今年になって日本だけではなく、世界のあちこちでリチウムイオン電池(以下バッテリーと書く)が燃えまくっている。

今年1月16日に、カリフォルニアのMoss Landinf発電所の送電網バッテリーが発火し、大火災を起こしたのも記憶に新しい。

EV車がいきなり爆発するのも,毎年起こっている。

ちょっと、怖いですね。

さて、欧州を飛行機で旅行すると必ずひっかかる問題なのだが、
ICAOという民間航空団体(日本は昔から理事国だ)が、バッテリーの輸送に制限をかけている。
 

今年の2月以降、容量で300whを超えるバッテリーは、飛行機に持ち込みができない。
300wh以下のものに限って1個だけ機内持ち込みができ、
1個が160wh以下のものであれば、2個まで、という条件になっている。

これは、ICAO参加社の最大値であって、個々に、もっと厳しい数字を出している航空会社もあるようだ。
(欧州はテロに神経質な航空会社が多いのでね)

最近は、飛行機だけではなく、ドーバーを渡るユーロエクスプレスでも、チェックが厳しくなってきた感がある。

日本でも中華バッテリーの爆発が相次いでいるから、近いうちに厳しくなるだろう。

ところで、whという単位は、パソコン内蔵バッテリーでは使われるが、モバイルバッテリーでは使われていない。
モバイルで使われる単位は、mAhだろう。
W(ワット、電力)とA(アンペア、電流)は、簡単に変換できる。


W=VA であり、リチウムイオン電池の1セルの内部電圧は3.7Vだから、

A=W / V= 1/3.7

つまり 1wh=270.72mAh である。

だから、
160wh=270.27x160 =43243.2 mAh
となる。

パソコンでも、携帯でも、マトモなメーカーであれば、バッテリーの容量はスペックに必ず記載がある。

 

また、windowsのノート型パソコンであれば、
コマンドプロンプトから、バッテリーレポートを出す命令をたたけば、容量情報が出る。

つまり、こう.
>powercfg /batteryreport
と打てば、whの情報が出る。

僕の場合、飛行機に乗る時は、超軽量のPCを持ち込むので、いちいち容量の確認を受けた
ことは今までに一度もないが、一応念のため、この情報をコピーして、裏蓋に張り付けている。

ちなみに、富士通の世界一軽いnotePCを使っていて、質量は650g程度で、25whのバッテリーだった。

最新のnotePCであれば160whを超えることはない(と思う)が、
40000mAh(4万)を超える大きなモバイルバッテリーも日本では普通に売っている。

中華販売サイトでは(たとえばAliExpress)、4万mAhどころか、50万Ahのバッテリーも売っている。

これが爆発すると、結構大きな発火が起こる。

たとえて言えば、ドラゴンという火花が激しくとび散る家庭用花火があるけど
これ。

 

これが数発分のエネルギーで発火が起こる。
こんな危険な花火を、皆はカバンに入れて運んでいるようなものですよ。
 

少なくとも海外旅行には持ってゆかない方が良いです。

昔の大きなノートPCを持ち込む人も、一度チェックしてみると良いと思う。