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BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Jards MacaléStrangeでどこか謎めいた音楽の虜になってしまったのは今から10年ほど前である。名前こそ聴いたことはあるものの、実際にその音楽を初めて聴いたのはWagner TisoRobertinho SilvaLuiz AlvesといったMinas一派Paulo MouraNecoLaércio De Freitasといった豪華な演奏陣目当てで手に入れた77年作『Contrastes』であった。そして、その底知れない音楽性の深みを知ったのはDiscobertasからリリースされたこの初期の音源を収録した編集盤なのであった。そんなRio de Janeiro生まれのJards MacaléことJards Anet da Silvaは、今年11月17日82歳人生の幕を閉じたのであった。João Donatoとのアルバム『Síntese Do Lance』がまだ記憶に新しいし、2ヶ月ほど前にJoyceのLiveにGuest出演してたのに…。ピアノを弾き歌手でもあった母親とAccordionを弾く父親の元、音楽に囲まれて育ち、幼少期にIpanemaに移り住むと、 "Macalé" というあだ名をつけられたのであった。PianoとOrchestrationを Guerra Peixeに、CelloをPeter Dauelsbergに、ギターを Turibio SantosJodacil Damascenoに学び、Esther Scliarに師事して音楽理論を学んだ。Macaléは65年Grupo Opiniãoのギタリストとしてプロのキャリアを開始し、Maria Bethâniaの初演では音楽監督を務めた。また、Elizeth CardosoNara LeãoはMacaléの楽曲を録音した。69年には第4回 Internacional da Cançãoに参加して“Gothan City”を歌い、翌70年には自らのバンドGrupo Somaを率いてEP『Só Morto』をリリースする。軍事軍事独立政権によって弾圧されLondonに亡命を余儀なくされたCaetano Velosoに招かれ72年リリースのアルバム『Transa』でギターを弾きMusical Directorとして貢献した。同年にDebut AlbumJards Macalé』をリリースする。アルバム・デビュー前後の音源を収録した本作には、Tropicáliaと深い関りを持ったMacaléの武骨でありながら、Psychedelicで混沌とし、Romanticで官能的な一面も持ち合わせた音楽性妖しくも生命感に満ちた輝きを放ち続けている。、

 

 『Só Morto』はJards Macalé70年RGEからリリースしたDebut EP4曲70~73年に残したLive音源10曲を加えDiscobertas2014年にリリースしたCompilation Album

アルバム1曲目はMacaléのギターとVocalがMysteriousで生命感に満ちたSoluços”。

O Crim”も妖しく密林で蠢く生き物のような得体のしれない野生の神秘を湛えている

Só Morto (Burning Night)”は狂おしく絶叫するMacaléが最高。

Sem Essa”は抒情的なギター優しく語りかけるVocalで始まりRomanticなMacaléの一面が出たナンバー。

ここからLive音源が始まる。まずは暴れまくるHorn隊で始まる、その名も“Gothan City”。鬼気迫るShoutを披露するMacaléのVocalも武骨で生々しく生命感に満ち溢れている

Só Morto”はアコギ弾き語りで始まり、力強く歌い上げていくMacalé渾身のShoutに圧倒される。

Debut Album収録の“Let's Play That”。こちらもド迫力である。

上述のアルバム『Contrastes』にも収録される美しいBalladPoema de Rosa”。観客からも大きな

再び“Let's Play That”。こちらは静かに始まりながらも

熱い衝動がマグマのように流れ出す。

こちらもドラムスをバックに再び狂おしい心の叫びが炸裂する“Gothan City”。

Debut Album収録の“Revendo Amigos”。一筋縄ではいかないMacalé節が良き。

74年の2nd Album収録のAprender A Nadar収録の“Orora Analfabeta”。こちらも一人芝居のような弾き語り

続いても2nd収録の軽快で洒脱な“Anjo Exterminado”。

最後をシメるのも2nd収録で魅惑のMelodyを情熱的に歌い上げるRua Real Grandeza

Soluços/Jards Macalé 

Sem Essa/Jards Macalé 

Vai deixar muitas saudades.

Vá em paz, Jards Anet da Silva. Seu legado é eterno.

Obrigado por tudo, Jards.

(Hit-C Fiore)

著名アナリスト、おこめ券は「これだけの無駄があると国民に知らしめたようなもの」

日刊スポーツ 2025年12月4日

おこめ券のマージンは12%である

印刷代や流通費等の経費を引いたとしても発行元であるJAや全米飯には億単位の利益が転がり込むカラクリである。

国民の税金を使って中抜きぼろ儲け券を発行する農業団体や業界の利益誘導やってどこが物価対策なんだろうか?この官僚上がりの大臣様は?

