知る限り、ディスクで出たのはこれだけ。
話にならない。


せめて、マイクオールドフィールドのチューブラベルズでも出してくれたら良かったのだが。。。


けっきょく、、オイルショックで経済が4chどころではなくなり、
市場からは放置プレーにあって、すべての方式が滅んでいった。


そうしたムーブメントが復活してきたのは、1981年にドルビーサラウンドが出現したからだった。

 

以前からアナウンスされていた、DIRAC社のARTが、DENON A1Hで使えるようになった、さっそくつかおう、というメッセージがDIRACから届いた。 サイトのリンクをみると、299ドル、既にダウンロードもできるようになっている。

 

そもそも、僕はDIRACを使っていないのだが、興味津々なので、日本に帰ったら、つかってみようと思う。

世界最先端の ルームコレクション機能である。これは、良いニュースだ。

 

悪いニュースもある。

 

Pure Audio Streaming という会社が、ストリーミングサービスを開始している。しかし、サポートはとても悪く、

タイトルもあまり増えていない。

 そもそも、Auro-3Dで再生するために、AVアンプにHDMIに変するNvideaの SHIELD TVproも合わせて購入したのだが、これが届いてみてビックリ、みすぼらしいボロボロの箱に、パッキンもなくボトッと入っていた。傷だらけの圧倒的な中古品で、こんな粗悪品を使えというんか? と思っていた。

 誰が使ったか知らん傷だらけの汚らしい機器を好んで使おうとは思わないので、廃棄し、新品を買った。ぷんぷん。

 

 対応にも疑問があったので、信用調査機関を通してファイナンス面からの調査を依頼ていたのだが、レポートが届いた。良くない内容であった。 1年もたないかもしれない。 当然、サブスクで支払った金は戻らないだろう。

少し前の話だが、オンキョーが倒産したときに、クラファンを通してAVアンプを購入した人の被害を思い出した。

まだ倒産すると決まったわけでもないが、客集めには苦労している様子で、いつまでもつやら、という感じである。

 

これは、悪いニュース。

今年になって日本だけではなく、世界のあちこちでリチウムイオン電池(以下バッテリーと書く)が燃えまくっている。

今年1月16日に、カリフォルニアのMoss Landinf発電所の送電網バッテリーが発火し、大火災を起こしたのも記憶に新しい。

EV車がいきなり爆発するのも,毎年起こっている。

ちょっと、怖いですね。

さて、欧州を飛行機で旅行すると必ずひっかかる問題なのだが、
ICAOという民間航空団体(日本は昔から理事国だ)が、バッテリーの輸送に制限をかけている。
 

今年の2月以降、容量で300whを超えるバッテリーは、飛行機に持ち込みができない。
300wh以下のものに限って1個だけ機内持ち込みができ、
1個が160wh以下のものであれば、2個まで、という条件になっている。

これは、ICAO参加社の最大値であって、個々に、もっと厳しい数字を出している航空会社もあるようだ。
(欧州はテロに神経質な航空会社が多いのでね)

最近は、飛行機だけではなく、ドーバーを渡るユーロエクスプレスでも、チェックが厳しくなってきた感がある。

日本でも中華バッテリーの爆発が相次いでいるから、近いうちに厳しくなるだろう。

ところで、whという単位は、パソコン内蔵バッテリーでは使われるが、モバイルバッテリーでは使われていない。
モバイルで使われる単位は、mAhだろう。
W(ワット、電力)とA(アンペア、電流)は、簡単に変換できる。


W=VA であり、リチウムイオン電池の1セルの内部電圧は3.7Vだから、

A=W / V= 1/3.7

つまり 1wh=270.72mAh である。

だから、
160wh=270.27x160 =43243.2 mAh
となる。

パソコンでも、携帯でも、マトモなメーカーであれば、バッテリーの容量はスペックに必ず記載がある。

 

また、windowsのノート型パソコンであれば、
コマンドプロンプトから、バッテリーレポートを出す命令をたたけば、容量情報が出る。

つまり、こう.
>powercfg /batteryreport
と打てば、whの情報が出る。

僕の場合、飛行機に乗る時は、超軽量のPCを持ち込むので、いちいち容量の確認を受けた
ことは今までに一度もないが、一応念のため、この情報をコピーして、裏蓋に張り付けている。

ちなみに、富士通の世界一軽いnotePCを使っていて、質量は650g程度で、25whのバッテリーだった。

最新のnotePCであれば160whを超えることはない(と思う)が、
40000mAh(4万)を超える大きなモバイルバッテリーも日本では普通に売っている。

中華販売サイトでは(たとえばAliExpress)、4万mAhどころか、50万Ahのバッテリーも売っている。

これが爆発すると、結構大きな発火が起こる。

たとえて言えば、ドラゴンという火花が激しくとび散る家庭用花火があるけど
これ。

 

