レンタルバイクでの台湾一周タンデム(二人乗り)ツーリング 2018年12月 まとめ | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

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オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東等走行後、2025年4月~9月欧州・中央アジアをツーリング中。

125ccsスクーターでの台湾一周タンデム(二人乗り)ツーリング(2018122日~20181217日)1,350km

 

<ツーリングのまとめ>

 

親日的でバイクが庶民の足として生活に密着している台湾で小型バイクの一周ツーリングは一度やってみたかった。今回は台湾でレンタルした125ccの小型スクーターの後部座席に妻を乗せてのタンデムツーリングだ。

 

ツーリングの時期は台湾で降雨が少なく、かつ気候的にもまだ寒くない12月初旬~中旬の約2週間とした。

 

 

レンタルバイク

インターネット上でのバイク台湾ツーリングの経験者の記事を参考に、渡航する前にインターネット上で英文にてレンタルバイクの案内を載せているBikefarm社(社と言っても自宅で一人業務を行っている英国人。店舗は無い)に電子メールで事前にレンタルバイクの予約をした。そして、ツーリング出発地の台北市内の宿泊宿へレンタルバイク経営者のジェレミー・ワレン(Jeremy Warren)氏にレンタルバイクを届けてもらった。

 

尚、レンタルバイクは走行距離2万kmを越す年季の入った台湾キムコ社製の125ccスクーターであった。これで台湾一周できるかなと多少不安があったが、ツーリング中に1回パンクしたのみでバイクの故障は無かった。 

 

バイクのレンタル料金が2週間で2,600台湾ドル(約1万円)と安価であったことと、ツーリング中のバイクの盗難リスクや混雑した駐輪場でスリ傷が発生するリスクを考慮したら、新品のバイクより寧ろ年季が入ったバイクの方が気を遣わず路上に駐輪できた。

 

バイクレンタル時に円貨で2万円の保証金をジェレミー氏に預けたが、バイク返却時ジェレミー氏がバイクの状況を確認の上、「問題なし」ということで、保証金をそっくり返却してもらった。

 

小型スクーターでの二人乗りを考慮して、1日の走行距離を100km150kmに控え、約10日で台湾を一周する計画を立てた。 台湾の北部の台北市からスタートして反時計回りに一周後、台北市へ戻った。

(レンタルした125cc小型スクーター。足元に容量35リットルの完全防水バックパックを載せる)

 

ツーリングルート

宿泊地を結ぶツーリングルートは以下の通りで、台北市以外で10ヶ所に宿泊した。

 

台北(Taipei)~台中(Taichung)~日月潭(Sun Moon Lake)~嘉義(Chiayi)~高雄(Kaohsiung)~墾丁(Kenting)~台東(Taitung)~瑞穂(Ruisui)~花蓮(Haulien)~羅東(Luodong)~基隆(Keelung)~台北(Taipei)。 台北での市内観光等のバイクのちょい乗りを含めたこのルートでの走行距離は約1,400km弱。 全て舗装道路を使用。

(左右=長い部分が本来は南北となる台湾地図。左が北、右が南となる。赤線が一周ツーリングのルート)

 

台北~台中間は台北の市内を抜け出すのに1時間程費やしたが、日本から台湾への往路のフライト内で知り合った台湾在住の日本人のベテランライダーから渋滞が少ないルートを聞いていた。台北市内から南下して郊外の新店(Kindian)を目指し、新店~三峡(Sanxia)は県道110号、三峡からは台湾西側ルートの一番内陸側の省道(=国道)3号線(R3)にて台中へ向け南下。

 

台湾の西側ルートは人口集中地域で道路も平坦のためツーリングルートとしてはスリルも、ワインディングロードも無いが、台中から台湾の「へそ」と呼ばれる日本の箱根のような森林資源が豊富は日月潭(にちげつたん)のルート、さらに南部の墾丁(Kenting)から県道119号線を経由して東側海岸へ抜ける山間部のルートは自然の変化に富み快適かつ面白かった。

 

真骨頂は海岸線を走る台湾東側ルートだろう。強風下の荒波に洗われた海岸沿いに約500kmのルートがある。片側一車線の対面交通の道路が多く、ダンプカー等の大型トラックが後ろから来るとそれなりのプレッシャーを感じるが、都市部走行が少ないだけツーリングは快適だった。

 

花蓮(Haulien)から北の清水断崖を経る海岸断崖沿いの省道9号線(R9)には路肩が無い区間があり、また道路幅が狭い一方、「大型トラックが多く小型バイクの走行は危険である」とのツーリング経験者のブログを事前に読んでいた為、通行を避けようと考えた。

 

花蓮以北約100kmの蘇奥(Suao)までの海岸断崖の省道9号線(R9)について、台湾政府観光局は自転車による台湾一周時には電車を利用するように勧めている。

(台湾東側の花蓮の北部 清水断崖付近の国道9号線)

 