おこめ券で高騰した米が売れれば米価格は上がることはあっても下がることはない

 

「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

日刊ゲンダイ 2025/11/30

税金使って500円の券買って、中身は実際440円分の米しか買えない

その中抜き差額は利権団体がボロ儲けという

自民党お得意の税金チューチュー中抜きボロ儲け商法

米価格の高止まりや価格高騰を助長し券を発行する団体に利益誘導するバラマキに過ぎない天下の愚策である。

 

 

小泉レジぶくろうお坊ちゃまが、まともに見えてしまうほど、後任の大臣が酷すぎる。それもそのはず、国民の生活を無視し犠牲にして税金を食い物にし、利権とベッタリの官僚上がり政治家さんなんだから。このオッサン、農水省出身の農水族典型的な官僚上がりの政治家である。そもそも官僚様が大好きな〇〇券なるもの、これこそ、国民の税金を食い物にして中抜きボロもうけ利権団体に利益誘導の官僚の手法なのである。

かつての官僚は優秀で日本の未来を、国民の生活を考えていたかもしれない。しかし、今の官僚はご存知の通り、利権団体とズブズブで不祥事続き。こうなるわけである。

 

官僚上がりの人物を絶対に政治家にしてはならないのである

(Hit-C Fiore)

 Gwen MccraeFlorida州Pensacola生まれの女性Singerで60年代末から活躍を続けてきた。あのBetty Wrightと並びMiamiの歌姫的存在で知られていた。残念ながらGwenも、今年2月にこの世に別れを告げていってしまった。そのGospel仕込みの迫力あるDeepな歌唱は、Southern Soulファン愛され高く評価されてきた。Gwen Mosleyとして生を受けた彼女は、子供の頃から教会でGospelを歌い始め、10代になると地元のClubで歌手としての活動を開始している。63年George McCraeと結婚し、夫婦でDuoを組んで歌い始めた彼らはHenry StoneTK Recordsと契約を結んだ。そしてBetty Wrightに認められて、Alstone Records67年に契約を結ぶことになる。一方、並行してソロとしての活動を開始したGwenは、70年ColumbiaからBobby Blandの“Lead Me On”をCoverしてU.S. R&B Chartで成功を収め、71年にはEddie Hinton作の“Lay It On Me”というご機嫌なSingleをリリースしている。72年には、後にElvis PresleyWillie NelsonらによってCoverされる“You Were Always On My Mind”をリリースしている。73年にはTK傘下Catに移籍してEd Townsendの“For Your Love”のCoverをリリース、74年にはDebut AlbumGwen Mccrae』を世に出すと、75年にはSingleRockin' Chair”で見事にBillboard Hot 1009位、 R&B Chartでは第1位を記録した。本作はBetty WrightProduce79年にリリースされたアルバムで Clarence ReidFrederick KnightがProduceした78年リリースの前作『Let's Straighten It Out』も素晴らしい作品であったが、この作品でのより洗練されたGwenの魅力もまた、個人的にはツボだったりする。ジャケットの優しく微笑むGwenが物語るように男勝りのShoutで圧倒するVocalだけではないGwenのVocalが楽しめる。全曲Betty Wright楽曲に絡んでいるのが興味深い。本作がCatでの最後のアルバムとなる。

 

 『Melody Of Life』はGwen Mccrae79年にCatからリリースしたアルバム。鍵盤のGarry Greene、ギターの William E. Bridgeforthの元The Perfections組にベースのMichael Wilkerson、ドラムスのGregory WilkersonBetty Wright78年リリースのLive Album『Betty Wright Live』でバックを務めた面々。

アルバム1発目は高らかに鳴らされるHorn隊SpacyなSynthesizerで始まる“All This Love That I'm Givin'”。イントロから惹きこまれるけれど、切れ込むHorn隊Chorus隊を従え力強いGwenのSoulfulなVocalが冴えまくり。

I Can Only Think Of You”はStringsChorus隊が寄り添いGwenがGentleに歌い上げる甘美なMidium Number。この手のMellowな曲でも、ここぞという時にSoulfulにShoutをキメるGwenのVocalが魅力を放っている。

Maybe I'll Find Somebody New”は高揚感溢れるイントロからグッと惹きこまれるが心地良いBeatにのったGwenのMellowなVocal極上の味わい

軽快な曲調の“I Found A Love”も柔よく剛を制すなGwenの歌いっぷりが最高。StringsSynthesizer、ピアノ、Horn隊絡みもイイ感じ。

The Joy”もタイトルのごとく、Horn隊が高揚感を高め、GwenのVocalも開放的でのびやかなMiamiの潮風を運んでくれる。やっぱりここぞの男前なShoutはカッコイイ。