これが数発分のエネルギーで発火が起こる。
こんな危険な花火を、皆はカバンに入れて運んでいるようなものですよ。
 

少なくとも海外旅行には持ってゆかない方が良いです。

昔の大きなノートPCを持ち込む人も、一度チェックしてみると良いと思う。

真夏がやってきた。

欧州では、熱波がやってきて、原子炉が停止に追い込まれた(スイス)。
なんで停止したかというと、河川の温度が上がっているからだそうだ。
冷却水が高温になると十分な冷却ができなくなる恐れがあるので、
予防的に停止したのだという。

夏に電力供給が途絶えると、エアコンが使えなくなり、最悪死者を出す。
スペインのあちこりで山火事が発生した。気温もポルトガルでは50度になった。

そんないやなことを吹き飛ばすためにも、お祭りに出かけよう。

欧州の夏は音楽祭の宝庫なのだ。

バイロイトとか、ザルツブルグは、昔からNHKでライブをFMで流していたので、
日本でもかなりポピュラーだと思う。

でも、これからでは、チケットは手に入るまい。

経験上、今からでもチケットはまず手に入る、中身の濃い音楽祭をいくつかピックしてみる。

真っ先に思い浮かべるのは、エジンバラ国際フェスだ。
https://www.eif.co.uk/
今年は、8/1-24まで開催する。

もともとが、グラインドボーンの総監督が有志をあつめてスタートしたものなので、

クラシック、オペラが素晴らしい。

でも、ダンス、演劇などいろいろなジャンルのプログラムもかなり優れている。

ダンスと言えばケルト語圏でダンスといえばリバーダンスがあるし上演もされる。
 

エジンバラ市中にあるエジンバラ城の横にThe Hubという建物で行われるが、

近隣のあちこちの場所で、いろいろなショーやパフォーマンスが行われていて、

それらをすべて合わせて、ひとつのお祭りを形成している。

どれかの催しは、当日ふらりと行っても参加できる。

ついでに、スコッチモルト好きにはたまらない、ウィスキー博物館も行く価値がある。


お次は、ベートーベンフェス。
https://www.beethovenfest.de/

モーツァルトの祭りがザルツブルグ。ワーグナーの祭りがバイロイト。
ならば、ベートーベンだってあるでしょ。
あります。

しかも、あのリストが創始者だ。
今年は、8/28-9/27 まで開催する。

ベートーベンは、後期はウィーンに渡ったみたいだが、ボンで育った。
ボンの数少ない観光資源なのだが、生家は博物館として公開されているし、
その周辺にベートーベンの研究センターやホールを併設した資料館もある。

で、この祭りは、Oper Bonnがメイン会場で開催されるが、ここでのチケットは、入手が難しい。

でも、期間中に、あれこれ100近いコンサートが連日、複数の中小ホールに
分散して開催されるので、その周辺コンサートであれば、当日でも買える。

正直言って、メイン会場での演奏は、バイロイトとか、ましてやザルツブルグに比べると、
(かなり)見劣りするので、周辺コンサートの参加で十分だ。

 むしろ、ジャズ風ベートーベンのような普段は聞けないゲテモノの方が楽しいと思う。
これだって、立派なベートーベンフェスの催しなのだ。


最後のおすすめ、ベローナ オペラフェス。
https://www.arena.it/en/arena-verona-opera-festival/

エジンバラフェス、ベートーベンフェスと比べると、圧倒的に高名なフェスだと思う。
会場は、ベローナで、要するにローマの円形競技場(当然屋外にある)で開催される。
日が落ちる少し前の夕方から始まり、日が暮れると光の演出が相まって、雰囲気は最高だ。

主にベルディの作品を上演するが、プッチーニやチャイコなども上演されるし、
オケ、バレエなども行われる。

ここは、何をみた、というより、ここで何か(なんでもいい)、を見たという体験に価値がある。

超有名なフェスだが、3万人を収容できるように拡張されており、有名な割にはチケットは入手しやすい。

とにかく、古代ローマから使われているこの場所で、ものすごい人数の中で、
光と音響演出の催しをライブで見ることができる。ひたすら、素晴らしい.
こんな経験ができるのは、エジプトの古代遺跡前か、ローマしかない。

 

こんなリアルな雰囲気を、立体画像とマルチchで、部屋で疑似体験できる日は、おそらく来ないと思う。

本物と疑似は、まったく異なるのだ。

 

