Dave ValentinのFluteは月並みな表現だけど、本当に心地良くて呆れてしまうほど上手い。音色も素晴らしいし、何より抜群のリズム感である。よくSax奏者がFluteを吹くことがあるけれど、New York CityのThe Bronx生まれでPuerto Rico出身の両親を持つDave Valentinも元々はCongaとTimbalesから楽器を始めてFluteに転向して、それ一筋で練習に励んだだけあって、その上手さというか演奏技術のレベルが群を抜いている。 Herbie Mannのレコードを買って独学でFluteの演奏を始めたけれど、Hubert LawsのPrivate Classを受けて、見る見るうちに頭角を現していったという。当初はLattinの血が、そうさせたのかLatin Musicの影響を強く受けていたValentinは次第に師匠Lawsの教えもあってか、Jazzへの傾倒を深めていくのであった。そして鍵盤奏者のBill O'Connell、ベースのLincoln Goines、Ruben Rodriguez、ドラムスのRichie Morales、Robby Ameen、Conga奏者のSammy Figueroa、Giovanni HidalgoらとAfro-CubanやBrazilian Music、FunkをJazzと融合させた自身のバンドを70年代に結成する傍ら、Salsa系のConjunto Libre、Ricardo Marrero & The Groupに参加し70年代後半に録音を残している。またDave Grusinの77年のアルバム『One Of A Kind』に参加すると、Grusinが Larry Rosenと設立したLabel GRP Recordsと契約した最初のMusicianとなった。こうして、本日ご紹介するDave ValentinのDebut Album『Legends』が78年にGRP Recordsからリリースされるのであった。Dave GrusinがPiano、Electric Piano、Synthesizerを弾きProduceとArrangements、指揮を担当。ベースにAnthony Jackson、Francisco Centeno、ドラムスはSteve Gadd、Ricardo Marrero & The GroupのBassist Michael ViñasがAcoustic Guitarを弾いている。さらにギターのJose Ortiz、Percussionの Rubens Bassini、BongosのRafael De Jesusらの名手による極上の演奏が楽しめる。
『Legends』はDave Valentinが78年にArista GRPからリリースしたアルバム。自作曲3曲にCoverのセンスも素晴らしい。
アルバム1曲目は自作のタイトル曲“Legends”。LatinなRhythmにのて軽やかに舞うValentinのFluteが気持ち良すぎ。Anthony JacksonのBottomでウネりまくるベースが最高。
“Bouree In E Minor”はJohann Sebastian Bachの“E Minor Bourrée in E Minor”をLatin Jazz風にArrange。まあ、CTIなんかの路線に近いけれど、こちらはBand EnsembleがよりFunkっぽくて中々カッコイイ。ValentinのFluteも変幻自在に宙を舞う。
“Sea Pines”もAcoustic Guitarで始まるチョイSpanish調のExoticなLatin Jazz。さりげないStrings、心地良く揺らめくエレピ、長すぎず短すぎずカッチリまとめたピアノ・ソロといったあたりにDave Grusinのセンスが感じられる。
Chick Corea作Return To Foreverの“Crystal Silence”。こちらはSimpleに幻想的な雰囲気を生かした仕上がりでFluteがバッチリこの旋律にハマっている。
Mongo Santamariaの“Afro Blue”は心地良いAfro起源の3:2 Cross-Rhythm(Hemiola)にのったFluteが躍動する。この辺の抜群のリズム感覚がValentinの真骨頂。
Sergio Mendes & Brasil '66の“Masquerade”。蕩けそうなエレピで始まる、これまたValantinのFluteが気持ち良すぎで寄り添うStringsも雰囲気タップリ。
“Patterns For The Sky”はRhythmキレキレで緩急自在に躍動するLatin Jazz。
アルバム最後をシメるのは72年のMichael Jacksonのヒット曲で大好きなMarvin Gayeの名盤『I Want You』収録のLeon Wareと Arthur T- Boy Ross作“I Want To Be Where You Are”。LatinなFunk仕立てで心地良い風が吹く。
◎Crystal Silence/Dave Valentin
(Hit-C Fiore)









