真夏がやってきた。
欧州では、熱波がやってきて、原子炉が停止に追い込まれた(スイス)。
なんで停止したかというと、河川の温度が上がっているからだそうだ。
冷却水が高温になると十分な冷却ができなくなる恐れがあるので、
予防的に停止したのだという。
夏に電力供給が途絶えると、エアコンが使えなくなり、最悪死者を出す。
スペインのあちこりで山火事が発生した。気温もポルトガルでは50度になった。
そんないやなことを吹き飛ばすためにも、お祭りに出かけよう。
欧州の夏は音楽祭の宝庫なのだ。
バイロイトとか、ザルツブルグは、昔からNHKでライブをFMで流していたので、
日本でもかなりポピュラーだと思う。
でも、これからでは、チケットは手に入るまい。
経験上、今からでもチケットはまず手に入る、中身の濃い音楽祭をいくつかピックしてみる。
真っ先に思い浮かべるのは、エジンバラ国際フェスだ。
https://www.eif.co.uk/
今年は、8/1-24まで開催する。
もともとが、グラインドボーンの総監督が有志をあつめてスタートしたものなので、
クラシック、オペラが素晴らしい。
でも、ダンス、演劇などいろいろなジャンルのプログラムもかなり優れている。
ダンスと言えばケルト語圏でダンスといえばリバーダンスがあるし上演もされる。
エジンバラ市中にあるエジンバラ城の横にThe Hubという建物で行われるが、
近隣のあちこちの場所で、いろいろなショーやパフォーマンスが行われていて、
それらをすべて合わせて、ひとつのお祭りを形成している。
どれかの催しは、当日ふらりと行っても参加できる。
ついでに、スコッチモルト好きにはたまらない、ウィスキー博物館も行く価値がある。
お次は、ベートーベンフェス。
https://www.beethovenfest.de/
モーツァルトの祭りがザルツブルグ。ワーグナーの祭りがバイロイト。
ならば、ベートーベンだってあるでしょ。
あります。
しかも、あのリストが創始者だ。
今年は、8/28-9/27 まで開催する。
ベートーベンは、後期はウィーンに渡ったみたいだが、ボンで育った。
ボンの数少ない観光資源なのだが、生家は博物館として公開されているし、
その周辺にベートーベンの研究センターやホールを併設した資料館もある。
で、この祭りは、Oper Bonnがメイン会場で開催されるが、ここでのチケットは、入手が難しい。
でも、期間中に、あれこれ100近いコンサートが連日、複数の中小ホールに
分散して開催されるので、その周辺コンサートであれば、当日でも買える。
正直言って、メイン会場での演奏は、バイロイトとか、ましてやザルツブルグに比べると、
(かなり)見劣りするので、周辺コンサートの参加で十分だ。
むしろ、ジャズ風ベートーベンのような普段は聞けないゲテモノの方が楽しいと思う。
これだって、立派なベートーベンフェスの催しなのだ。
最後のおすすめ、ベローナ オペラフェス。
https://www.arena.it/en/arena-verona-opera-festival/
エジンバラフェス、ベートーベンフェスと比べると、圧倒的に高名なフェスだと思う。
会場は、ベローナで、要するにローマの円形競技場(当然屋外にある)で開催される。
日が落ちる少し前の夕方から始まり、日が暮れると光の演出が相まって、雰囲気は最高だ。
主にベルディの作品を上演するが、プッチーニやチャイコなども上演されるし、
オケ、バレエなども行われる。
ここは、何をみた、というより、ここで何か(なんでもいい)、を見たという体験に価値がある。
超有名なフェスだが、3万人を収容できるように拡張されており、有名な割にはチケットは入手しやすい。
とにかく、古代ローマから使われているこの場所で、ものすごい人数の中で、
光と音響演出の催しをライブで見ることができる。ひたすら、素晴らしい.
こんな経験ができるのは、エジプトの古代遺跡前か、ローマしかない。
こんなリアルな雰囲気を、立体画像とマルチchで、部屋で疑似体験できる日は、おそらく来ないと思う。
本物と疑似は、まったく異なるのだ。