英国伝統のツイン・ギターというのがあって、Wishbone AshとJudas Priestが、自分にとってBritish Rockのツイン・ギターの双璧であることは疑いの余地はない(当然Status QuoとHumble PieとFoghatは別格である)。Iron Maidenとか、IrelandのThin Lizzyや米国のThe Allman Brothers Bandや初期The Doobie Brothersや、やはり初期のSteely Danなどのツイン・ギターも大好きなんだけれど、やっぱりこの英国から登場した2つのバンドの持つ雰囲気というのが好きなのだ。Judasを知ったのはドラムスを叩き始めた頃、手伝いをさせていただいたThrash Metal系のバンドの先輩たちに教えていただいたのだ。なぜにThrash MetalとJudas?と思う方もいらっしゃるだろうが、Judasはスピード感に溢れ、Riffでガンガン攻めたてる曲が結構あって、そういう曲を好きな人も多いのであろうし、Thrash Metalに通ずるところもあると思う。名前は聞いたことがあるが、実際にアルバムをじっくり聴いたことはなかった自分は、最初にジャケットからしてインパクトのある本作を貸してもらったのであった。自分としては、スピードを落としたドッシリしたノリで執拗にRiffを繰り出すJudasが大好きであり、本作の“Grinder”や“United”といった曲にやられたのだ。Judasは『British Steel』というアルバム・タイトル通り、本作以降、鋼のようにより硬質なMetal道を追求していくことになる。過去にさかのぼってJudasのアルバムを聴いて、K.K. DowningとGlenn Tiptonの奏でるツイン・ギターの魅力に目覚めた当時の自分ではあったが、今でも時々聴きたくなるのは彼らのSolidなRiffである。
『British Steel』はJudas Priestが80年にリリースした通算6枚目のスタジオ・アルバム。
アルバム1発目は“Rapid Fire”。いきなりトップギアで突っ走るリズム隊にのって攻めたてるRiffが最高。Rob Halfordが腹の底からShoutして貫録をみせている。
腰を落としたMidiumのノリで突き進む“Metal Gods”。この曲名はバンドの愛称となった。
“Breaking The Law”は泣きのRiff、日本の歌謡曲のようなMinorなChord進行に口ずさみたくなるCatchyなサビ、琴線に触れまくるナンバー。
コレだよ、コレのRiffがカッコイイ“Grinder”。Glenのギター・ソロもカッコイイ。
これまたRiffが激カッコイイ“United”。サビは泣きが入ったメロというのも面白い。
RobのVocalが珍しく一瞬Bluesyになるのが興味深い“You Don't Have To Be Old To Be Wise”。
サビがCatchyでアメリカンな“Living After Midnight”。ギター・ソロもそれ風。
Reggae風で始まり重量級のRiffが突き刺さる展開が面白い“The Rage”。
最後のシメは疾走感に溢れる“Steeler”。
◎Grinder/Judas Priest
(Hit-C Fiore)