しかしながら、部分的に道路工事で片側相互通行が敷かれていたため、当方は大型トラック等の車両の通行をやり過ごして、車の通行が途切れてから走行するようにした。そのため、さほど怖い目に合わずに断崖ルートを通行できた。

 

このルートにある複数のトンネル内の道路は路肩が無く狭い。そして、トンネル入口には「自転車での通行不可」の交通標識が出ていた。 このルート上のいたるところに自転車の台湾一周ルートの標識が掲げられていたが、一部のトンネル内の自転車通行が不可ではサイクリストはどうすればよいのだろうと疑問が湧いた。

 

花蓮から20km北東の太魯閣(Taroko)渓谷の規模の大きさは圧巻である。高さ300m位はあると思われる垂直岩の山々の谷底を道路が通る。これほどの垂直の岩壁は米国ヨセミテ国立公園ぐらいしか当方は見たことがなかった。

 

(台湾中東部 太魯閣渓谷=Taroko)

 

荷物

日本からはバイク乗車中に常時会話ができるインターコム付きのヘルメット2つ、二日分の着替え、雨具、GPS専用として使用するスマホとスマホのバッテリー電源を兼ねたジャンプスターター、GPS用途のスマホをスクーターのハンドルに取り付けるホールダー等の最小限の荷物を持ち込んだ。

 

ツーリング中は荷物を35リットル容量の完全防水のバックパックに入れて、スクーターの足元に置き、その他の荷物はスクーターの座席下のヘルメット保管スペースに収納して、身軽な状態にした。 

 

レンタルしたスクーターのハンドルにはバイクのバッテリーから充電可能なUSBケーブル用対応のRam Mountsホールーダーが取り付けてあったため、持参したスマホホールダーとスマホ充電用のバッテリーともなるジャンプスターターは使用せずに済んだ。

 

お金

クレジットカード2種類(VISAMASTER)を持ち、持参した日本円はバイクの保証金として使用。

現地で使用する現地通貨元(台湾ドル)の現金は台北の空港(桃園空港)の銀行ATMにてクレジットカードのキャッシング機能を使って調達した。ホテル等の宿泊代はカード払いとして現金はあまり多く持たないようにした。

 

スマホの現地SIMカード

重宝したのは中華電信(日本のドコモに相当する台湾の大手携帯電話会社)のデータ通信及び通話し放題のサービス。特にデータ通信し放題サービスにてツーリング中、スマホが常時インターネットへ接続可能であった。1ヶ月期限の同社プリペイドSIMの価格は1,000(4千円)。桃園空港にて購入した。

 

台湾の交通事情

台北市(Taipei)や高雄市(Kaohsiung)等の大都市はバイクが多い。信号待ちで数十台のバイクが無秩序に並び、信号が青に変わるとバイクレースのスタートの様に一斉にスタートしてバイク同士が抜きつ抜かれつ集団走行する。この時はバイク同士が接触する危険性を感じるが、郊外に出てしまえば走行し易い。

(台北市はバイクが多い)

 

特に日本の国道にあたる省道(基幹道路)には、幅2mほどの自転車兼バイク専用レーン、あるいは優先レーンがある。このレーンを走っていると自動車との接触の危険性は少なく安堵する。しかし、バイクが多い場合、路肩側の右後方から(日本の左側に相当)相当なスピードで抜き去って行く無謀なバイクライダーが多いので冷っとする状況もある。事実、当方が台北市内で信号待ちからスタートして間もない走行中に、他のバイクが右側(路肩側)後方から、当方のバックミラーに接触して抜き去ったことがあった。この時は危険を感じた。

 

(嘉義から高雄へ向かう途中の省道1号線(R1)。道路の一番右側の歩道のような道は自転車専用道。道路右端はバイク専用レーン)
 

自動車の運転マナーは悪くないが、バイクの運転マナーは総じて悪い。バイクを自転車の様に考え、信号無視するライダーも多く目にした。

 

125ccバイクでは日本同様に無料高速道路(Freeway)や有料高速道路(Expressway)の通行は出来ない。また、高架になっているバイパスも通行不可になっている。ただし、Freewayでもこの橋以外他の道路は無いというような場所にはバイク専用レーンがある場合もあり、特に大きな川にかかる橋がそのようになっている場合が多かった。

(無料の高速道路=Freewayの橋区間」にはバイク専用レーンがある)

 

 

いずれにせよ大都市部以外は日本の一般道を通行するより、快適で走り易く、125ccのスクーター二人乗りでも台湾一周ツーリングを十分楽しめる。

 

GPSはスマホのアプリで利用可能な「MAPS.ME」を使用。このアプリは携帯のデータ通信無しでオフラインで作動するので現地SIMカードが無くても使える。

 

既に当方はユーラシア大陸横断と南北アメリカ縦断ツーリングにて同GPSを利用価値を評価していた。ただし、同GPSの通常のルート検索では高速道路を含む最短ルートしか示さない為、一工夫が必要だ。 高速道路を避けた一般道路の通過点を結んだ自分自身のルートを表示させる必要がある。

 