Ease The Pain”は優しくSoulfulに歌い上げていくGwenのVocalにメロメロ。甘く切ない必殺のBallad

アルバム最後をシメるのは高揚感に満ちたタイトル曲The Melody Of Life。StringsChorusがGwenのVocalに寄り添い盛り立てていくのが良い。

All This Love That I'm Givin'/Gwen Mccrae

(Hit-C Fiore)

 未だに『円安は国益』カルト宗教の念仏のように唱えている方がいらっしゃる。資産を外貨預金にシフトしたポジショントークならまだしも本気でそう思っているなら経済無知でオツムのネジが相当緩んでいるのだろう。

 現在、日本は急速なインフレ状況にある。現在の円安は物価上昇の加速という国民の生活に不安を与え困窮させる原因となっている

10月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前年同月比で3.0%上昇。なんと総合指数の上昇は50カ月連続となる。算数がわからない方以外は現在、日本がインフレ環境にあるのは間違いないと理解できる状況だ。インフレで生活の不安が増し続けている国民目線で考えれば日銀は早急に利上げしなければならない状況である。日銀が掲げる2%の物価安定を越えているのだから。

原油や天然ガスだけではない、先日、買い物をした時に欧州産のワインもオリーブオイルもハムも円安を背景に結構値段が上がっているのに驚かされた。

 

それにも関わらず日銀は屁理屈をつけて頑なに利上げを渋っている

国民の生活よりも株価を維持する方が大事なのだろう。

 

インフレになって給与が上がればよいが実質賃金は連続してマイナスを続けているのが現状だ。

9月実質賃金1.4%減、9カ月連続マイナス 物価上昇が加速=毎月勤労統計

Reuters 2025/12/01

 

円安が続くと個人消費が低迷していく。そうなれば、ただでさえIMFに2028年までのGDP成長率予測で、2020年からのGDP成長率が全世界でワースト3位になるという見通しを立てられている日本経済は低迷する。1997年から2022年までの25年間において、日本の名目GDP(ドルベース)は178カ国中唯一減少しており、実質的に最下位なのだ。

 

円安を喜んでいるのは日本の高級住宅地やタワマン、無農薬野菜などの高級食材を買い漁り買い占めて価格を釣り上げている某国の人々か売国奴だけなのである。

 

「『安い、安い』と中国人が買い占め」「いずれ日本人はいなくなる」 関西屈指の高級住宅街《芦屋》がいま迎えている"危機的状況"

 

東洋経済 2025/11/30

 

中国富裕層が日本の高級住宅を「別荘」に、東京で空き家急増…

 

日本生活 2025/04/16

 

2000年にはG7で最も豊かだった日本が、現在G7で最も貧しい国になってしまった

 

この10年異次元の金融緩和円安へと舵を切り、輸出企業を中心に企業業績の上昇と日経平均株価の上昇にはつながったものの国民の生活は決して豊かにはなっていない

日本は経済成長できない本当に貧しい国になってしまった

購買力平価で見た1人当たりGDPでは、2024年の時点でG7で最下位の39位に留まり、韓国や台湾よりも低い位置にあるのだから。

2023年の日本の1人当たりGDPはOECD加盟38カ国中22位で、韓国より低い順位である。これは1980年以降で最も低い順位である。

 

確かに税収は過去最高を記録した。それなのに減税の声が上がると

「ザイゲンガー」(笑)

そして税源がないはずなのに自民党は自分たちの給料を上げようと画策しているんですな(笑)

 

ふざけるな! 国民は増税だけど自分たちは月5万増…物価高で苦しむ国民を嘲笑う自民党

集英社オンライン 2025/11/27

 

それに追い打ちをかけるように、未だにデフレ(苦笑)とホザイて、まったくトンチンカンな経済政策を打ち出す経済無能内閣一刻も早く退場願いたいものだ。

なんで壺議員やら裏金議員、官僚上がりの無能議員がゾンビみたいに復活してんだろうか、この政権は。

 

「21兆円の経済対策」はインフレを悪化させるだけ…「円安・株安・債券安」で明らかになった高市首相の”深刻な誤算”

Persiident Online 2025/12/01

 

バフェットも孫正義も資金を引き上げた!「1ドル157円でも危機感ゼロ」日本の麻痺しきった感覚と市場が警戒する“熱狂の最終局面”

集英社オンライン 2025/12/01 

おこめ券や子どもにつき2万円給付など補助金(バラマキ)連発(笑)

バラマキは一時しのぎのシャブ打ちみたいなものである。

つまり根本的な対策にならないどころか、余計に日本経済を悪化させていく元凶となるものなのである。

 

今、早急にやらなければ「いけないのは(バラマキではない根本的な)物価対策であり、そのために投機的に異常な円安が続いている状況を阻止すべきなのである。

 