Queen の1stアルバムのATMOS版が出た。

昨年(Y2024)に、Queenの初期のアルバムがリマスターされた。ハイレゾ化、5.1ch化されて、既にAppleが配信しているし、パッケージメディアでも出ている。

 

これは、そのappleの音源とは別物だ。appleの音源は一層の5.1chで音が出るだけ、というものであった。この時は、音に対してメンバーは携わっていなかったと思う。おそらく、その音がいまいちだったので、作り直したかったのではないだろうか。

 

このATMOS版は、ルイス・ジョーンズとシャーリー=スミスが、あのATMOS設備が完璧なアビーロードスタジオでマスタリングしている。ブライアンメイとロジャーテイラーも、かかわって、音楽全体を再解釈、再構築しているという。
ATMOS化である以上、15.1ch=9.1.6chのATMOSフルフォーマットですべての音が鳴っていてほしい、と期待して買った。

そして、期待通りに、ちゃんと15.1chすべてが使われていた
すばらしい。

 

さて、このオリジナルLPは、1973年に出ている。日本では、初期の3アルバムすべてが1974年に出た。1年に3枚も(日本で)アルバムが出したのは、たぶん、シアーハートアタックからキラークィーンが日本でブレイクして、慌てて1st 2ndを出したのだ。

 この当時購読していたロック雑誌『ミュージックライフ』では、Queenというバンドは毎月大きく取り上げられたし、渋谷陽一がMCをしていたFM番組『若いこだま』でもよくかけられていた。

Queen初期の作品を,queen売出し時期として最初の3枚までとすると、シアーハートアタックは傑出していたけれど、音作り、曲調はいずれも同じようなものだった。

さぁ、再解釈、再構築したこの音源は、オリジナルとどう変わったのか?

どの曲も、曲からコーラスとギターを分離し、イマーシブな感じを出すように工夫されている。Queenから、コーラスを分離するということは、重要な部分はすべてマルチchのためにリマスタリングされているということだ。つまり、これが、再解釈、再構築ということになるのだと思った。
 オリジナルの良さを打ち消すことはなく、どちらかというと、クィーンの重要な音粒である、ボーカル、コーラス、ギターを空間に漂わせるつくりである。音楽的には同じであって、再解釈、再構築というおおげさなものではない。もとのマスターテープは一緒だから当然だ。

でも、オーディオ的にはえらく異なる。バンドの良さを生かしたイマーシブ化なのだ。解像度が劇的に上がっている。今まで聞こえなかった音が聞こえる。これを聴いた後、オリジナル版で同じ部分を再生してみると、確かに、その音は入っている。気が付かなかっただけだ。

ひとつひとつの音粒が、オリジナル版では団子状粒としていっしょになっていたものが、ここでは分離して気持ちよく聞けるというものだ。プリンスのような横のSPだけから声がピンポンするような違和感のある気持ち悪さはない。
さすが、バンドのオリジナルメンバーが関与しているだけある。

15.1chのスペクトラムを付しておこう。
5曲目、My Fairy Kingの冒頭からボーカルが入ったところまでの数秒のピークホールドである(赤線)。緑線は、瞬間のスペクトラムだがポーズを押してスナップショットをとっているので、残留ノイズと考えてほしい。

15chもあるので、ペアがあるchはL側だけを示した。
どのchにも音が出ているのがわかるし、それぞれの帯域特性と音圧もわかると思う。

FWだけは特別扱いしていて、使い方が違うので、このchを再生できる人だけは、再構築の解釈を完全に聞き取ることができると思う。ここまでFwを特別扱いするということは、オブジェクトベースではなく、チャネルベースでマスタリングしていると思う。
 

以前書いたプリンスといい、Queenといい、ATMOS音源は面白くなってきた。

ATMOS 15.1chの再生装置をそろえてでも、聞く価値は十分にあると思う。1st 2nd がATMOS化され出ているが、2ndよりも1stの方が満足度がより高いと思う。おそらく、シアーハートアタックもいずれ出ると思う。楽しみだ。

ATMOS 15chのスペクトラム

 

Fr  さすがにフロントchは音量、帯域ともに最大である。


C  このchを含め、フロント以外は低域は絞られている。


 

Fw
このchだけは、ほかのchを異なるので、注記する。
ピークホールドをみるだけではわからないが、時間軸でみると、ほかのchを異なり、多くの時間では鳴っていない。でも、ここぞというとき(強く意図して再構築された局面だろう)、特にギターとボイスが鳴る。

 

Sr

 

Sb このchは、Fwと並んで無視されているchだが、かなり広い帯域を再生する必要がある。


Tf


 

Tm


 

Tb

 

イマーシブ度 ★★★★★

聴く価値         ★★★★★

おすすめ         ★★★★★