費用

日本(成田空港)~台北間の往復航空運賃や現地の滞在費等を含めた2人分の費用は約30万円だった。往復航空運賃はLCC(格安航空券)を利用したので、往復航空運賃は一人約3万円。

 

宿泊費が一番大きな出費となったが、妻には我慢してもらい比較的安くて清潔なビジネスホテルを主に利用したため低く抑えることが出来た。また、宿泊料金が高めな最南端の墾丁(Kenting)や台湾東南部の台東(Taitung)では民宿にもお世話になった。 15泊分の合計宿泊料は約2万台湾ドル弱(約8万円弱)。

 

食事は現地の人たちが利用する食堂や夜市の屋台を主に利用。台湾料理は日本に比較したらかなり薄い味付けであることが判った。甘党である当方はお汁粉や大判焼き等の甘味を数多く試したが、日本に比較するとかなり控えめの甘味だ。 また、主に肉料理に使用する香辛料の八角(Anis)の風味に慣れていなかったので、八角の風味がする料理には手が出しづらかった。

 

餃子、シュウマイ、小籠包等日本でも親しんでいた品はさすがに本場の味で、レベルが高いと舌鼓を打った。

 

台湾の寺院および国立公園の入場は無料であったため、観光施設訪問の費用はほとんどかからなかったことは有難かった。

 

 

台湾の魅力

台湾の魅力は台湾の人たちの親切だろう。道に迷った時、バイクのタイヤがパンクした時、台湾語(中国語)の言葉が判らない時に日本語を話す年配の台湾人にお世話になった等、親切を受けた場面には数多く遭遇した。 若い人たちも日本の漫画の影響か片言の日本語は理解したりした。日本統治時代の日本の神社跡、鉄道関連施設や日本人居留地の住居等の歴史的建物を保存しているというように日本をポジティブに理解している人が多いことには日本人として嬉しい。

 

もちろん前述したように、特に台湾東側ルート上の人を寄せ付けない荒々しい海岸景色や太魯閣渓谷の圧倒する景色、あるいは蒋介石の別荘があったという日月潭の風光明媚な景色等もあるが、小型バイクや自転車でも走行し易いように自転車・バイク専用レーン(都市部では優先レーン)がありバイクツーリングを安全に楽しめるということも魅力を高めている。

 

また、物価水準も日本の1/22/3程度と安く、台湾全土いたるところにセブンイレブンやファミリーマート等のコンビニがあり、トイレ休憩では重宝する。特に女性にとってはツーリング中の清潔なトイレの存在は重要だろう。

 

以下ツーリングを日記の様に日付順に記する。

 

 

12/2(日)日本(成田空港)~台湾・桃園空港(Taoyuan)~台北市まで移動

 

シンガポールのLCCであるスクート航空(Scoot)にて成田空港から台北市の西約40km位置する台湾・桃園空港(Taoyuan International Airport)へ飛ぶ。 片道一人1.5万円航空券で持参するヘルメット2個を段ボール箱につめてチェックイン荷物として預け、それ以外の荷物は手荷物として機内へ持ち込む。 片道3.5時間のフライトで遅延なく台北市に近い桃園空港に到着。多くのLCCは桃園空港に発着する様だ。

(成田空港から台湾への往路に乗ったシンガポールの格安航空のScoot)

 

機内でオートバイ関係出版社を経営する台北市在住の日本人シニアライダーと知り合い、同氏から台湾の推奨ツーリングルートや簡単な歴史等を教示してもらう。実際のルートを知るライダーから教えてもらえるとはラッキーだ。

 

知り合った日本人ライダーに桃園空港で台湾携帯電話の申し込みカウンターも案内され、更に電車(MRT)にて台北駅まで同行してもらう。同氏に感謝。 尚、桃園空港では携帯電話最大手の中華電信の1ヶ月期間の通話およびデータ通信使い放題のSIMカードを携帯1台当たり1,000元(約4千円)で購入。これでスマホで台湾全土にてインターネット接続が可能だ。ツーリング中は常時インターネット接続環境を確保でき便利であった。

 

台湾は初めてだ。町の全てが珍しい。台北市の中心部にセブンイレブンやファミリーマートのコンビニからモスバーガー、イタリア料理のサイゼリヤ、衣料品小売りのしまむら等多くの日本企業の看板が目に入る。 日本の店がこんなにたくさんあるとは正直驚いた。台湾はそれだけ日本と近いと感じる。

(台北市内の日本の外食チェーン「サイゼリア」)

 

予約してあったホテルを探すため地図を広げて街角に立ち止まっていると、荷物を配達中の台湾人の中年男性が日本語で「どうしましたか?」助け船をだしてくれる。他国では日本語で声をかけてくる現地人を警戒するのだが、配達の仕事中ということで警戒は解いて道順を尋ねた。台湾人は親切と聞いていたが、こんなに早く親切にされるとは思っていなかった。

 

投宿はLiz Hotel(ツインルーム一泊1,530元=約6千円)

 

次号に続く