日本の未来のためにも一刻も早く、この売国政権にお引き取りいただかないといけないだろう。

 

(Hit-C Fiore)

 The Varukersは、The Sunday TimesにMidlandsで最も住みやすいところに選出されたこともある英国はWarwickshire州の温泉街にあるRoyal Leamington Spa70年代の末に結成されたHardcore Punk BandDischargeのDrummer  Terry Tezz RobertsがMotörheadやThe Buzzcocksから受け継ぎ発展させたとされるD-beat(Discore、Kängpunk、Discrust、Crust-Beat)を最も早く取り入れたGroupのひとつとされている。The Varukersは89年に解散してしまうが、91年に再結成され、90年代以降も現在に至るまで活動を続けているようだ。VocalのAnthony "Rat" Martinはバンドの創設メンバーであり、長年にわたる数多くのメンバー・チェンジが繰り返されてきた間もずっと在籍してきた唯一のメンバーである。またギターのIan "Biff" Smith85年からずっとバンドに在籍している。RatがThe VarukersとDischarge、BiffがSick on the Busと、2つのバンドを同時に活動を続けていた時期にもThe VarukersはTourを続けてきたのだった。そういえば、Jyrki "Spider" Hämäläinenが監督してThe VarukersのDocumentaryが制作され2022年公開の予定で2024年に延期とされていたようだが、『The Varukers - Legends of Punk Vol.3』として昨年、世に出たらしいが確認できていない。バンドは当初Veruccasとして知られていたというが、より攻撃的なイメージを重視してバンド名をThe Varukersと改め、RatはギターのBruce Riddell、ベースにTom Lowe 、ドラムスにDischargeのGarry Maloneyと81年に『The Varukers E.P』をリリース、翌82年にドラムスがBrainsBrian Roe)に交代した7", Single, 45 RPM“I Don't Wanna Be A Victim!”をリリース、今度はベースがGeorge Jenkinsに交代して83年Riot City Recordsから7", Single, 45 RPM“Die For Your Government”、Debut AlbumBloodsuckers』をリリースするのであった。

 

 『One Struggle One Fight』はThe Varukers85年にリリースした2nd Album

アルバム1発目は“Persistant Resistance”。切り裂くようなギターのカッティングからHeavyなRiffへの展開がカッコイイ。

凶暴なギターのRiffから始まり無軌道に突っ走るWe Hint At Things Nuclear”。

Snare連打のRiffから、これまた急速調へ展開するのがカッコ良すぎの“In South Africa”。ギターのRiffも最高。

MetalなRiffで始まる“The Fear Of Mankind”はCoolに疾走する中でVocalがひたすらがなり立てるのが良い。

Will They Never Learn (Live)”はLive録音でDrumsがGibことKeith Gilbertで、これまた暴走ぶりが最高にカッコイイ。

Killed By Mans Own Hand”は、ギターのRiffからもある種Thrash Metalな香りが漂う。野郎Chorusが良き。

Animals An Animal”はSpeed Upしてからの豪快にGlindするギターのRiffが最高だけど、"UK 82"な心意気が感じられる。

Protect Not Disect”もEvilなギターのRiffただひたすら突っ走る向こう見ずな爆走ぶり爽快ですらある。

イントロのギターのRiffからご機嫌な“How Can Your Conscience Allow This To Go On”。野郎Chorusも良き。

Stop The Killing”は流麗で美しいギターのArppegioで始まり、一転して激しく爆走するところが鳥肌モノ。

再びDrumsがGibLive録音で“Enter Of A New Phase (Live)”。Metal風のギターRiffで始まりVocalもShoutするものの、ひたすらCoolでSolidなのが彼ららしい。

A Lesson We Must Never Forget”はSeriousなMessageを激しいBeatにのってAgitateする、"UK 82"な男気が最高。カッコ良し。

アルバム最後をシメるのはThrashな雰囲気を湛えつつCoolに爆走するOne Struggle One Fight”。この辺が実に英国的。

Will They Never Learn?/The Varukers

(Hit-C Fiore)

