野良犬の足跡 -5ページ目

MACKEREL

海面をダイヤのように輝いてる魚 サバサバ鯖

ヘンに威勢がいい だだっ広い海上を我が物顔で飛び跳ねている

まるで自分の勇姿を鼓舞するかのごとく


今日も堤防で群れを見た サバサバ鯖

ココでは無用の魚 大物の餌扱い


身体の中に虫がいて刺身に出来ない魚 サバサバ鯖

庶民の食べ物なのか 郷愁を誘うのか


この鯖のように群れの中で息を潜めていたい

この鯖のように僕の中にも寄生虫がいるのだろう


はたして僕もこの鯖のように海面を跳ねる時が来るのだろうか?


今日もまた群れを成して颯爽と現れる サバサバ鯖

日の光のように眩しく輝いている輝いている輝いている


でもここでは雑魚扱い、雑魚扱い、雑魚扱いさ。


ATHLETIC MEET 2

「パーン」


フィールドに銃声が鳴り響く

フィールドに銃声が鳴り響く


各者思い思いの信念を持ちながら一斉にスタートした10月

少しばかりかつての栄光に余裕の顔を見せていた自分


スタートから第一第二コーナー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

悪くない悪くない悪くない


「いける。いけるぞ!!!」


かつては勉強しないでトラックを夜になるまで走り廻ったっけ?

強豪相手に気後れすることなく有終の美を飾ったっけ?


「凄い凄いよ!!」

「お前も案外やるな。」

「見直しちゃった。」


賛美の華に思いっきり寝そべってたあの頃


驕り高ぶるヤツには制裁という非情の手段が与えられる時もあるという

それは第3コーナーで起こった


コーナーを曲がりきる瞬間、誰かに足を引っ張られたような気がしたが最後

砂の荒野にキスをした


終わった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな気がした 時計が止まった瞬間だった

自分の視界が360度回転したのがわかり、簡単に答えを出してしまったんだ


いや、違う。違うんだ!!!

勝敗にこだわってなんかいなかったんだ!!


右足に勲章を背負いながら再起をかけ、自分は重い腰を上げた

純白の明日というテープがまぶしく、そして遠く感じながら、また一歩走り始めた自分


まだいける。やれるぞ

まだいける。やれるんだ




ATHLETIC MEET

フィールドに銃声が鳴り響く

フィールドに銃声が鳴り響く


各々が顔を強張らせ、スタート位置に向け、歩いていく

なぜか背中をうなだれて、まるで重労働者のよう

明日のことなんて考えちゃいない 今この第一足に全身全霊でかけてみる


緊張がこだまのように駆け巡り、再び自分に舞い戻る

かつての栄光に縛られてないか?最終チェックは怠ってないか?

自問自答を繰り返しながら 足や手の緊張をほぐす自分


順番はどうでもよかった この時この場所と一体になりたかったんだ


また出かける日もそんなに遠くない

また出かける日もそんなに遠くない


ほんのほんのほんのわずかな暖かさに笑みを浮かべる自分

先のことは分からない 先のことは分からない


ピストルの音から全てが始まるんだ

ピストルの音から全てが始まるんだ



つづく

CROSSWALK?

「向こうの信号機まで駈けよう。ダメ?」

「えー?!」

と言うやいなや、スターターのピストルは発射されるわけで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そう、きっかけは突然現れ、僕を困らせる。今回も例外ではなかった。

彼女はいつでも走れるようにだろうか?履きこなれたスニーカーを常に愛用していた。

走る体勢は整っていたんだ。


平凡な一日にアクセントを付けてくれるだろうか?

「信号青なら駈けるモノなの?」


彼女も陸上部出身なら僕も陸上部在籍者。

お互いの技量を試すチャンスだ!!


「手加減はしないさ。いつでも受けて起つよ。」


そう、いつも言ってたっけ?

それにしては彼女が駈け出した瞬間に呼応して走ってもよかったような?

ほんの少し気持ちに余裕があった僕


いやいや、本当は彼女の背中を見たかった。背中に見とれてたんだ!!!

ほんの一瞬だけ彼女の背中が止まっているような気がした。


「うぉー。そう来たか。」


僕は少し笑みを浮かべながら、彼女の背中を追いかけた。追いかけた。追いかけた。

まるで背中に答えがあるかのように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


矛盾だらけの都会の喧騒に駈け、そこに答えが見出せるかのごとく全力で走る二人。

それは信号が赤に変わるまで、赤に変わるその時、その瞬間まで。


はたして、チャンピオンフラッグを手にしたのは、彼?彼女?それとも二人かもね。


太陽が雲の間から顔を覗かせてる日の出来事だった。

アンダーグラウンド

「あーーーーーー」


突然クラッとし、倒れそうになって壁に寄りかかる。ここは地下鉄。

いつまで続くか分からないエスカレーターを降りていく人、 人、 人。

何かに吸い込まれそうだ。


やっとのことでプラットホームに辿り着き、呼吸を荒立てながら電車を待つ。

永遠と続くのかわからない地下鉄を待つ人、 人、 人。

気でも狂いそうだ。


地下鉄のことをイギリスではチューブまたはアンダーグラウンドと言うらしい。


ついに待っていた地下鉄が到着する。

でもなぜか電車には僕が乗っている。ここにいるこの僕が・・・・・・・・・・・

そいつはイスに腰掛けながら、僕を見て笑っていた。僕は呆然とし、電車を乗り過ごした。

アレは何?何だったんだろう?幻覚か?白昼夢か?


