IT系の記事を書かないITエンジニアの管理人です。
ふとした瞬間に思い出して、無性に聴きたくなるバンド/アーティストの第39弾。
今回は Bruce Dickinson です。
通常は1枚選ぶんですが、なぜか今回は選べなかったんですよね。って事で、結果全作レビューとなりました。完全主観によるレビューになりますので予めご了承ください。
※尚、ライブ盤やEPは除いております。
- Tattooed Millionaire -1990-
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記念すべきソロアルバム1作目。Bruce本人によれば、映画『エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルド』のサウンドトラックの為に"Bring Your Daughter... to the Slaughter"を作った事による偶然の産物。Janick Gers(gt)が関わっているが、その後Janickは IRON MAIDEN に加入する事になる。冒頭の"Son of a Gun"はヘヴィな感じだが、以降はキャッチーでフックのある楽曲が並び、高い水準で纏まった内容になっている。"All the Young Dudes"はDavid Bowieが MOTT THE HOOPLE に提供した名曲のカバー。"素直に楽しめる良質なHRアルバム"というのが管理人の評価である。
- Balls to Picasso -1994-
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IRON MAIDEN 脱退後にリリースした2作目。ポイントはRoy Z率いる TRIBE OF GYPSIES との邂逅である。ラテン由来のグルーヴとリアルでエモーショナルなメロディを併せ持つ、従来のフォーマットに収まらない新たなスタイルを体現している。ダークでヘヴィな印象ではあるが、当時の時流であるオルタナティブとは似て非なるもので、その出自は異なる。楽曲も粒揃いでバラエティに富んでおり、捨て曲は一切なし。個人的には"Gods of War"、"Sacred Cowboys"の格好良さは異常。そして本作と言えば"Tears of the Dragon"だろう。IRON MAIDEN を彷彿とさせるメロディアスな曲調とドラマティックな展開で、HR/HM史上に残る名曲と言って良い。管理人の思う最高傑作は本作である。
- Skunkworks -1996-
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当初は SKUNKWORKS というバンドのアルバムになる筈だったのだが、Bruce Dickinson名義でリリースとなった3作目。プロデューサーは NIRVANA、SOUNDGARDEN、MUDHONEY などを手掛けたJack Endino。オルタナ路線だが総じてメロディアスで聴き馴染みが良く、Bruceが様々な方向性に対応できる柔軟なシンガーである事を証明している。Alex Dickson(gt)もまた見事で、サウンドデザインの可変性が各楽曲のアイデンティティを強く分離している。評価の低いアルバムだが、正当に評価されているとは言い難い。尚、アートワークはヒプノシスのStorm Thorgersonである。
- Accident of Birth -1997-
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Roy Z(gt)、Eddie Casillas(ba)、David Ingraham(dr)の TRIBE OF GYPSIES 組に加え、IRON MAIDEN のAdrian Smith(gt)を迎えて制作された4作目。前作から一転して純度の高いメタルアルバムとなった本作。伝統的なHMに回帰したって意見もありますが、個人的にはモダンな感触を織り込んだ(当時の)現代的なHMという印象。特筆すべきはAdrianの存在だろう。Roy Zは"素晴らしいコラボレーションだった"と語っていたが、特にBruceとの共作である"Road to Hell"は懐古主義的ではあるものの、ファンの求める要素を的確に捉えた楽曲で高い人気を得ている。一般的に評価の高い傑作であり、必聴盤と言って良い本作である。
- The Chemical Wedding -1998-
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前作に引き続き、TRIBE OF GYPSIES 組とAdrian Smith(gt)を迎えて制作された5作目。錬金術をテーマにWilliam Blakeの詩や思想をモチーフにしたアルバム。前作と同様に(当時の)現代的なHMという印象だが、ドゥーミーな色合いが強く張り詰めた緊張感が全体を支配している。個人的にはドゥーム/ストーナー、つまり Ozzy Osbourne/BLACK SABBATH を思わせるが、MERCYFUL FATE 的とする向きもあり、それはそれで頷ける。"King in Crimson"、"Killing Floor"、"Book of Thel"あたりのアグレッションは特に素晴らしく、隙のない傑作と言って良いだろう。尚、アートワークはWilliam Blakeのテンペラ画作品『蚤のゴースト』。一般にBruceの最高傑作とされるのは本作である。
- Tyranny of Souls -2005-
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IRON MAIDEN復帰を経て制作された6作目。参加メンバーはRoy Z(gt)とその周辺ミュージシャンとなっており、Roy Zが語っていた"Bruceとのメタルアルバム3部作"の最後のアルバム。基本的な音楽性は踏襲しつつも無駄を削ぎ落としたタイトな仕上がりではあるが、ややコンパクト過ぎる印象もあり、結果として物足りなさも残るというのが個人的な感想である。楽曲の質は依然として高く、特に攻撃的な"Abduction"と"Soul Intruders"の流れは強力で、これだけでも聴く価値は十分にあるだろう。 尚、アートワークはHans Memlingの『Hell』を使用。これは6枚組のパネル画『Earthly Vanity and Divine Salvation』という作品の1部である。
- The Mandrake Project -2024-
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約20年振りの7作目。Roy Z(gt)、Dave Moreno(dr)が前作に引き続き参加、Gus G(gt)も1曲でゲスト参加している。同名のコミック(グラフィックノベル)も展開しているが、Bruce本人によれば、"関連性はあるが相互に独立している"という事らしい。"Afterglow of Ragnarok"や"Rain on the Graves"の様なヘヴィで緊迫感を持つ楽曲もあるが、全体としてはメロディアスな印象のアルバムだ。"Eternity Has Failed"は IRON MAIDEN の"If Eternity Should Fail"の再録、いや元々Bruceのソロ用の楽曲なので原曲と言うべきだろう。バラードの"Face in the Mirror"から始まり、構成が美しい"Shadow of the Gods"を挟んで、幽玄な"Sonata (Immortal Beloved)"でフィナーレを迎えるラスト3曲が恐らく本作のハイライト。良く練り込まれており、聴き応えのある傑作と言って良い。
それでは皆様、良いメタルライフを!