 P-Funk All Starsという、その名前だけですぐに飛びついたアルバム。当時Soul/R&BFunkBluesにドップリ浸かっていた時期に聴きまくったP-Funkの名盤の数々。70年代に興隆を極めSun RaZappaMagmaなどと共に数々の才能に満ち溢れた有能なMusicianを輩出して栄華を誇ってきたP-Funkではあったが、その崩壊はあっけなかったParliament80年に『Trombipulation』をリリース、P-Funkの頭脳だったBernie Worrellは3曲のみの参加で主導権は完全に77年にP-Funkに加わった元Ohio PlayersMulti-Instrumentalist Walter Junie Morrisonに移りつつある作品でSlyRoger Troutmanの参加が話題となった81年にリリースされたFunkadelicの『The Electric Spanking Of War Babies』では完全にその名が消えてしまった主要メンバーの多くが離脱財政面Casablanca Recordsの刷新などでGeorge ClintonParliamentとFunkadelic名義での活動の停止を決断することになった。しかし、Capitolと契約したClintonは82年にJunie、Bernie Worrell、Eddie HazelBootsy CollinsFred WesleyGarry ShiderMaceo ParkerDavid SpradleyBrides of FunkensteinParletらの協力を得てソロ・アルバム『Computer Games』をリリース、ここから“Atomic Dog”がMichael Jacksonの“Billie Jean”を蹴落としU.S. R&B Chart首位を獲得、見事に復活を遂げると、勢いにのってP-Funk All Starsの名義で本作をリリースするのであった。Slyも参加し、JunieやBootsy、Hazel、Shider、Wesley、Maceo、Spradley、Brides of Funkenstein、Parletのメンバーらに加えてDewayne "Blackbyrd" McKnightMichael HamptonDonnie Sterlingらも参加し、『Computer Games』のElectro-Funk生っぽさが加わり、Junieらしいユルさも魅力の70年代の名作とはまた違った楽しみ方ができる大好きなアルバムである。

 

 『Urban Dancefloor Guerillas』は83年にリリースされたP-Funk All Starsのアルバム。All Starsとはあるが新旧世代のP-Funkerが一緒になってSlyBobby Womackらも参加して、Coolに盛り上がっている。

アルバム1発目は“Generator Pop”。Clinton、Shider、Spradley共作となるElectro-Funkで、最初はあまりにも期待が大きくズッコケたものだが、Popで軽いとはいえSpradleyのFunkyにウネるSynthesizerなど当時天下取り寸前のPrinceにも通じるものがある。

ギタリストDewayne "Blackbyrd" McKnightが曲と殆どの演奏を手掛けた“Acupuncture”。Norma Jean BellSaxが咽び泣きJazzyでLatin風味も感じさせるがぶっといベースが良い

Sweetで脱力したJunieが炸裂した“One Of Those Summers”。もうイントロのオフザケぶりもイイ感じで甘美で切ないJunieVocalが最高。Brides of FunkensteinParletのメンバーによるChorusとJunieの絡みやWesley、MaceoらによるHorn隊も絶品

ベースのDonnie SterlingがSly、Clintonと共作した“Catch A Keeper”はSlyがProduceDawn SilvaJeanette McGruderSheila Horneという『Never Buy Texas From A Cowboy』の時のBrides of Funkensteinの3人のChorusとSlyの絡みがご機嫌なP-Funk仕様なのが面白い。

Pumpin' It Up”はHazelShiderのギターがP-Funk魂を注入する気持ち良すぎるElectro-Funk。SpradleyのチョイZappはいったぶっといSynthe Bassもイイ感じ。

Bootsy Collins主導でGary "Bone" CooperがDrumsを叩きHorny Hornsが切れ味鋭く切れ込むFunk“Copy Cat”。Mallia FranklinDebbie Wrightらの猫の声ミャアミャアミャミャChoruusCuteで最高SpradleyとClintonの共作

SlyがProduceした重心の低いElectro-FunkHydraulic Pump”。Tony Thomasのギターが唸りを上げSlyBobby WomackのVocalも気合が入っている。

アルバム最後をシメるのは20秒チョイでサラッと終わる“Pumpin' It Up (Reprise)”。

Pumpin' It Up/P-Funk All Stars

(Hit-C Fiore)

 Frágil南米Perúから70年代後半に登場したバンドである。どうやら現在も活動を続けているらしいというから、半世紀近くも頑張って来たのには素直に脱帽するしかない。Yesのアルバム『Fragile』からとられたバンド名からも明らかなように、当時、南米各国にも数多く生まれたGenesisやYes、Emerson, Lake & Palmerといった英国のRock Groupの影響を受けた連中のひとつではあるが、彼らの特徴である南米らしい甘美で切ないMelodyAcoustic楽器をうまく取り入れた曲作りは、その筋のファンの方々にとってはたまらないものがあるだろう。彼らが登場した70年代、Perúでは殆どの人々がRadioを聞いていたと言われる時代ではあるが、Frágilの人気は絶大で、公演を行ったホールはいつも満員の人で埋め尽くされたともいう。元々は、やはりCover Bandで上述のバンドやCamel、King Crimsonの曲を演奏してPerú全土をTourしていたという。興味深いことに、同国で人気バンドの地位を確立した現在でも彼らはOriginalの楽曲にまじえて前述のバンドのCover曲を公演で演奏しているということである。とはいえ前述のように、彼らのOriginalの楽曲はCatchyではあるが、Melodeにある種の典雅さが感じられ、丁度Genesisが78年にリリースしたアルバム『...And Then There Were Three...』あたりに近い魅力を自分は感じている。大曲指向ではなく、楽曲がどれも5分以内にCompactにまとめられているのも特徴だ。楽曲の独創性や完成度、演奏技術やEnsembleの妙についてはArgentinaのバンドに遥かにおよばないかもしれないが、親しみやすいMelodyを心地良く聴かせるという点では、同じPerúのWe All TogetherTraffic Soundあたりとも相通ずるところがあるのが興味深い。時代が時代だけに、大仰で深刻ぶることも控えめに、あくまでMelodyを聴かせようという姿勢には好感が持てる。