ここは地下鉄。ここは地下鉄。

アンダーグラウンド

アンダーグラウンド

アンダーグラウンド

clock

今はCLOCKが好きだ。WATCHじゃなく。


ボーンボーンボーン


僕の心に語りかけている。

最近まではWATCHが好きだったのに。

左手にアクセサリーがわりで何種類も所有し、TPOに合わせて付け替えてた。でも音は聞こえない。聴こえない。キコエナイ。

自分自身で今の時を見ようとする意識が無い限り反応してくれなかったWATCH


ボーンボーンボーン


今日も時を刻んでいるアイツ。音楽、そしてテレビの隙間から僕を覗き見ながら、スカスカの空間に釘を刺すCLOCK

時には僕の頭の中で一番鳴り響いている時だって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

脳が秒針で左右に揺り動かされてるようだ。

「うわぁーーーーーーーーーーーー。」


ボーンボーンボーン


今日もどこからか聞こえてくるだろう。部屋からそして外出先、職場でも。

プライベートなんてありゃしない。


僕は今CLOCKが好きだ。WATCHじゃなく。

WATCHじゃなく。WATCHじゃなく。

砂の泪

「泣いてるでしょ?!」

「泣いてないよ!!」


押し問答での勝利者は常に僕と決まっていた。

君の頬を伝わる露に僕は手で触れ、その生暖かさに身体を震わせていた。

そのまま君の頬に口を添え、そのまま君の唇まで辿り着く。


どこからか汽笛が鳴り、さぁまた旅の始まりだ。

どこからか汽笛が鳴り、さぁまた旅の始まりだ。

今度は少し長くなりそう


「今度はいつ会えるの?」

「さぁ、いつだろうか?」


答えは決まっているのに何度も同じ会話を繰り返してた。

間が空いたのか?コミュニケーション?何が決まってるのだろう?


どこからか汽笛が鳴り、さぁまた旅の始まりだ。

どこからか汽笛が鳴り、さぁまた旅の始まりだ。


今度は少し長くなりそう

今度は少し長くなりそう

今度は少し長くなりそう


ジェリーフィッシュ

海面に誰に頼ることもなく助ける様子も無くただただ浮いている物体。それはクラゲ。

色も無くにおいも無い。ただただ流れに任せて浮いているだけ。

僕の人生そのままさ。


僕は一体沈んだのか?浮いてるのか?


宙ぶらりんな自分を突き詰め、浜のそばまで追い込まれる。

両手を挙げながら後ろ伝いで海面に近付いてく。海水までもうすぐそこ。あとがない。

自分の顔も引きつり出した。


浜にぶちあたり、日に当たれば消えてしまう。そんなはかなさも併せ持つクラゲ。


かといって刺されれば相手を死まで送り届けることもある物体。それもクラゲ。

窮鼠猫を噛む。こんな世の中で起死回生の一刺しを出来るチャンスは僕にも到来するのだろうか?

「いつか、お前らを見返してやる!!」心の中で何度も叫んだ、あのヤングジェネレーション。


水の母と書かれるだけあって、他のものが絶えても生き残るだろうといわれているヤツ。これもクラゲ。

僕もこの世の中で生き残れるだろうか?


機会を伺おうユラユラ揺られて、傍観していよう浮かんだまま。

生き残れるその時まで生き残れるその時まで

はなれない・は・な・さ・な・い

暖かいセリフ 僕にくれないか

何よりも早く 何よりもうまく


シナリオ通りじゃ あなたのセリフ

ありふれてるけど はなれない


公園や海辺 星空の下で

恋のハイライト 僕は欲しいのさ


好きですと君がしゃべりだしたら

ありふれているけど 大事なところに

グサッと張り付いて はなれない


監督の合図 何もないけど

決め手の二人 ラストシーンは


ありふれているけど 世界で一番の

あなたを絶対にね はなさない

はなさない はなさない

野良犬を追いかけて

「おいおい!!待てよ。待てよ。」


ついさっきまで君の鼓動が肌で感じるくらい、寄り添いながら芝生に寝そべってたのに、突然君はハッと跳び上がり、僕のおでこにすばやくキスすると舌を出しながら走り、そして見えなくなった。

何年いや何千年も同じことを繰り返してる。僕も同じ光景を何度も見てるようだ。いや何度も同じことを演じてるような気がした午後の昼下がり。

僕の目の前で君は太陽の傘の下の天使のようにグルグルと廻っている。廻っている。何がおかしいのだろう?うっすらと笑みを浮かばせながら、両手を目一杯拡げ、光合成に精を出していた。


かつては追いかけて、かつては追いかけられて、いつの間にか君の背中を眺めていた今。

これから何が起こる?それもこれもまた同じこと。同じように演じればいいじゃん!?不敵な笑みを浮かばせながら、やけにまぶしい光をみつめていた僕。


キスした君はダレ?前にも会ったよね?また会いたいために想い出し、会うために寝転んだのか?

君は一体僕に何をさせようと?何をすれば君は満足なの?

君は一体?君は一体?


「おい!!おい!!待てよ。待てったら!!」


好機到来か?僕自身限界だったのか?寝そべってたのに引導を渡し、かすかに煮え切らない腰を上げ、君のそばに向かって駆け出した。駆け出した。


本当は僕もグルグル廻っていたい。君の手に触れたいんだ!!!

君を確かめたい。君を確かめたい。君はダレ?君はダレ?