 

 『Avenida Larco』はFrágilが81年にPerúのLabel Pantelからリリースしたアルバム。ギターのLuis Valderrama、鍵盤のOctavio Castillo、ベースとMellotron、SunthesizerのCésar Bustamante、ドラムスのArturo Creamer、Lead VocalのAndrés Duludeという5人組。

アルバム1曲目はまんまGenesisを思い起こさせるSynthesizerとドラミングで始まる“Obertura”。壮大なサウンドにのって伸びやかなギターがイイ感じのインスト曲

タイトル曲“Avenida Larco”はCatchyなMeodyを持ったナンバーで変にもったいぶらずNaturalに歌い上げていくVocalも好感が持てる。

Mundo Raro”もSpacyなSunthesizerをバックにAcoustic Guitarの弾き語り風にじっくり歌い上げていくナンバー。美しくやるせないChorusが最高。Volume奏法のギターはまんまSteve Hackett

Pastas Pepas Y Otros Postres”も甘美でCatchyなMeodyを持ったShuffle。この曲もSynthesizerがGenesisを彷彿とさせるが、歌心に満ちたVocalが南米らしい甘美な抒情性を醸し出している。

Syntheがいかにもこの時代らしい“Esto Es Iluminación”はVocalとChorusもChatchyで甘美であるがギターと鍵盤の掛け合いが良き。

Floral”はギターのVolume奏法と嵐の効果音で始まり、魅惑のMelodyを語りかけるようなGentleなVocalが歌い上げていくアルバムで一番好きな曲。これは隠れた名曲。

LyricalなFluteから始まる“Hombres Solos (El Caimán)”も美麗なMelodyが光るBallad

Lizy”は鳥の囀りに導かれてAcoustic GuitarFlute繊細な硝子細工のようなEnsembleを奏で、ちゃんの泣き声で曲が終わる。

SynthesizerがGenesisを思わせる“Oda Al Tulipán”はSymphonicな前半からPopに展開10拍子も飛び出す。

アルバム最後をシメるのはSyntheが活躍するSimpleなRockLe Dicen Rock”。

Avenida Larco/Frágil 

(Hit-C Fiore)

 Ravenというバンドは実は全く知らなかったのだが、思わずコレはジャケ買いしてしまったのであった。まあ、手を出しやすい価格だったということもあるけれど、79年にリリースされたRiotの2nd Album『Narita』と並ぶお馬鹿ジャケの双璧として、これは手に入れなければならなかった。内容は全く期待していなかったのだが、結構イケるじゃないか思わずRavenの他のアルバムも集めてしまうことになったのだった。Ravenは70年代前半NewcastleでベースとVocal担当のJohnとギターのMarkGallagher兄弟によって結成された。結成こそ早かったが、実際には80年代前半から中期にかけてのNew Wave Of British Heavy Metal (NWOBHM)全盛期の時代に台頭し、Thrash/Speed Metalの連中に大きな影響を与えたという。RavenはNWOBHM界のLegend的な存在なのであった。初期にはThe StranglersThe MotorsOpeningで演奏していたらしい。実は本作は86年にリリースされた彼らの5作目のFull-Length Albumとなる音盤で、これまでの音楽性から大きな変化を求められた作品なのだそうだ。つまりLavel側から商業的な成功を求められた作品を目指して、こうなっちゃったらしいのだが、初めてRavenを聴いた自分として、コレはコレで中々面白いのではないかという感想である。以前からのファンからは厳しい言葉を投げかけられてしまいそうではあるが、もう破れかぶれというか、こうなった、なるようにしかならんのだから気合入れてやるしかない的な開き直った捨て鉢感が潔いと思うのである。MajorのAtlanticと契約して2作目、ProducerEddie Kramer。なんとSpencer Davis GroupのCoverもあり、Horn Sectionも導入した問題作と言われている。個人的には全体に漂う仄かなGlam感がツボであったりするのだが。特にB面後半のギターのRiffがガンガン攻めまくる流れは圧巻で、すっかりRavenのファンとなり、彼らを追いかけるようになったのであった。

 

 『The Pack Is Back』はRaven86年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目はタイトル曲“The Pack Is Back”。いきなり80年代らしいドラムスの音ザックリしたギターのRiffが炸裂。Catchyではあるが、男気溢れる野郎ChorusRiffの気持ち良さは結構イイ感じ。

続いては“Gimme Some Lovin'”って、おい、まさか恐れ多くもThe Spencer Davis Groupの名曲のCover。当然WinwoodのVocalには遠く及ばずも、コレはコレで面白いのではないか。

Screamin' Down The House”もMid Tempo力強く繰り返されるギターのRiff男っぽいVocalCatchyなサビも如何にも80年代といった感じではあるが、決して悪くない。

Young Blood”はギターのRiffがカッコイイ疾走感に満ちたナンバー展開もBritishらしくて中々面白い。ギター・ソロもイイ感じ。

さてHornを導入した問題作の“Hyperactive”。コレがキメもバッチリで中々面白いではないか。

Rock Dogs”もギターのRiffがカッコイイ。鍵盤を弾いているのは Eddie Kramer

Don't Let It Die”もイントロからHorn隊が加わる疾走感に満ちた勢いのある男気Rockは悪くない。しかも大サビの落としが、これまたBritishらしくてイイ感じ。とってつけた感がなく自分たちらしい演奏にしてるのが良い。

Get into Your Car and Drive”はイントロのギターのRiffからヘドバンかましてノリノリ。最高じゃないか?

All I Want”もイントロのギターのRiffから最高グイノリのRiffがカッコイイ。

Nightmare Ride”、これまたイントロから突っ走るご機嫌なナンバー。やっぱりRiffも曲もカッコイイっすなあ。

Speed of the ReflexMind Over Metal/Raven

(Hit-C Fiore)

 Leo ParkerBebop魂に満ち溢れたグイノリのBaritone Saxはご機嫌である。Baritone Sax好きの自分にとっては、何の衒いもなく熱く燃えていたBebopの時代を感じさせるBlowを聴かせてくれるParkerのプレイはたまらない。Baritone特有の低音部を強調したゴリゴリした吹きっぷりの中にGospelの香りが漂い、BluesyでEarthyな部分が感じられるところも、またたまらなく魅力である。Parkerが残してくれたアルバムは残念ながら数少ないのだけれど、Blue NoteSavoyに録音された、それらの作品は時に、Hard Bopとは一味違ったBebopR&B BluesGospelAfrican AmericanのCommunityの中でまだ、混然一体となっていた時代を思い起こさせるPrimitive生命感を放つのだ。Washington, D.C.に生まれたParerは高校時代にAlto Saxを学びプロの道に進むようになる。44年に録音されたColeman HawkinsのOrchestraでは、まだAlto Saxを吹いていた。その後、Baritone Saxに転向したParkerはBilly Eckstineの伝説のBig Band Orchestraに参加し、46年まで在籍、また、Dexter GordonSonny StittGene Ammonsと "Unholy Four"のメンバーとして活躍、New Yorkに本格的に拠点を移したParkerは46年52nd StreetでDizzy Gillespieと47~48年にはIllinois Jacquetと共演し、その後はFats NavarroJ.J. JohnsonTeddy EdwardsWardell Gray、そして Charles ThompsonらとRecordingした。ThompsonとはApollo Recordsで“Mad Lad”というヒットを放った。しかし、Parkerもまたおクスリ関係で、活動に支障をきたすようになってしまうのだった。それでも61年Blute NoteからComebackしてLeader AlbumLet Me Tell You 'Bout It』をリリース、本作は同年に録音されたがParkerは翌年62年心臓発作36歳で短い生涯に幕を閉じてしまうのだった。

 

 『Rollin`With Leo』はLeo Parker61年10月に録音し19年後の80年Blue Noteからリリースされたアルバム。TrumpetにDave Burns、ピアノにJohn Acea、9月に録音された『Let Me Tell You 'Bout It』から引き続きTenor SaxのBill Swindell、ベースはAl Lucas、ドラムスはWilbert Hogan、2曲のみ前作から引き続きベースのStan Conover、ドラムスのPurnell Riceが引き続き参加している。

アルバム1発目はParker自作のご機嫌なBluesThe Lion's Roar”。Parkerが泥くさくキメればDave BurnsのTrumpetoソロ、Bill SwindellのTeorソロもご機嫌である。

ベースのStan Conover作のMinor BluesBad Girl”。ここでのBurnsのTrumpetソロが痺れる。John Aceaの哀感溢れるピアノ・ソロも良し。

Parker作“Rollin' With Leo”は40年代のJump Bluesの時代の残り香がイイ感じ。Parkerもノリノリで、Aceaの跳ねるピアノ・ソロも良き。

Illinois Jacquetの“Music Hall Beat”はIllinois Jacquet And His All Stars時代の47年リリースのSingle曲。こういう曲での生き生きとしたParkerのバリサクが最高。

Jumpin' Leo”もJumpの時代生命感漲るノリがご機嫌なParker作のBlues。

John AceaEarthyなピアノで始まるParker自作のコテコBluesTalkin' The Blues”。Aceaのピアノ・ソロがまた絶品でたまらんすなあ。

Coleman Hawkinsの“Stuffy”。これまた豪放にSwingするParkerがイイ感じ。

最後をシメるのは“Mad Lad Returns”。勿論Parker作でゴリゴリとWild疾走感に満ちたBeatにのってキメまくる。

(Hit-C Fiore)

  P. Trio60年代にBrasilから星の数ほど誕生したJazz Samba Trioの中でも謎に包まれたGroupのひとつである。PaladiumというBrasilのMinasに設立された謎のMinorなLabelからリリースされた彼ら唯一のアルバムと思われる本作、漫画で女性の顔が描かれたジャケットやTrioの名前からして如何にもB級な香りがどしても漂ってきてしまうのだが、中身は意外にご機嫌な出来で、BrasilにはやっぱりMinorなLabelにも、まだまだ知られざる秘宝が眠っているのだなと感心してしまうのだった。とにかくこの P. Trioについては、詳しいことは何もわからない、メンバーの名前すらわからない、当時の流行にのった企画モノ的なアルバムといえなくもないが、演奏技術もそこそこだし、Arrangeのセンスも良く、派手さこそないがSimpleなゆえに端々から感じられるどこか典雅な風情はB級で片づけてしまうには、あまりにも勿体ないように感じられる。と思っていたら、Arrangementを手掛けているのはMinasuBelo Horizonte出身のComposer/Pianist/ArrangerのAécio Flávioであった。Aécio Flávioといえば、65年にFestivalというLabelからリリースされたアルバム『Música Popular Brasileira Em Expansã』にはMilton NascimentoがSoloでDebutする前のAécio Flávio Sextetoらとの音源が収録されていたのだった。冒頭を飾る1曲目“Cancão Do Sal”はBitucaというMiltonの子供時代のNicknameでCreditされているが正にMiltonの歌声が聴けるし、楽曲もMiltonの手によるものであった。Aécio FlávioはBelo HorizonteにあるFaculdade Mineira de Arte音楽理論/和声を学び、Instituto Villa-Lobosでプロのための対位法編曲の本格的なTraningを受けた、当時のMinasを代表する音楽家であった。それを考えれば、Aécio Flávio自身の楽曲こそ収録されていないが本作での極上のArrangementは納得なのであった。

 

 『Embalo』はP. Trioが67年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目はChico Buarqueの名盤『Chico Buarque De Hollanda』収録の“Meu Refrão”。

Victor Young作曲の“Love Letters”。こちらはBossaというより優美なMelodyピアノがSimpleに紡ぎ出すだけなのだが、コレがイイ感じ。

The Shadow Of Your Smile”もまた、ごくごくSimple魅惑の旋律をピアノが奏でるだけだが、ベタッとせず心地良く聴かせてくれる。

Rita”はChico Buarqueのこちらも『Chico Buarque De Hollanda』収録の“A Rita”。これまた高揚感溢れる心躍るMelodyがBossにのって最高。

Brasilではお馴染みPixinghuinha作曲João De Barro作詞の大好きな曲“Carinhoso”は何回聴いてもウットリしてしまう珠玉のMelody

Gilberto Gilの“Roda”はVocalも登場して、これが躍動感あふれる極上の仕上がり。

大好きなSambista Zé Ketiの“Mascarada”。どこか憂いを秘めたMelodyを奏でるピアノに思わず酔いしれる。

これまた大好きなChico Buarqueの名曲中の名曲 Noite Dos Mascarados。格調高い演奏も文句なし。

Luiz Bonfá作曲のこれまた名曲“Velhos Tempos”。イントロの低音で鳴らされるピアノの左手から最高でグイグイ惹きこまれてしまう。

Baden Powellの“Do Jeito Que A Gente Quer”。これまたイントロが最高。心地良く、極上のMelodyを奏でるJazz Bossaに思わず腰が動き出す。

Herb Alpert and the Tijuana Brassで知られる“Spanish Flea”はマッタリ風味で、これまた味わい深い演奏。

アルバム最後をシメるのはEdú Lôboの名曲中の名曲“Pra Dizer Adeus”。これは、たまらんすなあ。

Do Jeito Que A Gente Quer/P. Trio

(Hit-C Fiore)